播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫・岡山県境の1000m峰:後山~駒の尾山縦走






2005年9月3日に登った後山~駒の尾山縦走の記録です。
写真を見ながら、記憶を頼りに書いています。ルートを示す赤線(特に駒の尾からの下山路)は、正確ではありません。

対応する地形図は、国土地理院発行2万5千分の1「西河内」です。

姫路から国道29号線で北上し、「斉木口」交差点を左に曲がって国道429号線に入ります。トンネル工事の脇を通り、「トリガタワ」という峠を越えて千草に入り、千種川に沿って1kmほど南下すると「室橋」交差点があるので、ここを右折して橋を渡り、「エーガイヤちくさ」の前を通過して北へ進みます。この道路も国道429号線です。

一本道なので迷うことはありません。曲がりくねった道を走り、志引峠を越えて岡山県に入ります。志引峠から西へ2.4kmほど走ったところに三叉路があります。ここを右へ入り、3kmほど道なりに走ると、右手側に後山キャンプ場への分岐が現れるので、そちらの道へ入り、1.5kmほど走ればキャンプ場の駐車場に到着します(9:40)。

広い駐車場ですが、土曜日だというのに車が2台しか止まっていません。駐車場に案内マップがあったので見てみますが、どうも内容が古そうです。

装備を整えて駐車場を出発(9:45)。登山口は、駐車場よりも手前にあります。つまり、駐車場へ行くときに登山口の前を車で通過することになります。(車で走っていても、標識だらけの登山口はすぐに分かります。)登山口の標高は約700m。

登山道は谷へ延びています。最初は丸太階段ですが、すぐに渓流沿いの小径に変わります。のんびりと谷沿いの道を歩いていると、炭焼きがまに出会いました(10:35)。ここから道は東へ向きを変え、尾根に登っていきます。

地形図通りの急な斜面ですが、道がジグザグに付けられているためさほど辛くありません。やがて木々の隙間から空が見えるようになり、尾根の上に到着。

ここからは船木山までまっすぐに道が付けられています。緩やかな斜面ですが、歩いても歩いても景色の変わらない退屈な道で、妙に疲れます。そして11:06、ようやく主稜線に乗りました。

稜線上の縦走路と南から登ってきた道の合流点には、「中国自然歩道 若杉・ダルガ峰~駒の尾山~後山山岳コース案内図」と書かれた地図があります。ところがこの地図、何がなにやら全く分かりません。ふと地図の隅を見ると、北を指す矢印が左を向いています。案内図を見ると体が東向きになるため、東を上にして案内図を描いたようです。地図を描くときは北を上にしてもらわないとわかりにくくて困ります。コースタイムが書かれていて便利ではあるのですが。

案内図を眺めているとハチに威嚇され、あわてて船木山に向けて歩き出します。わずか2分で船木山(標高1,334m)山頂に到着(11:08)。山頂といっても、縦走路の盛り上がった部分にすぎません。そのまま通過して後山へ向かいます。

この日はガスがかかっており、濃いガスがゆっくりと鞍部を通過していきます。おかげで視界はまったくありません。両側はササや雑木のせいで視界がなく、前後はガスのせいで展望無し。歩いていてもまったく楽しくありません。足下だけを見ながら歩いていると、ヘビが前を横切っていきました。この辺りはヘビが多いのかな。この日1日でヘビと数回遭遇しました。

我慢しながらゆっくり歩き、11:29、後山(標高1,344.5m)山頂に到着。地面が風化し、土台部分がかなりせり出した三等三角点標石(点名:後山)と、小さな祠があります。三室山にあるような金属製の山名プレートもありました。ここでお昼ご飯を頂きます。ご飯を食べていると、時折ガスが晴れ、展望が広がることもありました。すぐにまたガスに覆われてしまうのですが、登山中全く展望がなかったので、短時間でも景色が見られると嬉しい。

12:15、後山山頂を出発。元来た道を戻り、船木山山頂を通過し、登りに使った道との出合いも通過してどんどん西へ歩きます。稜線上は左右に背の高いササが生えているため、あまり展望がありません。しかしアップダウンは緩やかで、快調に歩けます。

12:51、四等三角点(点名:粟倉)標高1235.3mを通過。道から1mほど外れたところにある真新しい三角点標石です。

12:58、鍋ヶ谷山(標高1,253m)山頂を通過。山頂といっても、山名プレートも何もありません。周囲の道よりも若干高いかなという場所です(先ほどの三角点から歩測で位置を推定しました)。

ガスの切れ間から時々駒の尾が見えるようになってきました。そして13:17、駒の尾避難小屋に到着。建物はコンクリート製、ドアはステンレス(?)製のしっかりした小屋です。中も比較的きれい。暖炉があり、薪が置かれていました。

小屋の中を偵察してから駒の尾山頂に向けて出発。5分もかからず駒の尾山(標高1,280.7m)山頂に着きました。山頂中央には石碑が建ち、それを取り囲むように石のベンチが並んでいます。周囲の木々は伐採されているので、ガスがなければ360度の展望が楽しめるはず。ここには角が欠けた二等三角点(点名:大茅)標石があります。

ガスが濃いため、自分が歩いてきた稜線すらまともに見えません。少し休憩をした後、13:30、南へ向けて下山を開始します。

しっかりした道がまっすぐ南へ延びています。地形図の破線通りに下山する予定でしたが、倒木で道がふさがっている箇所があり、そこから踏み跡が東へ下っています。地形図でも破線は東へ下るようになっていますが、それよりずいぶん手前です。どこから東へ下山しても林道へ出られるので、気にせず東へ下っていきます。

やがて伐採された丸太が転がる暗い植林に変わり、林道に降り立ちました(14:14)標高約850m。

後は静かな舗装林道をのんびりと歩き、駐車場へ戻るだけです。

自転車をこの下山口にデポしておけば、最後の林道歩きを省略できて便利だと思います。このころはまだ折りたたみ自転車を持っていなかったのですが、次回歩くときは自転車をデポするつもりにしています。

歩行距離は最後の林道歩きを含めて9km程度、カシミール3Dで算出した累積標高差は1,700m程度です。

日名倉山から見た時は、後山~駒の尾の稜線は見晴らしが良さそうなコースに見えたのですが、実際は背の高いササが左右にあるため、ガスがかかっていなくても自分が歩く稜線が見える程度の展望しかないと思います。

積雪でササが倒れていれば、澄んだ空気と相まってすばらしい展望の稜線歩きが出来るかも知れません。