播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

晴天下でも画面がはっきり見える:DJI CrystalSky

購入の経緯

ドローンを操縦する際は、通常スマホやタブレットを利用しますが、あの手の機器類は屋内や日陰での使用を想定しているためか画面の明るさが不十分で、晴天時のドローン操縦では使い物になりません。
そのため、私はEPSONのBT-300というスマートグラスに光の透過率が低いシェードを装着してドローンを操縦しています。
 
しかし、BT-300はサングラス型であるため、操縦者本人以外にはその画面がまったく見えません。
 
誰かに頼まれてドローンを飛ばす際は、依頼者に画面を確認してもらう必要がありますが、スマホやタブレットでは晴天の屋外でろくに画面が見えませんし、スマートグラスだといちいち他の人に装着して見てもらうしかありません。
 
それでは不便というわけで、晴天時に直射日光を受けても問題なく表示内容を確認できる、高輝度ディスプレイをもったAndroid端末を購入しました。
 
それが、今回紹介するCrystalSky(クリスタル・スカイ)です。
 
CrystalSkyには5.5インチ、7.85インチ、7.85インチ(超高輝度)の3種類がありますが、私が購入したのは5.5インチモデルです。

概要

DJI社製のドローンの操縦に利用できるAndroid端末(※1)で、その液晶画面の明るさは驚異的です。
ドローンの操縦用アプリ「DJI GO 4」がインストールされているため、スマホやタブレットは必要ありません。
 
※1:Google Playストアが利用できないため、好きなアプリをインストールして使うことは出来ません。プリインストールされているドローン操縦用アプリとブラウザアプリのみ利用可能です。
 
CrystalSkyは、それ単体で購入してもドローンの操縦には使えません。
CrystalSkyをドローンの送信機に取り付けるためのブラケットや、(PhantomシリーズやInspireシリーズ、Osmoを持っていない人は)CrystalSky用のバッテリーを充電するためのACアダプタも別途購入する必要があります(※2)。
 
※2:PhantomシリーズやInspireシリーズのドローンおよびOSMOには、CrystalSkyのバッテリーを充電出来るACアダプタが標準で付属していますが、MavicシリーズやSparkに付属する充電器は、CrystalSkyのバッテリーを充電するのには使えません。
 
Mavic ProでCrystalSky(5.5インチ)を利用するために必要な機材一式をまとめて購入したので、今回はそれらをまとめて紹介します。
 
▲今回購入したCrystalSkyとMavic Proでそれを使うための周辺機器一式(左からMavic/Spark用ブラケット(税込¥10,200)、OSMO用ACアダプタ(税込¥4,644)、5.5インチサイズのCrysatal Sky)

仕様

▲CrystalSky(5.5インチ)と付属品(バッテリーと充電ハブ)
 
製品名: CrystalSky 5.5インチ(マビック・プロ)
モデル: CS550
メーカー: DJI(中国)
重量: 228g
タッチスクリーン: 5.5インチ、IPSスクリーン、マルチポイントタッチに対応
解像度: 1920×1080 ピクセル
輝度: 1000cd/平方メートル(1,000 nit)
ストレージ: 32 GB
内蔵アプリ: DJI GO、DJI GO 4
OS: Android 5.1
ポート: HDMI(3840×2160出力対応)、microSDカードスロット×2、USB、microUSB
ネットワーク: 無線LAN(802.11b、g、n、a)対応
GPS: GPS/GLONASS対応
センサー: ジャイロスコープ、コンパス、光感応センサー
動作環境温度: セ氏-20度~40度
バッテリー容量: 4920mAh(7.6V)
バッテリータイプ: リチウムポリマー
購入価格: ¥60,800(税込)
購入先: Amazon.co.jp

外観

CrystalSky(5.5インチ)のパッケージ内には、本体の他にバッテリー1本と充電ハブが入っています。
 
バッテリーは充電ハブの2つの穴の内いずれかに差し込み、対応するACアダプタ(製品には同梱されていない)を接続すると充電できます。
 
バッテリーは単体でも別売されているので、2本目を購入した場合、充電ハブに2本を差し込むことで、残容量の多い方から順番に1本ずつ充電されます(1本あたりの充電にかかる時間は最長で70分)。
 
▲CrystalSkyのバッテリーを充電する様子
 
▲CrystalSkyに充電ハブ用のACアダプタは同梱されていないので、対応するACアダプタを持っていない場合は別途購入する必要がある。画像のACアダプタはOSMO用のもの(税込¥4,644)。
 
バッテリーが充電出来たら、CrystalSkyの背面にあるバッテリースロットにバッテリーを装着します。
 
下の画像でバッテリーを見ると、4つのランプとボタンが見えますが、これは残量表示用のもので、ボタンを押すと残量に応じて点灯するランプの数が変わります。つまり、ドローンの機体用バッテリーと同様の動きをするわけです。
 
▲CrystalSkyの背面
 
▲CrystalSkyのバッテリースロットの端子は、カバーで保護されている(画像は手でカバーを持ち上げて端子を露出させたところ)
 
▲CrystalSkyの背面にバッテリーを装着した様子
 
CrystalSkyの操作は、本体側面に並んだボタンとタッチスクリーンで行います。
 
ボタンは、下の画像では右から「電源ボタン」「カスタムボタン(F1)」「設定ボタン」「カスタムボタン(F2)」「戻るボタン」です。
 
実際にドローンの操縦を行う際は、電源ボタン以外はほとんど使うことがありません。
 
▲CrystalSky側面のボタン
 
ボタンがあるのとは反対側の側面には、入出力端子が備わっています。
 
下の画像では右から「ヘッドホンジャック」「microUSBポート(専用ブラケットを使わずに送信機を接続する際に使用する)」「USBポート(記憶媒体を接続出来る)」「HDMI出力ポート(外部ディスプレイに映像を表示する際に使用する)」です。
 
なお、microUSBポートはCrystalSky下端のType-C USBポートと同時に利用することはできません(Type-C USBポートが優先されます)。
 
▲CrystalSky側面の入出力端子
 
CrystalSkyの下端には、専用ブラケットを使ってドローンの送信機と接続するために使用するType-C USBポートと、microSDカードスロット(※3)が2つあります。
 
※3:撮影データを記録したmicroSDカード内のデータを他のmicroSDカードやUSBポートに接続した記憶媒体にコピーしたり、DJI GO/DJI GO 4アプリの機能で編集するといった目的で利用します。
 
▲CrystalSky下端

使い方

初めてCrystalSkyを使用する時は、DJIアカウントでデバイスをアクティベートし、さらにプリインストールされているDJI GO/DJI GO 4アプリにもDJIアカウントでログインしてください。
 
この作業のために、インターネット接続が可能な無線LAN環境が必要です。
 
▲初回起動時にDJIアカウントでログインした後、デバイスのアクティベートが完了したことを示す画面
 
正しくセットアップされたCrystalSkyは、DJI Go/DJI Go 4アプリを起動したスマホやタブレットと全く同じように使えます。
 
画面の明るさを変更したり、ホーム画面に戻りたい場合の操作はスマホ/タブレットと異なるので、簡単に紹介しておきます。
 
<画面の明るさを変更する操作>
側面に5つ並んだボタンの内、真ん中のボタンを押すと以下の画面が表示されます。
スライダーを動かして希望の明るさにして下さい。
 
▲明るさ等を変更する画面
 
この画面内の「Flip Screen」ボタンをタップすると、画面の表示内容が上下逆さになります。
Mavic Proのように、送信機の下にCrystal Skyを装着する場合には必須の操作です。
 
▲Mavic Proの送信機と組み合わせて使用する場合CrystalSkyが上下逆さになるため、画面表示を180度回す必要がある
 
<ホーム画面に戻る操作>
側面に並んだボタンの内「F1」ボタンを押して下さい。
 
<送信機との接続>
CrystalSkyを送信機に取り付けるためには、送信機とCrystalSkyの両方に専用ブラケットの部品を取り付ける必要があります。
 
▲送信機側にブラケットを取り付けた様子
 
▲送信機とブラケットは、USBケーブルで接続する
 
▲CrystalSky側にも部品を取り付ける
 
▲送信機にCrystalSkyを連結するときは、送信機側の部品のロックレバーを上げてから接続し、ロックレバーを下ろして固定する
 
▲DJI CrystalSky | Mavic/Spark送信機への5.5インチモニターの取付け方法(メーカー公式動画)

最後に

かんかん照りの日中でも、手で陰を作ったりすることなく画面をしっかり確認できるのは感動的でさえあります。
 
私が買ったCrystalSkyの明るさは1,000nit、iPhone5sやiPhone6は500nit。数値だけで見ると、CrystalSkyは私のiPhone5sの2倍の明るさです(iPhoneXは625nit)。
超高輝度モデルのCrystalSkyは2,000nitの明るさなので、iPhone6の4倍明るいということになります。
 
▲晴天の屋外でiPhone 5S、Garmin Oregon 550、CrystalSky(すべて輝度は最大)を並べた様子。iPhoneはほとんど何も見えず、半透過型液晶(外光を液晶の背面で反射し、バックライト代わりに利用する)を搭載したOregonは問題なく画面が確認できる。CrystalSkyの画面は、直射日光下でも充分に明るい。
 
また、スマホやタブレットでは操縦用のアプリが固まることがありますが、CrystalSkyではそんな経験は一度もありません。さすがは専用設計のデバイスです。
バッテリーの持ちもすごい。
 
つまり、スマホやタブレットを使ってドローンを操縦するときの不便は、CrystalSkyで見事に解消されます。
 
空撮業者さんに限らず、ドローンユーザーなら誰でも「安定した動作」「明るい場所でも見やすい画面」は魅力だと思います。
 
値段だけが問題です。もう2万円くらい安ければ買いやすいんですが…
 
人によっては、DJI Go/DJI Go 4アプリしか操縦に使えない(自動操縦用や測量用のアプリはインストール出来ない)点にも注意が必要かも。
 
(注)任意のAndroid用アプリのパッケージファイル(APKファイル)を入手してCrystalSky上で実行すれば、そのアプリをインストールすることは出来るようですが、正式な使い方ではないので、インストールできるかどうか、あるいはインストール出来ても正常に動作するかどうかは分かりません。