概要
2024年7月4日付の神戸新聞に、「見渡せば、はるか小豆島 標高90メートルの頂上に展望台 地元有志『忘れ去られた場所』を再生 姫路・豊富」と題した記事が掲載されました。
播但道の豊富ランプのすぐ西にある小さな山「横山」(標高86.4m)に展望台や登山道が整備されたという内容です。
▲横山北展望台(横山山頂には南北に展望台があり、それぞれ南展望台、北展望台と呼ばれている。)
横山は私がブログを始めて間もない2006年に一度北から登ったことがあり、その時は山頂からの展望は無く、ブログにも山頂への道中で撮影した写真を載せているだけです。
何の参考にもなりませんが、当時の記事へのリンクを載せておきます。
新聞に載ってから2か月以上経ち、暑がりの私でもようやく「午前中なら体を動かしてもいいかな」と思える気温になったので(獲得標高差がわずか約35mですから、体を動かすというほどのこともありませんが)、記事で紹介されていた遊歩道を歩くことにしました。
新聞に載ったのは2006年に私が歩いた北からのルートではなく、地元の方が整備した南東麓から山頂への遊歩道です。
▲対応する地形図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路北部」
▲カシミール3Dで作成したルートの断面図
姫路市街から駐車場へ
08:35
姫路市街の自宅を車で出発。
国道312号線を北上し、「生野橋西(いくのばしにし)」交差点を右折して市川にかかる生野橋を渡ります。
生野橋を渡って道が大きく左にカーブすると、正面に小さな山が見えます。それが今回の目的地である「横山」です。
横山に近づくと「豊富台」バス停がある三叉路(直進と右折。「豊富台広場」の看板がある)に出会いますから、それを右折。
三叉路を右折して間もなく出会う二股の分岐は左へ。
二股の分岐から約150m、「ホース格納箱No.5」のある交差点を左折して豊富台保育園に突き当たったら左折。
100mほど北へ進むと、南北に細長い舗装された駐車場(豊富台第1駐車場)に入ります。
ここの34番と35番の枠が横山の登山者向けに開放された駐車場所です。
▲豊富台第1駐車場(34番と35番が登山者用)
https://maps.app.goo.gl/sC88DzXxjuW5HJSS7
▲駐車場の位置
09:00
駐車場に到着(地図中「P」)。
登山口に設置されている看板を見ると、34番と35番が登山者用(2時間以内に限る)となっていたので、それに従って車を置きました。
▲34番と35番の枠
▲駐車場所については登山口の掲示に記載がある
今回は登山靴に履き替える必要もないかと思い、普段着で来ました。
荷物は全天球パノラマ撮影機材と500mlの飲み水、念のためココヘリの発信機*1、ナイフ、虫除けスプレーといった最小限のもの。
準備はGPS受信機の衛星捕捉を待つことだけです。
山の様子
南展望台
09:05
GPS受信機で正確な現在地が表示されたので、出発。
駐車場入り口にあるコンクリート階段(神戸新聞の記事に写真が載っていたもの)が登山口(駐車場口)です。
▲駐車場入り口にある登山口(駐車場口)
「緑の募金」*2のお金で作られたという真新しいコンクリート階段を登ると、手作り感のある丸太階段の遊歩道に変わりました。
まだ午前中というのもあるかも知れませんが、木陰になっているため涼しくて快適。
▲木陰の遊歩道を登る
09:08
南向きの景色が広がる場所に出ました。南展望台です(地図中「南展望台」)。
▲遊歩道から見上げた南展望台
すぐ南に広がる豊富台の住宅地の他、姫路城も見えます。
登山口の掲示によると、空気が澄んでいれば姫路城の背後に小豆島も見えるとか。
▲南展望台から姫路市街方面の眺め(最奥中央に姫路城)(レンズの焦点距離=75mm(35mm換算で112mm)での見え方)
本日は一眼レフカメラで全天球パノラマを撮影してみました。
南展望台からの眺めを、高画質でお楽しみください。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/yokoyama20240908-1/index.html
▲横山の南展望台で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2024年9月8日)
09:22
全天球パノラマの撮影を終え、北展望台に向けて出発。
▲南展望台から北展望台へ続く道の様子
北展望台に着く直前に四等三角点ピーク(点名:薮田)を通過しますが、その手前には横山一・二号墳に関する看板が立っています。
県指定文化財
横山一・二号墳昭和四十八年三月九日指定横山の尾根上には、かつて八基の古墳の存在が知られていた。昭和四十六年宅地造成工事にさき立って、姫路市が実施した発掘調査の結果、前方後円墳一基、円墳七基、および多くの埋葬群が確認された。横山の西端に築造されているこの円墳二基をのぞき他は全くうしなわれた。
一号古墳は最西端に位置し、径二一m、多可さ二・三mの円墳で、内部主体は竪穴式石室と推定されるが未調査であり、西約三分の一が上水道設置工事のため失なわれている。
二号古墳は、一号墳の東に位置し、直径一八・六m、高さ五・五mを測る円墳で、何時の頃からか頂部に国土地理院の三角点が設けられている。内部主体は二基の組合せ式箱形石棺が確認されている。
古代豪族が五世紀中ごろに築いた貴重な古墳である。
昭和四十九年十月兵庫県教育委員会(出典:現地の看板)
▲看板の奥の高まりが横山二号墳(頂部に三角点がある)
▲三角点標石が埋設されている横山二号墳の頂部(奥は北展望台)
北展望台
09:25
北展望台に到着(地図中「北展望台」)。
ここからは北方面が良く見えるはずですが、残念ながら空気が霞んでいて笠形山すら見えませんでした。
▲北展望台の様子
木の板で作られた展望デッキのようなものもありましたが、登り口にトラロープが張られていたので、立ち入り禁止かも知れません。
こちらでも全天球パノラマを撮影しましたので、空気が澄んでいる時の景色を想像しながらご覧ください。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/yokoyama20240908-2/index.html
▲横山の北展望台で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2024年9月8日)
お地蔵口
09:43
全天球パノラマ撮影を終え、2006年に来た時に気になった西へ下る道の行き先を確認することにしました。
北展望台の西端にある横山一号墳に向かって左から始まる道に入ります。
▲西へ下る道は横山一号墳(中央の高まり)の左から始まる
▲西へ下る道も手作り感のある遊歩道
途中、左の薮の中に看板の残骸があるのを見つけました。
昔は下の車道から見えていたのかも知れません。
▲山中に残る看板の残骸
09:49
地蔵堂の前に下りてきました(地図中「地蔵堂・豊富台バス停」)。
姫路駅方面の豊富台バス停のすぐ横です。
▲西側の登山口(お地蔵口)
▲目の前に豊富台バス停(姫路駅方面)がある
これで西側のルートを確認できたので、三角点ピークを経由して駐車場へ戻ることにします。
10:01
駐車場に到着。
交通アクセス
公共交通機関を利用する場合は、神姫バスの「豊富台」バス停が最寄りです。
バス停から登山口(駐車場口)までの距離は、およそ400m。お地蔵口であればバス停からすぐに横山へ上がれます。
バスの本数は1時間に1本程度ですから、事前に時刻を調べてからご利用ください。