播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

たつの市の祇園嶽、亀山




たつの市街地のすぐ北にある山塊の一部である祇園嶽と亀山(きのやま)に登ってきた。

揖西町中垣内からであれば、かなり緩やかな勾配で300m付近まで登ることが出来る。最近膝に違和感を感じるので、この楽なコースを通ることにする。

姫路から新宮や三日月、佐用町方面に向かうとき、揖保川にかかる觜崎橋付近から正面に見える山塊の北端付近の山だ。亀山は地形図に記載されているが、祇園嶽は名前が載っていない。これは亀の池の北北東にある標高340.4mの三角点のこと。

揖保川にかかる龍野新大橋を渡り、県道5号を西へ進む。龍野新大橋の西詰めから約2.3km西へ進んだところに、「中垣内」という交差点があるので、ここを右折する。播磨養護学校の前を通過し、交差点から3kmほど走ったところで、中垣内教育キャンプ場という公設のキャンプ場にたどりつく。道路はここで終点になっているので、キャンプ場入り口の、道路が広くなっているところに駐車した。

地形図(2万5千分の1:龍野)では、87mの標高点になっており、広い道路が突然破線に変わるところがキャンプ場の入り口だ。

送電線が通っているので亀山の南にある三角点(382.7m、点名:佐野)から西へ下れる巡視路が通っているかと思ったが、巡視路の入り口らしいものは見つからなかった。巡視路があればキャンプ場から北へ延びる道で祇園嶽へ行き、亀山から南へ進んで点名:佐野から西へ下る周回コースをとろうと思っていたが、しかたがないので祇園嶽と亀山へ登り、ピストンで下山することにする。

10:00にキャンプ場前を出発。地形図の破線路どおり沢沿いに北へ進む。沢と道の左右の位置関係がどうも地形図と違うような気がする。
キャンプ場の中に井関神社奥宮と書かれた鳥居があったので、この道は参道ということか。乗用車が通れる幅がある快適な道だ。落ち葉を踏みしめながら冬の日差しの中を歩くのはなかなか気持ちがいい。

途中で「大成山林道(車道)」と書かれた朽ちた標柱を見つけた。幅が広いのも当然か。ところどころにある渡渉地点には歩行者用の簡易鉄橋があるが、よく見ると川で林道が分断されているところ(橋の付け根部分)には、石積みが残っている。昔は車が通れる橋がかかっていたのだろう。

10:41 黄色いビニールが木に付けられている。よく見ると、破線路から右へ分岐する道があるようだ。興味があるので地形図にないこの道へ入ってみる。この分岐は、地形図で中垣内から来ている破線道が新池と亀の池を結ぶ破線と交差する場所のすぐ南にある。

しばらくは普通の登山道が続いていたが、倒木で寸断されてしまった。またげないしくぐれない。仕方がないので斜面を登って倒木を巻いて進もうとしたが、巻きすぎて道を見失ってしまった。しかし、この辺りは木々の間が広く空いているので、どこでも歩ける。とりあえず北東に向かえば地形図の破線路と出会えるはずなので、コンパスを見ながら北東に進み、11:05無事に亀の池に到着。(結局破線路とは出会えず、地形図に載っていない道で亀の池に着いた)こんな山の上に大きな池が水をたたえている光景は珍しい。山頂の池というと、大抵干からびているか沼のようになっているものだが。

亀の池の北東端は堰堤になっている。この堰堤の上を歩き、亀の池の東へ回る。亀の池の北東には亀岩と書かれた、文字通り亀の形をした奇岩が鎮座していた11:13。

ここから道は地形図通り南に進み東へ向きを変えるが、何かおかしい。地形図とは道の形が異なっているようだ。ただ、近畿自然歩道の道標が立っているので迷う心配はない。亀の池の東、破線路が南北に分かれている辺りには、簡易トイレがあった。トイレといっても、壁と便器状の穴があるだけだが。このあたりには蛙岩(蛙の形をしているらしいが、どう見ると蛙なのか分からない)や供養碑(南無阿弥陀仏と刻まれているらしいが、どこに刻まれているのか分からない)もある。

ここから北へ進み、祇園嶽に登ることにする。地形図にはないが、稜線沿いにしっかりした道がついているので、これに従って歩く。祇園嶽の南の鞍部は峠になっており、東西に道が延びていた。道標によると、東に下れば市野保、西へ下ると上堰堤だそうだ。11:38祇園嶽に到着。古い三角点標石と新しい山名プレートがある。東側の展望がすばらしい。

昼ご飯には少し早いので、記念撮影だけして亀山へ向かう。もと来た道をたどり、亀岩近くまで戻ってきた。ここから祇園嶽まで25分かかったが、祇園嶽からここまで戻るのには15分しかかからなかった。

道標に従って近畿自然歩道を南へ進む。12:05 すぐに展望の良い場所に出た。コンクリート製の椅子と案内地図が設置されている。案内地図によると、ここは「展望あずまや」だそうだ。あずまやと名乗っているのに、屋根もない。西の斜面を見ると、屋根(?)のようなものが落ちていたので、風で破壊されたのだと思う。

展望あずまやを後にし、緩やかに登りながら歩くこと15分、亀山山頂に到着。誰もいない山頂でお湯を沸かし、袋タイプのインスタントカレーうどんを頂く。寒いときにはたまらない。

山頂からは東の眺めがすばらしい。うどんがゆであがるまでの間、双眼鏡で觜崎の屏風岩を眺めたり、姫路市街を見たりして時間をつぶした。

カレーうどんを食べ終わり、景色を堪能してのんびり過ごして13:00に亀山を後にする。もと来た道を北へ戻り、亀池の堰堤の上を歩く。堰堤の延長線上に、登るときに迷ってたまたま見つけた道(南方向)があるが、そちらへは進まず、井関神社奥宮と道標に書かれた道(西方向)へ進む。雑木林を抜け、分岐点(地形図で破線路が三角形を作っているが、この三角形の東角の分岐)で道標に従って奥宮へ続く道へ入る。道標からわずかな距離で奥宮に到着(13:40)。

ご神体とおぼしき巨岩の前に小さな祠のようなものがあり、その前にミカンが供えてあった。一通り写真を撮り、奥宮から南へ続く山道を下る。私の地図読みが間違っていなければ、これが地形図にある破線路でできた三角形の底辺にあたる破線路のはずだ。細い道をしばらく下っていくと、13:45 太い道に出た。地形図で破線路が交差している場所だ。近畿自然歩道の道標と、石の道標がある。地形図では交差点になっているが、実際にはここから少し南へ下ったところに西へ進む道がついている。

破線路の交差点を数十メートルすぎたところで、登る際に迷う原因になった黄色いビニールのある分岐点がある。あとは鳥のさえずりや動物の気配を感じながら破線路を南へ下り、14:30 キャンプ場に帰着。

祇園嶽~的場山の稜線上は、道標が完備されているので初心者でも迷う心配はなさそう。