播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県赤穂市の黒鉄山(430.6m)

本日は、赤穂市の黒鉄山(くろがねやま)に登って来ました。

他の方の山行記録を読み、開放的で展望の良い山頂に惹かれたからです。
人がいなくて静かな山である点も、私にとっては魅力的。

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▲南麓の大津地区から見た黒鉄山(矢印が示しているのが黒鉄山山頂)

大津地区の北側にそびえる黒鉄山は標高430.9mを誇る。頂上からは北は中国山脈、南は淡路島・四国が望める。第二次世界大戦までは山麓で銅鉱石の採掘が行われていた。大正時代初期頃まで、旱ばつ時には降雨の祈りをこめて村人総出で山頂にうず高く積み上げた薪を焚いて雨乞いを行った。氏神様を崇めなかった大津への天罰に関わる昔話がある。(赤穂の昔話)
(出典:「赤穂市歴史文化基本構想」p101 兵庫県赤穂市制作 平成30(2018)年6月29日刊行)

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▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「備前三石」。谷間の区間のGPS軌跡は、精度が低い可能性があります。

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▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

09:20
姫路市街の自宅を車で出発。

「山陽姫路西」インターから山陽道に乗って岡山方面へ進み、「赤穂」出口で山陽道を降ります。

料金所の先で丁字路に突き当たったら、それを右折して県道96号線へ。
県道96号線をおよそ1.5km道なりに進むと、SUZUKIの看板が立つ自動車整備工場に出会いますが、その整備工場の直前にある丁字路を右折。ここからは県道557号線です。
(丁字路の手前には、直進すると備前、右折すると県道557号線であることを示す道路標識があります。)

丁字路から300mほど北へ進むと新幹線の高架があり、その下をくぐる直前に左(西)へ入る道があるので、そちらへ入ります。

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▲新幹線の高架をくぐる直前で左へ入る

新幹線の高架沿いを走る1車線幅のその道を進んでいくと、間もなく高架下をくぐって新幹線の線路の北に出ます。

高架をくぐった直後、道は直進(舗装道路)と左折(未舗装)に分かれます。
ここを左に曲がって新幹線の線路沿いに延びる荒れた道を200m弱進むと、黒鉄山の大津登山口があります。

https://goo.gl/maps/bFimjSb2sZ4fdmKJ6

▲黒鉄山大津登山口の位置

10:15
黒鉄山の大津登山口に到着(地図中「P」)。
車を数台だけ止められるスペースがあります。

誰もいないだろうと思っていましたが、すでに1台の車が止まっていました。

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▲黒鉄山南麓の大津登山口(矢印が示しているのが登山口)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kuroganeyama20191123-1/virtualtour.html

▲登山口で撮影した全天球パノラマ(撮影機材:Ricoh THETA Z1)

10:28
準備が整ったので出発。
防獣ゲートが2重になっているところが登山口です。

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▲登山口の防獣ゲートは2重になっている

序盤は地形図で実線道になっていることから分かるとおり、林道です。
そのため、幅が広くてなだらか。

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▲登山口からすぐの区間は歩きやすい

10:38
林道が終わる場所で鳥居に出会いました(地図中「鍋森神社分岐」)。
鳥居をくぐって少し登れば鍋森神社(地図中「鍋森神社」)ですが、登山道は右。

このときは鳥居から神社までの距離が分からなかったので、「帰りに余裕があれば立ち寄ろう」と考えて登山道をそのまま進みました。

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▲鍋森神社への参道(左)と登山道(右)の分岐

災害に強い森づくり(里山防災林整備)
~県民緑税の活用~

平成16年の台風災害を踏まえて、豊かな「緑」を次の世代に引き継いでいくため、県民共通の財産である「緑」の保全・再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組む仕組みとして平成18年度から「県民緑税」を導入し、防災面での機能強化を目的とした「災害に強い森づくり」を進めています。

健全な森林は雨水をたくわえたり、土砂災害を防止するなど、様々な機能を持っています。この森では、増えすぎた常緑樹を伐採したり、簡易防災施設を設置して、森林の持つ機能を発揮させるための整備を行いました。

除伐 常緑広葉樹の密生によって暗くなった林を改善するための伐採を行いました。
木柵工 伐採した木を筋状に置いたり木柵を設置して、土が流れ出したり落石がおきるのを防ぎます。
管理道 森を管理するための歩道を整備しました。登山道としても利用できます。
カゴ枠工 鍋森神社付近に設置して、谷筋の荒廃を防ぎます。
道標・案内板 森を楽しみ、安全に利用するために案内板や道標を設置しました。

兵庫県・赤穂市・(社)兵庫みどり公社

(出典:鍋森神社鳥居前の看板)

鳥居前には上のような事が書かれた看板が立っていましたが、想定以上の大雨や台風の被害があったのか、鍋森神社分岐から先の登山道は、大小様々なサイズの石が路面に散乱していて歩きづらい。

しかし、登山道ははっきり分かります。

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▲鍋森神社分岐から先の路面はガレガレ

10:50
私が来た方を指して「鍋森神社 登山口」、進行方向を指して「黒鉄山山頂」と書かれた道標に出会いました(地図中「炭焼窯跡とベンチ」)。

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▲道標

この道標が立つ場所には、炭焼き窯跡とベンチがあります。

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▲炭焼き窯跡の前に設置されたベンチ

ベンチから先もガレているのですが、ここまでの道との違いは「どこが道なのかさっぱり分からない」ということ。

登山道らしき場所とそれ以外の場所で、歩きやすさにほとんど差はありません。
斜面も登山道も岩だらけですから。

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▲ベンチから先の斜面は道が分からないほど荒れている

トラロープが張られた本来のルートから大きく外れないように気をつけながら、自分が歩きやすいと感じる場所を自由気ままに登って行くことになります。

標高350m付近になり、ようやくガレた斜面が終わりました。

ガレガレ斜面の最上部は、松の幼木とシダが両側に生えた道。
季節外れの暑さのため半袖Tシャツで歩いていたのですが、松の葉が腕に当たって痛い。

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▲ガレた斜面の最上部の様子

稜線に出る直前だけは、まるで林道のような広い道になっていました。
しかし、広い道はすぐに終わり、普通の山道に戻ります。

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▲稜線に出る直前の道の様子

11:17
「笹谷へ」と書かれた道標と「火の用心」プレート(巡視路標識)が立つ三叉路に出会いました(地図中「笹谷分岐」)。

黒鉄山山頂へ行くには、ここを左折。

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▲笹谷分岐

笹谷分岐から山頂までは、ごく一般的な幅50~60cmほどの山道です。
地形図の通りなだらかで歩きやすい。

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▲笹谷分岐から先の道の様子

11:24
麓からも見えていた反射板に出会いました(地図中「反射板」)。
登山道は、反射板を左に見ながら進むように付けられています。

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▲反射板

反射板を過ぎると、背の高い木々は姿を消して空が開けてきます。

11:28
黒鉄山の山頂に到着しました。
山頂は平らで広く、岩と木々が散在しているため「荒れた日本庭園」のような場所。

先に車を駐めていたのは二人組の若い男性ハイカーで、私がガレガレの斜面を登っている時にすれ違った(彼らは先に下山した)ため、山頂には誰もいません。

南側の展望の良い場所には、コンクリートブロックと縞鋼板(滑り止めの付いた鉄板)で作られたベンチのような構造物があります。

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▲山頂の南側はベンチ(?)がある好展望の場所(ドローンで撮影)

山頂の北側には「登山記録台」と名付けられた箱があり、中にはノートが入っていました。

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▲登山記録台と北側の山並み

ベンチと登山記録台の間には、二等三角点標石(点名:西有年)が埋設されています。

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▲山頂の二等三角点標石(点名:西有年)

山頂の様子は、以下の全天球パノラマでご覧下さい。

パノラマ画面内左上のリストで「山頂(空撮)」を選択すると、ドローンを使い、三角点標石の上空で撮影した空撮の全天球パノラマもご覧いただけます。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kuroganeyama20191123-2/virtualtour.html

▲山頂で撮影した全天球パノラマ(地上で撮影したものと、ドローンを使った空撮の2種類)(撮影機材:地上で撮影したパノラマはRicoh THETA Z1、空撮パノラマはMavic 2 Proに標準搭載のカメラ)

この展望の良い開放的な場所でいただく本日の昼食は、アメリカ軍の戦闘糧食「MREレーション」。

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▲本日の昼食(アメリカ軍のMREレーション)

2017年製のMREで、メニュー番号7番の「Brisket Entree(Gravy With Seasoned Beef Brisket Slices)」です。

グレービーソースの中に柔らかい牛肉がたっぷり入った物と、ポテトグラタンがメインディッシュとして入っていました。

北の山並みを見てもどれが何山なのかさっぱり分からないので、山頂南側のベンチのようなものに座り、馴染みのある南側の展望を満喫しながら昼食。

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▲山頂から見た小豆島

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▲山頂から見た赤穂の工業地帯

12:52
誰もいない山頂で思う存分のんびり過ごせたので、下山開始。

ガレガレの斜面は、下山時にその恐ろしさを発揮します。
浮き石が多いので、滑るわバランスを崩すわ、転倒しそうになること数十回(たぶん)。

転倒は免れましたが、精神的に疲れる下山でした。

下山途中、鍋森神社分岐の少し上でふと右を見ると、階段のようなものが視界に飛び込んできました。
よく見ると、間違いなく階段です。それをたどって視線を上げていくと、小さな祠が見えました。

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▲登山道から見えた階段と祠

登山道を離れてその階段を登ったところにあったのは、鍋森神社(地図中「鍋森神社」)。

登山道と階段の間に沢があったので、参道ではなく祠から水を汲みに下りるための階段なのかも。

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▲南から見た鍋森神社

鍋森神社に手を合わせ、無事に下山できたことの報告と山歩きを楽しませてもらったお礼を言い、先ほどの階段とは違う正規の参道であろう石段を南へ下りました。

石段を下ると、鍋森神社分岐の鳥居をくぐって登山道に復帰します。

13:35
駐車場所に到着。

往路と同様に山陽道を通って姫路へ帰りました。

14:30
自宅に到着。