播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

鳥取県の「くらます」(1282.3m)

警告
本日のルートは、積雪期専用です。道標やマーキングテープはありません。
単独や初心者のみのグループ、装備が不十分な状態での挑戦は危険です。
 
本日は「かみかわ登山日和」の山ちゃんにお誘いいただき、鳥取県の「くらます」でスノーシュートレッキングを楽しんできました。
 
ルートは、鳥取県八頭郡若桜町の吉川集落北端付近の「吉川浄化センター」を基点に、反時計回りで周回するというものです。
 
登山口の標高が460mで山頂が1282.3mなので、単純計算でも800m以上の標高差(実際はアップダウンがあるため、累積標高差は約1,000m)があり、距離も8km以上あるので、私にとってはかなりハードなルートです。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「岩屋堂」
 
06:20
姫路市街の自宅を車で出発。
国道29号線をひたすら北上します。
 
07:45
道の駅みなみ波賀(はが)で待ち合わせ、山ちゃんの車の後について出発。
国道29号線を北上し、新戸倉トンネルを抜けて鳥取県へ。
 
兵庫・鳥取県境付近は、除雪された雪が道路脇にたっぷりあって、同じ兵庫県なのに、温暖な南部からは想像もできないような雪国の様相です。
 
池田郵便局を通り過ぎた直後にある三差路を左折し、県道72号線を3.5kmほど南下します。
特に何も目印も無いのですが、道が左へ分岐する地点があるので、そこを左へ。
 
9:00前頃
県道から左へ入ってすぐの場所で路肩に空き地があるので、そこに車を止めました(地図中「P」)。
この先は積雪で道が通行不能になっているため、車を駐めておいても迷惑にならない場所です。
 
 
▲駐車場所の様子(左の建物が吉川浄化センター)
 
以下のURLをクリックすると、駐車地点がGoogleマップで表示されます。
 
 
09:20
参加メンバー総勢16名が揃ったので、出発。
到着した時は雪が降っていましたが、この頃には雪は止んで青空も顔をのぞかせるようになりました。
 
駐車場所のすぐ先から積雪があるため、最初から全員スノーシューを装着。
 
上の駐車場所のすぐ先の林道(地形図の実線道)を北東へ進み、橋で川を渡る直前で右側の尾根に取り付きました。
 
 
▲ここから尾根に取り付いた(いったん行きすぎてから戻ったので、左側の尾根に取り付いたように見えていますが、駐車場所から見ると右側です)
 
この尾根の登りですが、序盤はとんでもなく大変(地図中「植林の急斜面」)。
斜度が急な上に、雪が締まっていないのもあって歩きにくくて仕方ありません。
 
 
▲尾根に取り付いた場所は植林の急斜面
 
10:00頃
標高550m位まで上がると、ようやく斜度が少しましになり、歩きやすくなってきました。
それでも、まだまだ斜度は急です。
 
この辺りに雪はほとんどありませんでしたが、スノーシューを履いている方が滑りにくくて歩きやすい。

あえぎながら歩いていると、いつの間にやら周囲は自然林に変わっていました。
 
10:30頃
標高750m辺りからは斜度がだいぶ緩んで歩きやすくなってきました。
 
 
▲標高750mを過ぎた辺りの尾根の様子
 
振り返ると東山(とうせん)の南側の山塊の雄大な風景が見えますし、視線を横にやると、美しい自然林の風景に癒やされます。
 
 
▲美しい自然林
 
10:40頃
標高800m付近では、密集した植林が尾根の左側に現れ、せっかくの雰囲気が損なわれてしまいましたが、こんな所にまで植林をしていることに驚きます。
 
 
▲薄暗い植林帯が左側に現れた
 
しかし、この植林帯は間もなく姿を消し、再び尾根は自然林に囲まれた美しい風景に戻ります。
 
11:10
978m標高点を通過。
 
標高が1,000mを越えると斜度はさらに緩みますが、スタミナの無い私はもうバテバテでヘロヘロ。
ちょっと歩く度に行動食を食べたり、水を飲んだりしながら何とか歩みを進めました。
 
参加者が多いため、全体的に見ると行動速度が遅くなるのが私にとっては救いでした。
 
 
▲東山(とうせん)方面の雄大な風景を背景に登ってくる参加メンバー
 
11:40頃
標高1,150m付近からは雪庇(せっぴ:風で雪が横方向に積もって「ひさし」のようになったもの)や樹氷を見ることが出来ました。
 
 
▲樹氷で白くなった木々と雪庇(右側の雪庇を避け、左寄りを歩いている)
 
 
▲樹氷
 
12:04
くらますの北方400mほどにある1,260+mの小ピークに到着。

ここはなだらかな雪原になっていて、東側だけ木々が生えておらず、三室山とそこから北へ延びる雪の稜線の展望を楽しめました。
 
この時点では、北に見えるはずの氷ノ山(ひょうのせん)は雲の中。
 
 
▲雪原から三室山を見る
 
小休止をしてから南のくらます山頂を目指すことになりました。
私はヘロヘロになっていたので、荷物をこの雪原に残し、身軽になって山頂へ。
 
 
▲雪原からくらます山頂へ向かう様子
 
雪原からくらますの山頂へは、片道およそ10分のなだらかな道です。
今までの登りが過酷だったので、この道は平坦と言っても良いほど。
 
12:22
くらますの山頂に到着(地図内「くらます」)。
そこは大きな雪庇で覆われていて、少し下から見ると山頂が尖っているように見えました。
 
雪原からくらます方面を見ると木々が生えた山頂に見えたので展望は期待していませんでしたが、予想に反して大展望。
 
 
▲くらます山頂
 
 
▲くらます山頂は雪庇になっていた(奥に見えているのは後山~駒ノ尾山塊)
 
12:35
雪原へ向かってくらます山頂を離れます。
 
12:43
荷物を残していた雪原に戻ってきました。

最初に到着した時点では雲に隠れていた氷ノ山や扇ノ山(おうぎのせん)が姿を現し、その綺麗な山容を見ながらここで昼食休憩。
 
本日の昼食は、アマノフーズのフリーズドライ一人鍋。
 
雪の土台の上に木の板を敷いて作ったテーブルに、パック燃料をセットしたエスビットストーブを置き、ぐつぐつと煮込みながら熱々の鍋を楽しみました。
寒い季節には熱いメニューが最適です。
 
 
▲本日の昼食
 
食事の後は、最近の私の恒例行事になっているドローンでの記念撮影。
 
皆さんドローンに興味津々。
こちらはドローンで皆さんを撮影していますが、皆さんはドローンを写真に納めていました。
 
 
▲ドローンで雪原の上空から撮影した写真
 

鳥取県にある「くらます」山頂近くからの展望
▲ドローンで撮影した動画(53秒)
 
13:39
下山開始。

氷ノ山を前方に見ながら北へ下山します。
下りはじめは自然林のなだらかな斜面で、雪も柔らかく「スノーシューって快感!」と思えるような極楽尾根。
 
 
▲下りはじめの尾根の様子
 
14:15頃
進路が西寄りに変わってくると、植林が出てきます。
しかも斜度が急になり、雪の質も下がってきて下るのが大変になってきました。
 
スノーシューだと動きづらいですが、脱ぐと滑りやすくてそれはそれでまた歩きづらくなってしまいます。
 
 
▲植林の中の下り斜面を振り返る
 
14:50
715.6m四等三角点(点名:吉川)の東側にある小ピークに到着。

尾根の形だけを見るとついつい北へ歩きたくなるような場所ですが、今回は駐車地点に下山するためここからも進路は西を維持します。
 
15:03
715.6m四等三角点(点名:吉川)を通過。
 
 
▲715.6m四等三角点標石(点名:吉川)
 
この三角点の先が、今回最大の難所でした。

強烈な角度の急斜面で、雪が無ければ木にしがみつきながらジグザグに下りられるのでしょうが、雪で滑りやすいため、ジグザグに下りるのも至難の業。
 
 
▲三角点標石の先の急斜面
 
参加メンバーの一人がロープを設置して下さったおかげで、最初の急斜面は何とか通過できました。

しかし、ロープが届かない区間をジグザグに下ろうとしたら、足を滑らせて転倒。そして、そのまま自動的に尻セード(ソリなどを使わず、お尻で直接雪の斜面を滑り降りる方法)の体勢に入ってしまい、皆さんが待っている場所までそのまま滑り落ちました。
 
このあとも延々と植林の中の斜面が続きます。
 
標高580m付近から進路を南に変えなければ行けなかったのですが、少し行きすぎたため、斜面をトラバースして目的の尾根へ。
 
15:48
標高520m付近からは南へ向きを変え、最後は竹藪を抜けて地形図の実線道(林道)に降り立ちました。
近くに用水路のようなところがあったので、ストックとスノーシューをすすぎ、汚れを落とすことに。
 
林道は、下山したところだけ日当たりが良くて雪がありませんでしたが、それ以外は数十センチの雪が積もっていました。

スノーシューを履こうかと思いましたが、せっかく洗ったのがまた汚れてしまうので、壺足でズボズボと雪の林道を歩いて駐車地点へ。
 
 
▲最後は林道を歩いて駐車場所へ戻った
 
16:03
駐車地点に到着。
 
ここで、参加メンバーが用意して下さったコーヒーやお菓子(手作りのお菓子も!)でちょっとしたパーティーが始まりました。
 
 
▲下山後のお楽しみ
 
▲提供された飲食物
 
イカの燻製もあったのですが、私がチョコレートのパウンドケーキに夢中になっている間にちらっと聞こえてきた内容によると、参加者の方の手作りとのこと。
酒飲みの男性陣に好評だったようです。
 
16:30頃
解散。
 
18:40
自宅に到着。

出発してすぐにこのブログの読者とおっしゃる女性から格別の讃辞を頂いたり、2013年1月3日の当ブログ記事に登場した2人組男性の内のお一人とおっしゃる方に名乗り出ていただいたり、私にとっては驚きの出会いもありました。
 
最後のパーティーで色々な食べ物や飲み物を持ってきて頂いた皆さん、三角点下の急斜面でロープを張って頂いた方や、今回のオフ会を立案し、お誘い頂いた山ちゃん、本日は本当にありがとうございました。
 
 
▲今回のルートの高低差を表したグラフ(カシミール3D)