播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県宍粟市の水剣山(大谷を起点にした周回ルート)

今日はtakuさんとそのお知り合いのFさんと水剣山を歩いてきました。
Web上でよく見かける「大谷配水池奧を起点にした周回ルート」です。
今回は反時計回りに歩くことになりました。

 


▲対応する地形図は、国土地理院発行の1/2万5千「山崎」

 

姫路市街の自宅を出発。
国道29号線を北上し、山崎市街にある「今宿北」交差点を左折(西進)します。
突き当たりの一つ手前の交差点を右に曲がり、後は道なりに走るだけ。
長水山を右手に見ながら県道429号線を走り、左手側にJAのある分岐を右へ入ると、大谷集落へ行けます。

 

8:22
大谷集落の奧にある大谷配水池前の駐車スペースに車を置いて出発。何故か路面が濡れています。

 


▲大谷配水池前の駐車スペース。乗用車2台が置けるだけの広さしかありません。

 

アスファルト舗装の道はまもなく簡易舗装に変わります。
簡易舗装の道は、濡れた植林の落ち葉があると足を滑らせるほどの斜度。

 

8:31
簡易舗装の林道両脇に巡視路標識がある地点に来ました。ここが今回の周回ルートの起点・終点となる場所です。

 

今回は反時計回りに周回するので、まずは東側の尾根に乗ります。林道右手側の植林斜面の中に小径が延びているので、そちらへ入っていきます。

 

この小径は播磨西線70番鉄塔へ続く巡視路なので、斜度が緩くなるようジグザグに道が付けられています。
手入れの行き届いた巡視路と比べると山道に近い雰囲気ですが、所々にプラ階段があり、巡視路であることを主張しています。

 


▲写真ではわかりにくいですが、実際はよく踏まれて分かりやすい道です。

 

一部に倒木帯もありますが、大して苦労せずにクリアできます。

 

8:48
右手側に炭焼きがまがあるのを見つけました。(地図「炭焼きがま跡」)

 

8:54
尾根に出ました。ここには巡視路標識が立っています。私たちが登ってきた方向を指して69番、北を指して70番となっています。当然ですが、70番鉄塔の方へ進みます。

 

雑木の中にプラ階段の道が続いています。

 


▲プラ階段が設置された尾根上の道。

 

ちょっと急な斜面なので、息が上がります。

 

9:18
鹿よけネットを開閉して播磨西線70番鉄塔に到着。鉄塔周辺は伐採されているため、南向けにすばらしい展望が広がっています。

 

ここでしばし展望に見とれながら休憩。
展望を満喫した後、北へ向かって進みます。

 

鉄塔から北もしばらくの間は巡視路になっているため、しっかりした道が続いています。

 

9:30
巡視路標識が右側に立っている二股の分岐に出会いました。この分岐は左が水剣山山頂への登山道で、右が71番鉄塔への巡視路で、プラ階段が見えます。

 

ここから先は巡視路ではなくなるため、今までとは道の様子が変わります。
道とはっきり分かる道ではなく、歩きやすい場所を好きなように歩ける雑木の尾根になります。

 

わずかに平坦な区間もありましたが、ほとんどは少し急な登り斜面。
雑木に囲まれて展望のない尾根を北へ北へと登っていきます。

 

10:14
808mピークに到着。ここにはマイクロウェーブ反射板(梯反射板)が立っています。
鉄塔と同様に周囲が伐採されており、抜群の展望です。ここで疲れた体を休ませ、展望を楽しみます。

 

10:38
808mピークを出発。
反射板の北には白い公設の看板(林業に関する物)が設置されており、その看板の前にしっかりした道が付いていますが、これは北東へ続いているようです。
目的地の水剣山は北西にあるため、間違えないように注意が必要です。

 

北西方面は道があるようには見えないのですが、雑木の枝が邪魔な斜面を苦労しながら下りていくと、やがてマーキングや境界標石が見えてきます。そのまま下り続けると、水剣山名物の吊り尾根に乗ります。

 


▲吊り尾根に向けて下る。奧に見えているのは水剣山の山頂。

 

吊り尾根上に道はあるのですが、倒木や木々の枝が邪魔をしていてかなり歩きにくい状態です。
takuさんが鎌で枝打ちをしながら歩いてくれました。

 

吊り尾根の中程には数カ所だけ岩場があり、つまらない道のアクセントになっています。

 

吊り尾根から山頂へ向けての登りは、道らしいものがない急斜面です(斜度約35度)。かなり急で、ぼーっと立っているとズルズルと滑り落ちるほど。

 


▲吊り尾根から山頂へ向けての登りはじめの様子。

 

11:50
枝打ちをしながらなのでずいぶん時間がかかりましたが、水剣山の三角点北東のピーク付近に出ました。

 

「播州野歩記」さんの平成16年3月28日の記録によると、この北東ピークに伐採地があるらしいので、そこで昼食を取ることにします。

 

北東へ進むと、すぐに伐採地に出ました。鹿よけネットが立っていますが、所々倒壊しているので簡単に乗り越えられます。

 


▲展望の良い伐採地から北方面の展望(写真中央は黒尾山)

 

12:40
昼食と展望を満喫した後、三角点を目指して稜線を南西へ進みます。

 

12:46
頭が赤く塗られた三等三角点(点名:蔦澤)に到着。
「大切にしましょう」の杭や保護石はなく、境界杭の脇に三角点標石だけがぽつんと埋まっています。

 


▲水剣山の山頂(三角点のある場所)の様子。

 

ここは木々の枝越しに南向けの展望が楽しめます。
でも、先ほどの伐採地からの展望とは比較になりません。

 

しばらくの間景色や三角点を見たり写真を撮った後、南へ向けて尾根を下ります。
ピンクのテープがルートを表しているようです。

 

かなり急な斜面の上に落ち葉が積もっているため、うっかりすると足を滑らせます。

 

この山の登山道は、平坦か急かの両極端です。緩やかな登りや緩やかな下りがありません。落ち葉がクッションになってくれているので足腰への負担は緩和されているようですが、健脚でないとこの山を歩くのは辛そうです。

 

766m標高点への登り返しは薄暗い道で、雰囲気はあまり良くありません。
766m標高点の直前には岩場があり、登りで歩いたルートを眺めることが出来ます。

 

13:23
766mピークに到着。地形図を見ると尾根が二股に別れています。大谷へ下る尾根は766mピークから少し下ったところから派生しているので、ここでコンパスに進路をセットして斜面を下ることにします。と思ったら、ピンクのマーキングが道を示していました。

 

766mピークから尾根へは、やはり急な下り坂です。

 

雑木の中の気持ちよい道を南へ進んでいると、徐々に登山道に緑が多くなります。やがて伐採地に出ました。

 

13:38
南西側の展望が良い伐採地に出ました。(地図参照)

 

大谷地区が見下ろせますし、西方面の遙か彼方の山々のシルエットが見えています。残念ながらどれが何山なのかさっぱり分かりませんでした。

 

伐採地からはしばらくの間藪っぽい(藪ではない)道になります。
道に生えていた雑木が切り倒され、真新しい切り株がいくつも出来ています。

 

13:53
播磨西線69番鉄塔の手前で鹿よけネットに出会いました。ここには開閉部がなく、ネットが切られて穴があいています。この穴をくぐって鉄塔へ向かいます。

 

鹿よけネットから鉄塔までの間は、私の身長ほどの草の中を歩きます。距離はわずかですし、鉄塔が見えているので進む方向は間違えません。

 

13:57
69番鉄塔の真下に到着。ここも70番鉄塔と同様に伐採地になっており、東西の展望が楽しめます。

 


▲69番鉄塔下から808mピーク~山頂まで(登りに使った区間:右が808mピーク、左が水剣山山頂)を望む。

 

69番鉄塔から南へはしっかりした道が続いています。鉄塔周辺は伐採地ですが、南へ進むとすぐに樹林帯に戻ります。

 

14:08
巡視路標識に出会いました。数字が全く読み取れませんが、矢印だけは辛うじて読み取れます。
この矢印の意味から考えると、ここで進路を東へ取れという意味でしょう。
東を見ると、もう見慣れたピンクのマーキングが付いています。

 

ここからは尾根の東側斜面につけられたジグザグの道を下っていきます。
最初のうちはジグザグの頂点部分だけにプラ階段がありましたが、標高500mを切った辺りからプラ階段の割合が非常に多くなります。

 

プラ階段の表面には落ち葉が積もっており、足の置き方によってはズルッと滑ります。

 

プラ階段の道をぐんぐん下っていくと、雑木の落ち葉が無くなってきます。
こうなると、終点はまもなくです。

 

14:38
沢が見えてきました。沢沿いに北へ進み(ピンクのマーキングが誘導してくれる)、またげるほどの幅の沢を越えると、林道に出られます。

 

14:40
スタート地点に戻ってきました。
後は林道を下って駐車地点に戻るだけです。

 

カシミールによる歩行距離:6.873km
累積標高差:+907m、-904m