播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県高砂市の日笠山山塊縦走

今日は休日出勤の振替で休みだったのですが、退屈なので山歩きをしてきました。
 
行き先は姫路市と高砂市の境界が通る日笠山山塊。
標高が低いため楽に歩けて、所々に展望の良い場所がありますし、人気のある山なので蜘蛛の巣に悩まされる心配も少ない。
 
山陽曽根駅から日笠山に登り、北西へ山塊を縦走しながら所々で展望を楽しみ、亀岩で昼食。その後は一本松と呼ばれる135.7m三角点ピークから南東へ下り、山陽電鉄の大塩駅へ向かうというルートを考えていたのですが、途中に通行禁止区間があったため予定を変更し、下の地図のルートで歩くことになりました。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路南部」「加古川」
重要:地図内の「通行止め」と書かれた円内の破線道は、記載されている期間、工事のため通行止めになっています。
 
08:58
山陽姫路駅を梅田行の直通特急で出発。
 
09:08
登山口の最寄りの山陽曽根駅は普通列車しか止まらないので、大塩駅で直通特急を下車。
反対側のホームに止まっている普通列車に乗り換えます。
 
09:10
山陽須磨行の普通列車が大塩駅を出発。
 
09:12
山陽曽根駅に到着(地図中「山陽曽根駅」)。
運賃は山陽姫路駅から440円。
 
山陽曽根駅の出入り口は線路の北側にしかありません。
駅から出たら線路沿いに西へ進みます。
 
川に突き当たりますが、そこには歩行者専用の橋があるので、川を越えられます。
橋の西端で階段が左右に分かれますが、左の階段を下り、すぐ右前の路地に入ってクランク状に曲がりくねったその路地を抜けると、国道250号線。
 
国道250号線を西へ進みます。
国道が右へカーブする辺りに踏切があり、さらにその250mほど先で2つめの踏切に出会いますが、2つめの踏切のすぐ先で(踏切を渡るのではなく、通り過ぎる)右への分岐があるので、その道へ入って下さい。
 
国道250号線を離れて120mほど進んだ所に、Googleマップで「梶原アパート」(かなり拡大しないと名前は表示されない)と表示される古いアパートがあります。今回の登山口は、そのアパートの奥。
 
 
▲アパートの向こうに登山口が見える
 
下のURLをクリックすると、Googleマップで登山口の位置が表示されます。
 
 
山陽曽根駅から登山口までの道(橋は除く)は、Googleのストリートビューで閲覧出来るので、事前に予習しておくと安心です。
 
09:25
登山口に到着(地図中「登山口」)。
 
 
▲登山口の道標
 
日笠山山頂へ続く道は擬木階段が設置されていて歩きやすいのですが、途中で道があちこちに分かれていて、どれが正解なのかよく分かりません。
とりあえず携帯電話基地局のアンテナを目指して適当に上ることにしました。
 
 
▲山頂へ続く道は一本道ではない
 
携帯電話基地局まで上がってくると、そこからは1車線幅の舗装道路。
この道路は日笠山山頂まで続いています。
 
日笠山山頂の南側は配水池になっていて(立入禁止)、その北側には「日笠山(沿革)」と書かれた看板が立っていました。
書かれている内容は盛りだくさんなので、興味のある方は現地で読んでみて下さい。
 
 
▲日笠山山頂の配水池(立入禁止)
 
09:36
日笠山の山頂は公園になっていました。
その公園内に四等三角点標石(点名:日笠山)があります。
 
 
▲日笠山山頂の遊具と三角点標石(矢印の位置)
 
遊具のある場所は周囲より一段高くなっており、そこから北へ下りたところから縦走路が始まります。
 
 
▲公園のすぐ北にある縦走路入口
 
地形図の通りしばらくは平坦な道が続きますが、夫婦岩への登りはやや急な坂です。
段々畑の跡らしく、階段状に削平地が並ぶ中を登って行きます。
 
 
▲夫婦岩へ続く登り坂の様子
 
09:45
夫婦岩に到着(地図中「夫婦岩」)。
 
夫婦岩
日笠山の北方字北山に二箇の巨岩があり、夫婦岩と呼ばれています。古墳とか古代信仰の巨石である等、諸説があります。この近辺では、弥生時代の遺物も採集されており、古くから開けていた場所であったと考えられます。
(出典:日笠山山頂の「日笠山(沿革)」の看板)
 
 
▲夫婦岩ピークから南東方面を見る
 
小休止を兼ねてパノラマ撮影。
夫婦岩近くで撮影した全天球パノラマ(撮影日2017年5月16日)
 
10:02
北西へ向けて夫婦岩ピークを出発。
夫婦岩ピークからは急な坂で一気に鞍部へ下ります。
 
10:08
92m標高点を通過。
ピークらしさが全くない場所でした。
 
 
▲92m標高点の様子
 
92m標高点からの下りは、地形図では尾根の中心に道が描かれていますが、実際は北側斜面をトラバースするようにして馬坂峠に向けて下っていきます。
 
10:13
馬坂峠を通過(地図中「馬坂峠」)。
ここには現役の段々畑が残っています。
 
 
▲馬坂峠(階段は縦走路)
 
 
▲馬坂峠の段々畑
 
馬坂峠からコンクリートの階段を登って縦走路へ入りますが、道は非常になだらか。
稜線をたどるのでは無く、ピークを巻くように東側斜面に道が付けられています。
 
10:20
飾磨港加古川線37番鉄塔脇を通過(地図中「飾磨港加古川線37番鉄塔」)。
 
 
▲飾磨港加古川線37番鉄塔脇を通過
 
鉄塔の先の登り返しは、やはり段々畑跡の道。
 
10:27
道ばたに石積みがあるのを見つけました(地図中「大塩山城跡」)。
神社でもあったのかなと思いながら石積みの上にある看板を見てみると、そこには「大塩山城跡」とあります。
 
 
▲大塩山城跡の石積み
 
 
▲石積みの上に立っている看板
 
石積みのある城跡を通り過ぎると、広い削平地があります(以前は第1休憩所と呼ばれていた場所)。
さらにその先で道が左へ90度折れ曲がり、すぐまた右に曲がるのですが、その周辺(第2休憩所)も稜線が削平されています。
 
このあたりの稜線上と、先ほど看板があった場所から南西に延びる広い尾根が城跡なのでしょう。
 
 
▲第2休憩所(大塩山城の郭跡?)
 
10:37
以前は第3休憩所と呼ばれていた場所の跡地を通過(地図中「第3休憩所跡」)。
ここからは、少しだけですが東方面の展望を楽しめます。
 
 
▲第3休憩所跡
 
第3休憩所跡から北西の峠への下りは、石段のある道です。
大塩山城跡と関係があるのかな。
 
 
▲峠へ下る道には息切坂の看板があった
 
10:41
北浜隧道の上にある峠に来ました(地図中「峠」)。
 
 
▲峠の様子
 
峠には工事の看板が立っており、それによると私が今から歩こうとしている道は、牛谷急傾斜地落石防止工事の為、平成28年11月14日~平成29年12月15日まで通行止めとのこと(地図中「通行止め」の円内)。
 
参ったな。

「でも、本当に工事を毎日やってるのかな。人がいなければ通れるかも」と思って縦走路に入ろうとすると、峠の北から耕耘機のエンジン音のような音が聞こえてきました。
音はどんどん近づいてきます。

見ると、資材搬送用の簡易モノレールの軌道が峠の北側に設置されており、エンジン駆動の搬送用モノレールが上がってきました。
 
 
▲工事現場へ資材を搬送するために使われるモノレール
 
本当に工事をやっているようです。
余計なトラブルを起こしてもマズイので、縦走路を通るのは諦めることにしました。
 
でも、展望の良い亀岩で昼食を食べたいし、せっかく持ってきたドローンで遊びたいし、ということで、峠をいったん南へ下り、当初は下山で通る予定だった136.7m三角点ピーク南東の破線道を上ることにしました。
 
 
▲峠の切り通し
 
10:50
北浜隧道の南側に下りてきました。
 
 
▲ここに下りてきた
 
ここからは2車線幅の車道の東側に付けられた歩道を下っていきます。

尾根の先端付近に登山口があるはずですが、どこにあるのかは知りません(登山口の位置を知るために、当初はこの道で下山する予定にしていた)。
 
地形図の破線道の入口がどこにあるのかを探しながら車道を下っていったのですが、尾根の先端まで来てもそれらしきものは見あたりませんでした。
 
尾根の先端は墓地になっています。
こうなると、登山口は墓地の中にあるとしか考えられません。
 
10:55
というわけで、墓地へ上がることに(地図中「墓地入口」)。
 
 
▲墓地へ上がる階段
 
お墓参りに来ている人にジロジロと見られながら墓地の中の階段を登って行くと、最上部の区画南端にある階段の奥に登山道が見えました。
 
この破線道は、尾根の肩まで路面はずっと岩です。
滑りにくい岩の斜面なので歩きやすいし、振り返ると展望が良くて気持ちいい。
 
 
▲墓地から一本松ピーク(136.7m三角点)へ続く道の様子
 
11:09
ステンレス製のベンチが置いてある展望所に着きました(地図中「一本松展望所」)。
 
ここには地形図に線を書き込んだハイキングコース地図が掲示されています。
概念図だとどこをどう歩くのか分かりませんが、地形図を使ったコース地図は大いに役に立ちます。
 
 
▲一本松展望所
一本松展望所で撮影した全天球パノラマ(撮影日2017年5月16日)
 
せっかくなのでドローンも飛ばしてみました。
 
 
 
▲ドローンで撮影した一本松展望所(矢印の位置)
 
11:36
パノラマ撮影を終え、ドローンでも遊んだので満足して一本松展望所を出発。
 
展望所にあった地図で、亀岩のすぐ北の鞍部から西へ下れることが分かったので、亀岩で昼食を食べた後はその道で下山し、大塩駅へ戻ることに決定。
 
136.7m三角点ピーク(通称一本松)を通過。
道ばたに四等三角点標石(点名:北脇)が埋まっていて、ピーク感は皆無です。
 
 
▲136.7m三角点(一本松ピーク)の様子(矢印の位置に三角点標石)写っているのは、犬の散歩に来ていた地元の方
 
三角点から先は、ツツジが咲くなだらかで快適な道。
 
11:38
私が歩こうと思っていた縦走路が右から合流する地点を通過(地図中「通行止め」円の左側)。
ここにも峠と同じ工事の看板があります。
 
北へ向かって道が下り始めると、道の両側にある植物が鬱陶しくなってきました。
しかも、今日は全然引っかからなかった蜘蛛の巣も出てきます。
 
亀岩周辺は歩く人が少ないのかな。
 
11:44
亀岩に到着(地図中「亀岩」)。
以前あった柵はなくなり、開放的な空間になっていました。
 
 
▲登山道から見た亀岩
 
早速パノラマ撮影。
亀岩で撮影した全天球パノラマ(撮影日2017年5月16日)
 
亀岩の直前に設置されているプレートには、以下のように書かれています。
 
亀岩
北脇の山の奇岩。西方の砂池方面から見上げると亀の姿に似ていることから亀岩と呼ばれ、昔から、みんなに親しまれている。
(現在地は、亀の甲羅の上)
北脇自治会・北脇の自然に親しむ会
(出典:現地のプレート)
 
西から見ると亀に見えるとのことなので、ドローンを西に飛ばして写真を撮ってみました。
 
 
▲ドローンで撮影した亀岩
 
確かに、右を向いた巨大な亀に見えます。
岩の割れ目のおかげで、大きな目をした亀が口を開けているように見えます。
 
 
▲ドローンで上から見た亀岩
 
この開放感溢れる場所で食べる今日の昼食は、サタケの「きのこのパスタ」とインスタントのコーンスープ。
 
 
▲本日の昼食
 
12:46
景色も食事も満喫し、亀岩を出発。

亀岩から北への下りは、トラロープが張られた丸太階段の道です。
 
 
▲亀岩から北の鞍部へ下る道の様子
 
12:50
三差路になった鞍部に下りてきました(地図中「三差路」)。
西へ下るので、この三差路は左へ。
 
 
▲三差路の様子(左へ進んだ)
 
谷間を南西へ下っていると、左側に石積みがあるのに気づきました。
よく見ると、石積みの上は平坦で、それが何段も連なっています。棚田の跡でしょう。
 
 
▲谷間の道沿いに残る棚田跡の石積み
 
やがて道の右側に畑が出てきます。こうなると、麓は間近。
 
12:58
畑の中に巨岩があるのを発見(地図中「古墳」)。
帰宅後に調べたところ、北脇2号墳か3号墳のどちらかのようです。
 
 
▲畑の中の古墳
 
13:01
車道に出てきました(地図中「下山地点」)。
 
 
▲下山地点の様子
 
以下のURLをクリックすると、今回の下山地点の位置がGoogleマップで表示されます。
 
 
この後は、スマホでGoogleマップを見ながら大塩駅を目指しました。
 
本日私が歩いたルートは昔からある道らしく、駅に着くまでに屋台蔵を3つも見ましたし、道路原標と刻まれた古い標石もみかけました。歴史のある建物も多く残っていますし、なかなか楽しい。
 
太い道路は分かりやすいし歩きやすくて快適ですが、古い道をのんびり歩くのも良いものです。
 
13:29
山陽電鉄の大塩駅に到着(地図中「大塩駅」)。
 
13:39
山陽姫路行の直通特急が大塩駅を出発。
 
13:50
山陽姫路駅に到着。運賃は370円。