時々アウトドア系の雑誌に記事を書かれているmorikatu氏のブログ「自転車とアウトドアライフ(遊び)」(http://www.morikatu.jp/)にオイルライターが紹介されていたのですが、そのかっこよさに一目惚れ。
特に買う理由は無かったのですが、買わない理由も思いつかなかったので、買ってしまいました…
概要
▲titanLIGHT(色がガンメタルのモデル)
titanLIGHT(タイタンライト)は、大きめのオイルライターです。
オイルライターと言えば、必要な時に限ってオイルが蒸発していて使えないということがありますが、titanLIGHTはそのような状況を防ぐために、フタにパッキンがついてます。
アルミを削り出して作られており、加工精度も高いため、質感はすばらしい。
所有欲がしっかり満たされます。値段が高いのも納得。
仕様
▲titanLIGHTのパッケージ
製品名: EXOTAC titanLIGHT(エクソタック・タイタンライト)
メーカー: Exotac, Inc.(アメリカ)
サイズ: 全長 約8.6cm、直径 約2.5cm(カタログ値)
カラー: オレンジ、ガンメタル、オリーブ、ブラックの4色展開
材質: アルミニウム
重量: 約56.7g(カタログ値)
生産国: アメリカ
アメリカでの定価: $49.95 USD
購入価格: ¥5,900(税抜)
購入先: amazon.co.jp
備考: この記事の画像にあるのは、色がガンメタルの製品です。
警告
パッケージに記載されている「警告」は、以下の通りです。
- 密閉された空間で使用したり、発生した煙やガスを吸い込んではならない。
- ライターは使用中および使用後に熱くなっているので、取り扱いに注意。
- 子どもに触らせるときは大人が監督すること。
- 30秒以上、火がついた状態にしないこと。
- 12歳未満の子どもには触らせないこと。
- セ氏50度以上の場所に置いたり、直射日光に長時間当てないこと。
外観
下の画像をご覧いただければ、好きな人にはたまらないデザインであることがおわかりいただけるでしょう。
無骨で実用性を重視したデザインと、高い加工精度からくる美しさ。
眺めているだけで幸せ。
▲titanLIGHT(大きさが分かるように、単3電池を並べています)
ネジ溝の最下部にパッキン(Oリング)が取り付けられていることに注目してください。
これのおかげでオイルが蒸発せず、「使っていないのにオイル切れで火が着かない」という事態を避けられます。
▲点火部
▲蓋を閉じた状態(大きさが分かるように、単3電池を並べています)
特長
パッケージによるとtitanLIGHTには以下の特長があるそうです。
- 強力な火花を出すフリントホイール
- 1m以上の防水性能
- 1回転で脱着可能なキャップ
- 空気の対流による効率的な燃焼
- 精密に加工されたアルミ製の構造
- 交換が容易なフリント
▲パッケージ裏面に記載されている特長
使い方
フタをはめる場所のネジ溝が幾重にも刻まれているので「どんだけ回さなあかんねん!」と思ってしまいますが、実際は1回転弱でフタの開け閉めができます。
そのため右利きの場合は右手で本体、左手でキャップを持ち、それぞれの手を逆方向に回すだけで、キャップや本体を持ち直すことなく、簡単にキャップを開閉できるわけです。
まったく不便は感じません。
▲右利きの場合は右手で本体を、左手でキャップを画像のように持つ
▲それぞれの手を逆方向(矢印の方向)にひねる
▲本体とキャップを持ち直すことなくキャップを外せる
扱いに慣れてくると、ライターを両手で持ち、両手を逆回転させてキャップを外した後、親指を伸ばしてすぐに点火出来ます。
一連の動作でサッと火を付けられるので、気持ち良いですよ。
これを実現するには、右利きの場合、最初に右手で本体を掴むときの角度が大事なのですが、その目印になるのは底面のメーカーロゴ。
キャップのロゴは、キャップの閉め方によって点火部との相対的な角度が変わってしまうので、目印になりません。
▲最初に本体を持つ時の右手の位置を正しくしておけば、キャップを外した後そのまま親指を伸ばして点火出来る
▲最初に右手で本体を掴むときの角度は、底面のロゴを目印にすると良い(私のtitanLIGHTは、始めにこの角度で本体を持つと、キャップを外したときに親指がちょうど点火用ホイールの位置に行く)
また、この動作を逆に行うことで、最小限の動きでキャップを閉じられます。
メンテナンス
オイルの入れ方
ライター本体の底部にあるキャップをねじって外すと、オイルを吸わせるための綿が現れます。
オイルの蒸発を防ぐため、こちら側にもパッキンが仕込んであります。
このキャップは滑り止めが刻んであるため、非常に回しやすいです。
加工精度が高いためか、回転も滑らか。
▲底部のキャップを外した様子
メーカーが推奨しているオイルの量は、完全にオイルが尽きた状態で、底部のキャップ2杯分(下のYoutube動画によると、燃料タンクの容量は3mlしかないとのこと。燃料を入れすぎた場合は、上下のキャップを外して放置し、燃料を蒸発させるしかないそうです。)。
底部のキャップは、フタでもあり、燃料の計量カップでもあるわけです。
ただ、キャップは注ぎやすさが考慮されていない形状なので、オイルを本体に入れる時に本体の外側へこぼしやすいです。
なお、オイルを入れすぎると芯の周辺からオイルがしみ出し、ライター上部が炎に包まれて危険な状態になります。
私も購入後初めてオイルを入れた時に経験しましたが、驚いてライターを落としてしまいそうになります。燃えやすい物の近くでそんなことになると、危険きわまりない。
上に書いた適切な燃料の量や、入れすぎた場合の対処を説明してくれているのは、下の動画。
実際にオイルを入れすぎた状態を再現し、Exotac社に電話をして確認したという「適切な燃料の量」や、燃料を入れすぎた際の対処法を、全編英語ですが詳しく説明してくれています。
EXOTAC titanLIGHT: Problem Solved
燃料を入れすぎた場合は点火部周辺がオイルで濡れた状態になるので、不安な場合は、火をつける前に点火部周辺を目視で確認し、しみ出したオイルが蒸発するのを待ってから点火してください。
フリント(火打ち石)の交換方法
フリントを交換するときに、工具は不要です。ただし、爪が丈夫な方に限りますが。
まずは、フリントを交換するための作業スペースを用意してください。
交換作業中に、フリントやバネ、ピンを落とす可能性があるため、毛足が長い絨毯を敷いた部屋などでは、落としたそれらの部品を発見するのが困難です。
小さな部品が転がり落ちないように、なおかつ作業がしやすいように、お盆のようなものの上で作業をした方が良いかも。
- ライター本体と点火部を結合しているピンを抜きます。下の画像で、矢印が示している場所にプラスネジのようなものが見えていますが、これが結合用のピンの先端です。この部分を爪や爪楊枝の頭でグイッと奥へ押し込んでください。▲結合用のピンの先端を押し込む
- 反対側からピンの頭が飛び出すので、これを爪、あるいはラジオペンチのような道具で引っ張り出します。少しピンを引き出すと、フリントをホイールに押しつけるためのバネの力で点火部が押し上げられるのを感じます。ピンを抜いている手と反対側の手で、点火部をしっかりとライター本体に押しつけておいてください。▲こちら側からピンが飛び出してくる(ピンの頭には、爪が引っかかるような溝がある)
- ピンが抜けたら、ライターを横に寝かせた状態で、点火部と本体をゆっくりと分離します。ライターを立てた状態で点火部を持ち上げると中からフリントが落ちてくるため、ライターを寝かせておくと良いでしょう。▲本体と点火部は横向きで分離させる。▲分解した状態(バネを本体から抜く必要はありません)
- (残っていれば)点火部の底面の穴から古いフリントを取り出し、新しいフリントを穴に入れます。▲点火部底部の穴にフリントを入れる
- ライターを寝かせた状態で、本体から飛び出しているバネの先がフリントの入っている穴に入るように位置を合わせ、慎重に本体と点火部を組み合わせます。結合ピンを通す穴が揃ったら、ピンを押し込んでください。
気になる点
初めてこのライターを使ったときは、点火用のホイールがやけに回しづらいのが気になりました。
何回か点火すれば、親指の腹に痛みを感じるほどです。
しかし、しばらく使っていればスムーズに回るようになるので、ご安心を。
使い始めや、フリントを交換した直後だけは「ならし」が必要なのかも。
「ならし」の段階でホイールが回らなくなったら、本来とは逆の方向に少しだけ回してやれば、ホイールはうまく回るようになります。
▲ホイールが回らなくなったら、矢印の方向に少し回してやればよい
もう一つ気になるのは、オイルライターはみんなそうですが、風に弱いということ。
芯が風防に覆われてはいますが、ちょっとした風で火が消えそうになります。
これは、ターボ式ではないライターの宿命として諦めるしかありませんね。
特許について
メーカーであるExotacの公式ページを見ると、このtitanLIGHTは特許を取得していると書かれています(「U.S. Patent No. 10,544,937」と表記)。
どんな特許なのか気になったので、アメリカ合衆国特許商標庁のWebサイトで調べてみました。
内容は、おおざっぱに訳すと「液体燃料を保持する容器の上部と下部に脱着可能なキャップを備え、そのキャップには防水のためのパッキンを備えたもの。キャップにはランヤードが取り付けられる。点火部分が風防の内側にあるetc.」。titanLIGHTの細かい特徴が事細かに特許の内容として列挙されています。
メーカーがこのような特許を取得しているので、titanLIGHTと同じ形式のオイルライターは当面の間、他のメーカーからは発売されないでしょう。
最後に
パッキンのおかげでオイルが蒸発せず、前回給油した時期を忘れるくらい長期間使用できるのは素晴らしいところ。
必要な時に、確実に火が着いてくれます。
▲点火した様子
当たり前のことに思えますが、オイルライターではそれが当たり前ではありません。
ジッポーライターという有名なオイルライターがありますが、あれは数週間ほどでオイルが蒸発しきってしまい、いざ使おうと思ったら火が着かないという状況になりがちなのです。
燃料を入れすぎると危険とか、フリントを交換した直後は点火用のホイールが回りづらくて指が痛くなるといった欠点が気にならないほど、非常にかっこよくて信頼性が高いオイルライターです。
これの魅力は、理屈ではないような気がします。
使いやすいライターなら、他にいくらでもあります。
titanLIGHTは、その形状や質感、そしてそれらによって醸し出される雰囲気が最大の魅力かな。
titanLIGHTよりもずっと小さくて、titanLIGHTと同様にパッキンが付いたライターも過去に紹介しています。