播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

天下台山(兵庫県相生市)に東尾根コースで登る

本日は山頂からの展望が良く、様々なルートを歩いて楽しめる天下台山(てんがだいやま。相生市)に行ってきました。

ルートは、私が今まで歩いたことのない東尾根コースで山頂を目指し、山頂からは一気に下山できる岩屋谷コースで下山するというもの。

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▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「相生」「網干」


https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tengadai_east_ridge/index.html
▲天下台山北尾根コース上のとんび岩から見た東尾根コース(撮影日:2011年12月25日)

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▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

08:40
姫路市街の自宅を車で出発。

姫路バイパスを西へ進み、相生自動車教習所の前にある「那波野東(なばのひがし)」交差点を左折。

陸橋でJR山陽本線を越え、山陽新幹線の高架下をくぐって南へ進みます。
新幹線の高架をくぐってからは道が狭くなるので要注意。

道なりに進むとやがて道は尾根の先端に沿って右へ曲がり、すぐに小さな橋を渡ります。

橋を渡ったところで右折して川沿いに進み、最初に出会う三叉路(「この先行き止り」の標識がある)を左折すると五叉路に出会います。

左斜め前の道(川沿いの道)に入って100mほど進むと「岩屋谷公園駐車場」と書かれた道標の立つ橋があり、その橋を渡って川沿いに南へ進むと、すぐに岩屋谷公園の駐車場です。

09:15
岩屋谷公園の駐車場に到着(地図中「P」)。

天気図で等圧線が高密度に並んでいたことから予想はしていましたが、駐めた車が揺れるほどの強風が吹き荒れていました。

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▲岩屋谷公園駐車場の様子


https://goo.gl/maps/VwoAUR8Kub7XksdV7
▲岩屋谷公園駐車場の位置

09:21
準備が整ったので出発。
気温は約10℃。風が強いので体感温度はかなり低いです。

駐車場の南端からコンクリートブロックの階段を上がって岩屋谷公園に入ったら、へ進みます。

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▲駐車場最奥の階段を登ると岩屋谷公園に入れる

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▲岩屋谷公園入口を入ってすぐへ進む

車が5台ほど置ける小さな駐車場前を通り過ぎ、南へ進むと間もなくトイレに出会います。
このトイレ脇が東尾根コースの登山口。

ちなみにトイレは男女別に分かれており、その間には身障者用のお手洗いもあります。

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▲公園内のトイレ(矢印が指している場所が登山口)

今回の記事に限らず、このブログでは駐車場や登山口について詳しく書いていますが、それは私が「それらの情報のない山行記録は役に立たない」と考えているからです。

マイナーな低山歩きで最も難しいのは、駐車場所の確保と登山口を見つけることで、車を安全に置くことができて、登山口さえ分かればあとは何とかなります。

09:30
トイレで用を足してから入山(地図中「トイレ」)。

いきなり岩がちな急斜面ですが、イワイワした道が大好物の私としては楽しい。
ただ、強風にあおられてバランスを崩したので、斜度がきついところは安全のため両手も使って這い上がりました。

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▲相生支線14番鉄塔を目指して急斜面を登る

09:37
相生支線14番鉄塔に到着(地図中「相生支線14番鉄塔」)。
振り返ると、北尾根コースのとんび岩がよく見えます。

ここから見ると、とんびの目やくちばしがよく分かるので、「とんび岩」の名前に納得。

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▲相生支線14番鉄塔から見たとんび岩

相生支線14番鉄塔から先も、明確な山道が稜線に向けて延びています。

急斜面を一気に登って身体が疲れたのか、少し歩いただけで息切れするような状態になってしまいました。仕方がないので頻繁に休憩しながらゆっくりと稜線を目指すことに。

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▲相生支線14番鉄塔から先の道の様子

稜線に出てしまえば、斜度は一気に緩みます。
斜度がなだらかなのは良いのですが、道はシダに挟まれ、曲がりくねって先が見通せません。

しかも道の様子に変化がなく、下の画像の様な道が延々と続きます。

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▲稜線上の道の様子

小ピークをいくつか越えるので、ある程度のアップダウンがあります。
歩く前に地形図を見て「このくらいの高低差なら問題ないだろう」と思っていたのですが、実際に歩いていると「せっかく登ったのにまた下るのか?」と腹が立ってきます。

東尾根コースは、事前に地形図を眺めて「私の体力では2時間はかかるだろう」と予想していました。
私の身体は栄養補給をせずに歩き続けると1時間以上経った頃にシャリバテを起こしやすくなるので、途中での栄養補給は必須。

本当かどうか知りませんが、登山時の行動食によるエネルギーが吸収されるのは食べてから30分程度経過してからと言われています。

これらの理由から、歩き始めて30分ほど経ってから行動食でエネルギー補給。

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▲本日の行動食はアメリカ軍のエナジーバー*1

行動食のエネルギーが吸収される30分後、つまり歩き始めて1時間経った頃(私の身体がシャリバテを起こす頃)に、このエナジーバーがエネルギーとして使われるはず。

本当のところは分かりませんが。

エナジーバーを片手に持ってモシャモシャと食べながら、まったく様子が変化しない山道を黙々と歩き続けました。

10:16
220m標高点付近を通過。
ここからは、286m標高点に向けて登りが続きます。

286m標高点が近づいてくると、今までの道と違って笹や松の木が現れて道の様子が変化します。

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▲笹や松の木が生えた道の様子

10:32
286m標高点に到着。

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▲286m標高点の様子

ここには測量用の紅白ポールを利用した道標が設置されていました。
道標によると、東にある揖保川町の黍田(きびた)富士方面からここへ縦走できるようです。

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▲286m標高点に立っている道標

286m標高点からは西へ標高差60mほどを下り、標高220mほどの鞍部から山頂へ向けて登り返すことになります。

10:42
286m標高点から西へ下り切った鞍部付近で、小さな道標に出会いました(地図中「東尾根新道・旧道分岐」)。
旧道とされている方はトラロープで封鎖されていたので、新道の方へ。

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▲東尾根新道・旧道分岐の道標

今までの道はアップダウンがあり「ダウン」の度に腹が立っていましたが、ここからは無駄な「ダウン」がないので心穏やかに歩けるかな。

10:49
自然林の中の雰囲気の良い道をなだらかに登っていると、送電線の鉄塔に出会いました(地図中「ダイセル播磨線7番鉄塔」)。

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▲ダイセル播磨線7番鉄塔

この鉄塔から先は、整備された広い道(送電線の巡視路)になります。

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▲ダイセル播磨線7番鉄塔から岩屋谷コース合流地点までは広い道が続く

10:52
巡視路の三叉路に出会いました(地図中「8番鉄塔分岐」)。

天下台山へは直進です。
左折すると、南東のダイセル播磨線8番鉄塔方面へ行ってしまいます。

ここに立っている道標は送電線の作業員向けなので、鉄塔の番号しか書かれていません。

天下台山山頂方面へ行くには、6番鉄塔への道標に従ってください。

逆に、山頂から東尾根コースで岩屋谷公園へ下山する場合は、7番鉄塔方面へ進まないといけません。

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▲三叉路の道標(天下台山頂へは6番鉄塔方面へ進む)

10:54
掃き清められた岩屋谷コースに突き当たりました(地図中「東尾根・岩屋谷合流地点」)。

天下台山の山頂へは、突き当たりをです。

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▲岩屋谷コースと合流した

岩屋谷コースを山頂付近の水戸大神への参道だと考えると、掃き清められていても違和感はありません。参道を綺麗にするのは当たり前ですから。

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▲岩屋谷コースの様子

登山道とは思えないほど広くてきれいな道を西へ進むと、やがて石段と丸太階段に出会います。

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▲山頂直下の丸太階段

「これを登り切れば山頂だー!」と嬉しそうに階段を調子よく登っていると、左ふくらはぎが攣りそうになり、慌ててアキレス腱を伸ばす態勢で「こむらがえり」を回避。あぶなかった~。

11:06
天下台山の山頂に到着。
気温は約12℃。強風。

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▲天下台山山頂の様子

二等三角点標石(点名:相生)や展望図付きの展望台水戸大神と刻まれた石碑ベンチなど、様々なものがあります。

山頂の様子は、ちょうど10年前の今日、私が天下台山で撮影した全天球パノラマでご覧ください。


https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tengadai20111225/virtualtour.html
▲天下台山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年12月25日)

三角点標石から北へ進むと関西電力の「天下台反射板」があり、その反射板のすぐ北から西へ小径を分け入ると、立見岩と呼ばれる展望の良い岩場があります。

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▲天下台反射板(大きさは5m×5m)

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▲立見岩(2017年11月3日にドローンで撮影)

そこで昼食を摂ろうと思ったのですが、突風がすさまじくて食事なんてしてられません。

山頂の南側斜面に戻り、姫路方面を眺められる場所にイスとテーブルを置いて昼食を楽しみました。

本日の昼食は、アルファ米の五目ご飯に缶詰の焼き鳥、そしてインスタントの豚汁です。

風が強いことを予想していたので、強風下でもお湯を沸かせるウィンドバーナーだけで準備ができる(お湯さえあれば食べられる)メニューにしました。

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▲本日の昼食

さすがウィンドバーナー。
強風下でも問題なくお湯を沸かせましたが、お湯をアルファ米に注いで空になった状態で地面に置いたら、風に煽られて倒れてしまいました。

それほど風が強いので、上の写真を撮るのも勇気がいりました。
風が弱まったタイミングで写真を撮った後、風が強くなる度にテーブルを手で押さえながらの食事でした。

12:10
風が強いときは空気中のチリなどが吹き飛ばされて展望がよいと思っていたのですが、今日は霞んでいて展望はそれほど良くなかったので、さっさと下山開始。
それでも1時間も山頂で過ごしてしまいました。

山頂から東へ下り、落ち葉がきれいに取り除かれた岩屋谷コースを下ります。

下山時の岩屋谷コースは、下り一辺倒。登り返しは一切ありません。
下山時に登り返しがあると腹が立ってくる私にはぴったりのコースです。

12:18
ダイセル播磨線6番鉄塔横を通過(地図中「ダイセル播磨線6番鉄塔」)。

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▲ダイセル播磨線6番鉄塔はフェンスに囲まれている

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▲岩屋谷コースは階段が多い

12:22
ダイセル播磨線5番鉄塔への分岐を通過(地図中「5番鉄塔分岐」)。

12:25
キノコ型の東屋脇を通過(地図中「東屋」)。

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▲東屋

標高150mあたりまで下ってくると、沢を左に見おろす階段道になります。

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▲沢沿いの階段は安全のため柵が設置されてる

間もなく左の沢に堰堤がいくつか現れますが、それと同時に道は幅が広く、なだらかになります。

おそらく、堰堤の建設工事用の道路をそのまま遊歩道に転用したのでしょう。

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▲堰堤が現れると林道の様な道になる

岩屋谷公園の敷地に入ると(岩屋谷池の南端付近に来ると)、道は舗装路に変わりました。

なだらかに下る舗装路を歩いていると、岩屋谷池北端の堰堤へ続く橋に出会いました。
この橋は、岩屋谷池の洪水吐きの導流部*2を越えるためのもの。

この堰堤の天端*3は立入禁止になっていません。

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▲岩屋谷池の堰堤の上(天端)は通行可能

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▲堰堤から見た岩屋谷池

12:48
堰堤から広い道に戻って北へ進むと、石碑に出会いました(地形図「石碑」)。

刻まれている文字を見ると、明治時代、岩屋谷池の修築工事の際に土砂崩れに巻き込まれて亡くなった方の慰霊碑のようです。

岩屋谷池は、田畑を潤すために、昔の人達が命がけで作った池だったんですね。

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▲慰霊碑

12:56
舗装路を下り、駐車場に到着。

13:45
自宅に到着。


交通アクセス

自家用車を利用する方が一般的です。

公共交通機関を利用される場合は、JR相生駅から徒歩、またはレンタサイクルで来ることができます。

*1:市販されていません。アメリカ軍の戦闘糧食「MRE」の一部のメニューに含まれています。

*2:洪水吐きは、大雨などで水がダム/堰堤を越えて溢れるのを防ぐために、貯まりすぎた水を流すための設備。導流部は、洪水吐きから出た水を下流へ流すための流路。

*3:てんば。ダムなどの上部のこと。