播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

ドローンの飛行前確認用チェックリストを作ってみました

ドローン等の無人航空機を飛ばす前には、必ず飛行前確認を行わないといけません*1

私の場合、航空法で飛行前確認が義務づけられる前から飛行前の点検をしてはいましたが、点検項目をうっかり忘れることがありました。

それを防ぐため、海外のドローンマニアが集まる掲示板や、実際の航空機のチェックリストを参考にしてチェックリストを作り、今はそれに基づいて飛行前確認を行っています。

人が乗る本物の飛行機の場合、チェックリストに従ってパイロットが航空機の状態を確認しており、例えばジェット旅客機であるエアバスA340のチェックリストは、以下のようなものです。

旅客機のチェックリストはもっと細かいのかと思っていましたが、案外シンプル。
エンジンを起動する前や起動後、離陸前、着陸前など、段階毎にチェック項目が分かりやすくまとめられています。

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▲エアバスA340のチェックリスト(出典:http://www.askthepilot.com/checklists/

ドローン用のチェックリストについては、インターネット上で海外のドローン愛好家が様々な飛行前チェックリストを公開してくれています。

そこで、体裁は前述のエアバスA340のチェックリストをまねて、内容は海外のマニアが作ったチェックリストを参考に、自分なりのチェックリストを作ってみました。

本物の飛行機のチェックリストも、ネットで拾ったドローン用のチェックリストも英語なので、自分用のチェックリストも英語で作成しています。

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▲インターネット上のドローン用飛行前チェックリストを参考に作成したチェックリスト

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▲上のチェックリストの日本語訳

漢字と違ってアルファベットは小さなサイズで印刷しても視認性が高いため、チェックリストを小さくするのに役立ちます。

なぜチェックリストを小さくする必要があるかというと、私がドローンを飛ばす環境が理由です。

私は山歩きを趣味にしていますが、山に登った時にドローンを飛ばし、「鳥の目で見た山頂の様子」を写真に撮っています。

そういった使い方では、以下のような問題点があるのです。

  • 読みやすいサイズで印刷したチェックリストをラミネート加工して山の上で使おうと思うと、山歩き用のバックパックに入れる必要があります。しかし、私のバックパックは荷物でパンパン。すぐに折り目やシワだらけで読みづらくなることは明白。
  • 山の上は風が吹いていることが多いので、紙に印刷しただけのチェックリストだと飛ばされます。クリップボードに挟んで置く方法もありますが、前述の通り荷物でパンパンの私のバックパックに、そんなものを入れておく余裕はありません。
  • そもそも持っていくのを忘れます。
  • スマホの画面に表示させる方法も考えられますが、晴天下では画面が見づらいし、今まで何度か山の上でスマホが温度上昇により使用不能になったことがある(画面に「温度!」と表示されて、何も操作できなくなる)ので、アウトドア環境においては、私はスマホをまったく信用していません。

そこで、ドローンのカメラから送られてくる画像を確認するためのモニター*2のフード(日よけ)に、印刷したチェックリストを貼り付けることにしました

ドローンを飛ばす際にモニターは必ず持っていくので、チェックリストを持っていくのを忘れる心配がなく、モニターのフードに貼り付けておくことで場所を取ることなく安全に持ち運べますし、風で飛ばされることも紛失することもありません。

モニターの近くにチェックリストが貼ってあれば、チェックリストを見るのも簡単。

チェックリストを貼り付けようと考えたフードのサイズは、おおよそ横14.5cm、縦7.5cm。
そこに貼り付けるためには、チェックリストを小さくする必要があるわけです。

上で紹介したチェックリストの内容を横14.5cm、縦7.5cmの範囲に収めるために、点検項目を横2列に並べて縮小したのがこちら。

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▲モニターのフードに貼り付けるためレイアウトを変えたチェックリスト

これをラミネートし、実際にモニターのフードに貼り付けた様子はこちら。

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▲モニターのフードに貼り付けたチェックリスト

モニターを使うときはフードを展開しますから、チェックリストが見えなくなるように思えますが、ドローンの送信機を手前に傾けるだけで問題なくチェックリストを読むことが出来ます。

電源を入れる前の点検項目はフードを閉じた状態(上の画像の状態)で確認し、電源を入れた後の点検項目は、フードを開いて送信機を手に持った状態で行っています。

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▲フードを展開するとチェックリストは見えなくなるが…

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▲送信機を手前に傾ければ、こんな風にチェックリストを読める。

自分なりの細かいチェックリストをまだ作っていない方は、ぜひチェックリスト作りに挑戦してみて下さい。

余談ですが、私は昔から「測る」ことが大好きなので、使い道もないのに測定用の機器類(レーザー距離計やら騒音計、気象計など)を買うという奇妙な癖があります。

でも、ドローンを飛ばす前に風速を測るのに気象計は大活躍。
買ってから長い時間が経ちましたが、ようやく活躍の場ができました。

(注)私はこれをすでに所有していたので使用していますが、こんなに高価な気象計を買わなくても、Amazonで数千円で買える風速計で充分です。

dfm92431.hatenablog.jp

色々買った中で、当初はあまり使う機会がなかったサーモグラフィー(サーモカメラ)も、ドローンの点検に役立っています。

(注)こんなに高価な装置を買わなくても、普通の非接触温度系で充分です。

dfm92431.hatenablog.jp

dfm92431.hatenablog.jp

飛行後のドローンをサーモグラフィーを通して見ることで、モーターに異常な発熱が無いかどうかを一目で判別できるので便利(温度を測るというより、他よりも極端に温度が高いモーターがないかどうかを確認する)。

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▲サーモグラフィーを通して見た飛行後のドローンのモーター

飛行前点検をしっかり行うのは当たり前ですが、飛行後の機体にも注意を払っていれば、ドローンを飛ばす時の安心感が違いますし、機体が長持ちする(故障による墜落を防げる)と思います。

参考資料:航空法(施行日:令和元年九月十八日)

第百三十二条の二 無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。ただし、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、第五号から第十号までに掲げる方法のいずれかによらずに飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて国土交通大臣の承認を受けたときは、その承認を受けたところに従い、これを飛行させることができる。
一 アルコール又は薬物の影響により当該無人航空機の正常な飛行ができないおそれがある間において飛行させないこと。
二 国土交通省令で定めるところにより、当該無人航空機が飛行に支障がないことその他飛行に必要な準備が整つていることを確認した後において飛行させること。
三 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するため、無人航空機をその周囲の状況に応じ地上に降下させることその他の国土交通省令で定める方法により飛行させること。
四 飛行上の必要がないのに高調音を発し、又は急降下し、その他他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと。
五 日出から日没までの間において飛行させること。
六 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。
七 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。
八 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。
九 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。
十 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。

*1:航空法第百三十二条の二 第二号で定められています。

*2:私はDJI CrystalSkyの5.5インチサイズを使っています。