播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

多少の風ではビクともしない重い風防:Ajigomi 鉄製風防

購入の経緯

山歩きの時は景色の良い場所で昼食を食べることを楽しみにしているのですが、景色が良い場所はつまり、障害物が無い吹きさらし

そのため、強風時は温かいものを食べたくてもストーブの炎が風にあおられ、調理が至難の業になります。

アウトドア用の風防も売られていますが、軽い風防はそれ自体が風で飛ばされたり、両端をピンで地面に固定するタイプの屏風型風防は、まるで船の帆のように風を受けて風下側に膨らむように変形し、その時の勢いでクッカーをガスストーブの上からたたき落とすこともあります。


▲このタイプの風防は微風にしか耐えられない

風を防ぐ障害物の陰に入ればいいのでしょうが、せっかく展望の良い場所なのに、物陰でコソコソと過ごすのは個人的にイヤ

というわけで、重さのある折り畳みテーブル「フィールドホッパー」や、分厚くて重いMSRの樹脂製まな板を立てて風防にすることもありますが、風防として設計されていないため小さすぎたり倒れやすかったりして、とても使いやすいとは言えません。

ガス缶の首を挟んで取り付けるクリップオン ウィンドシールドもありますが、使えるクッカーは直径の小さなものに限られます

強風にびくともせず、いろんなクッカーに使える風防は無いか」と探していたら、分厚い鉄板でできた風防を発見。

登山用具は軽く作るのが一般的ですが、「使えない軽い風防は、いくら軽くてかさばらなくても余計な荷物。たとえ重くても、役に立つ風防なら有用な携行品。」と考えて、あえて重く作られたその鉄板の風防を購入することにしました。

概要

厚さ2mmの鉄板で作られた、屏風型の風防です。
重さが560gもあり、少々の風ならビクともせずガスストーブの炎を風から守ってくれます。


▲鉄製風防を実際に山の上で使用している様子(使用しているストーブはSOTO ST-310。ガス缶にはマルチカバーを巻いています。)

仕様


▲風防ホルダー(オレンジ迷彩)とセット販売されていた鉄製風防

製品名: 鉄製風防
メーカー: Ajigomi(Coffee & Camp Gear)(岡山県)
寸法: 高さ140mm×横325mm(展開時)/110mm(収納時)×板厚2mm(カタログ値)
重量: 560g(風防単体)
生産国: 日本
定価: 風防単体は¥3,400。専用ホルダーとセットの場合は¥12,200。(ブログ掲載時点)
購入先: Y's Camp Market(兵庫県神崎郡市川町)

外観

収納状態では、幅110mm×高さ140mmとコンパクトなサイズです。


▲収納状態

これを広げると、下の画像のようになります。


▲展開した鉄製風防(外側)

内側には蝶番(ちょうつがい)が溶接されています。


▲3枚の鉄板が蝶番でつながっている

使用するときは、軽くコの字型に曲げた状態で地面に立てます。


▲使用時の鉄製風防

鉄製風防が対応するストーブ

私が持っているものに限りますが、ストーブ類との組み合わせで鉄製風防のサイズ感を紹介します。

鉄製風防の高さは140mmですから、ガス缶直結型のガスストーブにはまず対応できませんが、ローダウンリモートストーブアダプターに装着したポケットロケット2であれば、問題なし。


▲ガス缶直結ストーブを分離型に換装できるアダプターを利用すれば、ポケットロケット2でも利用可能

SOTOのレギュレーターストーブ「ST-310」との組み合わせもバッチリ。


▲SOTO ST-310との組み合わせ

もともと全高が低い分離式のMSRウィスパーライトも問題なし。


▲MSR ウィスパーライトとの組み合わせ

もちろん、トランギアのアルコールストーブでも問題ありません。


▲アルコールストーブとのサイズ比較

最後に

カタログ値で560g、私が持っているものは実測で566gの重さがあります*1


▲私の鉄製風防は重さが566g

手に持つと確かに重いのですが、500mlのペットボトル1本とほとんど同じような重さですから、バックパックの中に放り込んでしまえばそれほど気になりません。

少々の風ならピクリとも動かず、安心して火が使えます。
山の上では風向きがころころ変わったりしますが、鉄製風防は地面に固定しているわけではないため、設置場所を変えるのも簡単。

私のような変わり者にしか需要はないかも知れませんが、主に(荷物の重量をそれほど意識しなくても良い)低山歩きをされており「山の上で快適に火を使いたい」という方の心には、この鉄製風防は"刺さる"かも。

私には見事に刺さりました。
刺さり過ぎて、¥12,200(風防が¥3,400、ホルダーが¥8,800)もするのに革製ホルダーとのセットを買ってしまいましたから…*2

長所

  • 空のクッカーが飛ばされるほどの強風下でも、快適に火を使える
  • ペグが打てない岩場でも、置くだけで安定して立ってくれる。
  • 体積は小さい
  • 頑丈な上に構造が単純なため、バックパックの中で他の荷物に押しつぶされようとも、変形したり壊れる心配が全くない

短所

  • 重い。(強風下で使えるのはこの重さのおかげですから、短所というのは間違いかな。)

※「重さ」こそ鉄製風防の売りですし、それを分かったうえで購入していますから、実質的に短所は無いと言えるかも。

*1:一つ一つ手作業で溶接して製造されているため、重量にはばらつきがあると思います。

*2:私が購入した時は、セットで¥12,100でした(¥100安い)。