戦闘飯盒2型を購入してから毎週欠かさず見ているYouTubeチャンネル「おとの今日も今日とてソロキャンプ」を見ていたら、「スパムおにぎり」が登場しました。
動画の11分50秒あたりからスパムが登場します。
投稿者さんは動画の中で「スパムおにぎりが美味しい」と評価されており、どんなものか興味が湧いたのですがそのまま忘却の彼方へ…
そんな時、たまたまスパムおにぎりのキッチンカーを発見。
件の動画を思い出して買ってみたところ、提供されたスパムおにぎりは「おにぎらず」のような形状をしており、ご飯の間に香ばしく焼かれたスパムと薄焼き卵、さらに自分が指定したトッピング(シーチキンなどを選ぶことができた)が挟まっていて、とんでもなく美味しいのです。これはたまらん!
前述の動画では戦闘飯盒の本体でご飯を炊き、溶き卵を中子で蒸し焼きにして固め、スパムは焼かずに使っていましたが、調べてみると「スパムおにぎり」は「スパムむすび」から派生したもののようです。
本家の「スパムむすび」は握り寿司のような形をしていて、スパムはしっかり焼いて使うのが一般的。
スパムおにぎりよりも食べやすそうなので、本家の「スパムむすび」を作ってみることにしました。
▲スパムむすび(山で実際に作った時の様子)
「スパムと卵を焼き、ご飯に載せて海苔で巻くだけだから、料理ができない私でも作れるはず」と考え、手持ちの山道具を使ったスパムむすび作りに自宅で挑戦。
しかし、思っていたほど甘くはありませんでした。
ご飯をスパムむすびの形に固めるのも難しいし、アウトドア用のナイフでスパムを均一な厚さに切るのも難しいのです。
でも、山歩きの時にどうしてもスパムむすびを食べたい!
というわけで、スパムむすびを山歩きで手軽に楽しむために購入した製品を2種類紹介します。
概要
今回紹介するのは、スパムを適切な厚さにスライスできる「ランチョンミートスライサー」と、ご飯をスパムむすびの形に成形するための「ランチョンミートむすびメーカー」です。
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▲ランチョンミートスライサーを紹介するメーカー公式動画
ランチョンミートスライサーの仕様
▲ランチョンミートスライサーのパッケージ
製品名: ランチョンミートスライサー
品番: KK-275
メーカー: 株式会社 小久保工業所(和歌山県)
材質: 樹脂部/ABS樹脂、枠・線/ステンレス
耐熱温度: 90℃
生産国: 日本
定価: オープン価格(直販サイトでは税込¥825)
購入価格: ¥452(税込)
購入先: amazon.co.jp
スライサーの外観
▲ランチョンミートスライサーの外観
見ての通り、ゆで卵などを輪切りにするためのエッグカッターを巨大化させたような製品です。
刃はステンレスのワイヤーで、8~9mm間隔で10本取り付けられています。
▲スライサーの刃
大きさはスパムに最適化されており、縦向きにしても横向きにしてもスパムが収まります。
(注)大きさを比較するためにスパムの缶を置いています。言うまでもありませんが、実際に使用する時は缶から取り出した中身をスライサーに置きます。
▲スライサーにスパムの缶を横向きで置いた様子
▲スライサーにスパムの缶を縦向きで置いた様子
傾斜した台の上端の突起が、スライスされるときに動こうとするスパムをしっかり受け止めてくれるため、失敗無くスパムをきれいにスライスできます。
▲この突起が動こうとするスパムを止めてくれる
むすびメーカーの仕様
▲ランチョンミートむすびメーカーのパッケージ
製品名: ランチョンミートむすびメーカー
品番: KK-361
メーカー: 株式会社 小久保工業所(和歌山県)
材質: ポリプロピレン
耐熱温度: 120℃
生産国: 日本
定価: オープン価格(直販サイトでは税込¥378)
購入価格: ¥300(税込)
購入先: amazon.co.jp
むすびメーカーの外観
むすびメーカーは、「容器」と「押し具」の2つの部材で構成されています。
▲むすびメーカーを構成する2つの部材
使用する時は容器にご飯を入れ、上から押し具で押し固めます。
▲むすびメーカー使用時のイメージ
容器の内側と押し具の底面は、ご飯がくっつきにくくなるよう溝がたくさん付けられています。
実際に使用するとわかりますが、これらの溝は効果抜群。
▲押し具(左)と容器(右)に付けられた溝はご飯がくっつくのを防ぐためのもの
ちなみに、むすびメーカーの容器には上下があって、開口部が大きく広がっている方が上です。
▲むすびメーカーの上下は商品名の刻印からも分かる
山歩きでスパムむすびを作るには
準備するもの
山歩きでスパムむすびを食べるために必要な道具と食材は、次の通りです。
<食材>(一人分)
- 保温容器に入れたご飯(260g=約0.7合)または通常サイズ(できあがりが260g)のアルファ米(白飯)×1袋
- 卵×1個
- スライサーで薄切りにしたスパム×3枚(または4枚)
- 海苔(手巻き寿司用の海苔を幅2cmほどに切ったもの)×3本(または4本。スパムの枚数に合わせる。)
- 油×適量
※スパムや卵に味を付けたい場合は、必要な調味料を用意してください。
▲スパムおにぎりを食べるために用意した食材*1
<道具>
- ガスストーブ
- フライパン
- (アルファ米を使う場合は)お湯を沸かすためのクッカー、または熱湯を入れた魔法瓶
- 卵を溶くためのカップ
- むすびメーカー
- まな板(ご飯の型押し作業や、薄焼き卵を切るときに台として使う)
- ヘラ(薄焼き卵を裏返したり切るときに使用)
- 箸(卵を溶いたり、スパムを焼くときなどに使用)
- お手ふき、またはウェットティッシュ(スパムを触って油でベタベタになった手や、道具類を拭くのに使用)
※今回の記事では焼いたスパムの置き場として、またご飯の型押し作業を行うために、MSRのアルパイン DXカッティングボード(まな板)を使用しています。
▲用意した道具一式
手順
※アルファ米を使う場合は、熱湯をアルファ米の袋に注いでできあがりを待っている間にスパムや卵を焼いてください。
スパムの両面をフライパンでしっかり焼きます。
▲スパムを焼いている様子
必要に応じてフライパンに油を引き、卵を薄焼きにします。
スパムむすびの形に合わせて切って使うため、うまくひっくり返せずグチャグチャになっても問題ありません。
とりあえず、焦げすぎない程度に焼けて固まっていれば大丈夫。
▲卵を焼いた様子(グチャグチャですが気にしないでください)
260gのご飯を3等分し(スパム4枚の場合は4等分し)、およそ90g弱(4等分の場合は65g)のご飯をむすびメーカーの容器に詰め込みます。
▲適量のご飯をむすびメーカーの容器に入れる(画像に記載の「90g弱」という分量は、スパムむすびを3つ作る場合です)
押し具でご飯をしっかり押し固めます。
押し方が不十分だと、食べる時にご飯がボロボロ崩れてしまいます。
▲押し具でご飯を押し固める
押し具でご飯を押さえながら、容器を上へ引き抜きます。
▲容器を上へ引き抜いて…
▲押し具を取り除くと、成形されたご飯のできあがり
ご飯の上にヘラまたは箸で適当な大きさに切った薄焼き卵を置き、その上にスパムを載せます。
▲ご飯の上に卵とスパムを載せる
海苔を巻いたら完成。
これを3個分(スパム4枚の場合は4個分)繰り返します。
▲海苔を巻いて完成
食べる時は、スパムを下にしてご飯を支えると食べやすいです。
私の場合はスパムを多めに持って行き、香ばしく焼いてスパム単体でも楽しんでいます。
注意事項
調理中は油が撥ねやすいため、服やその他の装備品に油のシミを作ったり、火傷をしないように注意してください。
ヒント:ホットサンドメーカーを使えば油の飛び散りを最小限に抑えられますし、スパムを焼いた直後であれば、余熱だけで薄焼き卵をきれいに作れます(卵をひっくり返す代わりにホットサンドメーカーを裏返すだけで、両面がきれいに焼ける)。
▲スパムを焼いた後は油が周囲に飛び散っている
調理中は匂いや音が出ます。人の多い山では、そういった匂いや音に対して苦情が来るかも知れません。
最後に
魚肉ソーセージと卵焼きを具材にした手巻き寿司をにぎり寿司の形に変えただけのような気もしますが、味が濃いスパムを具材に使うため食べたときの満足感が大きく、疲れてお腹もペコペコの状態でご飯を食べることになる山歩きにはピッタリ。
手巻き寿司を作るには広い作業場所が必要なのに対し、スパムむすびなら省スペースで作れる点も山歩きに向いています。
ご家族で山歩きを楽しまれる方は子供さんと一緒にスパムむすびを作っても楽しいかも知れませんが、油が撥ねるため火傷には注意が必要です。
低山をのんびり歩くときに、是非スパムむすび作りに挑戦してみてください。
その際は、実際に山に持っていく道具を使い、自宅でリハーサルを行うことをお勧めします。
そうすることで調理に必要な道具や作業の流れを把握でき、山の上で「どうすればいいんだ…」という事態になることを防げます。
日本製ですが非常に安価ですし、山歩きで使わなくなっても自宅では使えるでしょうから、買っても損はしないはず。
*1:ご飯を入れている保温容器は、過去にこのブログで紹介した「ごはんが炊ける弁当箱」です。