播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

安価な作業用ライト:ELPA LEDワークライト(DOP-W02C(OR))

概要

広範囲を明るく照らすパネル光源と、狭い範囲を照らすトーチ光源の2種類の光源を搭載し、2つの磁石で設置の自由度が高い、作業用LEDライトです。
 
▲LEDワークライト(表面)

購入の経緯

同じ職場の人がこれを持っていて、「これはいいですよ。」と紹介してもらったことで物欲を刺激され、購入しました。
 
同じ仕事をしている人が勧めるわけですから、良いモノに決まっています。

仕様

製品名: LEDワークライト
型番: DOP-W02C(OR)
メーカー: 朝日電器株式会社(大阪府)
電源: 単4形アルカリ電池×3本(別売)
パネルランタイム: 約2時間30分(アルカリ乾電池使用時)
トーチランタイム: 約24時間(アルカリ乾電池使用時)
パネル光源: 白色COB LED×1
トーチ光源: 白色LED×3
パネル明るさ: 210ルーメン(距離1mの照度 約80ルクス)
トーチ明るさ: 20ルーメン(距離1mの照度 約110ルクス)
寸法: 幅 58mm × 高さ 157mm × 奥行 24mm(最大値)
防水性: なし
重量: 約89g(電池除く)
購入価格: 980円(税込)
購入先: ホームセンタームサシ 姫路店

外観

税込¥980で売られているライトなので、質感に期待してはいけません。
安っぽさというか、オモチャっぽさ全開です。
 
しかし2種類のLED光源を持ち、裏面と底部にマグネットを装備し、上部には折りたたみ式のフックまでついていて、本体の中程から両方向に90度折れ曲がるというのはすごい。
 
機能を知れば、「これで¥980!?」と感動します。
 
折り曲げ機構にはクリックストップ機能がついているらしく、カチカチと音が鳴ります。
しかし、任意の角度で固定が可能。
 
底部のマグネットで貼り付けて使う場合は好きな角度で設置できますが、下の画像のように置いて使う場合は、直角に近い角度まで曲げないといけません。
 
▲LEDワークライト(表面)
 
▲LEDワークライトのトーチ光源
 
▲LEDワークライト(裏面。銀色の丸いモノがマグネット)
 
▲裏面の折りたたみ式フックを展開した様子
 
▲本体の中程から折れ曲がる(パネル光源が内側を向いた状態)(置いて使えるギリギリの角度。これ以上起こして使うべき。)
 
▲本体の中程から折れ曲がる(パネル光源が外側を向いた状態)(置いて使えるギリギリの角度。これ以上起こして使うべき。)

使い方

電池は、本体下部の電池ボックスにセットします。
 
▲電池ボックス(私は充電池を使っています)
 
操作できるボタンはオレンジ色の電源ボタンだけ。
 
その操作もシンプルで、電源ボタンを押すとトーチ光源かパネル光源のいずれかが点灯します。
もう一度押すと消灯。
 
さらにもう一度押すと、今度は先ほど点灯した光源とは異なる方の光源が点灯します。
そして、もう一度押すと消灯。
 
これの繰り返しです。
 
この商品には説明書が付属しませんが、これだけシンプルな操作なら説明書なんて不要です。
 
それぞれの光源が点灯している様子を、同じ露出で撮影してみました。
 
▲トーチ光源が点灯している様子
 
▲パネル光源が点灯している様子
 
電源ボタンを押したときに、どちらの光源が光るのか分からないのは不便かも知れませんが、それほど問題ありません。
 
ただし、どちらが点灯するか分からない場合は、パネル光源を自分や他人の顔に向けないことをお勧めします。
暗い環境でパネル光源の光をもろに顔に浴びると、線状の光がしばらくの間、目に焼き付いてしまいます。
 
このLEDワークライトは、背面だけでなく底面にもマグネットが備わっていると書きましたが、これが非常に便利。
本体の折り曲げ機構と組み合わせることで、様々な作業環境で役に立ちます。
 
▲底面のマグネットで自動車のボンネット裏に貼り付けて角度を調整した様子

明るさ

このワークライトの明るさを数値化したデータを掲載しておきます。
 
測定方法:ワークライトと分光式カラーメーター(SEKONIC C-700)を1mの距離で正対させ、1回だけ測定しました。厳密な測定ではありません。
 
備考:ワークライトに使用した電池は、充電式の単4形電池(満充電)。
 
パネル光源の方が圧倒的に光束の値(ルーメン)は大きいですが、光が広範囲に拡散するため、照らされた場所の照度は光が集中するトーチ光源の方が高くなっています。
 
<トーチ光源点灯時>
 色温度: 8543K
 照度: 116ルクス
 
<パネル光源点灯時>
 色温度: 6972K
 照度: 56ルクス
 
次に示す「Ra」は平均演色評価数と呼ばれる値で、グラフ内のR1~R8の各色の演色評価数の平均値。
照明器具の色の再現性を示す目安として使われます。
 
自然光(太陽光)や白熱電球だと高い数値を示しますが、LEDや蛍光灯は、性能の良いものでないと数値が低くなります(色の見え方が不自然になる)。
 
今回のワークライトは、CIE(国際照明委員会)が推奨する基準に照らし合わせると、「一般的作業の工場」で好ましいとされる演色性(60以上80未満)を持っていることになります。
 
ちなみに、同基準によると「住宅、ホテル、レストラン、店舗、オフィス、学校、病院」の照明で好ましいとされるRaは80以上90未満で、Raが90以上の照明は「色比較、検査、臨床検査、美術館」に好ましいとされています。
 
Raが60未満の照明は、「粗い作業の工場、トンネル、道路」、40未満だと「トンネル、道路」に好ましいとされており、照明器具の効率を重視し、色の見え方が軽視されても問題ない環境(とりあえずものが見えれば良い環境)用とされています。
 
<演色性(トーチ光源点灯時)> Ra=73.0
 
<演色性(パネル光源点灯時)> Ra=69.6
 
<分光分布(トーチ光源点灯時>
 
<分光分布(パネル光源点灯時>

最後に

質感や耐久性にコストをかけず、機能と使いやすさを重視した商品です。
 
平均演色評価数(Ra)がさほど高くないので色(特に赤色)の見え方は不自然になると思われますし、防水性がないため、屋内での軽作業用と割り切って使う必要があります。
 
しかし、操作は単純でマグネットやフックも備えており、使いやすさは抜群。
値段が安く、気軽に数をそろえられる(自宅用、車載用、職場用など)のも良いと思います。
 
黒い部分がラバーコーティングで、多少の高級感と握りやすさはありますが、何年か経つとこれが劣化してネチャネチャになりそうなのが心配。