播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

ナビゲータークックシステム(SOD-500)

概要

SOTOブランドのクッカーセットで、容量1800mlと容量1300mlのクッカー計2つとそれらの蓋、ポットリフター(クッカーの取っ手)や断熱カバー(コジー)などがひとまとめになったものです。
 
コジーと呼ばれる断熱カバーは、今までにない珍しい付属品だと思います。
 
▲パッケージ

仕様

製品名: ナビゲータークックシステム(SOD-500)
メーカー: 新富士バーナー株式会社(愛知県)
生産国: 中国
総重量: 608g(カタログ値)
定価: 6,500円(税別)
購入先: アドスポーツ(兵庫県姫路市)

パッケージ内容

パッケージ内容は、以下の画像の通りです。
 
▲パッケージ内容
 
写真上段左からクッカー大(155g)、クッカー小(114g)、クッカー小用コジー
写真中段左からクッカー大用リッド(142g)、クッカー小用リッド(71g)、クッカー用収納ケース(34g)
写真下段左からリフター(38g)とリフター用収納ケース、クッカー小用断熱ディスク
 
▲収納状態

機能

▲クッカー大(左)とクッカー小
 
▲クッカーの蓋は、金属ワイヤーの取っ手を使って持ち上げる(取っ手を展開した状態)
 
一般的な登山用クッカーで、小型のクッカーでよくある折りたたみ式の取っ手ではなく、大きめのクッカーとしては一般的なリフターを使用するタイプ。
 
このリフターでクッカーを挟むために、クッカーのリッド(蓋)には四角い切り欠きがあいています。
 
リフターはクッカーを持ち上げる際の取っ手になるだけでなく、熱湯の中からレトルトパック等を取り出すためのトングにもなります。
 
▲リフターをリッドの切り欠きに入れてクッカーを持ち上げる
 
▲トングとしてモノを挟みやすいよう、クッカーを挟むのとは逆側がギザギザになっている
 
クッカー用のリッドは表面をまな板として使えるほか、裏側には2種類のサイズのガス缶に適合する凹凸が付いています。
 
これは一体型ガスストーブ用のスタビライザーで、ガス缶だけでは安定しない状況(雪の上など)でガス缶の下敷きとして使うための工夫。
 
▲リッドの内側に付いている突起
 
▲リッドの突起に合わせて2種類のサイズのガス缶を置いた様子
 
ただ、荷物を軽くするためにクッカーを一方しか持っていかない場合、そのリッドをガス缶の下に敷くと、クッカーに蓋が出来ません。両方のクッカーを持っていく場合にしか使えない技ですね。
 
このセットに含まれているリッドは、湯切り穴やリフター用の切り欠きがあるため密閉性がなく、妙に重いのが難点。
 
さて、SOTO ナビゲータークックシステムには、他にない特徴があります。
それは、断熱カバー(コジー)が付属しているという点。
 
これはアルミ蒸着の断熱素材で作られたカバーで、ナビゲータークックシステムに付属するものは、上半分がメッシュになっています。
 
▲ナビゲーターに標準で付属するクッカー小用コジー
 
▲クッカー小に断熱ディスクを載せてコジーの口を閉じた様子(こうすることで、保温性能が飛躍的に向上する)
 
▲コジーの底面にはストラップがあり、指を通してクッカーをしっかり保持できる
 
コジーは海外のアウトドア愛好家の間では何年も前から広まっており、フリーズドライ食品をクッカーに熱湯と共に入れ、コジーで覆うという使い方が一般的なようです。
そうすることで、フリーズドライ食品が「戻る」までの間に冷めにくくなるというわけ。
 
またコジーで覆うことで、クッカー本体を茶碗や丼のように手で直接掴めるようになり、食事がしやすくなるという利点もあります。
 
興味のある方は、Googleなら「pot cozy」をキーワードに「すべての言語」で検索してみて下さい。
コジーの自作手順を紹介する動画やコジーの活用方法を紹介するWebサイトが数多く見つかります(当然ですが、ほとんど英語です)。
 
せっかくコジー(しかもメーカー純正)が手に入ったので、コジーを被せた状態と被せない状態で、クッカー小に入れた500mlの熱湯の温度の下がり方を比べることにしました。
 
<測定方法>
・気温29~30度、相対湿度60%前後の無風の室内で実施。
・コジーありの測定時はクッカーにコジーを被せる(断熱ディスクは使わない)。コジーなしの測定時はクッカーを裸の状態で置く。
・沸かしたばかりのお湯(500ml)と温度計のセンサーをクッカーに入れ、すぐに蓋をする(蓋をするのは、センサーを固定するため)。
・60分が経過するまで5分ごとに湯温を記録する。
 
結果は以下の通り。
 
▲コジーの有無による湯温の変化の違い
 
湯温が60度に下がるまでの時間を見てみましょう。
 
クッカーを裸で置いておくと30分で湯温が60度に下がりましたが、コジーを被せると40分以上かかりました。
 
ナビゲーターのコジーはクッカー小専用の収納ケースにもなるし、中の食材が冷めにくいし、丼のようにクッカーを持てるため食事がしやすいし、非常に便利。
 
▲コジーを被せたまま食事をする際は、上部のメッシュ部分を折り返す

最後に

私は基本的に一人で山歩きをするので、ナビゲータークックシステム一式はまったく不要で、クッカー小とクッカー小用リッド、コジー、リフターさえあれば充分なのですが、セット販売しかないのでしかたありません。
 
日本メーカーの製品だけあってよく考えて作られており、全体的に使いやすいと思います。
 
特にコジーは、面白いだけでなく実用的。
 
大きめのクッカーをまだ持っていないという方は、コジーだけを目的にこれを買っても良いかも知れません。
 
それが勿体ないという方は、Youtubeで「pot cozy diy」などと検索し、自作してみるのも面白いですよ。
 
材料は、夏場に駐車する際フロントガラスに貼り付ける銀色のサンシェードや、アルミ蒸着された気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)の保温・保冷シート(ホームセンターで売られています)などで代用できます(性能は純正品に及びませんが…)。