播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県西脇市の西光寺山(712.9m)

 

いつもコメントを頂いている やまあそ さんにサギソウの自生地があることを教えて頂き、西脇市にある西光寺山(712.9m)に行ってきました。
注:登山口は篠山市側でしたが、三角点の所在地が西脇市になっているので、ここでは西脇市の山としています。

 

サギソウの自生地は山の麓にあるのですが、せっかくですから西光寺山にも登ってみます。

 

8:00
姫路の自宅を出発。

 

国道372号線をひたすら東へ進んでいきます。372号線は一直線になっておらず、社町付近で複雑な形に曲がっているので、道路地図やナビを頼りに進んでいきます。

 

2万5千分の1地形図「谷川」で今田町本荘と書かれているところに215m標高点のある交差点があります。この400m西にある交差点を左折し、突き当たりを左に曲がると、七星ソースという会社があり、その先に地形図にも載っている墓地があります。この墓地の駐車場に着いたのが9:20。

 

お墓参りの方の車が1台止まっているだけで、他のハイカーは来ていないようです。

 

9:28
装備を調えて出発。

 

9:33
林道を北西へ歩いていくと、送電線巡視路と自然歩道の分岐に出会いました。巡視路も広いきれいな道に見えますが、入り口に丸太が置いてあるので入らない方が良いのかも知れません。

 

送電線巡視路は無視して林道を進みます。

 

9:34
右手にため池が見えます。
堰堤があり、その脇には乗用車が数台止められそうなスペースがあります。

 

車が1台やっと通れる幅の林道で、今も使われているのかな?と思いながら歩いていると、軽トラックが前からやってきました。墓地に車を置いて良かった。無理に入っていけば、この軽トラックとすれ違うことが出来ません。

 

9:39
林道が沢を横切る地点に来ました。
地形図では262mの標高点があります。ここには公設の道標が立っており、「サギソウ自生地 0.1km」と書かれています。

 

サギソウに出会えるのを楽しみにしながら橋を渡り、さらに林道を歩いていきます。
幅の広い林道なので蜘蛛の巣がなく(軽トラックが払ってくれた?)、適度に日が遮られて快適な道です。(虫はすごいですが)

 

9:42
サギソウ自生地に到着。
かかしが立っており、その周囲に湿原を保護するための木道が作られています。

 

見たところ、サギソウはまったく咲いていません。単なる草むらに見えるのですが、よーく見ると・・・、咲いていました。両手で数えられる程度の数ですが、確かにサギソウが咲いています。

 

小さくて可憐で優雅な形。
私は姫路市民なのですが、姫路市の市花がこのサギソウなのです。子どもの頃植物園で見たサギソウの形が印象に残っており、自然に咲いている姿を見てみたいと思っていましたが、ついに見ることが出来て大満足です。やまあそさん、ありがとうございました。

 

9:51
これで十分満足したので、西光寺山に登るのはやめて帰ろうかと思いましたが、どうせ家に帰っても暇だし、山に登る準備をしてきているし、ということで林道をさらに登っていきます。

 

9:54
林道の脇に四阿が現れました。
中に入ってみると、金の鶏にまつわる民話の書かれた説明板が掲示されています。
この周辺は日陰になっていて涼しいので、民話を読みながら体をさまします。

 

四阿から先は、日当たりの良い崩壊した林道です。かなり荒れていますが、オフロード用の軽四なら何とか通れそう。草や枝が車体の側面に当たることは必至です。ちょっと傷が付いただけで大騒ぎする自動車愛好家でなければ、この林道を登り詰めて終点に駐車しても良いのかも知れません。(路面が荒れているのでお勧めできませんが)

 

この日当たりの良い林道、正面に西光寺山を見ながら歩くことが出来ます。

 

10:08
日当たりの良い林道は、地形図の通りまもなく終点になります。ここはちょっとした広場になっているので、車で入ってこれるなら、ここに駐車すれば良いでしょう。

 

林道終点からは、しっとりとした雰囲気の良い山道になります。

 

10:12
炭焼きがまが現れました。

 

まだ現役で使われているような雰囲気です。
ここには公設の道標が立っており、山頂まで1.1kmと書かれています。1km程度なら楽勝と思い、かまを通り過ぎて行くと道は一気に狭く、急になります。

 

左右が雑木の幅の狭い登山道なので、蜘蛛の巣が大量にあるし、先日の伊勢山よりはマシですが、セミが飛び回っています。

 

10:15
ふと道ばたを見ると、道標のような石板が立っています。文字は薄くて読み取れません。

 

10:25
山頂まで0.8kmの道標。暑さと登山道の斜度のせいで、大量の汗が噴き出します。
枝を拾って蜘蛛の巣を払いながら歩きますが、取り損ねた蜘蛛の巣が顔に絡まります。

 

10:53
山頂まで0.4kmの道標。登山道の様子は全く変わりません。左右から雑木の枝や葉が張り出しているので狭く感じます。

 

11:06
山頂まで0.2kmの道標。ようやく稜線に乗りました。道標の距離が正しければ、私の歩行速度は時速1km程度だったことになります。私は暑さに弱いのでこんなに時間がかかりましたが、普通の方ならもう少し早く登れると思います。

 

11:09
見上げた視線の先に四阿が!ようやく頂上です。

 

山頂は細長く、北から順に三等三角点標石、ほこら、展望図、きれいな四阿があります。

 


▲山頂から東~南の風景を写した写真です。

 

今日の昼ご飯は、先日の暁晴山と同様にパスタ。
屋根のある四阿の中で、ジェットボイルでお湯を沸かしてパスタをゆでます。
今日は塩を忘れずに持ってきたので、おいしく頂くことが出来ました。

 

かすんでいるため展望はイマイチですが、トンボが飛び回り、のどかな雰囲気です。

 

12:00
景色と食事を堪能した後、ほこらに手を合わせてから下山します。

 

別のルートで下山しても良かったのでしょうが、暑さで頭が正常に働かないかも知れないので、一番楽なピストンを選択しました。

 

下山開始直後、中年の夫婦とすれ違いました。
ため池脇の駐車スペースに車が止まっていましたが、それがあの夫婦のものでしょう。

 

13:00
ちょうど1時間で下山完了。駐車場に戻ってきました。

 

墓地の向かいにある池を見ている男性がいます。
聞いてみると、以前はこの池にもサギソウが咲いていたとのこと。
去年は来る時期が早すぎて花を見られなかったので、今年は時期を合わせて見に来たのに、サギソウが全く咲いていないと悲しんでいらっしゃいました。
心臓が悪く、歩いて自生地まで行くのも困難とのこと。

 

有名になってしまうと、不届き者が荒らし(湿原を歩き回ったり花を持ち帰る)に来るのでしょうか。それともまだ時期が早い?

 

実は、自生地の湿原内には靴跡が付いていました。バランスを崩して木道や飛び石から落ちたような跡ではなく、明らかに歩いて湿原に入った靴跡です。

 

せっかくきれいな花を見ることが出来ましたが、ちょっと後味が悪い・・・。

 

最後に、林道終点付近の藪の中に一輪だけ咲いていた花の写真を。私は植物音痴なので、何の花なのか全く分かりません。
追記:桔梗(ききょう)だそうです。藪の中に、本当に一輪だけぽつんと咲いていて目にとまったので、蜘蛛の巣を顔で破りながら藪に入り撮影しました。