播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第25回 JR貨物フェスティバル 広島車両所公開

本日は、鉄道関連イベントを見るために広島へ出かけてきました。



イベント名称: 第25回 JR貨物フェスティバル 広島車両所公開
日時: 2018年10月27日(土) 9:30~15:00
場所: JR貨物広島支店広島車両所(広島市東区矢賀5丁目1-1)
備考: 入場無料、駐車場なし

広島車両所は貨物列車の機関車を整備するための施設なので、展示内容は機関車に関連するものがメインです。

09:59
のぞみ7号で姫路駅を出発。

10:55
広島駅に到着。

イベント会場は、広島駅から芸備線で1駅先の矢賀駅から徒歩10分弱の距離なので、芸備線に乗り換えて矢賀駅を目指すのが一般的。

しかし、今日はイベント見学の後にちょっと観光を楽しむつもりだったため、行動の自由度が高いレンタサイクルを使うことにしました。

利用したのは、電動アシスト自転車(ブリジストンのBikke)を借りられる広島市シェアサイクル「ぴーすくる」というサービス。
1日会員だと1日あたり¥1,080、1回会員だと最初の60分が¥162、その後30分毎に¥108がかかります。

事前に自宅でユーザー登録を済ませていたので、広島駅の北側にある広島駅北口第一駐輪場でスムーズに自転車を借りることが出来ました。


▲広島駅北口第一駐輪場で「ぴーすくる」の自転車を借りた

広島駅の北側を東へ進み、県道70号線の矢賀新町2丁目交差点を左折。
やがてタイヤ館が左手に見えてきますが、そのすぐ先が広島車両所の正門です。

広島駅北口第一駐輪場からの距離は、およそ2.6km。
以下のURLをクリックすると、広島車両所の正門の位置がGoogleマップで表示されます。

https://goo.gl/maps/zKv9gqkUKrx

▲広島車両所の正門

11:30
矢賀駅方面から多くの人がぞろぞろと列を作って会場へ入っていきます。
私もその列に混じって自転車を押しながら入場。

自転車は、正門を入って少し先にある臨時駐輪場に置くことが出来ました。


▲機関車の車輪置き場横が臨時駐輪場だった

それにしても人が多い。
機関車好きの人がこんなにいるのかと正直驚きました。

私は機関車好きというわけではなく、単に珍しいイベントだから来ただけなので、私と同じような人も多いのかな。

いや、でも機関車を撮影する熱意がすごいので、やっぱりみんな機関車好きなのかも。


▲正門を入ってすぐの場所にあった機関車(EF66 1とEF66 30)を撮影する来場者

初めて来るイベントなので、何をどう見学すれば良いのかわかりません。
というわけで、正門で頂いた地図を頼りに、とりあえず会場を時計回りに見て回ることに決めました。

正門は車両所の南東隅にあるので、時計回りに進むにはまず西へ。

第1主棟と呼ばれる大きな機関車修理場が見学可能エリアの南西隅にあったので、その中に入ってみました。


▲第1主棟の外観(南側)


▲第1主棟の内部

第1主棟は西半分が公開されていて、東半分は立入禁止。

西半分は機関車吊り上げ実演に使う機関車の車体と台車が並んでおり、立入不可のエリアには膨大な数の車輪が整然と置かれていました。


▲第1主棟内に並べられていた車輪

第1主棟内の北端付近では展示即売会とオークションが行われていました。
即売コーナーに並んでいるモノは、マニアなら分かるのでしょうが、私にはいまいちよく分かりません。


▲即売コーナーに並んでいた品々

オークションにかけられていたのは、機関車の番号が刻まれたプレート。
残念ながら私には価値が分かりません。

やはりどの分野でも、マニアの世界は奥が深い。


▲オークション対象のプレート

第1主棟を通り抜けて北側から外へ出ると、そこは食べ物の屋台がいくつも並んだフードコーナー。

時刻は11時45分。私の胃袋は、食べ物を受け入れる準備が万端に整っています。

屋台を端から端までざっと眺め、昼食は佐世保バーガーにすることに決定しました。
ハンバーガーは一度に鉄板の上でたくさん焼けるのですが、それらが全て出てしまうと、また一から焼き始めます。

私の一人前のお客さんのところで鉄板上のハンバーガーがなくなったので、ハンバーガー作りが始まりました。

下側のパンも鉄板の上で温めっぱなし。
卵を型に流し込んで分厚い目玉焼きを作ったり、ハンバーグやベーコンを焼いたり、チーズを載せたりソースを掛けながらそれらを積み重ねる作業を見ていると、あっという間に時間が経ちます。

ハンバーガーを手にしたのは行列に並んでから20分以上経ってからだったと思いますが、作業を見ていたらそれほど気になりませんでした。


▲フードコーナー(背後の建物は第1主棟)


▲本日の昼食(佐世保バーガー ¥600)シンプルに見えてなかなか美味でした。

フードコーナーの前に砂地の「中央広場」があったのですが、「何故こんな所に広場が?」と思って周囲を見ると、理由が分かりました。

そこはトラバーサーと呼ばれる「機関車を平行移動させる巨大な装置(横に移動するターンテーブルみたいなもの)」の移動するエリアだったのです。


▲トラバーサーの側面


▲トラバーサーの内部(機関車を1両乗せられる)

機関車を乗せたトラバーサーが左右に移動し、目的の線路で機関車を下ろすことで、重くて巨大な機関車を、狭いスペースで線路から別の線路へ移せるわけです。


▲トラバーサーは、矢印が示す線路上を移動する

トラバーサーのある場所は会場の北西隅なので、今度はここから東へ進みます。
すると、中央広場の東端にすごい行列が出来ているのを見つけました。

最後尾のプラカードを見ると「60分待ち」とのこと。
これは、機関車運転室公開の待ち行列でした。

さすがに60分も待ってまで運転室を見る気はないので、パス。
(私の場合、戦闘機のコクピット見学なら長時間でも並びますから、興味の強さは人を動かす重要なエネルギーだと実感)


▲機関車(EF200 10)運転室公開の様子

EF200形式10号機
このEF200形10号機は、平成4年(1992年)日立製作所で製作されました。主に山陽本線や東海道本線にて貨物列車を引っ張ってきましたが、この度26年間の活躍にピリオドを打ちます。
(出典:現地のプレート)

EF200形式電気機関車
主要諸元
 電気方式:直流1500V
 機関車重量:100.8t
 最高運転速度:120km/h
 寸法 車体長さ:18,300mm
    車体幅:2,900mm
 機関車出力:6000kW(1時間定格)
 ブレーキ方式:電気指令式自動空気
 インバータ方式:電圧形パルス幅変調
 パンタグラフ:FPS2A形
(出典:現地のプレート)

運転室が公開されている機関車の先に視線をやると、古そうな機関車が並んでいるのが見えました。
時計回りに会場を回るルールはこの際無視し、それらの機関車を見物。


▲EF500 901

EF500形式
主要諸元
 機関車方式:VVVFインバータ制御、交直流、非重連形
 軸配置:Bo-Bo-Bo
 運転整備重量:100.8ton
 車体長さ:20,000mm
 車体高さ:4,280mm
 1時間定格出力:6,000kW
 1時間定格速度:81.2km/h
 最高運転速度:120km/h
 台車種別:低心皿ボルスタレス2軸ボギー
 主電動機:FMT1形3相かご形誘導電動機
 歯車比:4.44(71/16)
 保安装置:EB・TE・ATS-S・ATS-P

日本海縦貫および東北本線の輸送力増強を目的として平成2年に試作され、種々の試験を行った後平成14年に廃車となりました。種々のデータは後のEF510形式に活かされています。
(出典:現地のプレート)


▲EF67 1

EF67形式
主要諸元
 機関車方式:サイリスタチョッパ制御、直流、非重連形
 軸配置:Bo-Bo-Bo
 運転整備重量:99.6ton
 車体長さ:17,050mm
 車体高さ:3,970mm
 1時間定格出力:2,850kW
 1時間定格速度:49.1km/h
 最高運転速度:100km/h
 台車種別:スイングハンガ式2軸ボギー
 主電動機:MT52形直流直巻電動機
 歯車比:4.44(71/16)
 保安装置:EB・TE・ATS-SF

EF67形式は、山陽本線瀬野~八本松間にある連続した急勾配での補助機関車用として、昭和57年にEF67 1号が広島車両所にて改造により誕生し、瀬野機関区に配置されました。
この機関車によって、それまでEF59形式が2両必要だった補助機関車を1両とすることが可能となり、昭和59年から平成3年にかけて、8両全車が広島車両所で改造されました。
この機関車の特長として、坂を下るときにはモーターが発電機となってブレーキをかける、回生ブレーキを装備しており、省エネにも配慮がされています。
(出典:現地のプレート)


▲EF59 21

EF59形式
主要諸元
 機関車方式:直並列組合せ抵抗制御、直流、重連形
 軸配置:2C+2C
 運転整備重量:106.6ton
 車体長さ:19,920mm
 車体高さ:3,810mm
 1時間定格出力:1,350kW
 1時間定格速度:42.0km/h
 最高運転速度:90km/h
 台車種別:2軸先台車付3軸主台車
 主電動機:MT17A形直流電動機
 歯車比:3.67(77/21)
 保安装置:EB・TE・ATS-S

EF59形式は、山陽本線瀬野~八本松間にある連続した急勾配での補助機関車を無煙化するため、当時余剰となっていたEF53形式およびEF56形式から改造され昭和38年誕生しました。以後、昭和61年まで活躍しました。
展示しているEF59 21はEF56 2からの改造で、カットモデルとなっているEF59 16(EF53 17改造)と比べ丸みを帯びた車体が特徴です。
(出典:現地のプレート)

古い機関車達を見終えたら、フードコーナーの東へ戻り、そこからさらに東へ進んで会場の北東隅を目指しました。

そこにあったのは、機関車のカットモデルと蒸気機関車

カットモデルは、断面から見える機械がどんな役割を持っているのかまったく分かりませんが、普段見られない内部が見えているというだけで面白い。


▲長さが妙に短いEF59 16(正体は、EF59形式の解説に登場したカットモデル)


▲EF59 16のカットモデルを後ろから見たところ


▲EF61 4も後ろがカットされている


▲EF61 4のカットモデルを後ろから見たところ


▲運転室を見学出来るD52 1

D52形式1号機関車について
D52形式1号機関車は大東亜戦争たけなわの昭和18年12月28日に国鉄浜松工場で製造され戦時中から戦後にかけての輸送混乱期に 東海道本線及び山陽本線で貨物輸送に大活躍をしましたが 山陽本線の電化にともなって小郡機関区を最後に 昭和41年7月11日廃車としました
 (中略)
なお この機関車は経過年数22年7箇月で走行キロは実に 181万5350Km(地球を45周)におよんでいます
(出典:現地のプレート)

会場の北東隅に来たので、ここからは南へ進みます。

すぐに出会ったのは、レインボーGOと呼ばれるミニチュア列車。
EB661を模した小型の車両を入換動車で押したり引いたりして動かしています。


▲レインボーGO


▲レインボーGOを動かすのは赤い入換動車

レインボーGOのりばの向かい側には、雰囲気の良い煉瓦造りの建物(地図では「赤レンガ倉庫」と表記)があります。

地図によると、そこには鉄道博物館があるとのこと。
鉄道博物館内には、機関車のマスコン(マスターコントローラー)やブレーキ弁、各種プレートや鉄道模型が展示されていました。


▲赤レンガ倉庫


▲鉄道博物館の入口


▲赤レンガ倉庫の木骨

帰宅後に知ったのですが、この赤レンガ倉庫は被爆建物だそうです。

鉄道博物館を出て南側を見ると、テントが並んでいて人だかりが出来ています。

そこは物販コーナー。
懐中時計が欲しいなと思ったのですが、予算的に無理で何も買わず。


▲大賑わいの物販コーナー

物販コーナーの先は正門です。
これで会場を時計回りに一周しました。

時計を見ると12:40。
13:00から機関車吊り上げ実演があるので、それを見るために第1主棟へ。

第1主棟の南端に置かれた台車に車体を乗せる展示だと推測し、その台車の近くで待機。

13:00になると、何のアナウンスもなく唐突に吊り上げ展示が始まりました。

40tクレーン2基が第1主棟内北側にあった車体を持ち上げ、南端まで移動します。

その後、台車の上に車体を下ろすのですが、完全に台車に乗せることはなく、接合する直前で車体を再度持ち上げ、元の位置に戻しました。


▲クレーンで吊られた車体が奥から近づいてくる


▲目の前で車体が停止


▲車体が横へ移動し、台車の真上へ


▲ゆっくりと車体を下ろす(完全には下ろさなかった)

本日の機関車吊り上げ実演の様子を撮影した動画がYoutubeにあったので、転載します。

▲20181027 広島車両所公開 機関車リフトアップ

13:20頃
これで一通り広島車両所のイベントを楽しんだので、会場を後にしました。

続いてレンタサイクルで向かったのは、江波(えば)にあるシュモーハウス。

広島車両所からシュモーハウスまでは、9kmほどの道のりです。
自転車ならちょうど良い距離。

Googleマップでシュモーハウスを検索し、Googleマップが提案するルートの中で距離が短そうなルートを選んでサイクリングを楽しみました。

自転車だと、気になった場所があればすぐに止められるので便利。

今日は東千田公園にある古い建物と、日赤病院の向かい側にある「広島赤十字・原爆病院メモリアルパーク」をたまたま見つけました。

東千田公園にある建物は広島大学旧理学部1号館で、これも被爆建物だそうです(中には入れません)。


▲東千田公園にある広島大学旧理学部1号館
以下のURLをクリックすると、Googleマップで東千田公園の位置が表示されます。

https://goo.gl/maps/Be48ZprfZSx

▲広島赤十字・原爆病院メモリアルパーク


▲旧広島赤十字病院本館3階の窓(原爆の爆風で窓枠が歪んでいる)

広島赤十字・原爆病院
メモリアルパーク
このメモリアルパークは、昭和20年(1945)年8月6日の原子爆弾投下により多くの殉職者を出しながら、献身的に被爆者の救護にあたった広島赤十字病院(当時)の医師、看護婦等の職員や看護婦学生の赤十字精神を後世に伝えると共に、殉職者の慰霊と被爆体験の継承を通じて平和を希求する拠点として整備したものです。
 パーク内にある病院の被爆窓枠と壁、原爆殉職職員慰霊碑、原爆殉職職員並びに戦時事変戦没者合祀碑、赤十字国際委員会会長のメッセージ碑、ジュノー博士憲章レリーフなどは、病院の新棟建設に伴って病院敷地内から移設しました。

平成25年(2013)年7月
日本赤十字社広島県支部
広島赤十字・原爆病院
(出典:現地の看板)
以下のURLをクリックすると、Googleマップで広島赤十字・原爆病院メモリアルパークの位置が表示されます。

https://goo.gl/maps/emD1WPcRoi32
14:20
途中で道に迷いながら、広島車両所からおよそ1時間かけてようやくシュモーハウス(SCHMORE HOUSE)に到着しました。


▲シュモーハウス

シュモーハウス
SCHMORE HOUSE

所在地: 広島市中区江波二本松一丁目2番43号(住所をクリックすると、Googleマップでシュモーハウスの位置が表示されます)
開館時間: 9:00~17:00
休館日: 毎週月曜日(8月6日に当たるときは開館、また祝日の場合も開館)、祝日の翌平日、年末年始(12月29日~1月3日)
観覧料: 無料

■広島平和記念資料館付属展示施設シュモーハウス
 米国のフロイド・シュモー氏は、広島・長崎の原爆投下に心を痛め、住まいを失った広島の人々のために家を建てる活動を進めました。この建物は、1951年(昭和26年)に集会所として建てられ、地域活動の拠点として活用されてきました。道路の整備に伴い、集会所としての役割は終えましたが、2012年(平成24年)、北西に約40メートルほど曳家移転して保存され、被爆後の広島に寄せられた海外からの支援を伝える展示施設となりました。
(出典:シュモーハウスのパンフレット)


▲シュモーハウス内部の様子

パネル展示がメインですが、案内係の方が常駐されているので、気になることは色々と質問できます。

私が一番気に入った展示は、建物外側(東側)の壁面。
壁板の一部が剥がされ、土壁や竹の骨組みが見えるようにされているのです。


▲壁の一部がガラス張りになっており、竹の骨組みが見られる(矢印の位置)

見えている骨組みは、建築当初のもの。

シュモー氏や、氏の取り組みに賛同して協力した人たちが、大工でもないのに一生懸命竹の骨組みを縄で結んでいた様子が思い浮かびます。

シュモーハウスには20分ほど滞在し、もと来た道をたどって広島駅に戻って自転車を返却。

今日は日本シリーズの対ソフトバンク戦があるため、広島駅の東側では赤い服を着た広島ファンの大行列を見ることが出来ました。


▲マンホールの蓋まで広島東洋カープのデザイン

新幹線の発車時刻まで30分ほどあったので、職場用のお土産を物色して時間つぶし。

16:03
のぞみ136号で広島駅を出発。

16:58
姫路駅に到着。