播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

ジェットボイル:FLASH

コンパクトで便利なジェットボイルですが、私のは2005年にモンベルで購入した物で、ゴトクもスタビライザーもついていないシロモノです。
フタにヒビが入っているし、点火装置も機能しない状態ですが、実用上はまったく問題ないため、購入から4年以上愛用してきました。

 

しかし、新型のジェットボイルが発売されたため、ついに買い換える決心をしました。

 

※ここで紹介しているのは、記事執筆時点での新型です。現在では旧モデルになっていますので、ご注意下さい。

 


▲新旧ジェットボイルのパッケージ比較(左は旧型(紙箱)、右が新型(ブリスターパッケージ))

 


▲新旧ジェットボイルの外観比較(左は旧型、右が新型)私の旧型ジェットボイルは、カーゴ・コージーに換装しています。

 

製品名:FLASH COOKING SYSTEM
重量:397g(スタビライザー除く)カタログ値
メーカー:JETBOIL,INC.(アメリカ)
US価格:$ 99.95 USD
国内価格:2009年12月現在、正規の取り扱いなし
※スタビライザーは付属しますが、ゴトクは付属しません。

 

2010/3/20 追記
モンベルから届いた「Outward(March 2010 No.47)」の28ページによると、2010年春にこのジェットボイル「PCSフラッシュ」がモンベルから発売されるようです。
追記ここまで

 

新型と旧型では、コージー(クッカー表面の断熱材)のデザインが大きく変わっています。
新型で特に目立っているのは、ジェットボイルのロゴである3本の曲線でしょう。これは「沸騰間近」であることを示すインディケーター(説明書によると摂氏60度以上になると黄色く変色し始める)になっています。
このインディケーターの色はかなり鮮やかで、3本とも全体が黄色くなると、沸騰直前です。

室内の無風状態で、ちょうど3分で沸騰しました。
 
新型では、コージーが標準でカーゴ・コージーになっています。つまり、ジェットボイル用オプションのスプーンやフォークを、コージー外側のバンドに挟んで収納出来るようになっています。

 

外観写真で気づいた方もいらっしゃるかも知れませんが、フタと底部のカップの素材も変わっています。

 


▲新旧ジェットボイルのプラ部品比較(左は旧型、右が新型)

 

旧型では不透明で固い素材でしたが、新型では半透明になっており、フタは柔らかい素材になっています。旧型の素材は、極端な低温下では劣化して割れやすくなるそうなので、その対策でしょう。

 

燃焼部も変更されており、新型では点火装置が燃焼部の中に組み込まれています。
また、旧型にあったスティールウールのような部品は無くなっています。

 


▲新旧ジェットボイルの燃焼部比較(左は旧型、右が新型)

 

個人的に気に入ったのは、火力調節ツマミの変更です。
旧型は円筒形のプラ部品で、手袋をはめているときは操作しづらかったのですが、新型では私の大好きなワイヤーハンドルになっています。これなら、手がかじかんでいようが手袋をはめていようが、何の苦もなく調整が出来ます。

 

ワイヤーハンドルは折りたたんで収納することが出来、使用時は大きくてつまみやすい、回しやすい形状になります。

 


▲新旧ジェットボイルの火力調節ツマミ(収納時)比較(左は旧型、右が新型)

 


▲新旧ジェットボイルの火力調節ツマミ(使用時)比較(左は旧型、右が新型)

 

欠点は、収納出来る角度(ワイヤーハンドルが水平になる状態)ではバルブが閉じ切っていないことです。私のジェットボイルでは、この角度でもガスが漏れている様子はありません(音がしない)が、ちょっと気になります。
使用時はワイヤーハンドルを展開し、時計回りに回して完全に締め込んでからガスカートリッジを取り付けた方が安全でしょう。バルブが完全に閉じた状態でワイヤーハンドルが水平になってくれれば、なお良いと思います。
収納時にハンドルを倒す際、ワイヤーの先端がシャフトから抜けることがあります。ハンドルを倒す方向には、気をつける必要がありそうです。

 

旧型のジェットボイルで感じていた不満として、底部のカップが取り外しにくいというのがありました。
新型ではその点も解消されています。

 


▲新旧ジェットボイルのクッカー底部比較(左は旧型、右が新型)

 

上の写真を見て下さい。新型のクッカー底部には、カップの縁にある脱落防止用のツメを素通りさせるための部分(写真内の「切り欠き」)があるのです。

 

そのため、底部カップを外すときは、カップを回してツメが切り欠きに来るようにすれば、スルッと外せます。これは快適。
旧型では脱着を楽にするためカップのツメを削ったりしましたが、そんなことをしなくても快適に使えるようになってくれました。

 

クッカー内にはラインがあり、そこまで水を入れると500ccになります。ラーメンを作るときは便利な目安です。このラインより多く水を入れる場合は、沸騰時に噴きこぼれが発生する可能性が高くなるので、1リットルの内容量をもつクッカーですが、実用容量は500ccと思っておいた方が良いかも知れません。
(500ccの湯で袋麺を調理すると、泡がクッカー上端まで上がってきます。火力を下げないとそのまま吹きこぼれるので、調理中は目を離さない方が安心です。)

 

使用方法は、新型も旧型も同じです。

 


▲新型ジェットボイル使用時の様子

 

ワイヤーハンドルが大きく飛び出しているのがお分かりでしょうか。個人的にワイヤーハンドルが大好きなので、これは嬉しい。操作性が良いです。

 

収納方法も変更されているようです。
私の2005年製ジェットボイルは、クッカー内にガスカートリッジ、ストーブ(スタビライザーがある場合はストーブにかぶせる)の順で収納するよう説明書に書かれていますが、新型ではスタビライザー、ストーブ、ガスカートリッジの順で収納するよう指示されています。
これに従うと、ガスカートリッジとフタの間に大きな隙間が出来、丸めたペーパータオルなど、何らかのスペーサーを入れる必要があります。

 

実は、充分に乾燥させていないクッカー内にガスカートリッジを最初に入れて保管すると、ガスカートリッジ底部にサビが発生し、クッカー内の底面に茶色いリングが出来てしまうのです。私の旧型ジェットボイルはそうなっていました。
ガスカートリッジにサビが発生するのは安全上好ましくありませんし、クッカー内にサビがついて取れないのも気分が悪い。それを回避するため、収納する順序を変えたのかも知れません。



全体的に見ると旧型も新型も同じように見えますが、細かい部分が改良されて旧型で不満だったことが解消され、非常に使いやすくなっています。

 

コージーの沸騰インディケーター(勝手に名付けました)は実用的ですし、見ていて面白いしかけです。
ワイヤーハンドルで操作性が向上し、素材変更でフタも割れにくくなっているようです。

 

これからジェットボイルを買うという方は、旧型の方が安く手に入るかも知れませんが、新型を買うことをお勧めします。