重要
この記事で紹介している真空パック機「FoodSaver」は、型番が「FM3943」のものです。FoodSaverは度々モデルチェンジするため、機能や外観が変更になる可能性が高いです。
実際に購入される方は、その時点で販売されている製品の型番を確認し、この記事の型番と異なっている場合は、この記事の内容を参考にしないでください。
山歩きに持っていく食材や救急用品を汚れや傷みから守ったり、食品の劣化を防いで長期間保存できるようにするため、ずいぶん前から家庭用の真空パック機を使ってきました。
今回の記事で紹介するのは私が2021年1月現在使用している、私にとって3台目の真空パック機「FoodSaver(FM3943)」です。
▲我が家の台所に設置されているFoodSaver(FM3943)。外装が銀色なので、一般的なステンレス製の台所に置いても違和感がない。(言うまでもありませんが、この写真を撮るために台所を片付けました。普段は散らかっています。)
概要
FoodSaverは、家電量販店やコストコなどで広く販売されている家庭用の真空パック機です。
販売時期によって様々な種類があるようです。
一般的に「真空パック機」と言われてはいますが、実際は袋の中は真空にはなりません。
厳密には「真空パック機」ではなく「脱気シーラー」です。
市販の食品のような本物の真空パックにするには、価格の桁が一つ増えるレベルの、本当の意味での真空パック機が必要です。
仕様
▲「FoodSaver(FM3943)」のパッケージ
製品名: FoodSaver(フードセーバー) FM3943真空パックマシーン
メーカー: Sunbeam Products, Inc.(アメリカ)
材質: AS樹脂(本体)、ポリエチレン・ナイロン・ポリオレフィン(専用パックロール等の袋)
サイズ: 幅464.1mm×奥行174mm×高さ132.6mm(カタログ値)
重量: 約2.56kg(カタログ値)
消費電力: 130W
生産国: 中国(本体)、韓国(専用パックロール等の袋)
輸入代理店: コールマンジャパン株式会社(東京都)
国内定価: ¥22,800(税別)
購入価格: およそ¥15,000
購入先: コストコホールセール 神戸倉庫店
▲パッケージ内容(本体、取扱説明書、専用の袋、専用パックロール*1)
使い方
専用の袋は大きさが決まっているので、それにぴったり収まる量の食材を真空パックするときは良いのですが、実際はその時々によって真空パックしたい食材などの量は異なります。
そこで、主に活躍することになるのが専用パックロール。
パックロールはナイロン袋の素材でできたチューブで、チューブが押しつぶされた状態でペーパータオルのように円筒形に巻かれています。
使用する時は任意の長さに切断し、片方の端を溶着して塞いで袋にします。
一般的な真空パック機では、本体と別にロールを保管しておく必要がありますが、FoodSaver(FM3943)の場合は本体内部に収納できるのが魅力。
収納スペースの分だけ本体が大きくなっているので、便利なのか不便なのかは、台所の広さによると思います。
▲専用パックロールは本体内部に入れておける
使用する際は、まず本体底面に収納されている電源ケーブルをコンセントに差し込みます。
▲本体底面の様子(電源ケーブルが収納されている)
専用パックロールを袋にする
パックロールは好きな長さに切って袋として使うのですが、切っただけのパックロールは、両端が開いたままで袋状にはなっていません。
袋状にするためには、一端を溶着してから好きな長さにカットします。
まずは溶着。
本体内部には、黒くて細長い密封用ヒーターが取り付けられています。
▲本体内部の密封用ヒーター(赤枠内)
収納スペースから引っ張り出したパックロールの先端付近を密封用ヒーターの上に当ててから、蓋を閉じて電源ON。
▲専用パックロールの先端付近を密封用ヒーターの真上に置く
電源スイッチは、本体右側ついている大きなレバー(ロックレバー)です。
蓋を閉じてから、このレバーを電源ONのマークの位置まで回せば電源が入ります。
▲本体右側のロックレバー(ロックレバーの上(左側の画像の赤枠内参照)に、レバーの位置とその役割を示す図柄が記載されている)
続いて、真空ポンプは作動させずに密封用ヒーターだけを作動させて、パックロールの先端を溶着します。
本体正面には「密封」「吸引&密封」「水分」という3つのボタンが並んでいますが、パックロールの口を密封するだけの時は、「密封」ボタンを押します。
▲本体正面の密封ボタンを押す
パックロールの端を熱で溶かして接着する(溶着する)ので、特に動作音はありません。
「密封」ランプが消えれば、溶着は完了です。
▲密封用ヒーターが作動している間は、オレンジ色のランプが点灯する
▲溶着された部分(赤枠内)
この後、パックロールを好きな長さに引き出して切断すれば袋ができあがるわけです。
この「切断」も、FoodSaver本体に内蔵されたカッターを使えば簡単。
本体内部、密封用ヒーターの手前に溝があるのですが、ここはカッターの刃の通り道になっています。
▲カッター用の溝の位置(赤枠内)
この溝の部分でパックロールが切断されるので、真空パックしたい食材などの量を考えてパックロールを引き出し、切りたい位置をこの溝に合わせたら、蓋を閉じて右側のロックレバーをロック位置に合わせ、蓋に備わっているスライド式のカッターを端から端まで動かします。
これで一端が溶着されたパックロールが切り離され、袋ができあがりました。
▲蓋を閉じてロックをしたら、カッターをスライドさせる(左から右、右から左のどちらでも良い)
▲蓋を開けると、カッター用の溝の位置でパックロールが切断されている
食材などを入れる
袋ができあがったら、中に食材などを入れます。
汁気が多い食品を真空パックすると、液体がポンプ内に吸い込まれて壊れるおそれがあります。
水分が多い食材は、あらかじめ冷凍してから専用パックロールに入れるか、液体が多い状態のまま専用の「真空フレッシュボックス」(別売)に入れて空気を抜くと良いでしょう。
専用パックロールで作った袋に食材を入れるときは、袋の口を外へ折り返しておくと良いと思います。
溶着される面に食材や水分が付いていると、きれいに接着されないのです。
▲袋の口を外へ折り返しておく
食材を入れ終わったら、袋の口周辺の内側を汚さないように注意しながら、外へ折り返した部分を元に戻します。
真空パックする
いよいよ真空パックの作業です。
袋の開口部が本体内の吸引溝の中に入るように、食材などを入れた袋をセットします。
▲吸引溝の位置(赤枠内)
▲袋の開口部が吸引溝の中に入るように袋をセット
袋の位置がずれないように注意しながら、蓋を閉じてロックレバーを回し、電源ON。
本体の「吸引&密封」ボタンを押すと、吸引ポンプがけたたましい音を立てて作動し、袋の空気が抜けていきます。
このとき、本体の「吸引&密封」ランプが緑色に点灯します。
▲空気が抜けて袋がしぼんでいく様子
空気が抜けると(ポンプの負荷が大きくなると)自動的にポンプが止まり、引き続き自動的に密封(溶着)の動作が始まります。
このときは、「密封」ランプがオレンジ色に点灯。
▲空気を抜き終わり、溶着が行われている時の様子
両方のランプが消灯したら、脱気と溶着が完了、つまり真空パックが終わったことになります。
ロックレバーを回して解除し、蓋を開けます。
▲真空パックが完了した冷凍炒飯(炒飯の周囲が“しぼんで”いることが分かる)
以上の操作を、海外の方が2分強の動画にまとめてYouTubeにアップロードしているので、それを紹介します。
説明は英語ですが、この記事の「使い方」を読んでいれば、映像を見るだけで何をしているのか分かっていただけると思います。
Foodsaver FM3941 steps for making your own bag and vacuum sealing food
▲FoodSaverで食品を真空パックする操作の流れ(YouTubeから転載)
ハンディシーラーについて
FoodSaver(FM3943)には、格納式のハンディシーラーが備わっています。
ロックレバーのすぐ上にある、小さな醤油瓶のようなものがそれです。
これは本体とホースでつながっており、引っ張り出せるようになっています。
▲格納式ハンディシーラーを本体から取り出した状態
これは、別売品の「真空フレッシュボックス」と呼ばれる容器や、バルブが付いた専用ジッパーバッグ内の空気を抜くのに使用するもの。
▲真空フレッシュボックス(サイズ2)2個セット(税抜定価¥2,680)
▲真空フレッシュボックス(サイズ3)2個セット(税抜定価¥3,680)
真空フレッシュボックスの蓋には空気を抜くためのバルブが付いているので、格納式ハンディシーラーをそこに押し当ててFoodSaverのポンプを作動させれば、真空フレッシュボックス内が脱気されます。
▲真空フレッシュボックスの蓋に格納式ハンディシーラーを押し当てている様子
真空フレッシュボックスは、汁気が多い食材や、真空パックすると潰れてしまう柔らかい食材(野菜など)を保存するときに使うもののようです。
私は使う機会がありません。
最後に
私の場合、真空パックした食材は(冷凍食品を除き)山の上で湯煎で温めます。
湯煎は、私にとって「山の上の電子レンジ」。
ご飯や餃子、唐揚げ、春巻きなどを真空パックして山に持って行き、それらを全部大きめのクッカーに放り込んで湯煎で温めると、山の上で豪華な食事を美味しく頂けます。
真空パックになっていれば、食材に熱が通りやすいのです。
ただし、真空パック用の袋が鍋底に触れると溶けて穴が開くことがあるので、鍋底に金網を敷くなど、袋が直接鍋底に接しないようにする対策が必要。
▲真空パックした食品を山の上で湯煎している様子(撮影のためにフタを開けています。パックご飯をお湯の中に沈め、その上に真空パックのおかずを置いています。フタを閉めると、おかずは高温の蒸気で加熱されることになります。)
「冷凍食品を真空パックする必要性はあるの?」と思われるかも知れませんが、例えば500g入りの冷凍炒飯は一人分が250gとされており、私のように一人で消費する場合は2回に分けて食べないといけません。
半分を山に持っていった残りを適当に冷凍庫に保存していると、霜が付いたり変質する恐れがあります(冷凍焼け)。
そうなると美味しくなくなるので、小分けにした冷凍炒飯を真空パックし、冷凍焼けしない状態で保管するわけです。
他には、大きな袋に入ったグラノーラやコーンフレークのような食品を一食分ずつ計量して真空パックし、湿気たり傷んだりしないようにするといった使い方もしています*2。
私の使い方では、山に持っていく揚げ物や冷凍食品、ご飯やコーンフレークなど液体が少ない食品を必要な分量だけ真空パックするという使い方しかしないので、水分が多い食材を真空パックできない(専用のタッパーを使う必要がある)点については、短所になりません。
今まで真空パック機を使ってきて気がつきましたが、真空パック機は、常に台所に置いておかないとダメです。
片付けてしまうと、取り出すのが面倒になって使わなくなります。
真空パック機が欲しいという方にとっては、それを常に出しっ放しにできるよう台所を片付けられるかどうかも重要なポイントです。
私はコストコでたまたま見かけたので、よく考えずにこの製品を購入しました。
家庭用真空パック機(脱気シーラー)は他にも色々な種類が売られており、FoodSaverとあまり変わらない価格で、液体が多い食材をパックできる優れた製品もあります。
後悔しないよう、様々な製品を比較検討してみてください。
長所
- 専用パックロールの収納場所や、切断用のカッターまで内蔵されているので、FoodSaver(FM3943)だけで真空パック作業が行える。
- 定価は高いが実売価格は安価で、コストパフォーマンスに優れている。
短所
- 広い設置面積が必要。
- 真空パック機に共通の難点で、空気を吸い出すときの音がうるさい。
- 水気の多い食品は真空パックできない(不可能ではないが、工夫が必要)。
- 真空パックに向く食材とそうでない食材(特に野菜、果物)がある。真空パック機の利用にあたっては、食材毎の注意点をしっかり調べておかないといけない。