播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

姫路市の苫編山:英賀保駅から最も近い登山口の位置を確認してみました

概要

昨日は暑かったので家からほとんど出ずに過ごしましたが、家でじっとしているのはやっぱり退屈。

ということで、本日は家から近く、さっと登れて、景色を楽しみながら食事ができて、短時間で下りられる山に行くことにしました。

行き先は、JR英賀保(あがほ)駅の北にある苫編山(とまみやま)。
かつて山頂に巨大な反射板(無給電中継装置)が建っていましたが、2017年頃に撤去されました。


▲反射板の跡地だけが残る苫編山山頂(2022年10月ドローンで撮影)

英賀保駅の北に広がる住宅街「富士見ヶ丘」に、苫編山へ登れる登山口があるというのを昔から知っていたのですが、歩いたことはありませんでした。

先日、そこから入山しようとしたら「立ち入り禁止」の看板が下がっていて、「この登山口は使えなくなったのか」と思ってしまいましたが、私が思っていた場所はどうやら登山口ではなさそうだと判明。

富士見ヶ丘の登山口の正しい位置を調べることも、今回の目的としました。

本日の行程は、次の通りです。

  1. JR英賀保駅の北にあるコインパーキングに駐車。
  2. 苫編公園の登山口から苫編山山頂へ。
  3. 山頂で昼食。
  4. 富士見ヶ丘へ続く道で下山。


▲対応する地形図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路南部」


▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

姫路市街から駐車場へ

09:45
姫路市街の自宅を車で出発。

JR山陽本線沿いの県道415号線を南西へ進み、英賀保駅の南側を通り過ぎてからおよそ950mの場所にある「京見橋東詰」交差点を右折します。

ここからは、夢前川の左岸*1を走る県道516号線です。

県道516号線を北上すること約650m、「才埼橋東詰」交差点を右折。これで、JR英賀保駅の北側の住宅街に入れました。

道なりに東へ800m進むと右手にコインパーキング(パークンパークの「英賀保駅北パーキング」)があるので、そこに車を置きました。


https://maps.app.goo.gl/fcxhtVYaQ3Naiq3y8
▲コインパーキングの位置

JR英賀保駅のすぐ北ですからJRを利用しても良いのですが、私は汗っかきのため、この時期は山を歩いて汗だくの状態で公共交通機関を利用することに抵抗があり、今回は自家用車を使用しました。

10:05
コインパーキングに到着(地図中「P」)。

車を止めてから券売機で駐車券を購入し、車の外からよく見える場所に駐車券を置いておく方式です。


▲英賀保駅北パーキング(1日¥350)

駐車場から登山口へ

10:11
準備が整ったので出発。駐車場を出て東へ歩きます。

350mほど進んだところにある交差点を左へ入りますが、この場所の目印は「イーグレ ブルワリー」(クラフトビールのお店)です(地図中「イーグレブルワリー」)。

そのまま道なりに北東へ進むと、大きな公園(苫編バイパス南公園)の横を通り、その先で姫路バイパスの高架をくぐります。

姫路バイパスの高架をくぐってから90m先の交差点を左に曲がり、歴史を感じる細くて曲がりくねった道を北へ200mほど進むと、登山口のある苫編公園です。


▲姫路バイパスの高架下をくぐってから、ここを左に曲がる


▲苫編公園はこの道の終点にある


https://maps.app.goo.gl/TT6YY3dhswvGUiMJ7
▲苫編公園の位置

登山口から苫編山へ

10:24
苫編公園に到着(地図中「苫編公園」)。


▲苫編公園

ここでお手洗いをお借りした後、全身に虫よけスプレーを振ったり、暑さ対策のために帽子をバックパックから取り出して被るなど、山へ入る準備を整えました。

登山口は、お手洗いの真向かいの坂道です。


▲この坂が登山口。左奥は苫編公園(左端にお手洗いが少し写っている)。

始めはコンクリートの坂道でしたが、やがて土嚢で補強された土の坂道に変わります。

10:32
あずまやに出会いました(地図中「あずまや」)。
登山道は、あずまやの右を通っています。


▲あずまやの右を進む

ここからは山頂まで一本道ですから、迷う心配はありません。
登山道の斜度は少しきつめですが、岩がちで歩きやすいです。


▲山頂までの道はおおよそこのような雰囲気

10:36
鉄道用地を示す境界標石に出会いました(地図中「工英11鉄塔跡)。
ここにはかつて、JRの送電塔が建っていたのです。


▲工英11鉄塔跡(平坦な土地と鉄道用地を示す標石(右上)がある)

それにしても暑い…
上から直射日光で炙られ、岩がちな路面からも熱を感じます。

熱中症になると困るので、日傘を使用しました*2

路面からの熱は防げませんが、頭上からの熱を止めるだけでも首元や頭が涼しい。


▲日傘を使用した

朽ちて倒れた道標の横を通り、道が平坦になったなと思ったら、山頂に出ました。

山頂(昼食)

10:50
苫編山の山頂に到着しました(地図中「苫編山」)。
反射板が撤去され、平坦な跡地だけが残っています。


▲苫編山山頂

かつてこの山頂に存在した反射板は、わが国で最も初期に設置されたものだったようです。

下記の引用元の文献によると、姫路駅と大阪駅を結ぶマイクロ波の通信回線を通すにあたって六甲山に中継所を設置しましたが、姫路駅と六甲山の間は高御位山に遮られて見通しが効かず、マイクロ波も遮られてしまうため、いったん苫編山の反射板に当てて跳ね返す形で姫路駅-六甲山間で通信を行っていたようです。

 国鉄は上記の青森-函館間の4,000Mc,PPM-AM多重通信に続き、昭和28年、大阪-姫路間にマイクロ波回線を設置する計画を立てたが、当時4,000Mc帯はすでに電電公社の専用バンドとなり、2,000Mc帯か7,000Mc帯かへの移行が余儀なくされていた。国鉄はここで7,000Mc帯を利用することにより、姫路に程近い苫編山に無き電中継用の反射板を設け、大阪-六甲山-苫編山反射板のルートを実用化すべく、我が国最初の本格的な反射板に関する測定を実施した。この結果により、反射板の実用性が十分確かめられ、このルートの実用化が成り、以后、国鉄を初めとする我が国業務専用マイクロ波回線に採っては、反射板中継が必要欠くべからざるものとなった。けだし、我が国の如き山岳の多い国では、反射板中継こそマイクロ波中継を経済的に発達させる基盤であったと云っても過言ではなかろう。
(出典:『鉄道技術研究報告』(269),鉄道技術研究所,1961-12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2302541 (参照 2025-06-24))

山頂は東と南に展望が開けており、日傘で直射日光を遮ってさえいれば、適度に風も吹いて涼しく過ごせそう。

というわけで、ここで昼食を食べることにしました。

本日の昼食は、シーズコアの「もみのりと胡椒ゴマの塩ラーメン」。


▲もみのりと胡椒ゴマの塩ラーメン

暑いので、荷物を軽くするため、私にしては珍しくアルコールストーブを使用。今日は荷物が軽すぎて、何も背負ってないのかと思うほどでした。


▲ラーメンを調理している様子(右のテーブルにあるのは、後入れの海苔とオリーブオイル)


▲完成したラーメン(表面が海苔で覆われている)

今日は汗だくなので、塩分補給のためにラーメンのスープは飲み干しました。
(普段は腎臓のことを考えて、スープは持ち帰ります)

ラーメンを食べながら楽しんだ本日の景色は、次のようなものです。


▲東方面の眺め(①姫路城 ②庄山 ③冑山 ④高山 ⑤浦山 ⑥桶居山 ⑦高御位山 ⑧小富士山 ⑨仁寿山)


▲北方面の眺め

下山

11:45
地面からの熱で体がじんわり温められて汗が全く引かないので、とっとと帰ることにします。

三角点標石の右を通る道に入り、南西へ延びる尾根を目指しました。


▲三角点の横を通って西へ進む

ここからしばらくは、南方面に展望が開けた岩尾根です(地図中「岩尾根」)。


▲展望の良い岩尾根

岩尾根が終わると、樹林帯に入りました。
邪魔になるし樹林帯の中は涼しいので、日傘はここで収納。


▲涼しい樹林帯に入った

すぐに工英12鉄塔跡のある尾根への分岐に出会いましたが、この分岐は存在を知っていないと見落とすと思います。

この尾根を下った時の記録は、下のリンクからどうぞ。

分岐には入らず、主稜線を通る縦走路をそのまま南西へなだらかに下りました。

標高80m付近で小さなコブを越えて少し下った後、また登り返しの斜面に出会います。
その斜面を登り切った81mの標高点が、富士見ヶ丘への分岐。

12:00
富士見ヶ丘への分岐に到着(地図中「富士見ヶ丘分岐」)。

登りでも下りでも見落とさないよう、逆向きに2枚の道標がぶら下げられているという心遣い。

ここから南へ延びる尾根へ入りました。


▲下りで目に入る「富士見ヶ丘方面を示す道標」(道標では行き先が英賀保駅方面となっている)

富士見ヶ丘への道もメインの縦走路と同じくらいよく歩かれているようで、しっかりした道になっています。

姫路バイパスの夢前トンネルの真上付近は岩尾根になっており、展望が開けていました。


▲夢前トンネルの真上付近の様子(左に見えるのが姫路バイパス)

12:03
また鉄道用地の標石に出会いました(地図中「工英13鉄塔跡」)。

ここは鉄塔の土台部分の石積みも残っていて、鉄塔跡地であることが分かりやすくなっています。


▲工英13鉄塔跡

鉄塔跡からは薄暗い樹林帯に戻りますが、その中で赤く輝く矢印が見えたので近づいてみると、反射材を利用した道標でした。


▲暗くてもよく目立つ道標

ここからは、道の右側に柵やネットが出てきます。

どうやら私有地の畑か何かがあるらしく、登山者に入って来て欲しくないという強い思いが感じられる雰囲気。

地形図で見ると平坦に見える細長い尾根ですが、実際は高低差が10m未満のアップダウンが多くあります(地形図の等高線は10m未満の標高差を表現できない)。

12:09
苫編の住宅街に向けて設置されたスピーカーの残骸に出会いました(地図中「スピーカーの残骸」)。

かつては夕方の放送を流したり、非常時には緊急放送を流して住民を守っていたものかも知れません。


▲スピーカーの残骸

このスピーカーの根元にもありましたが、この尾根上には見たことのないロゴのある境界標石が何本も埋まっています。何の標石なんだろう。


▲富士見ヶ丘への尾根上で見られる境界標石

いよいよ麓に着くというところで道の左側にトラロープが現れ、それに沿って歩いていると、民家の裏に突き当たりました。

右に道路が見えたので、ここは右折


▲民家に突き当たったら右へ曲がる

12:14
富士見ヶ丘の住宅街に出てきました(地図中「下山地点」)。


▲ここに出て来た

ここから南へ100mほど進めば、駐車場です。

12:17
駐車場に戻ってきました。

交通アクセス

  • 公共交通機関を利用される場合は、JRの英賀保駅が最寄りです。
  • 今回利用したのは駅の北にあるコインパーキングでしたが、駅の南側、県道415号線沿いにも駐車場があります。一つは「英賀保駅前」交差点から東へ30mのコインパーキング「チケパ 英賀保駅前第3」(収容台数15台)。平日は1日¥600、土日祝日は1日¥700です(駐車料金は入庫後24時間単位の計算で、時間貸しではありません)。「チケパ 英賀保駅前第3」が満車でも、その40m東に「チケパ 英賀保駅前第4」(収容台数9台)があり、第3と同じ駐車料金で車を置けます。

参考情報

  • 飲料の自動販売機は、(1)英賀保駅北パーキングの北向かい (2)パーキングから250m東にあるマンション「ヤマエハイツ」前 (3)苫編バイパス南公園の南の3か所にあります。
  • お手洗いは、苫編バイパス南公園の公衆トイレ、または苫編公園のお手洗いが使用できます。
  • 最寄りのコンビニは、英賀保駅から県道沿いに西へ300mほどの場所にあるファミリーマート英賀春日町店です(2025年6月時点)。
  • イーグレブルワリーでは、お店が開いていない時間帯でも自動販売機でクラフトビールを購入できます。

*1:川の下 流側を向いて左側にあたる岸が左岸、右が右岸です。河川は曲がりくねっていることが多いため、その片側を表現する際は東西南北ではなく右岸、または左岸という表記を使うのが一般的。

*2:山での日傘の使用には、注意が必要です。今回は登山道の道幅が広く、他の登山者とも出会う可能性が低いうえに危険な箇所もないため、日傘を差しても大丈夫だと判断しました。