前回、100円ショップで売られているアルコールストーブ用のゴトクを紹介しました。
その記事の中では、アルコールストーブ上端とクッカー底面との距離について海外のマニアが検証して最適だと紹介していた「40mm前後」という数値を引用しましたが、自分でも検証してみようと思い立ちました。
ただ、実験をするには高さを自由に変えられるゴトクが必要になります。
そんな物は持っていないので、ホームセンターで1つ数十円の部品を買い集めて自作することに。
その他に必要な機材は家に揃っているので、それらを準備して休日にゴソゴソと一人で実験。
▲実験のために用意した機材
アルコールストーブとクッカーとの距離は、2cm、3cm、4cm、5cmの4種類に絞り、それぞれの距離にセットしたゴトクを使用して、500ccの水が沸騰するまでの時間を計測。
気温は28~29℃、相対湿度は65~68%、無風(室内)という条件です。
▲アルコールストーブとクッカーとの間隔が2cmになるようにセットした自作のゴトク
▲間隔を3cmにセットした様子
▲間隔を4cmにセットした様子
▲間隔を5cmにセットした様子
使用した温度計は、スマホのアプリと連携してログをとれる製品。
1分間隔でログを取得しました*1。
そして、スマホアプリが出力するログ(CSVファイル)をExcelで編集し、まとめたのが以下のグラフ。
▲アルコールストーブとクッカーとの距離による沸騰時間の差のグラフ(縦線は水温が100℃に達した時間)*2
この結果、トランギアのアルコールストーブの場合は距離が3cmまたは4cmの時がもっとも早くお湯が沸くことが分かりました。
ここで紹介した「最適な距離」は、トランギアのアルコールバーナー「TR-B25」による結果です。
ストーブの種類や使用するクッカー(コッヘル)によって結果は変わると思いますので、興味のある方は、ゴトクを自作して検証してみてください。
ここで使っているゴトクの製作費用は、680円ほど*3です。
検証をされる際は、室内なら充分に換気を行い、くれぐれも火傷や火災にはご注意を。
ところで、上のゴトクの写真を見て「爪付きナットの使い方を間違えているんじゃないか?」と思われた方もおられるでしょう。
本当は、木の板にM8の爪付きナット(埋め込むには10mm程度の穴を開ける必要がある)を埋め込みたかったんですが、我が家のドリルは9mmまでのドリルビットしかセットできず、諦めて爪付きナットを普通のナットのように使っているというわけです。