最近は暑過ぎるので山歩きを避けていましたが、いよいよ山に行きたいという禁断症状が出てきました。
標高が100m上がれば気温が0.6℃下がると言われていますから、標高1,000mほどの山に行けば、標高15mほどの我が家の周辺より気温が6℃低く、最高気温は20度台のはず。
虫や蜘蛛の巣、野生動物に出会うのはイヤですし、山歩きをサボって体が鈍りきっている私でも手軽に、安全に登れる山を選ばないといけません。
というわけで、選んだのは兵庫県多可町の千ヶ峰(1005.2m)。
千ヶ峰は人気がある山ですが、平日なら静かに楽しめるだろうと思い、本日休暇を取って出かけてきました。
▲千ヶ峰の山頂(ドローンで撮影)
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「丹波和田」
▲カシミール3Dで作成したルートの断面図
08:45
姫路市街の自宅を車で出発。
国道312号線を北上し、市川町に入ってまもなくの「落合橋東詰」交差点を右折。
ここからは県道34号線(西脇八千代市川線)です。
県道34号線を北東へ進み、船坂トンネルを抜けて県道が緩やかに南東へ向きを変えてしばらくすると(「落合橋東詰」交差点から約13kmの場所)、「加美」方面へ行くには左折するように書かれた案内標識があり、そのすぐ先で「←マイスター工房八千代・フロイデン八千代・ネイチャーパークかさがた・林泉荘・竹谷山・エアレーベン八千代・エーデルささゆり」と多くの施設が書かれた道標が立つ三叉路に出会います。それを左折。
桑坂トンネルを抜けて東へ下り切ると信号のない丁字路で県道143号線(加美八千代線)に突き当たります。その丁字路は左折。
県道143号線を北上すること約2.4km、野間川を渡ってすぐの場所(小さな時計台がある)に、国道427号線へ入るには右折するように指示する案内標識が立っています。それに従って右折。
山野部坂トンネルを抜けて道なりに車を走らせると、県道143号線を離れておよそ4kmで「加美西脇」交差点に出会います。この交差点を左折すると、国道427号線です。
国道427号線に入ってからおよそ7.6km北上して杉原谷小学校前にかかる歩道橋をくぐった直後、「←千ヶ峰登山口」の道標に出会うので、それに従って左折。
あとは道なりに北西へ進んでいけば、杉原谷小学校からおよそ7.2kmで、登山口のある市原峠に出ます。
杉原谷小学校から市原峠までは1~1.5車線幅しかありません。また、集落を抜けてから市原峠までの区間には多少の落石もありますので、運転にはご注意ください。
https://goo.gl/maps/yYXAu87sU5yYKaFy6
▲市原峠の位置
10:15
市原峠に到着。
登山靴に履き替えたり、GPS受信機の衛星捕捉を待ったり、虫対策など色々と準備を整えます。
▲市原峠の様子
市原峠には「千ヶ峰 孝行の森 案内図」と名付けられた看板が立っていて、そこには今回歩くルートの概略図が描かれています。
▲千ヶ峰 孝行の森 案内図
千ヶ峰 孝行の森 案内図
千ヶ峰登山道の市原コースは、標高約1005mの千ヶ峰まで続く尾根筋の散策道です。「孝行の森」では、この市原コース周辺の森林整備を行い、休憩施設を設けるなど、利用される方々に親しみやすい森林となるような整備を行いました。
散策道の途中には、ユキグニミツバツツジやナツハゼなど実のなる植物がみられるほか、千ヶ峰の山頂からは遠く但馬・丹波・四国まで望むことができます。千ヶ峰山頂まで約2kmの距離と約250mの高低差がありますが、広大な景色や豊かな自然をお楽しみ下さい。
孝行の森(市原コース)は千ヶ峰山頂までですが、笠形山・千ヶ峰縦走コースは笠形山まで続いています。
平成22年度 里山ふれあい森づくり事業
この森は、「新ひょうごの森づくり」に基づく里山ふれあい森づくり事業により整備されました。
兵庫県(出典:登山口の千ヶ峰 孝行の森 案内図)
10:34
出発。
自転車やバイクの進入を防ぐための杭が立ち並ぶ登山口から入山します。
道標によると、ここから山頂までは1980mです。
▲市原峠にある千ヶ峰登山口
登山口から山に入るとすぐ、左手に大きなあずまやが見えます。
それは「デッキ付あずまや」。
周りの木々が生長したのか、展望はあまり楽しめません。
▲デッキ付あずまや
デッキ付あずまやの前には「千ヶ峰「孝行の森」と周辺について」という看板が立っていますが、念のためその内容を紹介します。
千ヶ峰「孝行の森」と周辺について
孝行の森「千ヶ峰登山道市原コース」の先にある千ヶ峰は標高1,005mに達する東播磨地域の最高峰です。山頂からは但馬、丹波、四国まで眺望できる360度のパノラマが広がっています。
また、千ヶ峰と笠形山を結ぶ縦走コースの周辺は、「笠形山千ヶ峰県立自然公園」に指定されており、千ヶ峰および笠形山は「ふるさと兵庫50山」にも選ばれています。山頂からの展望のほか、周辺の登山コースには多くの渓流や見所があり、兵庫県を代表する優れた風景地として知られています。
平成22年度 里山ふれあい森づくり事業
この森は、「新ひょうごの森づくり」に基づく里山ふれあい森づくり事業により整備されました。
兵庫県(出典:デッキ付あずまや前の看板)
デッキ付あずまやには入らず、すぐに登山道へ戻って山頂を目指しました。
市原峠から千ヶ峰山頂への登山道は、基本的に2つのパターンしかありません。
一つは「歩きにくい段差の丸太階段が付けられた斜面」で、もう一つは「平坦、またはなだらかな歩きやすい道」。どちらも両側が自然林に挟まれた道で、展望は樹間から僅かに見える程度です。
丸太階段のある斜面は、下の画像の様になっています。
▲丸太階段のある斜面
なだらかな区間は、下のような雰囲気です。
▲なだらかな区間の様子
ということで、これ以降、登山道の様子の写真は省略します。
10:40
登山口から丸太階段で一気に標高を上げると、新田方面からの登山道が右から合流する場所に出会いました(地図中「新田分岐」)。
▲新田分岐の様子
新田分岐からはなだらかな道になります。
10:51
一つ目の屋根付ベンチに到着(地図中「屋根付ベンチ(1)・四等三角点:水谷南」)。
松の木が邪魔になって、展望は楽しめません。
▲一つ目の屋根付ベンチ
▲四等三角点標石(点名:水谷南)
10:59
なだらかなアップダウンのある稜線上の道を歩いていると、「山頂まで1000m」の標識に出会いました(地図中「山頂まで1000m地点」)。
ここから標高差で30m(距離にして約300m)ほど登ると、二つ目の屋根付ベンチです。
▲山頂まで1000m地点の様子
11:06
二つ目の屋根付ベンチに到着(地図中「屋根付ベンチ(2)」)。
ここからは、南と東の展望を楽しむことができました。
▲二つ目の屋根付ベンチ(一つ目と形は同じ)
二つ目の屋根付ベンチからは丸太階段で僅かに下り、その後はなだらかな斜面や丸太階段の道でグングン標高を稼いでいくことになります。
二つ目の屋根付ベンチの標高は850mほどですから、山頂までの標高差は約150mです。
11:11
「山頂まで500m」と書かれた道標前を通過(地図中「山頂まで500m地点」)。
▲山頂まで500m地点の様子
その先は、見ただけで歩く気が失せる丸太階段の道です。
千ヶ峰の丸太階段の大半がそうなのですが、一段が丸太2本分の高さなのです。
階段というより障害物。
▲歩きづらい丸太階段
標高900mを超えると登山道沿いの木々が突然姿を消し、開放的な道に変わります。
周囲の見晴らしが良くなってありがたいのですが、今日は暑い!
今までの道は自然林に挟まれていたため涼しかったのですが、ここからは灼熱です。
頭上からの直射日光と、地面からもわーっと立ち上る熱気で汗が噴き出し、気分が悪くなってきました。
▲標高900mを超えた木々がない区間の様子
11:23
「山頂まで200m」の道標前を通過(地図中「山頂まで200m地点」)。
▲山頂まで200m地点の様子
11:30
暑くてヘロヘロになりながらも休み休み歩き、何とか山頂に到着しました。
期待通り、誰もいません。千ヶ峰の山頂を独り占めできるなんて幸せ。
誰もいない代わりに、ものすごい数のトンボが飛び回っていました。
▲東から見た千ヶ峰山頂の様子
▲山頂の標柱
▲山頂西端に立っている南無妙法蓮華経の石碑
▲石碑の前に埋まっている二等三角点標石(点名:千ヶ峯)
誰もいない間に、まずはドローン撮影です。
南から見ると、平坦で東西に細長い山頂の形がよく分かります。
▲南からドローンで撮影した千ヶ峰山頂の様子
市原峠から千ヶ峰山頂までの稜線も撮影してみました。
▲市原峠から千ヶ峰山頂(左下)への稜線(ドローンで撮影)
さんざんドローンで遊び終わった後は、昼食です。
本日の昼食は、アメリカ軍の戦闘糧食「MRE」のメニュー番号22番「Beef Goulash」。
▲MREのパッケージ
Beef Goulashはハンガリー料理で、牛肉と玄米、ほうれん草やにんじんなどの野菜を煮込んだシチューです。
▲Beef Goulash
MREに付属のスナックパンに、ピーナツバターとイチゴジャムを塗りたくって頂きました。
MREのパンはパサパサだし、変な匂いがするので、何かを塗りたくらないと美味しく食べられません。
▲ピーナツバターとイチゴジャム(どちらもMREに付属)を塗ったスナックパン
食事中に私が楽しんだ展望を、ドローンを使った全天球パノラマで紹介します。
画面左上のリストで「空撮パノラマ(山名表示)」を選ぶと、私が分かる山に限りますが、山の名前が表示されます。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/sengamine20220915/index.html
▲千ヶ峰山頂でドローンを使って撮影した全天球パノラマ
南側の風景を見ながら食事を楽しんでいたら、70代の男女が市原峠方面から登ってこられました。
感じの良いご夫婦で、私の近くに座られたので色々とお話をさせて頂きました。
私の装備品(ドローンやコンパスグラス*1など)に興味津々で、ドローンの機体の重さを体験していただいたり、コンパスグラスで山の方位を見ていただいたりしたところ大変喜んでくださいましたし、こんなお年寄りになりたいなぁと思えるご夫婦で、こちらも幸せな気分になれました。
13:14
日を遮るものが何もない山頂ですが、幸いなことに適度な風が吹き抜けていて、帽子とアームカバーで直射日光対策さえしておけば、ある程度は涼しく過ごせました。
そうこうしていると単独男性や二人組のハイカーが次々に山頂に来られたので、「もう二度と来られないかもしれないから、もう少し山頂を楽しみます」とおっしゃるご夫婦に別れを告げ、下山開始。
往路をそのまま引き返して市原峠に戻りました。
13:50
市原峠に到着。
15:30
自宅に到着。
交通アクセス
市原峠への交通手段は、自家用車しかありません。
*1:コンパスを内蔵した単眼鏡。