播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

MSRのガス缶「イソプロ」の残量を調べる方法

山道具好きの間では、欲しくてもなかなか手に入らなかったMSRの真っ赤なガス缶「イソプロ」。
それが、2020年4月から正規ルートでついに日本国内でも販売されることになりました。

今回の記事では、そのMSRの「イソプロ」を紹介します。

ただのガス缶なんですが、他のメーカーのガス缶にはない特徴が一つだけ備わっているので、ガス缶自体というよりは、その特徴を紹介する記事です。

この記事内に出てくるMSRイソプロは、110gサイズ(アメリカのサイズ表記では4oz.)です。

概要

MSRのガス缶「イソプロ」には、水があればガスの残量を知ることができる「Fuel Gauge*1」(燃料計)という機能が備わっています。

メーカーであるMSRがその使い方をYoutubeで紹介しているので、それを転載します。


MSR Stoves: Measuring Canister Fuel

MSRイソプロの仕様

製品名: イソプロ*2
メーカー: Cascade Designs, Inc.(アメリカ)
内容量: 110g
組成: イソブタン、プロパン
生産国: 韓国
アメリカでの価格: $4.95 USD
購入価格: ¥650(税抜)
購入先: 好日山荘 姫路駅前店

外観

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▲MSRイソプロ(110g)

MSRのイソプロは、サイズは他のメーカーの同容量のガス缶と基本的に同じで、MSR製品特有の真っ赤な色合いが特徴的。

ネジの部分も、他のメーカーのと大差ないように見えます。しかし、販売元であるモチヅキのWebサイトには以下のように書かれているので、他のメーカーの器具と組み合わせて使用することは避けてください。

【警告】
PSLPGの銘板がついているMSRのガスストーブ以外には絶対に使用しないでください。
他社製ガスストーブに使用すると、ガスの混合比の違いにより酸素が不足し、不完全燃焼となり一酸化炭素が発生し、中毒に陥り高次脳機能障害などの後遺症、意識障害、最悪の場合は死亡事故を引き起こす可能性があります。
また、ネジ山のピッチの違いによりガス漏れが発生し、爆発、火災、怪我、重度のやけど、最悪の場合は死亡事故を引き起こす可能性があります。
(出典:株式会社モチヅキのWebサイト)

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▲MSRイソプロのネジ部分

Fuel Gauge機能

ガスの残量を量るためのゲージは、MSRロゴのすぐ横にプリントされています。

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▲イソプロにプリントされたFuel Gauge

残量を量るのに必要な道具は、イソプロがゆとりをもってすっぽり収まるサイズの容器と水。

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▲イソプロが余裕をもって入る大きさの容器*3を用意する

クッカーに水を張ってイソプロをその中に沈めますが、イソプロを傾け、底部に空気が入らないようにします

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▲イソプロを傾けて底部の凹みに溜まった空気を抜いてから水に浮かべる

そのまま手を離すと、缶は水面から上部を出して浮かびます。
この時の水面の高さを見ると、ガスの残量が分かるという仕組み。

ガスの残量が多いと重いため沈み、ガスを使って軽くなれば浮きやすくなることを利用しています。

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▲イソプロが浮いている状態

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▲新品のイソプロで実験したので、水面は「F」(Full)の位置にある*4

最後に

他社製のガス缶でも、同様のゲージを印刷したテプラを貼ったり、油性ペンで目盛りを書けば同じことができます。

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▲MSRイソプロの表面に印字されたゲージの位置*5

ただ、山の中でこの作業を行えるのは、水が豊富にある場所だけでしょう。

実用性はあまりないかも知れませんが、MSR以外では見たことのないアイディアだったので、紹介することにしました。

*1:カタカナ読みでフューアル・ゲージ。

*2:英語表記は「MSR IsoPro Fuel」。

*3:この記事で使用しているのは、モンベルの「アルパインクッカー14」。

*4:ガスを使い切った場合は水面が「E」の位置に来ますが、これは「空っぽ」を意味する「Empty」の頭文字。

*5:ものさしで測ったおおよその数値です。他社製のガス缶にそのまま当てはまるかどうかは分かりません。