播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の苫編山(姫路循環器病センター跡から往復)

重要!

今回紹介するルートの一部は、道が分かりにくくなっています。
山歩きの経験が長くても整備されたルートしか歩かない方や、航法装備(GPS、地形図、コンパス)が不十分な方にはお勧めしません。

私が住んでいる播磨地域を中心に、様々な山を歩かれている方のWebサイト「TAJI & HMの兵庫の山めぐりhttps://taji-hm.sakura.ne.jp/)」を見ていたら、2022年9月23日に公開された「籾取山(姫路市)」の記事の中で、Webサイトの管理人さんは2022年5月1日をもって閉院した姫路循環器病センター*1の第一仮設駐車場に車を止めて籾取山(もみとりやま)へ歩かれていました。

籾取山から南の苫編山(とまみやま)にかけての山塊は、周辺に車を止められる場所が少ないため歩く人が多くない印象があります。しかし、車を置ける場所があるならこの山塊を楽しむのが簡単になりそう。

というわけで、「TAJI & HMの兵庫の山めぐり」で紹介されていた駐車場に車を止め、山塊南部の苫編山(個人的に籾取山より気に入っています)へ登ることにしました。


▲苫編山山頂(ドローンで撮影)山頂は、かつて立っていた電波反射板の跡地


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路北部」「姫路南部」


▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

西向き一方通行の国道2号線「神子岡南(みこおかみなみ)」交差点を左折、または東向き一方通行の国道2号線の「神子岡前(みこおかまえ)」交差点を右折して県道414号線に入るか、JR山陽本線沿いの県道415号線「棚田」交差点を北へ曲がって県道414号線に入り、新幹線の高架の70mほど北にある三叉路を西へ入ってください。

そのまま西へ進むと閉院した姫路循環器病センター(立入禁止)ですが、その直前で「第一仮設駐車場」と書かれた看板の立つ分岐があるので、看板に従って分岐を左に入ると、駐車場にたどり着きます。

分岐から駐車場までは一車線幅の道です。しかし対向車に出会う可能性は低いですし、距離も短いので心配はいらないでしょう。


▲第一仮設駐車場への看板


https://goo.gl/maps/7AALJn6WY8CXMEay6
▲旧姫路循環器病センターの第一仮設駐車場の位置

09:50
第一仮設駐車場に到着(地図中「P」)。

トイレや飲料の自販機といった設備は何もありません。


▲第一仮設駐車場の様子

09:56
準備が整ったので出発。
駐車場の奥に見えている舗装道路の上り坂(車止めがある)に入ります。


▲この道へ入る

まもなくグラウンドに出ました(地図中「グラウンド」)。
看板によると、ここは「西庄グランド*2」。


▲グラウンドの様子

グラウンドを横切って最奥へ進むと、送電線巡視路の入口があります。
ここが今回の登山口。


▲登山口は送電線巡視路の入口

巡視路に入ると間もなく三叉路に出会いました。
直進すると、南の井ノ口へ続く道、右が今回歩く尾根への道です。

三叉路から右(西)へ延びる巡視路は、斜度がなだらかで歩きやすい道です。


▲三叉路から西飾磨線5番鉄塔への道の様子

登山道の右にはずれたところに灰色の送電塔が立っているのが見えましたが、その足元にはJRの境界標石があります。つまり、送電塔は関電ではなくJRのもの。
銘板を見ると、西庄P3鉄塔でした(地図中「西庄P3鉄塔」)。

10:05
景観に溶け込むよう茶色く塗られた西飾磨線5番鉄塔の真下を通過(地図中「西飾磨線5番鉄塔」)。


▲西飾磨線5番鉄塔の真下を通る(これから歩く西庄P4、同P5鉄塔も見えている)

ここは木々が伐採されていて、閉院した姫路循環器病センターの建物が良く見えました。


▲姫路循環器病センター(閉院)取り壊しのための重機が見える

西へ延びる道は地形図の通りなだらかで、気楽に歩いて行けます。

10:09
西庄P4鉄塔脇を通過(地図中「西庄P4鉄塔」)。


▲西庄P4鉄塔の横を通過

そのまま尾根を登るのかと思いきや、道はなぜか南寄りに向きを変えました。
今までは巡視路だったため広くて快適な道でしたが、ここからは巡視路ではなくなるらしく、突然普通の山道に変わります。


▲西庄P4鉄塔から先は細い山道になる

山歩きに慣れている方なら道はよく分かると思いますが、遊歩道のような整備された山道しか歩かない方は要注意です。

10:14
姫路商業高校から上ってくる道が左から合流する三叉路に出会いました(地図中「姫商分岐」)。

ここは右へ入ります。


▲姫商分岐の様子


▲姫商分岐にある道標

地形図の等高線から分かるとおり、ここからは斜度がきつくなります。

汗だくで息も絶え絶えになって斜面を登っていると、露岩が出てきました。
こうなると、157m標高点はもうすぐです。


▲157m標高点が近づくと、露岩が出てくる

157m標高点の直前では、苫編山方面が良く見える展望地がありました。


▲157m標高点の手前から見た苫編山

10:25
JRの西庄P5鉄塔が立つ157m標高点に到着(地図中「西庄P5鉄塔」)。
この鉄塔の真下が三叉路になっています。


▲西庄P5鉄塔


▲鉄塔の真下が分岐になっている

今回は苫編山に行くので、ここは左へ。

西庄P5鉄塔から同P6鉄塔までは、妙に薄暗い自然林の中を歩くことになります。


▲薄暗い自然林の中の道を進む

10:29
西庄P6鉄塔下を通過(地図中「西庄P6鉄塔」)。

ここから道は南向きになります。
この辺りの道の見どころは、登山道脇に埋まっている旧陸軍省の標石。


▲陸軍省の境界標石

上の画像の様な先端が尖った標石が立っていれば、文字が読めなくてもそれは陸軍省の物。
昔は何かしらの軍事施設があったのかも知れません。

140m+ピークまでの間に、3本(藪の中に1本それらしいものがあったので、合計4本?)の標石が立っていると思います。

雰囲気が変わらない山道ですが、こうした歴史的な遺物を探しながら歩くと退屈しのぎになります。

10:39
140m+ピークを通過(地図中「140m+ピーク」)。


▲140m+ピークの様子

ここからは苫編山との間にある鞍部へ下っていきます。

「帰りはここを登り返すのか。でも、それほどきつくはなさそう。」と思える程度の斜度です。

10:45
鞍部に到着。ここは東西方向に道が延びていて峠になっています(地図中「峠」)。


▲峠の様子

峠から苫編山への登り返しは、地形図の等高線間隔から分かるとおりキツイです。
少し登っては休憩というのを繰り返し、少しずつ高度を稼ぎました。


▲苫編山へ登る道の様子(写真では斜度が分かりませんが、結構キツイ)

10:56
へとへとになりながらも、なんとか苫編山の山頂に到着(地図中「苫編山」)。

2017年頃に山頂の反射板が撤去された時は周辺の木々がまだ低くて大展望でしたが、それから5年経ち、木々が生長して展望が楽しみづらくなっています。


▲苫編山山頂の様子(反射板が撤去された跡地)

休憩がてら、ここでドローンを飛ばして遊ぶことにしました。


▲苫編山山頂と東側の展望(ドローンで撮影)

11:11
今回は苫編山の山頂ではなく、その西にある岩尾根で昼食をとり、ドローンも飛ばす予定にしていたので、ドローンは片付けず手に持ったまま出発。

三角点横の道を進んで岩尾根を目指します。


▲苫編山山頂の三等三角点標石(点名:苫編)の横を奥へ進む

11:14
本日の目的地である岩尾根に到着(地図中「岩尾根」)。

山頂から西へ進んですぐに出会う距離が短い岩尾根は、南から南西にかけての展望を楽しめます。

そこから小さな森を抜けた先の、距離が長い岩尾根は南から南東にかけての展望が得られます。

私が本日昼食を食べたのは後者の岩尾根。


▲岩尾根の様子


▲岩尾根の全景(ドローンで撮影)矢印の位置に私が立っています。画像右上の狭い岩尾根だと南西、私が立っている広い岩尾根からは南東の景色を楽しめます。


▲岩尾根から南東方面の眺め

ここで食べる本日の昼食は、缶詰の「牛めし」と冷凍食品のシュウマイ、そしてフリーズドライの味噌汁です。


▲本日の昼食(調理前)


▲本日の昼食(調理後)

調理に使ったのは、最近ハマっている「戦闘飯盒2型」。

飯盒本体に水と缶詰を入れ、中子に冷凍シュウマイを入れて火にかければ、缶詰のご飯が温まり、冷凍シュウマイもしっかり蒸されます。さらに、缶詰を湯煎したお湯でフリーズドライ味噌汁を戻せば無駄がありません。


▲岩尾根で戦闘飯盒2型を使っている様子


https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tomamiyama20221015/index.html
▲展望岩場の上空で撮影した全天球パノラマ

12:30
昼食と展望とドローン操縦を満喫し、下山開始。
もと来た道を引き返して駐車場へ戻りました。

下山時は「姫商分岐」から「西庄P4鉄塔」までの道が不明瞭なため、道を外れないよう注意が必要です。

13:27
駐車場に到着。


交通アクセス

公共交通機関を利用して今回の登山口を利用される場合は、県道414号線沿いの「西庄(さいしょう)」バス停が最寄りです。

苫編山に登るだけであれば、JRの英賀保駅から苫編山南麓の鹿島神社へ徒歩で移動し、神社から山頂へ直登できます。

*1:2022年5月1日に兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院が統合され、兵庫県立はりま姫路総合医療センターになりました。

*2:正しくは「グラウンド」ですが、看板では「グランド」となっています。