播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

使いやすい折りたたみ水筒:ストウボトル

山歩きの際にインスタント食品を調理したり、真空パックして持っていった食品を湯煎したり、あるいはみそ汁やコーヒーを作るために、行動中の飲料水とは別に日帰りでも1リットル程度の水を持っていきます。

従来はナルゲンの1リットルサイズの容器を使っていました。

あれは頑丈だし水は漏れないし、信頼性が抜群。
しかし、「かさばる(空になっても体積が変わらない)」のと「転がる」という欠点があります。

展望の良い岩場でうっかりナルゲンボトルを倒した時はコロコロと転がり、あやうく崖下に落としそうになったこともあります。

「まぁ欠点の無い道具なんてないし、頑丈で信用できるから問題ない」と思っていたのですが、ナルゲンボトルの欠点を解決した素晴らしい容器を見つけてしまいました。

それが、今回紹介する「ストウボトル 1L(1リットル)」です。

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▲岩場に置いた「ストウボトル1L」(転がったり滑り落ちることが無い)

概要

ハイドレーションシステムのリザーバのような柔らかい素材でできた、1リットルサイズの水筒型容器です。

柔らかい手触りからは想像もできないほどの耐久力があり、蓋の密閉性の高さも秀逸。
中の水を使い切ると潰してコンパクトに収納できるため、荷物が多い私にとってはありがたい道具。

メーカー公式動画がYouTubeにあるので、転載します。

左側に写っているのが1リットルサイズで、右は500mlサイズです。


www.youtube.com

仕様

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▲ストウボトル 1Lのパッケージ

製品名: ストウボトル 1L(Stow 1L)
メーカー: HydraPak, LLC(アメリカ)
サイズ: 230mm×130mm(カタログ値)
キャップサイズ: 28mm
重量: 55g(カタログ値)
容量: 1リットル
材質: TPU、HDPE、PP
耐熱温度: セ氏60度
カラーバリエーション: Tahoe(青色)、Redwoods(赤色)、Mammoth(灰色)、Malibu(水色)の4色展開
生産国: 中国
定価: ¥2,420(税込)
購入価格: ¥2,420(税込)
購入先: Heimat berg(ハイマートベルク)(兵庫県加古川市)
備考: この記事で使用しているストウボトル 1Lの色は、Mammoth(灰色)です。

外観と使い方

ストウボトル 1Lの本体は平たい楕円柱をしており、一方の端にキャップが付いています。

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▲ストウボトル 1L(表面はメーカーロゴがあるだけ)

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▲断面は平たい楕円形

「いくら本体が楕円形になっていても、水を入れたら普通の円柱になるのでは?」と思われるかも知れません。

その点もよく考えられていて、ストウボトル内を短径方向に区切るように薄い仕切りが接着されているため、水を入れても仕切りの長さ以上には膨らまず、断面の形状は楕円のままになるのです。

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▲ストウボトルの口から中を撮影した画像。中央付近でたるんでいる幕が仕切り。

裏面には100ml単位の目盛りと製品の特徴、そして使用上の注意点が印刷されています。

記載されている内容は、以下の通りです。

  • 絶対に中身が漏れない。
  • BPA・PVCは含まれていない。
  • 耐熱温度は60度C。
  • 食洗機は最上段の棚で使用可能。
  • 浄水器が接続可能。
  • 食器の衛生基準を満たしている*1

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▲ストウボトル 1Lの裏面

キャップはねじ込むタイプのもので、付け根には樹脂製の「輪っか」が付いています。

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▲キャップと付け根の「輪っか」

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▲キャップを取り外した様子

キャップには、ひねって開閉するバルブが付いています。
下の画像はバルブが閉じた状態。

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▲キャップについているバルブが閉じた状態

バルブをねじって緩めると、下の画像の様にキャップとバルブ部分の間に少し隙間ができます。

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▲キャップについているバルブが開いた状態

見ての通りバルブは丸っこいため、引っかかりがなくて回しづらいのが難点。

バルブが開いた状態でも、そのままでは水は出てきません。
バルブから水を出すには、バルブが開いた状態でストウボトル本体を“押しつぶす”必要があります

本体をギュッと握ってやれば、バルブから水鉄砲のように水が飛び出すのです。

私の場合、山歩きの最中は手が汗や泥、木くずなどで汚れているので、そんな手でバルブを開けてそこから水を飲むことはしません。

山の中で軽いケガをしたときに水をブシュッとかけて、傷口を洗う目的には活用できそう。

このキャップのサイズは28mmなので、一般的なペットボトルのキャップもねじ込むことができます。
しかし、キャップ内部の構造が付属のキャップと異なるのか、ペットボトルのキャップだと簡単に水漏れしてしまうので、付属のキャップしか使えないと思った方が良いでしょう。

私にとってストウボトルは単に水を運ぶための容器なので、水を使うときは普通にキャップを取り外して中の水をクッカーに入れます。

クッカーに水を入れるときは、キャップの付け根にある輪っかが便利。
下の画像のように持てば、柔らかいストウボトルを安定して保持できます。

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▲ストウボトルの水をクッカーに注ぐ時の持ち方

この輪っかは、中身が空になったストウボトルを収納するときにも使います。
本体をクルクルと丸めた後、それが広がらないように輪っかで留めるわけです。

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▲空になったストウボトルを丸めて収納するときに輪っかを使う

これらのストウボトルの特徴を短時間にまとめた動画がYouTubeにあったので、転載します。

説明は英語ですが、映像だけで内容は充分に分かります。


www.youtube.com

最後に

中身が減ると小さくなるこの手の容器は、山の上で食事後に荷物を片付けようとすると、なぜかバックパックが満杯になって荷物が収まりきらないことがよくある私にとって、極めて便利。

折りたたみ式の容器は他にもありますが、手触りの良さ耐久性の高さという点で、ストウボトルは群を抜いていると感じます。

Amazonのレビューを見ると、水に素材特有の臭いが付くという意見が見られますが、私の場合はストウボトルの水は調理専用でそのまま飲むことがないため、臭いが気になったことはありません。

長所

  • 折りたたみ式容器は周囲の溶着部分が固く、手がこすれると痛いようなものもあるが、ストウボトルはそういった鋭い部分が無く、手に優しいし、折り目も付かない。
  • 水を満タンにしても薄い楕円柱なのでバックパックに入れやすい。
  • 中の水を使い切ればコンパクトに収納できる。
  • 容器自体が軽い(カタログ値で55g)ので、軽量化志向の方にもお勧めできる。

短所

  • 開口部が小さいので、例えばペットボトル入りのミネラルウォーターをストウボトルに移し換える場合などには不便(水道の蛇口から水道水を入れて使う場合は、問題にならない)。
  • バルブが丸っこくて回しづらい。
  • 柔らかいので、水をクッカー等に注ぐ際に両手で保持する必要がある。
  • ネット上では素材の臭いが水に移るというレビューが見られるので、飲み水用として使う場合は要注意。
  • 付属の専用キャップしか使えない*2

*1:アメリカとEU加盟国の基準に適合していることを示すロゴが表示されています。

*2:キャップサイズが28mmなので、一般的なペットボトル用のキャップや互換サイズのハイドレーション関連パーツを接続できそうに思えます。しかし、実際にそれらを装着すると、キャップの周囲から水が漏れます。