山での食事の際、食器や食べ物などを地面に直接置いていると、ぼーっと景色を眺めている間に虫が食べ物にたかっていたり、何も考えずに食器を地面に置くと小石のせいで食器が傾き、中身がこぼれるといった事態が発生しますが、小型のテーブルがあれば安心。
今回は、山に持っていくのが苦にならない超軽量折りたたみテーブルを紹介します。
ウルトラライト・フォールディング・テーブルとは?
プラスチック製の段ボールのような素材(アメリカでの商標名は「Coroplast」。日本では一般的に「プラダン」。)で出来た、超軽量(65g)の折りたたみテーブルです。
▲Ultralight Folding Table(岩場でも平らな空間を作り出せる)右上のロゴは当方が別途購入して貼り付けた物で、製品には付属しません。
「自転車とアウトドアライフ」というブログの管理人であるmorikatuさんが、Youtubeに分かりやすい動画を公開してくださっています。
(注:動画に出てくるUltralight Folding Tableは、旧型です。新型と旧型の違いについては、この記事の後半で紹介しています。)
▲Ultralight Folding Tableのパッケージ
商品名: Ultralight Folding Table(ウルトラライト・フォールディング・テーブル)
輸入代理店での商品名: カスケードワイルド ウルトラライト テーブル
メーカー: Cascade Wild, LLC(アメリカ)
サイズ: 使用時 20cm × 30.5cm × 8cm、収納時 9cm × 30.5cm × 1.5cm(カタログ値)
重量: 65g(カタログ値)
耐荷重: 4.5kg
材質: ポリプロピレン
耐熱温度: セ氏162度
現地価格: $11.99 USD(2つ以上同時に買うと、1つ$10.00 USD)
購入価格: ¥1,700(税別)
購入先: 好日山荘 姫路駅前店(兵庫県姫路市)
備考: 記事に写っているUltralight Folding Tableには、モンベルのZERO POINTブランドのロゴがありますが、これはブログ管理人が貼り付けたものです。Ultralight Folding Tableにもともと付いているものではありません。
山の上でのんびり食事をして過ごす時間を重視している私にとって、小型のテーブルは山歩きに欠かせない装備品です。
実は、私は以前からUltralight Folding Tableを使っていたのですが、気に入らない点があったため長らくブログには掲載していませんでした。しかし、最近になってその欠点が改善された新型が発売。
その新型を購入したため、当ブログで紹介することにしました。
製品名は英語でも日本語でも長すぎるので、この記事では英語のUltralight Folding Tableの頭文字を取って「UFT」と呼ぶことにします。
外観
収納状態のUFTは、A4サイズの紙を縦に半分に折ったようなサイズで、2cm弱の厚みがあります。
▲収納状態のUFTとB5サイズの取扱説明書
▲収納状態のUFTの厚み(ここに写っている折り目側が約1.5cm。もっとも厚い部分は約2cm)
展開するとA4サイズ程度の天板をもつテーブルになりますが、下の画像の通り、使い始めて間もない頃は、中央部分が少し盛り上がった不格好な姿。
何度も逆向きに折り曲げながら使っていると、かなり平らになってきます。
“慣らし”が必要なわけです。
▲購入直後のUFTの天板は平らにならない(何度も使っている内に平らになってくる)
組み立て方
UFTの組み立て手順は、以下の通りです。
(1)まず、収納状態のUFTの折り目と反対側の端のスナップを外し、本体を開きます。
▲すき間に指先を入れてスナップ(赤矢印が示している2箇所)を外して…
▲本体を広げる(このとき、天板の折り目を逆向きに曲げておくと、完成後の天板の反りが多少はマシになる)
(2)中に折りたたまれている脚の部品を広げます。
▲脚を広げる
(3)広げた脚には丸いベルクロ(マジックテープ)が貼り付けられているので、同じ色の矢印で示したベルクロ同士を貼り付けます。
▲脚のベルクロを貼り合わせる
▲ベルクロを貼り合わせた状態
(4)両側の脚でベルクロを貼り合わせたら、完成です。
▲完成したUFT
収納時は、この作業を逆に行うだけです。
使い方
とんでもなく軽い(65g)うえに、収納時は細長いため、山に持っていく時に邪魔になりづらいです。
私の場合は、バックパックのサイドポケットに突っ込んだり、フロントポケット内のすき間に滑り込ませて持ち歩いています。
肝心のテーブルとしての使い心地ですが、天板の面積がA4サイズの紙と同じくらいなので、あまり多くのものは載せられません。
しかし、山の上で一人でのんびり食事をするには困らないでしょう(実際、私はこのサイズで特に困っていません)。
▲天板の広さはこんな感じ(Fold-A-Cupと110gのガス缶を載せた様子)
プラダンは汚れが染みこんだりしませんし、樹脂製なので水にも強い。汚れれば適当に水洗いするだけで綺麗になります。
耐熱温度が162度もあるので、お湯を沸かしたばかりの熱々のクッカーをそのまま載せても問題ありません。
長所である軽さが、欠点にもなってしまうことがあります。
風が強いときは、食器などを持ち上げた後にUFTが吹き飛ばされることがあるのです。
ガス缶や石など、状況に応じて重しになるような物をのせて風対策を行ってください。
「もっと広いテーブルが欲しい」という方は、UFTどうしを連結してA3サイズに拡張することもできますよ。
UFTの側面には樹脂製のスナップボタンが付いています。
これは、前述のUFTを組み立てる手順の(1)で外すものですが、組み立て後は2つ以上のUFTを連結するのに使えるのです。
▲UFTの側面にあるスナップボタン(左の旧型UFTはオスのスナップボタンの面を、右の新型はメスの面を手前に向けて並べてある。)
▲2つのUFTをスナップボタンで連結した様子(左のUFTは旧型、右は新型。)
新旧モデルの違いについて
UFTは、2019年に新型が発売されました。
旧型と、最近登場した新型の違いも紹介しておきましょう。
旧型は、プラダンの縞模様がテーブル天面の長辺と平行になるように作られていました。
それに対して新型は、プラダンの縞模様が天面の長辺と垂直になっています。
旧型も新型も耐荷重は同じなので、強度がアップしたとは言えませんが、従来の向きでは何かしら問題があったんでしょうね。
▲新旧モデルでのプラダンの向きの違い(矢印はプラダンの縞模様の向きを表している。ZeroPointのロゴは私が貼ったもの。)
旧型のUFTで私が気に入らなかった最大の特徴は、組み立てにスナップボタン(サイズは12.2mm)が使われているということ。
スナップボタンを外すときにプラダンが割れそうになり、収納時は慎重に分解する必要があったのです。
▲旧型の脚部品についているスナップボタン
山道具の扱いが雑な私にとって、そんなすぐ駄目になりそうな構造が嫌でしたが、軽さというメリットがその欠点を補ってくれていたので、我慢して使い続けていました。
しかし、新型ではスナップボタンがベルクロ(マジックテープ)に変わりました。
ちょっと引っ張るだけで簡単に剥がれるベルクロなら、プラダンが裂ける心配がありません。
軽さはそのままで、組立と収納が楽になった(神経を使わなくて良くなった)わけです。
私にとっては、非常にありがたい改良。
旧型と新型には、もう一つ違いがあります。それは、反射テープの有無。
新型には脚の部品に反射テープが貼られているのです。
反射テープが貼ってあるのは、旧型ではスナップボタンの凹凸があった場所。
スナップボタンが廃止された新型ではこの部分に凹凸がないため、こういった工夫を行えるようになったようです。
▲新型に装備されている反射テープ
これは、メーカーサイトによると夜間に自分のテントの位置を見つけやすくするための工夫(Reflective tape helps you find you way back to camp in the dark.)だそうですが、普通の山歩きで使う分には必要なさそう。
最後に
私の場合、山歩きでテーブルを使っている人を見かけることは滅多にありません(「そもそも、お前が行く山には人がいないだろう」と突っ込まれそうですが…)。
でも、私としてはぜひ山歩きでテーブルを使って欲しいです。
小型テーブルの便利さを知ると、「なんで今まで使わなかったんだろう」と後悔すると思います。
「プラダンでできたテーブルに¥1,700も出せるか!」という方は、100円ショップの折りたたみテーブルでも良いので、山で使ってみて下さい。
座面が低いイス、あるいはクッションも併せて使うと、テーブルの便利さがさらに向上しますよ。
▲テーブルに載っているのは、汚したくない双眼鏡とおやつ
写っているイスは、Helinoxのグラウンドチェアです。