播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の苫編山~籾取山縦走

昨日の天気予報では、今日は雨が降るとのことでしたが、外を見てもまったく雨が降りそうな気配がありません。
昨日の朝はこむら返りの激痛で目が覚めて、半日ほど右脚に違和感があったので山へは行かなかったのですが、今日は右脚の違和感も完治し、山へ出かけても問題なさそう。
 
いつもは行き先に悩みますが、今日は違います。

姫路市の苫編山(とまみやま)の山頂にある反射板が撤去されて苫編山が大展望の山になっていると「TAJI & HMの兵庫の山めぐり」(http://taji-hm.la.coocan.jp/)で知り、是非その大展望を楽しみたいと思っていたのです。
 
苫編山だけ往復してもつまらないので、苫編山~籾取山(もみとりやま)山塊を南から北へ縦走することにしました。
 
南端はJR英賀保(あがほ)駅、北端はJR播磨高岡駅が最寄りの駅です。
 
播磨高岡駅のあるJR姫新(きしん)線は本数が少ないため、いつものようにJR姫路駅を基点に行動しようと姫路駅前に自転車を止めると、下山後に播磨高岡駅から姫路駅へ戻るための列車待ちの時間がもったいない。

播磨高岡駅に自転車を置いておけば、列車を待っている時間で自宅まで帰れます。
というわけで、本日のプランは次の通りにしました。

自宅から自転車でJR播磨高岡駅へ行き、自転車を播磨高岡駅に置いて姫新線で姫路駅へ。
姫路駅で山陽本線の下り列車に乗り換えて英賀保駅に向かい、英賀保駅から山塊を北へ縦走。
播磨高岡駅近くに下山し、播磨高岡駅にとめておいた自転車で自宅へ帰るという行程。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路北部」「姫路南部」
 
09:45
姫路市街の自宅を自転車で出発。
 
10:05
JR播磨高岡駅に到着。
駐輪場に自転車を止めます。
 
10:10
姫路行の普通列車が播磨高岡駅を発車。
 
10:15
姫路駅に到着。
 
10:22発の下り列車に乗るべく山陽本線下りホームへ向かいましたが、朝に大阪方面で発生した人身事故の影響でダイヤが大きく乱れており、先発の下り普通列車は10:37発とのこと。
 
その10:37発の下り列車も、遅れている新快速列車の乗客の乗り換え待ちをしたため、結局下り列車が姫路駅を発車したのは10:43。
 
10:47
播州赤穂行の列車は、定刻より6分遅れて英賀保駅に到着。
 
英賀保駅の出入り口がある南側には、下りホームがあります。そのため、列車を降りるとすぐに改札口があって駅の外へ出られます。
 
今回登山口として選んだのは、苫編山のある山塊の南西端、配水池のある尾根の先端付近。

登山口に行くには線路の北に行く必要があるので、駅を出たらまず駅の西にある跨線橋で線路を渡って左側の階段で降ります(跨線橋は北端で突き当たり、左右に階段が分かれています)。
線路の北に降りたら線路沿いに西へ。

250mほど進んだ所にある丁字路を右へ曲がり、道なりに進んでいけば目的の尾根の先端付近へ行けるのですが、途中が工事のため通行止めになっていました。
 
そこで、スマホでGoogleマップを見ながら歩こうと思いましたが、2017年3月26日現在Googleマップに載っていない新しい道が出来ていて、きょろきょろしながらその新しい道を進み、途中から尾根の方へ向かう細い道に入りました。
 
工事の進捗に応じてこの辺りの道の様子は変わるかも知れないので、今回のルートに挑戦してみようとお考えの方は、現地の交通規制に従い、スマホの地図などを頼りに登山口を目指して下さい。
 
 
▲山崎浄水場(地図内「山崎浄水場」)と尾根の間の道へ入る
 
今回の登山口は、尾根の上にある巨大なタンク(山崎配水池)への管理道の入口。
その管理道は、山崎浄水場に並んでいる大きな貯水槽の内、北の端にある貯水槽の東側から始まります。
 
下のURLをクリックすると、登山口の位置がGoogleマップで表示されます。
 
 
11:03
山崎配水池へ続く管理道(擬木階段道)の入口に到着(地図中「登山口」)。
 
 
▲山崎配水池へ続く擬木階段道の入口
 
擬木階段の道はつづら折れですが比較的急な斜面。
階段だとついつい歩く速度が上がり、バテてしまいました。
 
11:09
巨大なタンクのある山崎配水池脇を通過(地図中「山崎配水池」)。
ここは山崎城跡だそうですが、配水池の建設のため遺構はほとんど破壊されているようです。
 
▲山崎配水池
 
配水池から先も明確な道が続いています。
 
11:14
巨大なタンクの南側を回り込んで北へ尾根を登って行くと、86m標高点には「城之台」と刻まれた碑が立っているのに出会いました。
南側の一画だけ木々が伐採されていて、少し展望が楽しめます。
 
刻まれている「城」は山崎城のことかな。
この場所は人工的に平らにされているので山崎城の郭の一つだったのかも知れませんが、それ以外には山城跡らしさは見られません。
 
 
▲「城之台」碑がある86m標高点
 
11:22
突然右側の視界が開けました。
そこにあったのは、近年はやりの太陽光発電施設(地図中「太陽光発電施設」)。
 
 
▲太陽光発電施設
 
好展望だったのは太陽光パネルのある場所だけで、再び展望のない山道に戻ります。
 
今回のルートは、大半が同じような雰囲気の場所で、ほとんど変化はありませんでした。
 
 
▲今回のルートの大半はこのような道
 
この後は特に見所も無く、苫編山山頂までは多少のアップダウンを繰り返しながら延々と同じような雰囲気の道が続きます。
 
途中で何カ所か分岐がありますが、どれも道標はありません。
しかし、方角を考えれば進むべき道は分かるはず。
 
苫編山山頂までに出会う明確な分岐は、全て左が正解。
右の道を選ぶと、南へ延びる尾根伝いの道へ入るようです。
 
苫編山山頂の手前は、展望の良い露岩の尾根になっていて気持ちいい(地図中「露岩の尾根」)。
お腹が空いていますが、展望がよくなっているはずの苫編山山頂まであと少しの辛抱です。
 
 
▲岩尾根の様子
 
 
▲ドローンで撮影した岩尾根(撮影日:2017年4月16日)
 
11:40
三角点標石の脇を通り、苫編山の山頂(165.6m三角点。地図中「苫編山」)に到着。
 
ネットで見たとおり、反射板は土台を残すのみできれいさっぱり撤去されており、苫編山は大展望の山に生まれ変わっていました。
 
反射板跡地の周囲に残るブロックや段差がちょうど良い椅子になり、休憩や食事に最適。
 
それにしても、どうやってあの巨大な反射板を撤去したんだろう?
 
---2018年7月追記ここから---
 
コメント欄を通じて教えていただいた情報によると、反射板は解体・切断され、人力で運び下ろされたそうです。
 
---2018年7月追記ここまで---
 
どれだけ展望が良いかは、下のパノラマでご覧いただけます。
 
 
▲苫編山山頂の三等三角点標石(点名:苫編)
 
 
▲苫編山山頂の反射板跡地
 
▲ドローンで撮影した苫編山山頂(撮影日:2017年4月16日)
 
苫編山山頂の全天球パノラマ(撮影日2017年3月26日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tomamiyama20170326/virtualtour.html
参考までに、反射板があった頃の苫編山山頂で撮影したパノラマも掲載します。
今までは、反射板にこの大展望が遮られていたわけです。
 
苫編山山頂の全天球パノラマ(撮影日2011年10月23日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tomamiyama20111023/virtualtour.html
東西方向は見通しが悪く、20kmほど離れたところはもう霞んで見えません。
 
しかし、北方面は直線距離で45kmほど離れた駒ノ尾山~後山山塊が雪をかぶった姿が肉眼でも見えました。
 
 
▲苫編山の山頂から雪をかぶった駒ノ尾山~後山山塊が見えた(山が見えやすいように画像処理を行っています)
 
この景色を見ながら頂く本日の昼食は、アマノフーズのフリーズドライ「畑のカレー」とお茶碗1杯分の白飯。
フリーズドライでここまできちんとカレーが再現できるのかと驚くほどの品質です。
 
 
▲本日の昼食(アマノフーズの「畑のカレー」と、家から持ってきて湯煎で温め直した白飯)
 
12:35
景色と展望を満喫したので、下山開始。
 
反射板跡地の北東隅付近から始まる、トラロープが張られた急坂を北へ下ります。
ロープがない区間も一部ありますが、基本的にこの下り坂はなかなかの急斜面。
 
12:40
急坂を下り切ったところは、伯母ヶ谷峠(地図中「伯母ヶ谷峠」)。
峠とは言っても、東へ下る道は消失しかかっています。しかし、西へは綺麗な道が下っていました。
 
12:48
伯母ヶ谷峠から北へ登り返したところにある小ピークを通過。
ここには、古墳の石室のように見える岩があります。
 
地形図では破線道の三差路になっていますが、実際は西への道もあるらしく、路面の岩に赤い塗料で十字型の矢印が書かれていました。
 
12:50
「陸軍省所轄地」と刻まれた標柱に出会いました(地図中「陸軍省標石」の内一番南側)。

登山道のすぐ脇に立っており、道から見ると「第二一号」と刻まれているのだけが見え、裏側に前述の文言が刻まれています。
 
▲陸軍省の標石
 
余談ですが、私の親戚にこの付近に住んでいた戦争経験者がいますが、その方によると南の新日鉄の工場に高射砲が複数設置されていて、姫路空襲の際はそこから発射された高射砲弾の破片がこの尾根の東側一帯に降り注いだそうです。
 
12:53
2本目の陸軍省の標石を通過。

その後すぐ境界標石のようなものに出会いましたが、よく見ると「陸」の字が刻まれていました(地図中「陸軍省標石」の内中央)。
 
 
▲陸軍省の短い標石
 
この標石を見た後に視線を上げると、東に延びる広い尾根上に何やら人工物のようなものがあるのがヤブを通して見えました。
 
「戦争遺跡か!」と期待に胸を膨らませてヤブへ突入。
出会ったのは、古墳の石室のような岩でした。
 
 
▲ヤブの中にある古墳のような岩
 
ヤブの中を歩いたので、念のため登山道に復帰した後ズボンをチェック。
すると、いました。マダニが何匹もズボンの表面でもぞもぞ動いています。
一匹ずつ指ではじき飛ばし、全身をチェック。
 
服を脱いで半裸になるとマダニが直接体にくっついてきて危険ですから、服を着たまま体をねじって出来るだけ広い範囲を観察し、マダニを綺麗に取り去りました(どうしても見えないところはチェック自体を諦めた)。
 
12:58
3本目の陸軍省の標石を通過(地図中「陸軍省標石」の内一番北側)。
 
新幹線の西庄(さいしょう)トンネルが真下を通っている157m標高点の前後は、他と違ってシダが多く生えています。
逆に言うと、シダが出てくると157m標高点が近いということ。
 
13:01
JRの西庄P6鉄塔下を通過(地図中「西庄P6鉄塔」)。
 
 
▲西庄P6鉄塔下の様子
 
13:05
西庄P5鉄塔下を通過(地図中「西庄P5鉄塔」)。
この鉄塔には、この山塊の登山道を記した地図が貼られていました。
 
 
▲西庄P5鉄塔に張られていた地図(マウスポインタを地図に載せると現れる右下の虫眼鏡アイコンをクリックすると、拡大表示されます)
 
鉄塔の真下で道は二股に分かれていますが、縦走路は左。
 
西庄P5鉄塔から北への下りは要注意です。
次の山田峠までの間だけで、数カ所の分岐があるのです。
 
すぐ先で合流する分岐ばかりだと思いますが、おかしいなと思ったら引き返して下さい。
 
山田峠への下りにもトラロープが張られていますが、こちらは苫編山から北へ下る坂にあったのとは違い、ほぐれて黒い部分だけが残った古いトラロープでした。
 
157m標高点から先は、縦走路沿いに境界標石がたくさん埋設されています。
刻まれているマークは「どこかで見たことあるなぁ」と思ったのですが、歩いている時はそれが何のマークか思い出せませんでした。
 
帰宅後に調べてみると、姫路市の市章だったようです。
 
 
▲縦走路沿いにたくさん埋まっている姫路市の市章が刻まれた境界標石
 
13:13
山田峠を通過(地図中「山田峠」)。
 
この峠の西はJRの変電所、東は循環器病センターで、登山用に利用する人が少ないのか、東西への道はほとんど歩かれている形跡がありませんし、東への道は木の枝で通せんぼされています。
 
 
▲山田峠の様子
 
山田峠からの登り返しは、斜度がゆるくて楽です。
 
13:32
籾取山(もみとりやま)山頂手前の反射板横を通過。
反射板の周囲を時計回りに進めば、反射板の敷地の北東隅から縦走路の続きに入れます。
 
▲反射板の横を通る
 
13:34
西日本新姫路線4番鉄塔の下を通過(地図中「西日本新姫路線4番鉄塔」)。
鉄塔の背後にある岩の斜面を登ると、三角点標石のある籾取山山頂です。
西日本新姫路線4番鉄塔下で撮影した全天球パノラマ(撮影日2013年1月13日)
 
▲本日歩いた稜線を鉄塔下から振り返る(右奥が登山口のある尾根の先端)
 
13:38
四等三角点標石(点名:籾取)のある籾取山の山頂を通過(地図中「籾取山」)。
三角点標石の他に、「伏見宮貞愛親王殿採蕨之跡」と刻まれた碑(折れている)があります。
 
 
▲「伏見宮貞愛親王殿採蕨之跡」の碑
 
籾取山の山頂から北へ進む区間だけは、私にとっては楽しいイワイワした道。
しかし、楽しい道は東へ向きが変わるまで。
 
 
▲籾取山山頂北側の尾根道の様子
 
実は、この東側の谷間にある高校が私の出身校なのですが、その谷の最奥にあたる部分(鬢櫛山:びんぐしやまの南側斜面)をこの尾根道から見ると、切り立った崖(石を切り出した跡?)があり、その下に大量の岩が積み重なっているように見えました。
 
この山は、その昔お城の石垣を作るために石を切り出していたそうですが、その時の主な切り出し場所が谷の内側だったのかな。
 
 
▲鬢櫛山の南側斜面(右下は山のように岩が積み重なっているように見える場所)写っている鉄塔は西日本新姫路線3番鉄塔。
 
籾取山北のイワイワした道にも、石を切り出すための矢穴が残っています。
 
 
▲矢穴が残る岩
 
13:53
鬢櫛山(びんぐしやま:186m標高点)を通過(地図中「鬢櫛山」)。
 
 
▲鬢櫛山
 
13:57
東へ進む区間も、西日本新姫路線3番鉄塔の周辺だけは露岩の尾根になっていました(地図中「西日本新姫路線3番鉄塔」)。
 
 
▲西日本新姫路線3番鉄塔周辺の様子
西日本新姫路線3番鉄塔の先で撮影した全天球パノラマ(撮影日2013年1月13日)
 
14:05
西日本新姫路線3番鉄塔からしばらく東へ進むと、突然急な下り坂が始まります。
そして、下り始めて間もなく丁字路に突き当たります(地図中「高校分岐」)。
 
この丁字路は右へ進むと高校の敷地内に入ってしまうので、左へ進んで下さい。
下り始めてから丁字路を左に入ってしばらくの間が、今回のルートの中でもっとも鬱蒼とした区間です。
 
 
▲本日のルートの中でもっとも鬱蒼としている区間の様子
 
北東へ延びる尾根に入ると道は展望が良くなり、西飾磨支線1番鉄塔と西日本新姫路線2番鉄塔を過ぎて岩の斜面を下れば、鉄階段に出会います。
 
 
▲西飾磨支線1番鉄塔(中央)と西日本新姫路線2番鉄塔(右)。これらの鉄塔の右側を通る
 
 
▲西日本新姫路線2番鉄塔の先で岩の斜面を下る
 
14:17
鉄階段の先でプラ階段の斜面を下ると、変電所の南側に下山します(地図中「巡視路入口」)。
 
 
▲鉄階段とプラ階段の道を下ると、下山完了
 
後は、変電所の西側の道を北へ進めば、JR播磨高岡駅は目の前。
 
 
▲今回のルートの高低差を表したグラフ(カシミール3D)