播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県神河町の氷瀑:扁妙(へんみょう)の滝

本日は、兵庫県神河町にあるグリーンエコー笠形へ行き、毎年この時期に凍結して新聞に紹介される扁妙(へんみょう)の滝を見物することにしました。
 
▲凍結した扁妙の滝と見物客
 
▲対応する地形図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「粟賀町」(谷間のルートなので、GPS軌跡の精度が低くなっています)
 
08:40
姫路市街の自宅を車で出発。
 
国道312号線を北上し、神崎総合病院のある「神崎総合病院前」交差点を右折します。ここからは県道8号線。
 
県道8号線を4kmほど東へ進み、「日本ジェット神崎工場」のすぐ先にある三叉路を右折します。
この三叉路には「グリーンエコー笠形」への道標が設置されているので見落とさないでしょう。
 
道なりに南へ進んでいくとグリーンエコー笠形のゲートがあり、さらに進んでいくと総合案内所のある駐車場に着きます。
 
以下のURLをクリックすると、グリーンエコー笠形の総合案内所の駐車場の位置がGoogleマップで表示されます。
 
 
と、ここでデジタルカメラを持ってくるのを忘れたことに気づきました。
しまった、防寒具や軽アイゼン等、安全に関わる装備は忘れませんが、どうでもいい装備は最近よく忘れるなぁ。
 
デジタルカメラを持ってくるのは忘れましたが、ビデオカメラは持っていたので、本日の山歩き(氷瀑見物)の様子を5分弱の動画にまとめてみました。
 
興味のある方はご覧下さい。
 
▲凍りついた扁妙の滝(兵庫県神河町)2018年2月
 
この記事で使用している写真は、iPhoneで撮影した写真か、ビデオカメラで撮影した動画から切り出した画像です。
 
09:40
総合案内所(地図中「総合案内所」)に到着しました。
 
総合案内所に入り、受付で入村料(¥200)を支払い、所定の登山届けに住所や氏名、連絡先などを記入します。
 
このとき、安全に滝へたどり着くための装備を持っているかどうかを確認されます。
普通のスニーカーしかないような場合は、滑り止めとして靴に巻くための荒縄を購入することも可能。
 
キャンプ場近くの駐車場まで行けるかどうかを受付の方に確認すると、「今日は行けますよ。」との返事。それなら扁妙の滝へは楽に行けます。
(路面の凍結が酷い場合は、総合案内所前の駐車場から先への道は、車両進入禁止になります。)
 
再び車に乗り込み、総合案内所からさらに南へ、1車線幅の坂道を登ってキャンプ場近くの駐車場を目指しました。
 
路面は所々凍結しているので、凍った扁妙の滝を見に行きたい方は、冬用タイヤを装備した車で来るか、総合案内所前に車を止めて、そこから歩いて下さい(今日もそのようなハイカーを何組か見かけました)。
 
09:53
キャンプ場近くの駐車場に到着(地図中「P」)。
 
持っていたデジタル温度計の画面を見ると、数値は-0.2度から+0.3度の間をウロウロしていたので、気温はセ氏0度ちょうどくらいでしょうか。
 
▲キャンプ場近くの駐車場の様子
 
09:56
登山靴に履き替えて出発。
 
駐車場東端の突き当たりで道は左右に分かれています。
左は笠形山の山頂へ続く登山道で、右が扁妙の滝へ続く道です。
 
▲駐車場の東端にある道標
 
道標に従ってキャンプ場沿いの道を南へ進みました。
手袋は着けていなかったのですが、さすがに手が痛くなってきたので、ここで手袋を装着。
 
10:05
赤い小さな橋で沢を渡りました(地図中「赤い橋」)。
 
▲赤い橋で沢を渡る
 
赤い橋を渡って少し上った所に「子育て観音」への分岐があります。
せっかくなので寄り道し、子育てとは関係無いですが、今日の山歩きの無事をお祈りしました。
 
▲子育て観音
 
縁起
 霊峰笠形山の麓 奇岩「みょうと岩」の此地に観世音菩薩の霊所あり
 村人に之を「子育て観音」と称して信仰厚く もろもろの御利益を受くること久し 然れども幾百年の星霜を経て毀損甚だしく 有志相集いて善処せん事を計り 今日再建の運びに至る 之を良き機縁とし 当地の守護観音となし 広く大衆に慈悲心を垂れ給う霊体として 幾久しく諸人の崇拝を仰ぐことを請い願うものなり
 奉賛会一同之を祈念して こヽに之を記す
 維時昭和六十一年九月吉日
  奉賛会一同
(出典:現地の石碑)
登山道に戻り、さらに進んでいくと滝の音が聞こえてきます。
それは、扁妙の滝ではなくオウネン滝と呼ばれる凍らない滝の音。
 
▲オウネン滝
 
オウネン滝から急な丸太階段の道を登ると、黄色い鉄階段に出会います。
鉄階段を登り切った後は、登山靴で問題なく歩けていた今までの路面と違って、完全に氷に覆われた道になります。
 
▲黄色い鉄階段
 
危ないので、ここで軽アイゼンを装着。
軽アイゼンの爪が氷の路面に突き刺さる音と感触が気持ちいい。
 
▲鉄階段の先の道は完全にアイスバーン
 
鉄階段を登り切った直後は沢の左岸を歩きますが、すぐに沢を横切り、右岸を歩くことになります。
(右岸と左岸は、上流から下流を見た場合の左右です。)
 
沢を渡ってしばらくは氷のない土の道ですが、それはすぐに終わり、凍りついた岩が階段状になっている道を歩くことになります。
 
▲沢の右岸に付けられた道
 
「←扁妙の滝」と書かれた道標が立ちはだかるように立っている場所に来ました。
 
滝は前方にあるのですが、道標に従っていったん左へ向きを変えて登り、すぐ右に向きを変えて丸太橋で小さな沢を越えたら、また右に向きを変えて扁妙の滝の下へ到達します。
 
そこから滝へ向かうルートは、特に決まっていないようです。
沢の右岸沿いに氷の階段があったのですが、なんだか氷が薄そうで踏み抜きそう。誰も通った足跡がないので、やめておいた方が良いのかな。
 
沢は表面が凍ってはいますが、その下は水が流れています。
氷が透き通っている部分は薄そうなので、真っ白な氷の部分を選んで慎重に沢を登ってみました。
 
10:34
扁妙の滝のすぐ下に到着(地図中「扁妙の滝」)。
 
気温は氷点下1.4度Cですが、登り坂を歩いて来た影響か寒さは全く感じません。
登り初めでは手が痛かったのに、今はむしろ手袋をはめていると手が熱いくらい。
 
▲近くから見上げた扁妙の滝
 
滝の周囲がどのような場所なのかは、以下の全天球パノラマでご覧下さい。
扁妙の滝で撮影した全天球パノラマ
(凍った状態の撮影日:2012年2月5日、凍っていない状態の撮影日:2011年11月3日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/henmyonotaki/virtualtour.html

パノラマ画面左上のリストから、凍っていない状態のパノラマと切り換えて表示出来ます。
さすがに休日だけあって、何組もの見物客が入れ替わり立ち替わりやってきます。
 
大半の見物客は登山装備で、中には街中を歩くような格好の人もいましたが、足下を見るときちんと滑り止めを付けていたり、ゴム長を履いていたり、それなりに工夫をして来ているようです。
 
凍った滝をぼーっと眺めていたら、滝の上部からばらばらと氷の破片が降ってくることもありました。
よく見ると、滝の上部は水の流れが見えています。
氷が溶かされて、上部から崩壊していくのかな。
 
10:52
いつまでも眺めていたくなる自然の造形美ですが、お腹が空いてきたし(今日はご飯を持ってきていない)、長時間居座って他の見物客の邪魔になるのも良くないし、そろそろ下山することにしました。
 
11:10
駐車場に到着。
 
11:20
総合案内所でお手洗いを借り、下山したことを報告して登山届けに下山時刻を記入してもらってから、帰路に就きました。
 
登山届けを書いた方は、必ず下山の報告をして下さい。
さもないと、遭難したと思われてしまいます。