播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

登山道が整備された平荘湖南の「升田山」(兵庫県加古川市)

加古川観光協会のWebサイトを見ていたら、「升田山(ますだやま)に登ろう」というバナーを見つけました。

升田山は平荘湖の南側にある展望の良い岩山。

加古川観光協会のそのリンク先を見ると、升田山の南麓に登山者向け駐車場と登山道が整備されたとのこと。

升田山の南側は、Googleマップの航空写真を見てもイワイワしていて面白そうです。

ということで、加古川観光協会のWebサイトから加古川市が公開した「升田山登山道案内図(2020年10月)」というPDFファイルをダウンロード。

それを参考に升田山を歩いてきました。

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▲升田山南斜面(「八十の岩橋」と呼ばれる岩場)右上、矢印の位置に私が立っています。(ドローンで撮影)

 升田山は、標高約105mで一級河川加古川に隣接しています。山頂から見渡すと、北に平荘湖、南には加古川の流れと市中心部を経て、はるか播磨灘まで遠望できます。
 升田山の南面には、自然にできた石段(八十の岩橋)があり、80人の神が天と地を行き来していたという伝説が「播磨国風土記」に記されています。
(出典:加古川市発行「升田山登山道案内図」)

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▲対応する地形図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「加古川」(「八十の岩橋」でドローンを飛ばすなどしたため、「神社」~「升田山」のコースタイムは参考になりません。ご了承ください。)

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▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

09:50

姫路市街の自宅を車で出発。

姫路バイパスを東進し、大きなパチンコ店が見える「加古川西」出口でバイパスを下りたら、坂を下りきったところの交差点を直進して側道へ入ります。

側道を東へ走ること2km弱で「出河原」交差点(丁字路)に突き当たるので、それを左折して加古川右岸*1を北上。

この加古川右岸の道は県道79号線です。

これから登る升田山を正面に見ながら県道79号線をおよそ1.5km北上すると、「妙願寺」と書かれた看板が立つ三叉路に出会います。

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▲升田山登山者用駐車場へ入るための分岐(左に写っている妙願寺の看板が目印)

この三叉路を左に入り、「妙願寺」の看板の右にある細い道へ入ってください。

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▲駐車場への入口

すると、すぐ升田山登山者用の駐車場に出会います。

10:25

升田山登山者用駐車場に到着(地図中「P」)。

地面にロープで枠が描かれていますが、それを見ると駐車可能なのは5台。

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▲駐車場の様子

https://goo.gl/maps/daMkiHXM28ykNVHA6

▲駐車場の位置

10:35

準備が整ったので出発。

「妙願寺」の看板まで戻り、駐車場へ入る道の一本右の上り坂に入ると、間もなく右側に登山口が現れます。

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▲登山口はこの道を上る

10:37

升田登山口に到着(地図中「升田登山口」)。

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▲登山口

Googleマップの航空写真を見ると山の中腹に神社のような建物が見えたのですが、それが神社であると確信を持てました。

というのも、登山口に鳥居があったからです。
登山道と参道を兼ねているようです。

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▲登山口の鳥居

参道だけあって歩きやすく、石段もあります。

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▲神社までの道の様子

10:41

小さな神社に到着(地図中「神社」)。

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▲山の中腹にある神社

ここからは南側の展望を楽しめますが、展望はこの先で嫌と言うほど楽しめるので、休憩はほどほどにして、「八十の岩橋」と呼ばれる岩の急斜面を楽しむことにしましょう。

八十の岩橋(やそのいわはし)について
 東神吉町と平荘町の境である升田山の東の尾根は、八十の岩橋と呼ばれています。
 「播磨国風土記」には「石を以て斗(ます)と乎気(おけ)を作った故に斗形山(ますがたやま)といった。石橋がある。伝えいうに上古の時、この橋天に至り、八十人衆が上下往来した。故に八十橋といった。」とあります。
 また、この石段については「大昔、この橋は天までのびていてイザナギ、イザナミの神様と一緒に八十人の神様が降臨された。」という伝説も残されています。
(出典:加古川市発行「升田山登山道案内図」)

神社の裏に回ると、岩の斜面に真新しい鎖が垂れていました。

鎖を使わなくても登れますが、新しいものなので(鎖を使いたい場合は)安心して体重をかけられます。

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▲神社の裏から岩の急斜面が始まる

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▲鎖は設置されたばかりでピカピカ

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▲岩場(八十の岩橋)の下半分にあるロープと鎖(矢印の先から左下と右上に伸びている。ドローンで撮影。)

事前に届出をしていた*2ドローンの飛行開始時刻になるまで景色を眺めながらぼーっとしたり、のんびりとドローンの飛行前点検を行いながら時間をつぶし、飛行開始時刻になってからドローンを飛ばして色んな角度から「八十の岩橋」を楽しみました*3

八十の岩橋の上部はなだらかですが、露岩の尾根なので展望が良く、気持ちいい。

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▲八十の岩橋上部のなだらかな尾根の様子*4

山頂を空撮したかったのですが、升田山は人気があるらしくハイカーが何人もいらっしゃいました。

そこで、山頂が無人になるまでなだらかな岩の斜面で待ってから山頂へ向かうことに。

11:23

山頂が無人になったように見えたので、山頂に上がりました(地図中「升田山」)。

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▲升田山山頂の様子

山頂からの展望は、2020年1月に撮影した全天球パノラマでご覧頂けます。
パノラマ画面左上のリストで、山頂南側と北側を切り替えてください。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/masudayama20200119/virtualtour.html

▲升田山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2020年1月19日)

誰もいないと思っていた山頂は、北側にハイカーがお二人おられたので、景色を眺めながらのんびり待機。

そのハイカーさん達が下山され、山頂周辺が完全に無人になったのを確認してから再度ドローンを飛ばしました。

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▲升田山山頂(ドローンで撮影)

上のドローン画像には、道標が立つ山頂の南(左)の方になだらかな岩尾根が写っています。

三角点周辺(上の画像で私が立っている付近)はハイカーさん達の往来が多いので、三角点の南側に広がる岩尾根で、南側の大展望を楽しみながら昼食をとることにしました。

本日の昼食は冷凍の焼そばですが、電子レンジ専用品が多い中、フライパン調理が可能な冷凍食品はありがたい。

これからは涼しくなって溶けにくくなるので、冷凍食品が山歩きで活用できます。

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▲本日の昼食(日清中華 上海焼そば)

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▲チタンのクッカーで調理した上海焼そば(クッカーを覆っているのは、自作の保温ケース。)

12:21

景色と食事を満喫したし、ちらほらと他のハイカーさん達が増えてきたので、下山開始。

下山ルートは、加古川観光協会のWebサイトで気になっていた「別当谷登山口」へ下りる道を選びました。

山頂から西へ下った鞍部から、北へ延びる道で平荘湖の周回道路に下りるようです。

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▲「ウェルネスパーク」方面へ下山

そうそう、山頂の道標は設置する角度が西へ45度ずれています。
上の画像でもおわかり頂けると思いますが、登山道は矢印の方向なのに、道標は少し右を指しているので注意してください。(「八十の岩橋・升田」方面を指すべき道標も、少し南へずれています。)

升田山から西へ下ろうとすると、いきなりやや急な露岩の斜面に出会います。
しかし、岩のグリップが良いので問題ありません。

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▲升田山山頂西側の露岩の斜面を振り返って撮影

露岩の斜面が終わると、両側が鬱蒼としたなだらかな山道になります。

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▲露岩の斜面の後は普通の山道

12:25

別当谷登山口への分岐に出会いました(地図中「別当谷分岐」)。
公設と私設(?)の両方の道標が立っています。

直進するとウェルネスパーク方面(升田山平荘湖登山口)で、右折すると別当谷登山口です。

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▲別当谷登山口への分岐

歩く人が少なそうな、マイナー感が高めの山道を下ると、すぐに平荘湖の周回道路に出ました。

12:29

別当谷登山口に下りてきました(地図中「別当谷登山口」)。

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▲平荘湖の周回道路から見た別当谷登山口

この後どうやって下山しようかと悩んだのですが、実は先ほど別当谷登山口への分岐を探す時に、鞍部から南へ延びる道(地形図の破線道)があるのに気づきました。

せっかくなので、その道を歩くことに。

しかし、このまま別当谷登山道を引き返してもつまらないので、升田山の北側にある採石場跡地沿いの登山道で再び升田山に登り、もう一度「別当谷分岐」のある鞍部へ向かうことにしました。

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▲平荘湖の周回道路を東へ進んだ

12:36

平荘湖の周回道路を反時計回りに進み、地形図で神社が描かれている場所の手前にある名も無き登山口から再び升田山に入山(地図中「無名登山口」)。

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▲マイナーな登山口から再び山に入った

マイナーな登山口だけあって、登山道も分かりづらい。
蜘蛛の巣だらけだし、暑くて半袖になっていたせいで枝葉が腕に当たって痛い。

12:42

道はまっすぐ延びているのに、左側の岩の上にも小径がついているのが見える場所に来ました(地図中「分岐」)。

ここは岩の上の小径に入るのが正解。

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▲分かりにくい分岐(岩の上に登山道)

相変わらず蜘蛛の巣だらけの登山道を進んでいたら、突然景色が開けました。
採石場跡地の上に出たのです。

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▲採石場の上を歩く区間の様子

採石場跡の上から南へ進めば、すぐに升田山の山頂です。

12:49

本日2回目の升田山山頂に到着。誰もいません。
山頂は素通りし、また西へ下ります。

別当谷登山口への分岐の少し手前に、地形図の破線道が実在しています。

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▲鞍部から南へ延びる道の入口(矢印の方向に道がある。目印は「四四」と書かれた境界標石。)。奥は別当谷分岐。

GPS軌跡と地形図の破線が重なっている区間ははっきりした道ですが、突然道は左(東)へ向きを変えてしまいます。

その後は、谷間の薄い踏み跡をたどることになりました。
マーキングテープがあるので、進むべき方向が分からなくなることはありません。

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▲マーキングを頼りに薄い踏み跡をたどる

やがてU字溝でできた水路に突き当たるので、そこは右へ進みます。

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▲溝に突き当たったら右折

間もなく道は広くなり、竹林の脇を通って民家の裏に出ました。

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▲民家の間を抜ける

13:00

細い坂を通って細い道路に下りてきました(地図中「民家横登山口」)。

この細い道路を東へ進めば、駐車場です。

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▲ここに下りてきた(矢印の方向へ進めば駐車場)

13:03

駐車場に到着。

13:45

自宅に到着。

 


交通アクセス

升田山は自家用車で行くのが便利ですが、JR加古川駅からレンタサイクルで行くという方法もあります。加古川駅から升田山登山者駐車場までの距離は、およそ3.5km

1日あたりのレンタル料金は数百円です。本人確認書類(運転免許証など)が必要ですので、ご注意ください。基本的に、本人確認書類が無いと自転車を借りられません

JR加古川線の日岡駅から徒歩で行くことも可能です。

JR日岡駅から加古川水管橋を渡って升田山登山者駐車場まで、およそ2km。

*1:川下を向いて川の中に立ったとき、左になるのが左岸、右が右岸です。

*2:国土交通省の許可・承認が必要な飛行を行う時は、「ドローン情報基盤システム(飛行情報共有機能)」への飛行計画の登録が義務づけられています。許可・承認が不要な飛行の場合でも、登録が推奨されています。

*3:南側を交通量の多い県道が走っているので、飛行距離の制限をかけて県道の上空には絶対に出ないようにして飛行させました。

*4:ハイカーが複数人写っていますが、30m以上の距離(国土交通省令で定められています)を確保しています。