播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

夢前町の明神山





夢前町にある明神山(667.9m)に登ってきた。
人気のある山なので、登山者は多い。しかし、静かな山歩きを楽しみたい。
ということで、明神山南西麓にある馬谷集落から尾根づたいに山頂を目指すことにした。

地形図の馬谷集落西端に神社の記号がある。ここが登山口となるが、集落の中の道は1.5車線幅で車を止める場所が見つからない。集落の奥へと入っていくと、地形図で実線が破線に変わる場所に「かじかの里」という施設があり、駐車場もある。しかし、利用者でない私が止めるわけにもいかない。かじかの里の少し西に路肩の広くなっている場所があるので、ここに車を置いた。
この場所は莇野コースでの下山口になるので、下山後すぐに車に乗れる。

馬谷集落の中を西へ800mほど歩き、地形図の神社記号(神元神社)に到着。
寝坊をしたので、少し登山開始が遅い10:30。

神社本殿の左側に踏み跡(?)のように見える所があり、そこから尾根にとりつく。

しばらくは枝のうるさい雑木藪。バックパックに付けたストックが枝に引っかかって歩きにくい。北へ向かって緩やかに登るが、尾根が北東に向きを変える辺りはシダに覆われている。シダ藪を抜け、植林の中をフウフウいいながら登っていく。なかなかの急登だ。

時々ストックが枝に引っかかってバランスを崩しながら歩いていくと、前方に明神湖が見え始める。ここで尾根が二またに分かれる。直進すると上り坂、右へ曲がると倒木の向こうに尾根が見える。山登りなのでついつい高い方へ行こうとしてしまうが、ここは低い尾根(右手)に進路を変える。ここにはちょっとした倒木帯があるが、距離が短いため尾根の斜面に下りて巻いていけばよいだろう。

左手に明神湖を見ながらの尾根を進み、急登を終えて三角点ピークに到着・・・と思いきや、三角点標石がない。常に現在地を確認しながら歩いてきたので、このピークが地形図の447.4mピークのはずだが。時間がないので標石探しはせず、さらに尾根づたいに進む。

よじ登れないような大岩が現れるので、岩の左右を見比べ、簡単に見える方に巻いて歩く。登れる岩もあるが、その先が切れ落ちていて尾根に復帰できない場合もあるので、大岩は巻いて歩く方がよい。

556mピーク(西の小明神)の南西に岩のマークがあるが、これを巻くのに失敗。岩の右手側を巻いて歩いたが、尾根の斜面をかなり下ってしまい、尾根上に復帰するのに一苦労。

556mピークは地形図通りかなりの急斜面を登らなくてはいけない。面倒なので、斜面を東へ進む。すると、ちょうど556mピークと明神山山頂をつなぐ尾根に乗った。「直接尾根に乗ろう」と思った所が、尾根と同じ標高の場所だった。東向きの尾根に乗ると、突然今までなかったマーキングが現れる。蛍光ピンクの派手なものと、黄色いビニールテープだ。

迷いようのない尾根上のルートになぜマーキングが必要なのだろう。
マーキングに頼らなくても、地形に沿って歩けば山頂にたどり着ける。

数本の倒木があるが、簡単にクリアー。そして、浮き石の多い急斜面のガレ場を苦労して登り切ると山頂だ。ガレ場では浮き石を踏んで1個落としてしまった。ゴロゴロと派手な音を立てて落ちていく。この音の迫力がなかなかのものだったのでもう1個くらい落とそうかと思ったが、遊んでいる場合ではない。

山頂到着は13:30。誰もいない。雪が降り出した。ゴアテックスの雨具を羽織り、アルミ鍋に入ったカレーうどんを調理していると、犬を連れた単独男性が上がってきた。その人はすぐに下山してしまった。普通なら下山を開始する時刻だから当然か。
暖かいカレーうどんを食べていると、知らない間に雪がやんだようだ。
14:00下山開始。

A・Bコースの方へ下っていく。14:20丸太のベンチと道標のある分岐に到着。道標に従って莇野コースへと進む。予想していた以上にはっきりとした道だ。歩く人は多いのだろうか。

地形図の442m標高点のある尾根の西の尾根を下っているようだ。所々トラロープの設置された急斜面があるが、難なくクリア。やがてこの尾根の南端に到達する。14:50。谷の出合いになっている場所だ。

少し歩くと、地形図にも書かれている堰堤に到着。ここからは道が広くなる。この堰堤を作るための作業道だったのだろう。堰堤の下には、明神滝と呼ばれる小さな滝がある。水量不足のため、迫力はイマイチだった。

この後は、今も車が通っているらしい林道を歩き、かじかの里に到着。15:15
装備に付いたゴミを落とし、車を出す(15:20)。

日曜日なのに1人しか登山者に出会わず、静かな山歩きを楽しめた。登りに使ったルートは人工物がほとんどなく、自然を満喫できるコースだった。

なお、このルートを逆回りで歩くのは非常に難しいと思う。
莇野コースは途中に尾根へ上る道がついているため、正しいコースを知っていないと脇道へ入ってしまう。初めての場合は登りに使わない方が良いだろう。
西の小明神経由で馬谷に下りる場合は、西の小明神から西へ下ってしまうおそれがあるし、馬谷に近づくにつれて複雑になる尾根の形に惑わされる心配がある。このルートは登りに使うと比較的簡単だが、下るのは難しそうだ。