播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

姫路市と太子町の境界線;京見山~白毛山

年末に登った苫編山から西に大きく見えていた、京見山から白毛山の山塊を歩いてきた。写真は、白毛山山頂にあるNTT白毛無線中継所の電波塔。

JRで網干駅まで行き、勝原小学校前バス停の北にある春日神社から取り付き、縦走路を歩いて大きな電波塔のある白毛山へ縦走し、電波塔の点検道路を利用して青山へ下山するというコースだ。下山後はバスで姫路市街へ戻る。

我が家から姫路駅までは、バスの運賃が100円ですむ。100円玉を握りしめてバスに乗り込み、姫路駅に到着。9:25発の普通電車で網干へ向かおうと思ったら、雪害で大幅に電車が遅れているとのこと。9:08発の電車が9:30をすぎてようやく姫路駅に入ってきた。これに乗り込み、網干へ向かう。姫路駅から網干へは230円だ。

網干駅の改札を抜けて右へ曲がり、階段を下りて駅北側の道路に出る(9:45)。

駅の前には東西の道が通っているが、これを東へまっすぐ進む。大津茂川を渡り、さらに東へ進む。のどが渇いたので、道ばたの自販機で水分補給。もうしばらく道なりに東へ進むと、左手に勝原小学校が見えてくる。小学校東にある細い川を渡ってさらに東へ数十メートル進むと、勝原小前のバス停がある。このバス停のある角を左へ曲がり150mほど歩くと、左手に春日神社が見える。この神社の境内左奥から登山道が始まっている。(10:05)

道は蜘蛛の巣のようにいろいろな方向に伸びている。とりあえず地形図では破線道が北東へ延びているので、その方向へ進んでみる。やがて道は1本に収束し、雑木林の中のきれいな道になる。すると、古墳への道標が現れた。道標に従って歩くと、数十メートルで「山戸4号古墳」に着いた。(10:15)古墳といっても、天井が崩壊した石室の残骸があるだけだが。

元の登山道に戻り、東へ進むと、擬木の急な階段が現れた。かなり登りにくい段差だ。上りにくい階段を我慢して上ると、今度はロープが手すり代わりに張られた岩の急斜面になった。しかし距離は短い。一気に登ると、南側の展望がすばらしい小ピークに出た。(10:20)しばらく景色に見とれる。

尾根上はよく踏まれた道で、左右は雑木林の明るい登山道。歩いていて気持ちがいい。霜柱をざくざく踏みならしながら緩やかな登山道を上っていく。この辺りは古墳だらけだ。最初は珍しくて写真を撮っていたが、だんだん飽きてきた。

目の前に送電線鉄塔(浜田線30)が現れた(10:35)。金網で囲われている。
山中でこんなに厳重に囲われた鉄塔を見たのは初めてだ。

休憩することもなく道なりに東へ進んでいく。あちこちに分岐のある登山道だが、どの分岐にも分かりやすい道標が付いているので、ハイキング初心者でも迷わず歩けそうだ。ただし、京見山周辺の地名を知っている必要があるが。

11:00ちょうど、京見山山頂に到着。周囲の木々は伐採され、南方面の展望の良い広場になっている。ベンチや鏡(何に使うのだろう?女性ハイカー用?)、雨傘(?)や雑記帳が置かれている。

展望は良いが、最初の小ピークから見た景色とあまり変わらないような気もする。同じような景色を眺めても仕方がないので、三角点や山頂の写真を撮っただけで白毛山方面へ向けて出発。

京見山から東への下りは少しだけ急だが、その急下りもすぐに終わる。と、目の前にヤマドリの雄が歩いている!(11:08)近づいてみるが、逃げる様子はない。「ついて来い」と言わんばかりに、登山道を東へ向かってトコトコと歩いている。ヤマドリの後を追って登山道を進む。京見山東の小ピークに登り始める手前で、ヤマドリは雑木林の中へ消えていった。

ここからは泣き坂峠(地形図で破線道が通っている峠)に向かって下っていく。11:20、泣き坂峠に到着。峠の名前の由来が書かれたプレートが設置してあり、南北にはっきりとした道が下っている。今日は白毛山へ縦走するので、この峠を下るわけにはいかない。目の前の急な斜面を登らなくては。

峠からの登り返しはなかなかの斜面で、汗っかきの私にとってはつらい。気温はかなり低いはずだが、体がかなり熱くなってきた。ようやく登り切ったと思ったら今度は下っていく。さっきの登りは何だったんだ。登山道は姫路市と太子町の境界を忠実にたどって付けられている。

峠から2つの小ピークを越え、トンガリ山への分岐を素通りして11:40、白毛山に到着。登山道から見上げる電波塔はなかなかの迫力だ。山頂にはベンチが2つ設置されている以外、特に何もない。(巨大な電波塔があるが)ここは南東方向の見晴らしがすばらしい。

ベンチの上にサーマレストのライトシートを広げ、ガスストーブを組み立てる。風が少しあるので、MSRの風防でガスストーブを覆い、私にとっては定番のカレーうどんを調理する。やはりMSRの風防はすばらしい。風が吹いていても燃料を無駄にせずお湯が沸かせる。景色をおかずにカレーうどんを食べて満足し、山頂をうろうろして北の山々も見えないかと様子をうかがう。が、電波塔(無線中継所)がじゃまになって北の方はよく見えない。

腕時計で現在時刻を確認し、プリントアウトしていた神姫バスの時刻表を見る。今は12:30。白毛山山頂から麓のバス停まで45分程かかるので、次に乗れそうなバスは北山バス停を13:38に通過する姫路駅行の便だ。

のんびり歩けば1時間でバス停に着き、あまり待たずにバスに乗れるだろうと考え、下山開始。緩やかな傾斜の舗装道路なので、のんびり下ってもかなり早く下りてしまう。この無線中継所の点検道路は、砂利道とアスファルト舗装の部分が交互になっている。なぜ全体を舗装しないのだろう。

この点検道路は、場所によっては北の方の山が見える。明神山は形に特徴があるのですぐに分かる。黒い雲がかかっているので、おそらく雪が降っているのだろう。携帯電話の基地局のような施設を通過してしばらく歩くと、右手側に何か施設が見えてくる。パワーショベルも枝越しに見えてきた。YMCA太子教育キャンプ場に着いたようだ。13:00

ゆっくり歩いたつもりだが、ガイドブックに載っている標準コースタイム通りになってしまった。これだとバス停に着くのが早くなりすぎる。
それにしても、この付近は道路工事でもしているのかと思えるほどアスファルトの匂いが充満している。嫌な匂いを我慢しながら歩いていると、キャンプ場を出てすぐ左にアスファルト工場があった(13:05)。ダンプカーが位置を調整しながらタンクからアスファルトを受け取っている。この匂いの中でキャンプをする子供たちは大変だ。

新幹線の線路沿いに西へ進み、最初の交差点を右へ曲がると、「原」という交差点に出る。ここを左に曲がって道沿いに300mほど歩くと、「北山」バス停に着く13:15。

20分以上寒い道路でバスを待ち、100円玉を1枚握りしめてバスに乗る。日曜なので、神姫バスの環境定期制度が利用できるからだ。神姫バスの通勤定期を持っていると、土日祝祭日はバスから降りるときに100円を払うだけでOKになる。

2020年4月追記
 エコ定期券制度は、2020年3月末をもって終了しました。
追記ここまで

本日の交通費430円。

やはり街中の低山は、登山口と下山口を変えて縦走するのがおもしろい。
京見山と白毛山は登山道が非常によく整備されており、迷いようがないほど道標が設置してある。エスケープルートも多数あり、どのルートで下山しても、数キロ歩けばJRの網干か英賀保駅、または国道2号線のバス停にたどり着ける。

山歩き初心者の方には強くお勧めしたい。