いつも広畑のあたりを車で走っているとき、北に見える京見山塊の南側、山火事で木々が無くなった斜面を見て「また京見山を歩こう」と思うのですが、家に帰るとすっかり忘れてしまうということを数十回繰り返し、本日ようやく京見山に行ってきました。
▲JRはりま勝原駅と京見山(白い屋根は舞い降りた白鷺をイメージしたもの*1)
京見山を前回歩いたのは2018年11月。3年ぶりです。
京見山を調べていると、「ゴリラ岩」なるものが京見山山頂から見て南東の斜面にあるというのが分かったので、それを見ることも含めて今回の目的を「ゴリラ岩を見る」「展望の良い場所でモダン焼きとビールを楽しむ」「今まで自分が歩いたことの無いルートで京見山に登り、下る」という3つにしました。
昼食にビールを楽しむつもりなので、公共交通機関を利用し、ドローンも持って行きません(飲酒操縦は違法です*2)。
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「網干」(はりま勝原駅から東へ道の無い所をまっすぐ歩いているように見えますが、道路の線形改良によりこの軌跡の通りの道ができています)
▲カシミール3Dで作成したルートの断面図
10:24
JR姫路駅から網干行の新快速電車で姫路駅を出発。
10:31
はりま勝原駅*3で下車しました。運賃は¥200。
京見山を背景にJRはりま勝原駅の写真を撮ったり(冒頭の画像)、飲み物を自販機で購入したりして準備を整えました。
10:42
はりま勝原駅の改札を出たら右に曲がり、北口から外へ出ます。
そして、駅舎と北口をつなぐ歩道橋(はりま勝原駅自由通路)の下を通る道路を道なりに東へ。
▲自由通路の下を通る道路を東へ進む
出発前にGoogleの航空写真で道路の様子を予習していたのですが、実際に歩いてみると風景が全く違いました。
どうやら航空写真を撮影した後に新しく道路が建設されて道の形が変わり、それに気づかずぼーっと歩いてしまったようです。
当初歩こうと思っていた道より南、線路に近いところを歩いていたので、駅から東へ650mほどの交差点(右を見ると踏切がある)を左折してから、北へおよそ200m歩いたところにある突き当たりを右折し、本来歩く予定だった道路へ復帰しました。
▲北向きに進む道の様子(車が一時停止している突き当たりを右折。右奥の電波塔の下が登山口。)
突き当たりを右折してから約170m、「松尾ガラス店」がある交差点を左へ曲がり、「才西ノ山」と書かれた道標に従って緩やかな坂を上ります。
▲松尾ガラス店のある交差点を左折
▲「才西ノ山」と書かれた道標に従って北へ進む
150mほど進むと電波塔に出会いますが、そこが本日の登山口。
▲電波塔を目指して進む
https://goo.gl/maps/TVKahyd9NhZvjoe2A
▲登山口の位置
10:59
電波塔下に到着(地図中「電波塔登山口」)。
電波塔の正体は、auの則直(のりなお)基地局でした。
「登山口はどこだろう?」と電波塔の周囲を反時計回りに探索すると、電波塔の西側に回り込んで右手斜面を見た時に、道らしきものを発見。
▲電波塔の北から裏へ回り込む
▲登山道らしきものがある
上の画像で見ると登山道は分かりにくいですが、実際に現地で見ても分かりにくいです。
しかし、山歩きをされる方なら道だと分かるはず。
登山道に見える道を上っていくと、間もなく道はハッキリしてきました。
▲道はすぐに明確になった
石積みが残る旧国鉄かJRの送電線鉄塔跡地*4を過ぎると、頭上に特徴的な岩が見えてきました。
これがゴリラ岩かな?どう見たらゴリラなんだ?
▲ゴリラ岩を見上げる
11:12
ゴリラ岩に到着(地図中「ゴリラ岩」)。
ゴリラ岩の周りをウロウロしていると、特定の角度から見た時だけ「空を見上げるゴリラを横から見た姿」に見えることが分かりました。
▲空を見上げるゴリラを横から見た姿に見えた
あるいは、上部の岩の出っ張りをおでこに見立てて、岩全体をゴリラの顔という扱いにしているのかな。
せっかくなので、私が思うゴリラの姿に見える角度から全天球パノラマを撮影してみました。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kyomiyama20211030-1/index.html
▲ゴリラ岩の横で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2021年10月30日)
11:21
ゴリラ岩を見るという目的を果たせたので、出発。
登山道はゴリラ岩までは尾根の中心を通っていましたが、ゴリラ岩に突き当たって左へ向きを変え、西の谷間へ伸びていきます。
▲道はゴリラ岩からトラバース気味に谷へ向かう
11:30
鹿の糞が散らばる小径を上っていくと、尾根の肩に出ました(地図中「昼食」)。
そこには枝(幹?)を大きく広げた木が立っていて、陽差しを遮る木陰を作ってくれています。
「ここで休んでいきなさい」と言われているような感覚がしたので、ここで景色を眺めながら昼食を摂ることにしました。
▲昼食を楽しんだ木陰の様子
本日の昼食は、「明星 一平ちゃん夜店のモダン焼き風セット」で作った「モダン焼きもどき」と、「キリン淡麗極上<生>」。
適度に涼しい木陰で景色を見ながら熱々のモダン焼き(もどき)を食べ、缶ビール(もどき*5)を飲むと「こんな美味しいビール(発泡酒ですが)、飲んだこと無いぞ」と感動。
この木陰の雰囲気が、食べ物と飲み物の美味しさを何倍にも増幅してくれました。
▲景色を楽しみながら「モダン焼きもどき」と缶ビール(もどき)を楽しんだ
「明星 一平ちゃん夜店のモダン焼き風セット」については、以下の記事で紹介しています。
12:45
木陰を提供してくれた木にお礼を言い(←変な人)、出発。
マーキングも道標も無い自然林の中の小径を進みます。
▲尾根の肩から京見山~白毛山方面の縦走路へ続く道の様子
12:49
京見山~白毛山方面の縦走路に合流しました(地図中「縦走路合流」)。
縦走路から見ると、私が来た道はほとんど分かりません。
縦走路に合流したら西へ進みます。
▲右の矢印のように進んで縦走路に合流した
縦走路は、両側が自然林で展望が皆無である点は今までの道と同じですが、より広くてしっかり踏み固められた道。
手すり代わりのトラロープが張られた丸太階段の急斜面を登り切ると、京見山山頂です。
12:55
京見山の山頂に到着(地図中「京見山」)。
ハイカーの一団が三角点近くで楽しそうに過ごされていたので、三角点標石の写真は撮っていません。
代わりに京見山山頂の全天球パノラマを撮影したので、それを掲載します。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kyomiyama20211030-2/index.html
▲京見山の山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2021年10月30日)
▲京見山山頂から南東の展望
▲京見山山頂から南西の展望(最奥は小豆島)
▲京見山山頂から北の展望(正面は一等三角点のある「城山」)
13:04
一通り展望を楽しんだので、出発。
西へ下山します。
今回は、今まで歩いたことの無い道で登り、下山するという目標を設定していたので、個人的に歩いたことの無い送電線巡視路(128m標高点の西から南へ延びる破線道)を使って下山する予定でした。
128m標高点のある尾根の西端近くには山戸春日神社があるため、京見山からは「山戸春日神社方面」へ進まないといけません。
13:10
勝山町と山戸春日神社方面の分岐に出会いました(地図中「勝山町分岐(1)」)。
これはもちろん山戸春日神社方面へ進みます。
▲勝山町方面への分岐
13:17
先ほどと同様の勝山町への分岐に出会いましたが、これも山戸春日神社方面へ(地図中「勝山町分岐(2)」)。
▲2つめの勝山町分岐も山戸春日神社方面へ進んだ
13:18
道標の無い分岐に出会いました(地図中「京見町分岐」)。
道の位置と方向を考えると、そのまま谷か尾根を下って南東へ下山できそうです。
すると、送電線巡視路で下りるより、下山地点が駅に近いことになります。
お腹いっぱいでほろ酔い気分なので、さっさと下山したい。
というわけで急遽予定を変更し、(この時点では正体不明の)分岐を左へ入り、縦走路を離れました。
▲縦走路から左へ小径が分岐する場所の様子
小径は初めのうちこそトラバース道で緩やかでしたが、南東向きの尾根に乗ってからは尾根の中心を通ってグングン下ります。
標高60m付近で道は突然西へ向きを変え、間もなく谷を南に下ります。
13:28
画像の場所へ下りてきました(地図中「京見町登山口」)。
「工英有 6」は、鉄道用の送電線巡視路標識かな。
▲矢印の方から下りてきた
この場所は、京見町の住宅街から坂を上った所にあります。
坂の入口は車止めがあるので、車両の進入はできません。
▲坂の上から住宅街を見る
▲坂の入口には「京見山登り口」の道標がある
坂を下って東へ進み、最初の交差点を右に曲がって南へ進めば、すぐにJRはりま勝原駅です。
13:38
はりま勝原駅に到着。
13:49
米原行の新快速がはりま勝原駅を出発。
13:56
姫路駅に到着。運賃は¥200。
最初に決めた3つの目的は全て果たすことができましたし、特に昼食は最高。
距離も標高差も大したことのない山行でしたが、これ以上ない満足感を味わえました。
交通アクセス
自家用車の場合、法律やマナーに反しない形で駐車できるのは、駅の南にあるコインパーキング(タイムズ)しかありません。
公共交通機関利用の場合は、JRのはりま勝原駅が最寄り駅です。
JRの線路の南側およそ300mに線路と平行して県道415号線が通っており、そこを路線バスが走っていますが、便数が極端に少ないため、路線バスの利用は現実的ではありません。
*1:開業当時の神戸新聞の記事でそのように説明されていました。余談ですが、東姫路駅は「駅周辺を流れる市川から飛び立つ白鷺の姿を演出します。」とJR西日本の2014年12月11日付ニュースリリースに書かれています。
*2:航空法の第百三十二条の二に「無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。一 アルコール又は薬物の影響により当該無人航空機の正常な飛行ができないおそれがある間において飛行させないこと。」とあります。
*3:駅名に旧国名の「はりま(播磨)」が付いているのは、福井県に同じ漢字の「勝原駅」が既に存在していたため。
*4:鉄道用地を示す標柱が埋まっています。
*5:キリンの「淡麗極上<生>」は発泡酒で、ビールではありません。