購入の経緯
2015年後半のある日、山道具屋さんの中をぶらついていた時に、パッケージの画像とは比べものにならないほど薄い状態で陳列されたクッカーを見かけました。そして思い出しました。2015年前半に話題になっていた、シリコン製の折りたためるクッカーを。
それを思い出した途端に強烈な物欲に襲われ、普段はレジに店員さんが居なくても気づいてもらえるまでボーッと待っているような私が、店員さんを捜し回って購入。
派手な色が大嫌いな私が、他の色の有無も確認せず、とりあえず店頭にあったオレンジ色の製品(※)を買ったことからも、私が当時どれほどの物欲に襲われたのか分かって頂けると思います(普段なら数十秒は持ちこたえる自制心が、この時は即死)。
※買った後で分かりましたが、サイズ毎に色が異なっていて、1.4リットルサイズはオレンジしかないようです。
製品名: X-ポット 1.4L
メーカー: Sea to Summit(オーストラリア)
材質: 本体はシリコン、底はアルミニウム(厚さ0.8mm)、蓋はポリカーボネート
寸法: 直径19×高さ6.4cm(カタログ値)
重量: 250g(カタログ値)
色: オレンジ
定価: ¥6,480(税込)
購入価格: 同上
Amazon.comでの価格: $49.95 USD(ブログ掲載時点)
購入先: 好日山荘 姫路駅前店
メーカー: Sea to Summit(オーストラリア)
材質: 本体はシリコン、底はアルミニウム(厚さ0.8mm)、蓋はポリカーボネート
寸法: 直径19×高さ6.4cm(カタログ値)
重量: 250g(カタログ値)
色: オレンジ
定価: ¥6,480(税込)
購入価格: 同上
Amazon.comでの価格: $49.95 USD(ブログ掲載時点)
購入先: 好日山荘 姫路駅前店
概要
メーカーの公式動画(全編英語)をご覧頂くのが一番分かりやすいです。外観
側壁がシリコンでできた蛇腹構造なので、縦に押しつぶして平らに収納できるようになっています。
収納時は、取っ手で蓋をロックできるようになっているのも便利。
収納時は、取っ手で蓋をロックできるようになっているのも便利。
収納時と使用時で、高さにどれくらいの差が出るのか比較してみました。
シリコン製のクッカーなんて、火にかけるとすぐに溶けるでしょ?と思われるでしょうが、底部は厚さ0.8mmのアルミ(硬質アルマイト処理済)なので大丈夫。
ただし、使用時は底面周囲に引かれた線から炎がはみ出さないよう、ストーブの火力を調節しないといけません。
X-ポットの内側には、容量を示す目盛りが付けられています。
一番下の目盛りは500mlで、そこから250ml刻みに1.25Lまで目盛りがありますが、1.0Lラインが安全に使用できる限界ライン(MAX SAFE FILL)となっています。
250ml単位の目盛りの反対側にはカップ(cup)を単位とした目盛りもあり、一番下に2 cups、そこから1 cup刻みで5 cupsまで目盛りが打たれています(MAX SAFE FILLは4 cups)。
このcupという単位はアメリカの単位で、1cupが250ml弱あります。日本で使われる単位(1カップ=200ml)とは異なるので、ご注意下さい。
蓋はポリカーボネート製の透明なもので、つまみはシリコン製。
水を切るための穴も開いています。
水を切るための穴も開いています。
使用感
収納時は薄くなるので、携帯性は確かに高いです。Sea to Summitブランドの他の折りたたみクッカー類を中に収納できるサイズになっているとのことなので、それらを持っている人なら、非常にコンパクトなサイズで複数のクッカーを持ち歩けることになります。
展開するとレトルトのご飯(最近はパックが円形になっているなど、小さめの鍋で湯煎しやすいサイズがある)を温めるのに十分なサイズがありますし、水気を飛ばしやすいため即席焼きそばやエスプレッソパスタの調理にも便利。
シリコン製でこの大きさだと、中に液体や食材が入った状態ではヘロヘロになって不安定ではないかと心配になるかも知れませんが、シリコン側壁上端の縁にステンレス製の輪が埋め込まれているので、強度は十分。
X-ポットに付いている取っ手は持ちやすく、湯切りは簡単です。
「外観」の項で蓋には取っ手をロックするための突起があると書きましたが、突起は取っ手をロックする以外の役割ももっているようです。
それは、断熱材としての役目。
上の写真のように、取っ手をはめるための突起部分を両親指で押さえると、内部の熱が親指に伝わりにくく、安全に湯切りができるのです。
ただ、両側に取っ手が付いた土鍋のようなデザインであるため、これを食器のように使おうと思うと、クッカーの底部に手を当てて保持しないといけません。
しかし、中に熱々の食材が入っていると、とてもじゃありませんが素手でそんな持ち方は不可能です。
クッカーを置きっ放しにして食事をするか、調理後に中身を別の食器に移し替えるか、軍手をはめて底を持つか、工夫が必要です。
火にかける際は炎が側壁に当たらないように火力を調節しなければいけませんが、「真上に炎を噴射する」タイプのガスストーブなら問題ありません。(アルコールストーブは火力の調節が難しいので、使わない方が無難です。Vargoのヘキサゴンウッドストーブとトランギアのアルコールストーブの組み合わせでは、底面から周囲にはみ出した炎が側壁に当たってしまいました)。
お湯を沸かすだけなら問題ありませんが、この中で調理をした場合は、ちょっと気になる点があります。
それは、汚れの取りにくさ。
蛇腹の折り目や前述の目盛り部分に、汚れがこびりつきやすいのです。
私のように日帰りがメインなら家に帰ってからゆっくり洗えば良いのですが、複数日にわたる行動をする方の場合は、汚れの落ちにくさは気になるかも知れません。
マニュアルには、洗い方として以下の方法が示されています。
(1)ポットは必ず冷ましてから洗ってください。ただし、ポットを急に冷たい水などにさらして冷やさないでください。(2)ポットに少量の水を入れ、アウトドア用コンロで温めます。その中に食器用洗剤を入れ、ポットに残った汚れを浮かせます。(3)布などで拭き、汚れを落としてください。たわしなどの硬いもので擦るとシリコンを傷つける恐れがあります。(4)よくすすいでください。(5)使用後は必ず乾かしてから保管してください。出典:製品の取扱説明書
使用上の注意点
シリコン製であることから、色々と注意事項がマニュアルには記載されています。
全文を入力するのは面倒なので、概要だけ紹介しておきます。
全文を入力するのは面倒なので、概要だけ紹介しておきます。
・ポットをコンロから離す際は、必ず火を消すこと。また、火を消した直後は手を触れないこと。
・アウトドア用コンロのみ使用すること。
・沸騰した際にシリコン製の側壁がゆがむことがある。
・尖ったものでかき混ぜると、シリコン製の側壁が傷むことがある。
・使用中のポットに上から圧力をかけないこと。
・調理中は、蒸気に気をつけること。
・炎がシリコン部分に当たるような使い方や、空だきはしないこと。
・アウトドア用コンロは、弱火か中火で使うこと。
・アウトドア用コンロのみ使用すること。
・沸騰した際にシリコン製の側壁がゆがむことがある。
・尖ったものでかき混ぜると、シリコン製の側壁が傷むことがある。
・使用中のポットに上から圧力をかけないこと。
・調理中は、蒸気に気をつけること。
・炎がシリコン部分に当たるような使い方や、空だきはしないこと。
・アウトドア用コンロは、弱火か中火で使うこと。
特に重要な注意事項は、蓋にも書かれています。
最後に
使用時は炎が側壁に当たらないように火力を調節したり、ストーブがX-ポットの中央に来るようにきちんと位置を合わせて置く必要がありますが、炎が拡散しないタイプのストーブと組み合わせて使えば、注意事項や制限事項は思っていたほど気にならず、案外普通に使えます。私の場合は双眼鏡やパノラマ撮影機材等、普通の人が持っていかない荷物にバックパックの容量を取られてしまうので、かさばるクッカーが平らになってくれるのはありがたいです。