姫路やその周辺のローカルニュースを扱っているWebサイト「姫路の種」で、私の家の近くにある八丈岩山(はちじょうがんざん)の山頂で何やら工作物が作られているとの記事を見かけました。
記事が公開されてから1か月近く経つので、そろそろ完成しているのかなと思って見に行くことに。
正直に告白すると、2022年度内に終わらせておくべき仕事を「まだ時間があるから」とずるずる先延ばしにしていたら(当たり前ですが)3月末に時間がなくなり、私にしては珍しく残業が続いて疲れがたまり、車の運転すら面倒くさいので、軽い散歩で終わる程度の山歩きにしたいなと思ったのです。
▲八丈岩山の山頂に立つ石柱(高岡神社旧跡と刻まれている)
今回の行程は、八丈岩山西新在家登山口→山頂→田寺山手町自治会館脇に下山→田寺東にあるラーメン屋さん「とりのほね」で美味しいラーメンを食べる→腹ごなしに辻井東山公園の東から再度入山→二度目の山頂→藤和ライブタウン新在家の駐車場北に下山というものです。
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路北部」
▲カシミール3Dで作成したルートの断面図
10:12
09:55に姫路駅北の10番のりばを発車する8系統の路線バスで、定刻より6分遅れて「西新在家」バス停に到着(地図中「西新在家バス停」)。
神姫バスの利用方法は、私が過去に八丈岩山を歩いた時の記事を参考にしてください。
バス停のすぐ東にある「西新在家」交差点を北へ渡り、そのまま道なりに400mほど坂道を登ると、今回の登山口である「八丈岩山西新在家登山口」があります。
https://goo.gl/maps/KKSMHMuiRenZ5Fgw7
▲西新在家登山口の位置
10:20
八丈岩山の西新在家登山口に到着(地図中「西新在家登山口」)。
▲西新在家登山口
この登山口から山頂までは、途中にいくつか分岐はありますが、すべて登りを選べば問題なく山頂へたどり着けます。
距離は短いですが、山頂までは比較的急な道。
▲西新在家登山口から登る道の様子
10:33
登山口から15分もかからず山頂に到着。
地元の中学生(小学生?)と思われる子供たちの一団が、山頂の露岩の上で楽しそうに過ごしていました。
私も子供の頃は景福寺山や八丈岩山で遊んでいたなぁ。
ただし、私の場合は銀玉鉄砲やエアガン、爆竹、かんしゃく玉などを使っていたので、まったく健全ではなかったですが…
▲八丈岩山山頂の様子(地元の子供たちが遊んでいた)
冒頭で紹介した「姫路の種」に掲載されていた工作物の設置工事ですが、新しいものは増えておらず、山頂の祠の土台部分がきれいになっていました。祠の修繕作業だったのでしょう。
▲土台がきれいになった祠
ちなみに2019年5月時点では、下の画像のような状態でした。
▲2019年5月4日に撮影した祠
祠の横には、四等三角点標石(点名:八丈岩山)が埋設されています。
▲八丈岩山山頂に埋設されている四等三角点標石
子供たちを不安がらせてはいけないので、さっさと退散。
田寺山手町自治会館(道標では「田寺山手町(集会所北側)」)へ下山するため、山頂から北へ向かいます。
▲田寺山手町自治会館へ下山するには、この道標に従って北へ進む
10:39
北へ歩き始めてすぐ二股の分岐に出合いました(地図中「田寺山手・田寺東分岐」)。
これは、先端に水道タンクのある尾根と、その一本東の尾根への分岐です。
この分岐に立っているアンテナは、400Mhz帯無線中継所。
免許が不要な特定小電力トランシーバーの電波をより遠くへ飛ばすための中継所で、無線の分野ではレピーターと呼ばれるものです。
▲分岐の様子
今回は、この分岐を左(田寺山手町方面)へ進みます。
▲分岐の道標(左へ進む)
ただ、今から下山しても目的のラーメン屋さんが開店するよりだいぶ早い時間にお店に着いてしまいます。
というわけで、分岐に設置されたベンチに座って汗を乾かしました。
4月になったばかりなのに暑い…
10分ほど休憩してから出発。
段差の大きな丸太階段を下ると、また分岐に出合いました。直進すると田寺山手町(集会所北側)で、右折すると2本の尾根の間にある谷間(田寺東1丁目)や、東隣の尾根に行けるようです。
今回は予定通り直進。
送電線の鉄塔が2本並んで立っている場所の手前で展望所に出合いました。
▲鉄塔手前の展望所(奥に見えているのは溝口線3番鉄塔)
東西方向に展望が開けていて、ベンチもあるためのんびりできそうな場所です。
クマバチが大きな羽音を立てて私の目の前1.5mほどのところでホバリングしていたので、一眼レフカメラで撮影してみました。
写真にしてじっくり見ると、コミカルな姿をしてるなぁ。
▲展望所にいたクマバチ(ここまでズームできないので、撮影した写真をトリミングしました)
展望を楽しみ、クマバチを写真に撮れて満足したので、下山再開。
溝口線3番鉄塔の横を通り、姫路支線32番鉄塔の下をくぐって北へ下っていきます。
▲姫路支線32番鉄塔下をくぐってから振り返って撮影した風景(奥は溝口線3番鉄塔)
11:03
なだらかに尾根道を下っていると、水道用の巨大なタンクがある場所で道は左に折れ曲がりました(地図中「水道タンク」)。
▲水道タンクの横にある丁字路を左折(右折するとタンクに突き当たって行き止まり)
この後は、段差の大きな丸太階段を下ります。
11:10
田寺山手町自治会館の北に降りてきました(地図中「田寺山手町自治会館」)。
▲ここへ降りてきた
ラーメン屋さんの開店時刻は11:30。ここからゆっくり歩いても、まだ開店まで時間がありそう。
どうしようかな、と考えながら田寺山手自治会館から西へ下っていると、神社が視界に入りました(地図中「高岡神社」)。
せっかくなので、時間つぶしも兼ねてその神社にお参りすることにしました。
▲交差点から神社に入った(防火水そうの標識の後ろにあるのはお手洗い)
▲高岡神社の社殿
由緒書高岡神社 包括団体 神社本庁
御祭神 応神天皇・仲哀天皇・事代主命・猿田彦神・住吉大神・伊與親王・藤原夫人の八柱の神々
御神徳 国家鎮護・五穀豊穣・福徳円満・開運厄除け・病気平癒・安産子育て
由来 当神社は淳和天皇の御代 天長3年(西暦826年)9月 八丈岩山の頂上 八畳岩より振袖山(俗称蛤山)へ遷宮された「延喜式内高岳神社」の分社として田寺村大谷口の地に神殿を創建し 明治4年(西暦1871年)10月 神々の正遷宮を迎え 田寺村(現 田寺・田寺東・田寺山手の三町)の鎮守氏神としてお祀りし 氏子尊崇の社として現在に至る
(出典:現地の看板から一部を抜粋)
神社でお参りを済ませたらさらに道を西へ下り、まつもと音楽教室のある角を右へ入ると、「とりのほね」の看板が見えます。
田寺山手町自治会館から「とりのほね」までの距離は、500m弱です。
11:23
中華そば「とりのほね」に到着(地図中「中華そば とりのほね」)。
▲中華そば「とりのほね」の店舗外観
https://goo.gl/maps/2E2jfd6KvqFVqCWY6
▲「とりのほね」の位置
11:30
開店と同時に入店。
特製中華そば(税込¥950)をいただきました。
相変わらずこのお店のラーメンは美味しい。
▲特製中華そば
11:50
お店を出て、次の入山地点である田寺山手の登山口へ。
下ってきた道を戻り、高岡神社のある交差点を右折して200mほど南へ進みます。
登山口は、辻井東山公園の東向かいにあります。
11:59
田寺山手の登山口に到着(地図中「田寺山手登山口」)。
▲田寺山手の登山口(擁壁の端に付けられた坂道の上に巡視路標識が見えている)
https://goo.gl/maps/jBdJAaL3ESXWLeqe8
▲田寺山手登山口の位置
擁壁の端の急斜面を登ると、色褪せた巡視路標識とおなじみのプラ階段が出てきました。すぐ上に見えている鉄塔へ行くための巡視路になっているようです。
▲田寺山手の登山口は巡視路の入口と兼用になっている(巡視路標識とプラ階段がある)
プラ階段の道をひと登りすると、フェンスに囲まれた鉄塔に出合いました。これは姫路支線33番鉄塔。
▲姫路支線33番鉄塔はフェンスに囲まれている
右を見るとフェンスのない鉄塔(溝口線2番鉄塔)があり、その鉄塔の下をくぐって進むようです。
▲溝口線2番鉄塔(この鉄塔の下をくぐって進む)
溝口線2番鉄塔をくぐった後は、トラロープが垂れ下がった急斜面が何か所か続きます。
▲急斜面の一つ
トラロープのある滑りやすい急斜面を過ぎると落ち葉の積もったやや急な斜面になりますが、それも標高130m付近まで。
それ以上の高さになると、地形図の通り平坦で快適な道になります。
▲平坦な区間の様子
12:13
共同受信アンテナの残骸に出合いました(地図中「共同受信アンテナ跡」)。
支柱が木製なので、相当古いのかな。
▲テレビ共同受信アンテナの残骸
共同受信アンテナ跡地を過ぎてからもしばらく平坦な道が続き、山頂に近づくとなだらかな登り斜面が始まります。
12:18
本日2回目の山頂に到着。
▲山頂から姫路市街の眺め
▲山頂上空でドローンを使って撮影した全天球パノラマ(撮影日:2019年5月4日)
八丈岩山 標高173メートルこの山頂の岩に含有されている成分から、約1億5000万年前に海底から隆起して出来た、姫路で一番地層の古い山です。
八丈岩山は、昔から聖な山として因達(いだて)神山と言われ因達神(スサノオノミコトの子)射楯(いたて)神が祀られていた。
現在、播磨国総社と辻井行矢神社の祭神はこの神です。
この地に設置されている石柱には、「高岡神社舊蹟(きゅうせき)」「天長三丙午(ひのえうま)年(西暦826年)九月九日影向(ようごう)」と表記されています。
高岳神社は、古くはこの近く新在家八丈岩山の宮谷「鳶か巣」に鎮座(設置)されていた。
その後、現在の「西今宿」蛤山に遷座しました。
明治4年(西暦1871年)高岳神社から田寺村氏神として高岡神社を分社し現在に至っている。設置者 安室中学校区地域夢プラン実行委員会(出典:現地の看板)
設置承認 新在家土地利用組合
12:34
一通り展望を楽しみ、下山後に乗るバスの時刻を神姫バスのアプリで確認したので、下山開始。
北新在家2丁目バス停に次のバスが来るのは、13:07です。
30分あれば、ゆっくり下山しても余裕でバス停に到着できるでしょう。
下山時は、北新在家(藤和ライブタウンマンション北側)方面を目指します。
▲下山時はこの道標に従う
▲下山に使用する道
歩く人が少ないのか、道の幅がそれほど広くなく、落ち着いた雰囲気で気分よく歩けます。
下り始めて2分ほどで分岐に出合いましたが、道標はありません。
方角を考えて右に入ったものの、間もなく左後ろから道が合流してきたので、どちらに行っても良かったのかも。
130m等高線に囲まれた小さなピークには「火の用心」と書かれた看板が置かれていて、丁字路になっています。
方角を考えれば、ここは右が正解。
▲この分岐は右へ進む
私は花にあまり関心がないのですが、ミツバツツジには癒されます。
▲気持ちの良い山道
またまた分岐に出合いました。
ここはプラ板の道標が落ちていて、左を差して「藤和マンション」となっています。
仮にプラ板の道標が無くなっていたとしても、地図とコンパスで方角を考えれば、正しいルートがわかると思います。
▲この分岐はプラ板に書かれた「←藤和マンション」に従って左へ曲がる
細い尾根道を下っていると、突然道は左へ向きを変えて斜面をトラバースし始め、落ち葉が深く積もった谷間を下るようになります。
▲落ち葉が積もった谷間を下る
12:53
藤和ライブタウンの駐車場脇に降りてきました(地図中「藤和ライブタウン登山口」)。
▲ここに降りてきた
この後は、坂を下って2つ目の角の道路を渡ってから右に曲がると、北新在家2丁目バス停です。
12:55
北新在家2丁目バス停に到着(地図中「北新在家2丁目バス停」)。
姫路駅方面は、道の東側にあるバス停です。
▲北新在家2丁目バス停(姫路駅方面)
https://goo.gl/maps/frbWgfRSTvXJhiUG9
▲北新在家2丁目バス停の位置
13:07
定刻にやってきた姫路駅行の路線バスに乗車し、本日の散歩は終了。
姫路駅までの運賃は¥220です。
交通アクセス
周辺にハイカー向けの駐車場はありません。八丈岩山は、自家用車で楽しむには不向きです。
公共交通機関を利用する方法は、この記事内に記載しています。
2回も山頂を踏みたくないという場合は、ラーメン店「とりのほね」から西へ進んだところにあるマックスバリュの脇にある「田寺東2丁目」バス停から姫路駅へ戻ることもできます(バスの本数は、昼間は20~30分に1本)。