今日はミリタリー関連のマニアックな道具の紹介ですので、興味のない方は読み飛ばして下さい。
山の上での食事は、今でこそガスストーブやガソリンストーブで温めていますが、山歩きを始めて間もない頃(道具類を持っていなかった頃)は、下のような製品で袋入りの食品を温めていました。
細長いビニール袋で、中に白いポリエステル生地で出来た薄い袋が入っています。この袋の中にはマグネシウム・鉄粉、塩化ナトリウム、発泡防止剤(?)、不活性充填剤が入っています。
使い方は簡単です。
まずビニール袋上端を破って開け、白い袋を取り出します。そして袋の底近くに引かれた2本のラインの間に水面が来るように水を注ぎ、温めたい食品の袋と白い袋をビニール袋の中に戻して口を折り畳み、寝かせておくだけです。
すぐに白い袋(発熱体)が高温になり、袋が少しふくらんで水蒸気が袋の中に充満します。やがて折りたたんだ袋の口の隙間から水蒸気が漏れだします。袋の注意書きには、水蒸気と一緒に水素も発生するので、袋の口に火を近づけないようにと書かれています。また、密閉された狭い空間内での使用は酸欠の原因になるため、避けるようにとも書かれています。
15分ほどで、中の食品は適度な温度に温められます。
袋の中央部分にも切り口があり、そこから破ると、中のパックを簡単に取り出すことが出来ます。
袋の中央部分にも切り口があり、そこから破ると、中のパックを簡単に取り出すことが出来ます。
山道具を持っていなかった頃は、このMRE HEATERでおかずを温め、クラッカーなどを主食にした昼食を食べていました。
食材の重さ+ヒーターの25gにしかならないし、ヒーターの体積は無視できるほど小さいので、軽いしかさばらなくて便利だとそのときは思っていました。
食材の重さ+ヒーターの25gにしかならないし、ヒーターの体積は無視できるほど小さいので、軽いしかさばらなくて便利だとそのときは思っていました。
火を使わず、わずかな水があれば食品を一袋温めることが出来るので非常に便利に思えるのですが、実はあまり使えません。
MRE HEATERの本来の使い道は、アメリカ軍のMREレーションのメインディッシュ(レトルトパック入りのハンバーグやステーキ風の肉)を温めることです。MREレーションの主食はクラッカーなので、温める必要がありません。そのため、レトルトパックを1つ、全体がほんわかと温かくなる程度に加熱する能力しかないのです。
レトルトパックのご飯を温めるなんてとんでもない。
レトルトパックのご飯を温めるなんてとんでもない。
しかも、軍用の大量生産品なので、品質に当たりはずれがあります。はずれに当たると、温度がピークに達した頃でも素手で握れる程度の温度にしかヒーターが暖まりません。
今まで数十枚使いましたが、1度だけはずれに当たったことがあります。そのときは、片面だけが生ぬるいハンバーグを食べる羽目になりました。
今まで数十枚使いましたが、1度だけはずれに当たったことがあります。そのときは、片面だけが生ぬるいハンバーグを食べる羽目になりました。
ガスストーブを買ってからは全く使っていませんが、机の下から何枚か出てきたので紹介させて頂きました。
何か使い方をひらめいた方以外には、まったくおすすめできません。
何か使い方をひらめいた方以外には、まったくおすすめできません。