今まで、寒い時期や長時間の調理が必要な時は、ガソリンストーブであるウィスパーライトインターナショナルを使っていました。
比較的コンパクトに収納でき、乱暴に扱っても壊れず、手入れをろくにしなくても元気に動作してくれるのですが、ウィスパーライトインターナショナルは火力の調節能力が貧弱でした。火力調節とはほど遠い、火を点けるか消すのみという男らしい性能。
これでご飯を炊くときは、PRIMUSフォールディングトースターを使い、クッカーとストーブ本体を離して仮想の弱火状態にする必要がありました。
レガーのフリーズドライ食品の調理時も、焦げ付かないようにクッカーを持ち上げて火力調節。
レガーのフリーズドライ食品の調理時も、焦げ付かないようにクッカーを持ち上げて火力調節。
デザインのシンプルさと頑丈さが気に入っていたのですが、人間はやはり楽な方へ進みたくなるもので、火力調節ができるドラゴンフライ・ストーブを購入してしまいました。
製品名:DRAGONFLY(ドラゴンフライ)
メーカー:MSR(アメリカ)
重量:395g(本体+ポンプ:カタログ値)
US定価:$129.95 USD
国内定価:¥23,625
メーカー:MSR(アメリカ)
重量:395g(本体+ポンプ:カタログ値)
US定価:$129.95 USD
国内定価:¥23,625
大きめのクッカーや鍋が使えるサイズですが、逆に小さなシエラカップはそのままでは使えません。
ゴトク間に針金を渡したり、焼き網を置いた上にシエラカップを乗せる必要があります。
MSRはエスプレッソスターという、シエラカップなどを載せるための製品を販売していましたが(現在は廃盤)、ドラゴンフライでは使えません(MSRは使えると謳っていましたが、ゴトクの上に「載せる」だけで何の引っかかりもないので、不安定)。
ゴトク間に針金を渡したり、焼き網を置いた上にシエラカップを乗せる必要があります。
MSRはエスプレッソスターという、シエラカップなどを載せるための製品を販売していましたが(現在は廃盤)、ドラゴンフライでは使えません(MSRは使えると謳っていましたが、ゴトクの上に「載せる」だけで何の引っかかりもないので、不安定)。
収納状態はこちら。
ウィスパーライトと比べると、かなりかさばります。
MSRのサイトによると、2リットルサイズのクッカーに収まるサイズだそうですが、単独が多い私は、2リットルのクッカーなんてなかなか山へ持って行きません。
MSRのサイトによると、2リットルサイズのクッカーに収まるサイズだそうですが、単独が多い私は、2リットルのクッカーなんてなかなか山へ持って行きません。
MSRのストーブに付属するスタッフサックはすべて共通のサイズのようで、ウィスパーライトなら風防やトリリウムベースも一緒に楽に収納することが出来たスタッフサックも、ドラゴンフライの場合は、ストーブ本体を収納するだけで結構な容積を取ってしまい、風防とトリリウムベースを入れるのは窮屈。
かさばる代わりに、収納状態から展開するのは非常に簡単です。
3本の脚(ゴトク)はあっという間に展開でき、脚を広げると同時に、ホースの付いた燃焼部がホースの重みで自動的に倒れてきます。これをちょっと押し込んで定位置にロックするだけ。
3本の脚(ゴトク)はあっという間に展開でき、脚を広げると同時に、ホースの付いた燃焼部がホースの重みで自動的に倒れてきます。これをちょっと押し込んで定位置にロックするだけ。
プレヒートや点火はウィスパーライトと同じ容量です。バルブはポンプ側とストーブ側に1つずつ、計2つありますが、基本的に使用中は燃料ポンプ側のバルブは全開のままなので、実質使用するバルブは1つだけ。
ポンプ側バルブを全開にした後、火力調節用のバルブを開けて燃料を出し、それに火を点けてプレヒート。火が小さくなったら、再び火力調節用のバルブを開けて点火。火が安定するのを待つという手順です。
弱火の時は普通の燃焼音ですが、中火以上にするとすさまじい音を出してくれます。
以前、雪山でドラゴンフライを見せて頂いた時は大きな音だとは感じませんでしたが、あれは火力を抑え気味にしていたのかな。
風の強い山頂で使っていても、自分で「うるさい」と感じるほどですから、周囲の人たちにとっては迷惑だろうな。
以前、雪山でドラゴンフライを見せて頂いた時は大きな音だとは感じませんでしたが、あれは火力を抑え気味にしていたのかな。
風の強い山頂で使っていても、自分で「うるさい」と感じるほどですから、周囲の人たちにとっては迷惑だろうな。
その轟音の秘密は、燃焼部の単純さにあるようです。
▲燃焼部のアップ。ジェットから吹き出したガソリンはその場で燃焼し、上にある半球状のスプレッダ(spreader)で円形に広げられる。中に見えているパイプ状のものは、燃料供給用ではなく、収納時に燃焼部を回転させるためのシャフト。
▲燃焼部を回転させるためのシャフトが出てきたので、ついでに燃焼部の真下の様子もどうぞ。短いロープが巻かれていますが、これがプレヒート用の燃料を染みこませるための芯。ロープが囲んでいる金属ブロックの中を燃料が通ります。
静かな製品は、ジェットと燃焼部分の間に何かしら音を静かにするための工夫が施されていますが、ドラゴンフライやXGKの場合は、そんな工夫は一切ありません。
音はジェット機並みにすさまじく、収納状態はかさばりますが、売りである火力調整能力はすばらしい。
本当に思いのままに火力が調節できる印象です。
本当に思いのままに火力が調節できる印象です。
MSR製品に共通していますが、バルブは円筒形のつまみを使わず、針金を成形した平らな形状のものをつかっているため、手袋をしていてもバルブの感触がしっかり感じられ、細かい調節が楽に行えます。
雪の上で使うときは、MSRのトリリウムベースと組み合わせます。
最後に、ドラゴンフライ(MSRサイトによると2リットルクッカーに収納可能)と同社製のWindPro(シマーライトと同形状。MSRサイトによると、1リットルクッカーに収納可能)のサイズ比較をしてみます。