播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

頑強な防水容器:ペリカンケース

景色や滝の撮影用にムービーカメラを山に持って行くことがあるのですが、私の持っているデジタルムービーは防水ではありません。(今は日常生活防水レベルの物が手に入るようですが、私が購入した当時は防水仕様の物はありませんでした。)

 

ジッパータイプのナイロン袋に入れてからクッションバッグに入れることで、雨や衝撃からムービーカメラを守るようにしていました。しかし、もっとしっかりしたものでガードした方が良いでしょうし、ナイロン袋とクッションバッグという二重の入れ物だと出し入れが面倒なので、いつものようにWebでいろいろと防水ケースを探してみました。

 

撮影の際は防水ケースから出しますから、出し入れが簡単なもので、衝撃と水から内容物を守ってくれる製品ということで見つけたのが、ペリカンケースと呼ばれるプラスチック製の箱です。

 


メーカー:Pelican(米国)
製品名:1020 Micro Case
US定価:$17.40
日本定価:¥2,730
防水性能:15m

 

私は1020というサイズの物を購入しましたが、他にもいろいろなサイズが用意されています。小さなものでは携帯電話が収まる程度のサイズ~大きなものでは、スコープ付きのライフルがすっぽり入るサイズや大型のクーラーボックス並のものまであります。
最近はiPOD専用のペリカンケースも出たようです。

 

1020の外形寸法は12.1cmx16.2cmx5.4cm(カタログ値)です。内寸は、9cmx13.5cmx4.3cm(カタログ値)です。

 

スーツケースのように長辺側にちょうつがいがついており、下半分にはゴムのような素材で出来たトレイがつけられています。
このトレイの縁がパッキンの役割を果たし、高い防水性能を発揮するようです。

 

Pelican社のWebサイトによると、ケース本体はポリプロピレンで出来ており、耐久性を高めるために金属部品はすべてステンレス製になっているそうです。

 

ペリカン社の防水ケースは大小様々な物が用意されており、大型の物は中にスポンジが入っていて、内容物がケース内で動かないように固定できます。

 

しかし、小型のケースにはスポンジがありません。そのため、中に入れた物がケース内で自由に動いてしまいます。
(注:実は、小型ケース用のスポンジもオプションパーツとしてPelican社から販売されています。が、日本国内ではこのスポンジの単品売りが見つけられませんでした。)

 

いくらケースが頑丈でも、中でケースの内壁にガンガン当たれば内容物が傷んでしまいます。ということで、内容物(私の場合はムービーカメラ)を固定するためにラバースポンジを貼り付けました。

 


▲蓋の内側とインナートレイに2本ずつ黒い帯状のクッションが見えますが、これが自分で取り付けたラバースポンジです。

 

こうしておけば、蓋を閉じてロックしたとき、デジタルムービーカメラがしっかりとスポンジに挟まれて動かなくなります。ケース内で浮いた状態で保持されるので、衝撃にも強そう。

 

ラバースポンジを買ってきて細長く切り、両面テープで貼り付ければ済む話ですが、作業を楽にするために、はじめから細長く切られており、しかも両面テープまで付いている防水仕様の「すきまテープ」を利用しました。
すきまテープとは、窓やドアの周囲の隙間をふさぐために使う製品で、日曜大工店で数百円で売られています。

 

ただし、すきまテープの素材の性質かも知れませんが、長時間ケースを閉じていた後に開くと、妙なニオイがします。
また、中に入れる物の素材によってはすきまテープの色が移ったり、表面が傷む可能性があります。
不安な方は、すきまテープではなく、他の素材を使ってください。

 

ところで、気密性の高いケースを気圧の低い場所(山の上など)で閉じると、下山後に開くのが大変ではないかと思われるかも知れません。

 

その点もペリカンケースはよく考えられており、周囲の気圧とケース内の気圧を同じにするAuto Purge Valve(圧力自動調整バルブ)と呼ばれるバルブが付いています。

 


▲赤丸で囲んだ部分が圧力自動調整バルブ。

 

このバルブの仕組みは簡単で、中にゴアテックスメンブレンが張られているだけです。
ゴアテックスの通気性を利用して、ケース内外の気圧を一定に保つわけです。
ゴアテックスなので、液体の状態の水は通しません。水蒸気は通してしまいます。

 

ペリカンケースにはアメリカ政府が物品の調達に使用するNSNナンバー(National Stock Number)が設定されているので、米軍やその他政府機関でも使用されていることが分かります。
つまり、品質はバッチリということです。

 

米軍で使われているから一般のお店で手に入らないという訳ではありません。
日本ではグレゴリー社の製品などを扱っている「A&F」がペリカン製品の輸入代理店になっているので、一般のアウトドアショップでも売られています。

 

欠点は、この程度の大きさで重さが300gもあるということです。(大型の製品はすごい重さでしょうね。)
しかし、大切な機械を守るためですから、多少の重量は我慢することにします。