播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。山歩き関連がメインのブログですが、暑さに弱いため今の時期は山歩き記事はありません。

簡単に全天球パノラマが撮れるカメラ:THETA Z1(撮影編)

前回の記事では、全天球パノラマカメラ「THETA Z1」の外観を紹介しました。

dfm92431.hatenablog.jp

今回は、THETA Z1を使ったパノラマ撮影(静止画)の方法を紹介します。

スマホとTHETA Z1の無線接続 

スマホを使った方がTHETA Z1の機能を最大限に活用できるので、まずはスマホとTHETA Z1の接続設定を行いましょう。

スマホとTHETA Z1を接続するには、「RICOH THETA」アプリと、本体底面に印字されているTHETA Z1のシリアル番号が必要です。

iPhoneの方はAppストア、Androidスマホの方はPlayストアで「RICOH THETA」を検索し、リコーが提供している正規のアプリをインストールしてください。

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▲Appストアで提供されている「RICOH THETA」アプリ 

スマホとTHETA Z1を接続する手順は、以下の通りです。
(注:ここに掲載しているのは、iPhone用アプリの画面です。)

  1. THETA Z1を起動し、THETA Z1の無線LANを有効にしてください(表示パネルにWi-Fiアイコンが出ていなければ、無線ボタンを短く押す)。
  2. スマホでRICOH THETAアプリを起動し、下端中央の「撮影」ボタンを押します。
  3. 「新しいカメラの登録」を押します。

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    ▲「撮影」ボタンを押して表示される「カメラの選択」画面で「新しいカメラの登録」を押す
  4. 画面の指示に従い、THETA Z1の底面にあるシリアル番号を入力してください。ここで「初期設定のパスワードを使用する」にチェックが入っていると、スマホとTHETA Z1が無線LANで接続されます。

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    ▲画面の指示に従い、シリアル番号を入力する

次回以降の接続時は、「撮影」ボタンを押して「前回接続したカメラ」と書かれたシリアル番号をタップするだけで(WiFiが有効な状態でTHETA Z1が起動していれば)、自動的にスマホとTHETA Z1が接続されます。

THETA Z1を使った全天球パノラマの撮影方法 

撮影方法は単純で、撮影したい場所でシャッターボタンを押す、またはTHETA Z1を一脚などに固定して撮影者はどこかに隠れ、スマホをリモコン代わりにしてシャッターを切るだけです。

手に持ってシャッターボタンを押すと、撮影されたパノラマ画像の底面に撮影者の手や頭、身体が大きく映り込んでしまうので、可能な場合は一脚や小型三脚、自撮り棒等を使うことをお勧めします。

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▲一脚にTHETA Z1をセットした様子(この画像に写っているのは、リコーの純正一脚「RICOH THETA スタンド」) 

THETA Z1を正しく垂直に保持する必要はありません。THETA Z1には加速度センサーやジャイロセンサーがあるため、撮影時のカメラの傾きを検知して自動的にパノラマ画像の向きを整えてくれるのです。

さらにTHETA Z1には電子コンパスが搭載されており、パノラマ画像の向いている方角(パノラマ画像の中心点の方位角)が画像に記録されます。
THETA Z1にGPS機能は搭載されていませんが、スマホと接続した状態で撮影した場合は、スマホによって得られた位置情報も画像に書き込まれます。

「位置や方角を画像に書き込んで何のメリットがあるの?」と思われるかも知れませんが、Googleマップに画像を投稿するときには、「撮影位置」と「パノラマ画像の中心が向いている方角」をメタデータとして持たせておく方が、閲覧者にとってはありがたいのです。

パノラマ画像をGoogleマップ上で表示すると、撮影場所まで地図が一気にズームインしますし(位置情報が活用される)、くるくる回しながら見ると、コンパスのアイコンもそれに合わせてグルグル回り、どの方向を見ているのかが表示される(方位角が活用される)ためです。

撮影時の設定について 

THETA Z1には、デジカメに慣れた方にはおなじみの5つの撮影モードがあります。

・オート(Auto)(オプションで「ノイズ低減」「DR補正」「HDR合成」が選べる)
・絞り優先(Av)(F2.1、F3.5、F5.6から選ぶ)
・シャッター優先(Tv)(1/8~1/25000から選ぶ)
・ISO優先(ISO)(ISO 80~6400から選ぶ)
・マニュアル(M)(絞り、シャッタースピード、ISO感度を選べる)

モードを切り換えるには、「撮影」画面右下にあるモードアイコンをタップしてください。
すると、以下のようにモードの選択画面が表示されます。

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▲モード選択画面 

モードを選んだ後は、各モードの独自の設定項目を好きなようにいじって下さい。

ややこしいことをしなくても、THETA Z1は「Auto」で綺麗に撮ってくれるので、私は基本的に「Auto」モードにしています。

そうそう、THETA Z1はRAW形式(DNG)で撮影することも可能です。
全天球パノラマ作成のノウハウをお持ちで、明るさなどを調整して高品質なパノラマ画像を作りたい方は、「撮影」画面右上の歯車のアイコンをタップし、「撮影設定」画面の「ファイル形式」から「RAW(DNG)+JPEG」を選んで下さい。

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▲「撮影設定」画面 

ただし、「RAW(DNG)+JPEG」を選択した場合は、「Auto」モードのオプション機能が「DR補正」しか使えなくなりますし、RAW形式のデータはサイズが大きくてTHETA Z1の本体メモリを圧迫します(JPEGが1枚約8MBなのに対し、DNGは1枚で約50MB)。

本格的なパノラマ編集を行いたい方以外は、「RAW(DNG)+JPEG」を選択しないことをお勧めします。

撮影した画像のスマホへの保存 

THETA Z1で撮影された画像は、何もしなければTHETA Z1本体メモリに保存されるだけです。

これをスマホに取り込めば、「RICOH THETA」アプリで全天球パノラマとしていつでも閲覧出来るようになります。

パノラマ画像をスマホに取り込むには、「撮影」ボタンの左にある「カメラ内画像」をタップします。

画面上部に「未転送」「転送済み」「全て」の3つのボタンが表示されるので、「未転送」が選択されていることを確認し、そこに並んでいる画像をタップすると、画像がスマホに転送されます。

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▲カメラ内の画像をスマホに転送している様子 

アプリの画面左下にある「デバイス内画像」をタップすると、スマホに保存されたパノラマ画像が一覧で表示されるので、見たい画像を選んで下さい。

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▲スマホに転送された画像は「RICOH THETA」アプリで一覧表示され、画像をタップするとグリグリ回せる形で表示される 

初期設定では画像はスマホに「コピー」されるので、THETA Z1本体メモリ内にも画像は残ったままです。

THETA Z1から画像を消したい場合は、「カメラ内画像」画面右上、歯車の右にある「チェックマークが付いた絵」のアイコンをタップしてから画像を選択し、「削除」ボタンをタップします。

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▲画像を削除する画面

撮影したパノラマの共有(theta360.com) 

撮影した全天球パノラマ画像を他の方にも見てもらいたいという方のために、「theta360.com」と呼ばれるサービスがあります。

そこにアカウントを登録すれば、「RICOH THETA」アプリからパノラマ画像をアップロードし、アップロード先のURLを共有することでパノラマをインターネットで公開出来ます。

「theta360.com」を利用するには、FacebookまたはTwitterのアカウントが必要ですので、お持ちでない場合はいずれかのアカウントを作成して下さい。 

theta360.com

撮影したパノラマの共有(Googleマップ) 

撮影したパノラマ画像をGoogleマップに投稿すれば、theta360.comに投稿するよりも多くの方にパノラマを見てもらえるかも知れません。

Googleアカウントをお持ちであれば、まずはGoogleマップでパノラマを撮影した場所が登録されているかどうかを確認し、登録されていればそのスポットの「写真を追加」ボタンをクリックして画像をアップロードしてみてください。

Googleは投稿された画像が全天球パノラマだと自動的に認識し、適切に表示してくれます。

より高度なパノラマ編集(全天球パノラマ愛好家向け) 

THETA Z1で保存されるRAW形式(DNG)ファイルは、それぞれの魚眼レンズが撮影した2枚の円形の画像が2枚、横に並んだ長方形の画像です。

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▲THETA Z1に保存されるDNGファイルはこんな感じ 

この2つの円形画像を合成して1枚の全天球パノラマにするのは面倒に思えますが、パノラマ愛好家ならお持ちであろうパノラマ作成ソフト「PTGui」は、THETA Z1のDNGファイルに見事に対応してくれています(Ver.11.13以降)。

PTGuiにDNGファイルを読み込み、「Align images」を実行するだけで、縦横比1:2の全天球パノラマ画像を作成してくれるのです。

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▲THETA Z1で撮影したDNGファイルをPTGuiに読み込ませた様子 

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▲「Align images」によりControl Pointsが作成された様子 

DNGファイルから全天球パノラマを作成すると、THETA Z1本体が生成するパノラマ画像よりも少しだけ解像度の高い画像が得られます。

DNG形式のファイルを活用すれば、お好みの明るさや色合いで、しかも自動で作られるものより若干高い解像度の全天球パノラマ画像が得られるので、全天球パノラマの作成から公開までのノウハウをお持ちの方は、ファイル形式を「RAW(DNG)+JPEG」に設定して使うと良いと思います。

画質

いくつかのパターンでパノラマを撮影してみました。
(注:いずれも一脚スタンドにTHETA Z1を固定して撮影しています。)

まずは今後私がよく使うであろう山の上からの展望を撮影したもの。
近景と遠景が両方写っているので、それぞれの見え方を確認してみて下さい。

▲兵庫県姫路市の増位山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2019年6月1日)

撮影モード:Auto(HDR合成)
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:f/5.6
ISO感度:ISO-80
露出補正:なし

近景がメインのサンプルとして、姫路城主榊原政邦とその夫人の墓所で撮影したパノラマを紹介します。

▲兵庫県姫路市の榊原政邦墓所で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2019年6月1日)

撮影モード:Auto(HDR合成)
シャッタースピード:1/30秒
絞り値:f/3.5
ISO感度:ISO-80
露出補正:なし

明暗差の激しい被写体(この例では屋外と建物の内部)が写ったパノラマでは、HDR合成の威力が発揮されます。

▲兵庫県姫路市の随願寺本堂前で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2019年6月1日)

撮影モード:Auto(HDR合成)
シャッタースピード:1/400秒
絞り値:f/5.6
ISO感度:ISO-100
露出補正:なし

夜景でも、HDR合成を有効にしてAutoで撮影すれば、比較的綺麗に撮影できます。

▲兵庫県姫路市の「姫路城前」交差点で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2019年6月1日)

撮影モード:Auto(HDR合成)
シャッタースピード:1.6秒
絞り値:f/2.1
ISO感度:ISO-80
露出補正:-1EV 

最後に 

THETA Z1の使い方を簡単に紹介しましたが、ここで触れたのはパノラマの静止画像だけです。
THETA Z1は全天球パノラマ動画も撮影できるのですが、その機能を使ったことがないので、この記事では説明を省略しました。 

撮影される全天球パノラマ画像の解像度は6720×3360ピクセルしかありませんが、1インチセンサーを搭載し、光学系が従来機種から一新されたため、THETA Z1の画質はTHETAの従来機種を含む他の全天球パノラマカメラを凌駕しています。

三脚の使用が禁止されていてパノラマ雲台を使った撮影ができない場所や、パノラマ雲台で撮影する手法が苦手とする「動くもの」がある場所でも手軽に、比較的高画質で全天球パノラマが撮影できるTHETA Z1は、現時点では最高の全天球パノラマカメラだと言えると思います。

そうそう、THETA Z1にぴったりな一脚を入手したので、別記事で紹介しています。興味のある方はご覧下さい。

dfm92431.hatenablog.jp