2022年6月20日からは、国土交通省に登録していない100g以上の無人航空機を飛行させることは航空法違反になり、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。
対象が100g以上ですから、Mavic MiniやDJI Mini 2のような200g未満の機体も登録の対象になります。(2022年6月20日以降は、今まで許可・承認が不要だった200g未満のドローンなども、100g以上であれば航空法の制限対象になり、飛行の方法によっては許可・承認が必要になります。)
今まで「200g未満だから」と航空法を意識せずにドローンを楽しんでいた方は、くれぐれもご注意ください。
詳細は、国土交通省の「無人航空機登録ポータルサイト」で説明されています。
国土交通省に登録申請を出すと、機体の安全性に問題が無いか審査され、問題がなければ機体の情報と所有者の情報が紐付いて登録され、「登録記号」が発行されます*1。
「登録記号」は車でいうところのナンバーに相当するもので、これを無人航空機の機体表面に物理的に表示しなくてはいけません。
ナンバープレートの無い車が公道を走ってはいけないのと同様に、2022年6月20日以降、登録記号を表示していないドローンを飛ばすことも禁止になります。
登録を受けた無人航空機の所有者は、航空の用に供する前に、6.により通知を受けた登録記号を、以下の7-1.①~④に従って無人航空機に物理的に表示しなければならない。
出典:「無人航空機登録要領」(令和3年11月25日 制定(国官参次第116号))
2021年12月20日から2022年6月19日は無人航空機の事前登録期間になっているので、事前登録が始まってすぐにオンラインで登録申請を出しました。
私の場合、12月20日に申請を出してすぐ受付完了のメールが届き、年明けの1月4日に手数料納付案内のメールが届きました。
その日のうちに手数料の納付手続を行ったところ、当日中に登録完了のメールが届いて登録記号が発行されました。
発行された登録記号を機体に表示しないといけませんが、その方法について「無人航空機登録要領」(令和3年11月25日 制定(国官参次第116号))には「登録記号を印字したシールの貼付、油性ペンでの記載、スプレーによる塗装、刻印などから適切な方法を選択することができる。」とあるので、油性ペンで手書きをしても問題はないのですが、どうせならきれいに表示したい。
良い方法がないか検索をしたところ、私が機体に貼り付けているラッピングフィルムの販売店が、登録記号を印刷したステッカーを作ってくれることが分かりました。
というわけで購入したのが、今回紹介する商品。
注:記事内の画像では、登録記号にぼかしをかけています。登録記号は、「JU」で始まる12桁の英数字です。
仕様
▲登録記号 ステッカーセットのパッケージ
製品名: 登録記号 ステッカーセット
メーカー: 有限会社NITEQ(愛知県)
サイズ: 約9cm×7cm (台紙)
材質: ポリ塩化ビニル
厚さ: 0.12~0.17mm(カタログ値)
定価: 600円(税込)
購入価格: 600円(税込)
購入先: WRAPGRADE 公式直販サイト
備考: 様々な色で提供されており、色によって価格が異なります。
外観
下のように3種類の大きさのステッカーが2枚ずつ、合計6枚入っています。
▲登録記号 ステッカーセット(ステッカーが折れ曲がらないように保護用の厚紙が一緒に入っている)
▲ステッカー台紙の裏面(3Mの素材が使われている)
ステッカーのサイズは、小:5.5mm×28mm、中:6.5mm×35mm、大:10mm×50mm。
文字のサイズ(高さ)は、小:3.5mm、中:4.3mm、大6.2mm。
「無人航空機登録要領」(令和3年11月25日 制定(国官参次第116号))では、「使用する文字及び数字の高さは次のとおりとすること。イ) 重量の区分が25kg未満の場合 … 3 mm以上」と書かれています。
このステッカーの文字サイズは小でも高さが3.5mmあるので、問題ありません。
使い方
まずはどこにどのステッカーを貼るか、位置を考えます。
▲ステッカーの大きさと機体を見比べ、貼る位置を決める
私のMavic 2 Proは、今回紹介した登録記号ステッカーセットと同じメーカーのラッピングフィルムで機体全体の色を変えています。ラッピングフィルムについての詳細は、以下のブログ記事をご覧ください。
貼る位置が決まったら、機体の表面、ステッカーを貼る位置をレンズのクリーニング用ティッシュ(商品に同梱されていました)できれいに拭きます。
▲同封されていたクリーニング用ティッシュ
クリーニング用の液がしっかり乾いたのを確認してから、ピンセットを使ってステッカーを機体に貼り付けます。
▲機体側面に貼り付けたステッカー(矢印の位置)
▲機体の正面には色違いのステッカーを貼ってみた
最後に
発行された登録記号を印刷したテプラを貼っても良いのかも知れませんが、そもそもMavicの機体表面はザラザラしているので、テプラは貼りづらいと思います*2。また、テプラの文字は摩擦に強いと言えません。
機体の表面がテプラを貼れるほど平滑で、文字が消えないように丁寧に機体を取り扱ったとしても問題が生じる場合があります。それは、ドローンを他人に譲渡する場合。
所有者が変わる時は機体の登録を抹消し、登録記号のステッカーを剥がさないといけませんが、ご存じの通り、テプラはきれいに剥がすのが至難の業です(テープの色や糊が残ります)から、登録記号の表示という目的に関してはテプラは不向きだと考えました。
今回紹介したステッカーは、粗面にもしっかり貼り付きますし、耐候性の高いインクで印刷されていますし、ステッカー自体は何年か経ってもきれいに剥がせる優れた素材です*3。
薄い金属板に登録記号をプリントしたものと接着剤をセットで販売している会社も既にありますし、今後、登録記号を表示するための製品は増えてくるかも知れません。
ドローンを楽しんでいる方は、登録記号の表示が義務化される2022年6月20日までに、皆さんの好みに合う表示方法を探してみてください。
長所
- 曲面や粗面にも貼りやすい。
- 剥がす際に糊残りしない。
- 耐久性の高いインクで印刷されている。
- 貼ると格好良くなる(個人的な意見です)。
▲ステッカーを貼ると格好良くなる(個人の感想です)登録記号をぼかすとあまり伝わりませんが…
短所
- 透明なステッカーは無いので、機体の色に合わせた色のステッカーを選ばないと見た目が変になる。
そうそう、事前登録期間(2021年12月20日~2022年6月19日)に登録申請を出しておくと、2022年6月20日以降に登録申請をする機体への搭載が義務づけられるリモートIDと呼ばれる発信器*4の搭載義務が免除されます。
その根拠は「無人航空機登録要領」に書かれている「「⑤ リモートID機能の有無」の項目で、内容は以下の通りです。
ハ) なし … リモート ID 機能がない無人航空機の登録は可能である。ただし、この無人航空機は、あらかじめ国土交通大臣に届け出た区域の上空において必要な措置を講じた上での飛行(規則第236条の6第2項第1号)、係留した状態での飛行(規則第236条の6第2項第2号)又は法執行機関が警備その他の特に秘匿を必要とする飛行(規則第236条の6第2項第3号)に供されるもの及び2021年12月20日~2022年6月19日の間に初回の登録申請が行われたものに限られることに留意すること。
出典:「無人航空機登録要領」(令和3年11月25日 制定(国官参次第116号))
(注)当ブログ管理人が一部を太字にして強調した。
リモートIDは重量が十数グラムあるので、200g未満の小型ドローンに積むと重量バランスや飛行特性が変わってしまいそうですから、「そんなものを機体に貼り付けたくない」という方は必ず事前登録をしてください。
事前登録期間に登録をしても、実際の有効期間は2022年6月20日に始まり、2025年6月19日に終わる(機体登録の有効期間は3年)ので、早く登録をしても損はありません。
このことは、登録完了の際に国土交通省航空局から届くメールから分かります。
下は実際に私に届いたメールの一部ですが、中程に有効期間の記載があります。
▲国土交通省航空局から届いた登録完了の通知メール(一部を抜粋)
国土交通省から許可・承認を得て無人航空機を飛行させている方は、DIPS(ドローン情報基盤システム)の「機体情報管理/機体情報一覧」で機体の登録記号を入力しないといけませんから、そちらもお忘れなく。