休日に暇つぶしのため100円ショップの中を当てもなくウロウロしていたところ、アウトドア好きなら思わず手に取ってしまうような製品を発見しました。
「普通の人がこれを買うの?!」と思うような製品。
なんと、アルコールストーブ用のゴトクです。
「こんなものまで100円ショップに並ぶとは!」と驚き、使う予定も無いのに思わず買ってしまいました。
仕様
▲クッカースタンドのパッケージ
製品名: クッカースタンド
メーカー: エコー商事株式会社(新潟県)
重量: 74g(実測値)
材質: 鉄(亜鉛メッキ)
生産国: 中国
購入価格: ¥100(税抜)
購入先: Seria姫路花田店
備考: パッケージには「アルコールバーナーや固形燃料などのゴトクに」と書かれています。
外観
L字型のプレートが3枚入っています。
全て同じ形状で、両端にある溝どうしをかみ合わせて組み立てます。
▲3枚のプレートを組み立てて使う(使用後に撮影したため、焼き色が付いています。)
組み立てると、一辺が15cmの三角形になります。地面からゴトク上端までの高さは7.5cm。
▲組み立てた状態
見ての通り、穴が開けられているため風防としては使えず、クッカーを支えるための“ゴトク”としての機能しかありません。
このまま何も考えずに持ち上げると、バラバラになります。
組み立てた後に動かす場合は、構造を理解して正しく持ってください。
使い方
アルコールストーブを囲むようにゴトクをセットし、アルコールストーブに点火してからクッカーを載せて使います。
実際に屋外で使う際は、これを囲むように風防を設置しないといけません。
▲トランギアのアルコールストーブと組み合わせた状態
アルコールストーブの上端からゴトクの上端(クッカー底面)まで、およそ35mmです。
▲アルコールストーブとゴトク上端との距離は35mm
海外のアルコールストーブマニアが実験したところ、40mm前後がもっとも熱効率が良いとされていた*1ので、この100円のクッカースタンドはなかなか優れた設計ということになります。
性能
自宅のバルコニーでクッカースタンドの性能を調べてみました。
アルコールストーブに50ccの燃料を入れて点火し、500ccの常温の水を入れた1.3リットルサイズのクッカーを載せて水の温度変化を1分毎に測定するという方法です。
不規則に微風(最大でも風速1m/s)が吹く中での実験でした。
▲セリアのクッカースタンドの性能を調べるための実験の様子(クッカーから伸びているケーブルは温度センサ-)
比較のため、アルコールストーブをヘキサゴンウッドストーブに入れて湯を沸かす実験もしてみました。
▲ヘキサゴンウッドストーブの性能を調べるための実験の様子(クッカーから伸びているケーブルは温度センサ-)
その結果はこちら。
燃料をケチって50ccしか入れなかったため、どちらも沸騰には到っていません。
▲水温の変化(温度計のログ機能を使い、1分毎に計測した温度を元に作成したグラフ)
セリアのクッカースタンドは、11分後の83.1度Cをピークに水温が下がっていますが、それは燃料が燃え尽きたから。
ヘキサゴンは8分後の94.2度Cをピークに、燃料が燃え尽きて水温が下がり始めました。
セリアのクッカースタンドですが、僅かな風でも炎が音を立てて揺れていたのは予想通り。
それでも、上のグラフの通り順調に水温が上昇していました。
燃料をもっと入れて風防で風を防いでやれば、100円のクッカースタンドでもそこそこ使いものになりそうです。
鉄製なのですぐに錆びそうと思いましたが、エスビットポケットストーブも同じような素材にもかかわらず案外長持ちしているので、大丈夫かな。
長所
・安い!期待したような性能を発揮しなくても後悔しなくて済む、他を寄せ付けない低価格。
・組立は簡単。
短所
・風に弱いので、別途風防が必要。
最後に
これと似た純正のゴトク(TR-B25用トライアングルグリッド2型 TRP302)は2,000円ほどしますし、非純正の類似品でも1,000円以上します。
しかし、それらはステンレス製。今回紹介したクッカースタンドは鉄製です。
ただ、素材の違いを考えても100円(税抜)は安い。
アルコールストーブ用の簡易なゴトクを探している方は、セリアへお急ぎください。