播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

苫編山から籾取山へ(苫編集落から播磨高岡駅へ)






雪が残っている年末のある日に登った記録です。

自宅から自転車でJR姫新線播磨高岡駅に向かう。駅前駐輪場に自転車を置き、1両編成のディーゼル車で姫路駅へ。そこから山陽本線に乗り換えて英賀保駅で下車。運賃は200円。播磨高岡駅はホームが2つあるが、どちらで待っていれば良いのか分からず、線路の形を見て本線側のホームで待つことにした。知らない人のために、JRさんには何らかの案内表示を設置していただきたい。

苫編~籾取山塊の南端から北端までの縦走を考えていたので、南端の山崎山(貯水タンクのある山)に登ろうとしたが、登山口が分からず富士見ヶ丘の住宅街から登れそうなところを探すが、分からない。仕方がないので英賀保駅北側の車道に戻り、姫路バイパスをくぐって苫編の集落へ向かった。苫編集落のすぐ北の尾根の中腹には四阿(あずまや)がある。山陽本線沿いの道路を車で走るときいつも気になっていた四阿だ。この尾根の麓にはお寺も神社もある。地形図にも破線道が描かれているので、この裏から登山道が始まっているはずだと推測し、神社へ向かった。

姫路バイパスをくぐって集落に入り、最初の角を右(東)へ曲がる。しばらく歩くと道は左へ曲がり、北へ進むことになる。(道を左へ曲がらずに直進することも出来るが、直進する方の道は非常に細い。)左へ曲がってからこの道も細くなってしまうが、気にせず北へ進む。すると、東西に走る道路(地形図の実線道)に出会うが、ここも直進。ちょっとした上り坂を登ると、公園に入る。公衆トイレがあるので、ここで用を足す。

この公園の東の端に神社があり、その左手から巡視路が始まっている。巡視路標識は通常の関電のものとは異なり、白い横向きのプラ板で、「工英11」という文字が書かれている。「工」の意味は分からないが、「英」は英賀保線を、「11」は鉄塔の番号を表しているのだろう。

岩場を登っていくと、すぐに四阿に到着した。南向きの展望がすばらしい。ここで電車用の服装から登山用装備に切り替え、稜線に向かって登り始める。まもなく巡視路標識に書かれていた11番鉄塔に到着。小振りな鉄塔だ。鉄塔の標示を見ると、JRのものらしい。道理で関電とは巡視路標識が違うはずだ。

鉄塔からしばらくは適度な斜度の尾根を登っていき、右側から別の登山道(東の職業訓練校からの道)が合流すると、すぐに目の前に大きな反射板が現れる。反射板の北側に三等三角点(点名:苫編)があり、踏み跡をはさんだ反対側に対空標識の残骸がある。登山口から15分ほどで着いてしまった。

反射板の裏には、小さな手書きの道標が付いている。この山塊は分岐や峠に適切な道標が付けられており、初心者でも迷わずに歩けそうだ。しかし、道標に頼りすぎることなく、地形図とコンパスを使うのがベストだと思う。

本来歩く予定だった南側の尾根をしばらく見た後、北へ向かう。すぐに急斜面が始まり、90mほども下ることになる。雪が残っていたので滑りやすく、慎重に下りていく。北から歩いてきた10名ほどの団体と出会う。比較的本格的な装備をした人たちで、ジーパンにランバーパックという服装の私は場違いに見えたのか、ジロジロと見られてしまった。

急斜面を下りきり、峠に到着。西へ下れば蒲田、東へ下れば四ツ池という峠だ。ここからササの生い茂る中を北へ登り返していく。地形図で破線道が三叉路になっているところについた。ところが、実際は十字路になっている。地形図には載っていないが、西の尾根に続く道もあるようだ。

さらに北へ進んでいく。展望はない。やがて157m標高点が近づく頃、進路は東へ変わる。この辺りは新幹線の西庄トンネルの真上になる。ここにもJRの送電線が立っており、鉄塔の根本には「西庄P6 JR西日本」「上り」「下り」と書かれたプレートが取り付けられている。この鉄塔の東にある「西庄P5」鉄塔からは南東への道も延びている。道標によると、姫路商業高校に下りられるようだ。この鉄塔までに登山口から50分ほどかかっている。

籾取山へ向かうため、北へ進む。斜面を下ると峠に出た。道標によると小蓑(コミノ)峠というらしい。西へ進むと蒲田の変電所、東へ行くと循環器病センターへ下山できるようだ。この峠から100mほど登り返すと、電波反射板と送電線鉄塔が建っており、そのすぐ北に籾取山の山頂がある。苫編の登山口からここまでで1時間10分ほどかかった。

送電線鉄塔の下の岩場で、姫路市街地を見ながらカップラーメンを頂いた。今回は容量10リットル程度のランバーパックなので、体積をあまりとらないJetBoilを使った。重いという欠点はあるが、風防無しでもそこそこ早く湯が沸くので便利。

食事と景色を堪能した後、籾取山山頂へ向けて出発。といっても岩場のすぐ目と鼻の先。頂上には四等三角点(点名:籾取)標石と神戸ツキワ登山会の設置した山名プレート、そして無惨に折れた石碑がある。

籾取山山頂から北へ進むと、しばらくは歩くのが楽しい展望の良い岩場。やがて道は東へ向きを変え、186m標高点(鬢櫛山のプレートがかかっている)に到着。この標高点は登山道から少しだけはずれたところにある。(登山道はこのピークの南を巻くようについている)

まもなく道は南東に向きを変え、大岩の北を巻いて東へ進んでいく。この岩場の北側は雪や氷が多く残っていたので、危険を避けるため大岩に登ることはしなかった。この岩の上でぼーっと過ごせば楽しそうだ。

道は尾根に沿ってぐんぐんと下りていくが、琴丘高校に近づくと丁字路に突き当たる。ここを右へ進めば我が母校琴丘の校舎裏へ下りられる。今回は播磨高岡駅に自転車を置いているので、丁字路を左に進む。少しの間斜面をトラバースするように進み、送電線の通っている尾根を北へと下っていく。この尾根も一部岩場があるが、雪のせいで何度か滑り、冷や冷やしながら下山することになった。

右側にマンションが近づいてくると、鉄製の階段が現れる。もう車道がすぐそこに見えているので、ここで再び装備を電車用に切り替え、鉄階段とプラ階段を下って車道に降り立った。

苫編の登山口から2時間30分(昼ご飯の時間も含む)ほどの手軽な縦走だが、展望の良い箇所も所々にあり、岩場や緑の多い場所もあって楽しいルートだった。

琴丘高校の西にある谷の奥に、宗教団体の施設があると在学中に聞いたことがある。どんな施設があるのか今回の稜線歩きで確認できるかと思ったが、残念ながら施設を見ることは出来なかった。

在学中は体育の授業で学校の西の谷を回る破線道を何度も走らされたが、谷に入る道路にはゲートがあり、固く閉ざされていた記憶がある。あの谷の奥には何があるのだろう。