播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

家庭用の真空パック機

今回紹介するのは、家庭用の真空パック機です。

 


製品名:MAGIC VAC Elite V006
メーカー:FLAEM NUOVA (イタリア)
輸入販売元:日本ゼネラル・アプライアンス株式会社
本体サイズ:幅 380mm×奥行 140mm×高さ 90mm
重量:2.5kg
電源:AC100V
定格消費電力:250W
吸引力:600mmHg(79.8kPa)
定価:¥36,540(実売は3万円台前半)

 

完全な真空状態にはできないので「脱気」と呼んだ方が良いのですが、「真空パック」の方が聞きなれた言葉なので、あえて真空パックと書かせていただきます。

 

家庭で真空パックなんていつ使うんだ、と思われるかもしれませんが、家人は肉などの食材を喜んでパックしていました。(柔らかい食品や液体には使えません)

 

私も同じように食品を真空パックしていますが、言うまでもなく山へ持っていくためのものをパックしています。
アメリカ製のフリーズドライ食品は一袋に二人分が入っているものが主流ですが、私はほとんど単独なので、二人分の食品を持っていく必要がありません。そこで、中身をボウルにあけて秤で半分の重さを測り、これを真空パックして保管、携帯しています。

 

単にジップロックなどに入れて保管するよりは長持ちしそうですし、安全に清潔に食品を持ち運べるようになります。

 

真空パック用の袋は非常に丈夫な上に、真空パック機のヒートシール機能が強力なため、卓上シーラーよりもしっかりと袋の口を溶着してくれます。(真空パック専用のイタリア製ナイロン袋は、私の卓上シーラーでは容着できませんでした。)

 

そのため、ザックの中で袋が破れたり口から中身が漏れ出したりしません。

 

専用のナイロン袋は、そのままボイルしても大丈夫な耐久性を持っているので、フリーズドライ食品を入れておけば、ナイロン袋の口を切り取り、熱湯を注ぎこむだけで食事を楽しめます。

 

食糧の他に、ファーストエイドキットのパックにも使っています。

 

これらは清潔な状態に保つことが重要ですが、最近のガーゼ類は簡単に開封できる構造になっている上、個包装が貧弱に見える(素材が薄い)ため、持ち運んでいるうちに包装が破れたりはがれたりして中身が汚れる心配があります。

 


▲真空パックしたファーストエイド用品

 

そこで、これら貧弱な個包装のファーストエイド用品を個別に真空パックしています。(写真参照:左側の2つがガーゼ)
ポイズンリムーバーは副腎皮質ホルモン軟膏とセットで使用するので、取説などと一緒にひとまとめにしてパックしています。(写真右端がポイズンリムーバーと軟膏、取説、清浄綿をひとまとめにしたパック)
(もちろん、とっさの時にすぐに開封できるよう、袋の縁に切れ目を入れています。)

 

真空パックになっているため、袋が破れて中身が汚染されている可能性がある場合は、一目でわかります。袋に空気が入っていれば、袋が破れている可能性があるということです。



パックするときは、写真のようにカバーを開き、中に見えている長方形の穴(黒いパッキンで囲まれている)に袋の口が入るようにセットします。そしてカバーを閉じ、左側のボタンを押して脱気。昔の掃除機についていた吸引メーターみたいなものが緑色になったら、右側のボタンを押して溶着開始。赤いランプが消灯するとパック作業は完了です。

 


▲カバーを開いた様子。ここに袋の口を挟む

 

作業が終わったら、本体底部の穴にケーブルを押し込んで片づけます。穴が窮屈でケーブルを無理な形に曲げないと収納できませんが、この辺のおおざっぱさが外国製品らしい。国産品なら、ケーブルの収納方法をもう少し工夫してくれそうです。

 


▲ケーブル収納用の穴

 

ケーブルの収納方法以外は、国産品よりも優秀です。脱気ポンプも溶着用シーラーも、以前使用していた某国内有名メーカーの製品よりもはるかに強力です。

 

私が使っている製品は完全に手動ですが、(以前使っていた国産の)自動の製品は袋にまだ空気が残っていても脱気が止まってしまうことがありましたから、手動の方が確実です。



工夫次第で何かと使えそうな道具ですが、値段が高いのが難点。
しかし、本来は台所で活躍してくれるものなので、購入にあたっては普通の山道具より家族の理解を得やすいかもしれません。