播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県宍粟市の空山(平成之大馬鹿門)






去年おごしき山にある平成之大馬鹿門を訪れたが、2本で一対になるこの門のもう一方が設置されている空山には登ったことがなかった。そこで、スノーシューが楽しめるかもしれないという期待を抱き、有給を取って後山と三室山の間にある空山に向かった。

1枚目の写真は、空山山頂に聳える平成之大馬鹿門。2枚目の写真は、空山山頂からの風景。左の方が植松山方面、中央が後山、右が沖の山方面。

午前8時に家を出る。

姫路から国道29号線をひたすら北上し、斉木口という交差点を左折して国道429号線に入る。この交差点のすぐ西には、メイプルスタジアムというスポーツ施設がある。

ここからは幅の広い、交通量の少ない快適な道路が続くが、やがて道は細くなり、曲がりくねった峠道になる。この峠の下ではトンネルの掘削工事をしているため、大型の工事車両が頻繁に行き来している。私の車は軽四なので多少狭い道でも大型ダンプとすれ違えるし、待避場所も多数ある。

トリガタワという峠を越え、細い道をグネグネと下り、千種カントリークラブへの分岐を右手に取り、広い道路に出る。こちらも峠の反対側と同じく快適で走りやすい道路だ。植松山登山口の前を通り過ぎ、どんどん西へ進む。やがて道路は千種川に突き当たって丁字路になるので、ここを右折して県道72号線に入る。

最初は細いが、すぐに道幅は広くなる。この道路をひたすら北進し、後山の登山口となる板馬見渓谷の入り口(松ノ木橋を渡ったところ。霊水の水くみ場がある)を通過。左折すると千種高原スキー場へ行ける三叉路を左折すると、すぐに道路の両側に駐車場が現れる。スキー場へ行く車のためのチェーン着脱場だ。ここが今回の登山口となる。10:00到着。このチェーン着脱場にはトイレもあり、駐車スペースもたくさんある。

空山へは西の池田集落から登るのが一般的なようだが、それだと山頂まで1時間もかからない。そこで、少し歩きごたえのあるルートとして南から登る登山道を選んだ。

雪を期待していたが、後山や三室山は雪に覆われているものの、それ以外の山に雪は見えない。スノーシューとストックを車に残し、装備を整えて登山開始。道路の北側に「高保木の森 案内図」が立っているので、これを見て大まかなルートを把握する。この高保木の森の遊歩道は、空山の南東1.5kmほどの680.7mピーク(四等三角点:大谷)の山頂へ続いている。空山への登山道は、この案内図には描かれていない。とりあえず、680.7mピークに登り、そこから北西に進めば空山への道も分かるだろうと思い、出発。(10:05)

案内図の右にある坂を上り、下からも見える青い屋根の炭焼き窯へ行く。この窯の左にある石畳(?)の急坂を登ると、680.7mピーク南の斜面に付けられた遊歩道になる。丸太階段も一部ある遊歩道だが、整備されていないようで少し荒れている。

10:25、「野鳥の森」と「アカマツの林」の分岐に着いた。アカマツの林への道は登山道らしい細い道なので、こちらへ進む。さっきまでの遊歩道とは雲泥の差だが、こちらの方が登山道らしくて良い。少し急な斜面なので息が切れる。なんとか坂を登り切って680.7m三角点ピークに到着。(10:32)山頂広場という名前だが、木々に囲まれ、ベンチとテーブルが2組置かれたこぢんまりとした広場だ。

空山に向けて山頂広場を出発。北西へ150mほど尾根づたいに進むと、「ドングリの小道」という遊歩道が南に延びたところに着いた(10:37)。道標を見ると、「空山方面」と書かれた矢印が北西を指している。これに従って尾根についた道を進む。ここからは遊歩道ではなく、登山道だ。稜線に沿って道は続いている。地形図では稜線を破線道が横切っている箇所があるが、その場所に道はなかった。そのもう一つ南の鞍部には東西に向けた道標と踏み跡がある。地形図の調査員が間違えたのかな。

稜線と破線道の交わったところから、進路がやや東に向き始める。おやっと思ったが、マーキングもあるし、素直に従ってみる。すると、ちょっとした伐採地に出た(11:00)。東側の展望がすばらしい。カンカケ越が真正面に見える。693mピーク南東の斜面にいるようだ。ということは、ここから北西に登れば良いわけだが、左手の斜面を見ても道はない。よく目をこらしてみると、伐採地の北に赤テープが巻かれた木がある。この赤テープの木から西へ進み、693mピークへ登る。

ここからはなだらかな地形の中を西北西に進んでいく。やがて進路は北へ変わり、急な斜面をつづらに登り始める。雪にうっすらと覆われたつづら折れの登山道は少しわかりにくい。折り返し地点で道をはずさないように進み、最後は50mほど一直線に斜面を登って尾根の肩に出た(11:25)。空山山頂から南東に伸びる尾根だ。

ここからは尾根にそってまっすぐに山頂へ登るだけだ。あまり緩やかではない斜面を登ること15分、空山山頂に到着(11:40)。山頂は伐採されており、平成之大馬鹿門が聳えている。山頂だけ分厚い雪で覆われており、三角点標石がどこにあるかも分からない。しかも、ツボ足で歩くと所々ズボッと膝まで潜ってしまう。どうにか雪の上を通過し、大馬鹿門の前で記念撮影(11:46)。

今日のお昼ご飯は、(レンジで2分で出来るタイプの)かやくご飯とインスタントのシジミのみそ汁。ガソリンストーブでお湯を沸かし、かやくご飯を10分ほど加熱し、そのお湯でみそ汁を作る。

雪をかぶった周囲の景色を楽しみながらゆっくりと昼食。

空山は周囲の山よりも低いので、遠くの山は見えない。見えるのは、三室山、植松山、後山から駒の尾山までの稜線、沖の山くらいか。
双眼鏡を使うと、駒の尾山の避難小屋もはっきりと見えるし、三室山の雪に付いたトレースも見える。千種高原スキー場のスキーヤーまで見える。

さんざん景色を楽しんでから下山開始(12:50)。来た道を忠実に引き返す。空山方面と書かれた道標まで戻ってきた(13:45)。ここで、せっかくだからと思い、登りに使わなかった「ドングリの小道」の方へ進んだ。明るい雑木林の中を通る気持ちの良い遊歩道だ。途中、野鳥の森への分岐があるので、野鳥の森へ進む。やがてアカマツの林との分岐に到着(13:53)。ここからは、登山時とまったく同じルートになる。そして14:12、駐車場に到着。

「空山方面」の道標から北は、登山道の両側がそれぞれ雑木林と植林になっている(一部両側とも植林)。植林の側は薄暗いが、雑木林の方は葉を落とした木々がまばらに立ち並んだ明るい林で、見ていて大変気持ちがいい。

山頂からの展望も良く、登山道の雰囲気も良い。気持ちの良い山歩きが楽しめた。