播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の名勝:鹿ヶ壺

職場の夏休みで家でゴロゴロしていたのですが、さすがに暑いからと言って外に出ないと体が鈍りますし、何より精神的に参ってきます。

かといって山に行けば間違いなく熱中症になるし、虫がたくさん出そうだし、どうしたものかと悩みましたが、涼しそうな渓流を見物しに行くことにしました。

行き先は、兵庫県姫路市安富町にある鹿ヶ壺(しかがつぼ)。

「グリーンステーション鹿ヶ壺」という施設があるのですが、コテージやバーベキューサイト、キャンプ場等が備わっていて、夏休みは家族連れで大いに賑わいます。

私はお一人様なのでコテージやバーベキューサイトには用が無く、グリーンステーション鹿ヶ壺の食堂の名物「麦とろ定食」と鹿ヶ壺見物が目的です。

施設名称: グリーンステーション鹿ヶ壺
所在地: 姫路市安富町関775(←住所をクリックすると、Googleマップでグリーンステーション鹿ヶ壺の位置が表示されます)
定休日: 毎週火曜
駐車場: あり
料金等: 施設毎に利用料が異なります。詳細はグリーンステーション鹿ヶ壺のWebサイトでご確認下さい。

姫路市街からグリーンステーション鹿ヶ壺へ行くには、国道29号線を北上し、安富町の「安志南(あんじみなみ)」交差点を右折。
続いて「安志東」交差点を直進して県道430号線に入ってください。
後は延々と道なりに北へ進むだけです。

安富ダム湖を過ぎれば、グリーンステーション鹿ヶ壺は間もなくです。


▲グリーンステーション鹿ヶ壺の青少年交流センター(鹿ヶ壺山荘)

鹿の剥製に出迎えられながらこの建物に入ると、左側に食堂があります。

この食堂の名物が「麦とろ定食」。

麦とろ定食にはA、B、Cの3種類があり、Cは最もシンプルな定食で、麦ご飯ととろろ、炊いた野菜、みそ汁、漬物のセット。Bはそれにうどん又は蕎麦の小鉢が付き、AはCに焼き鳥が付きます。

本日は「麦とろ定食A」を頂きました。

とろろをご飯にドバッとかけ、薬味のネギを載せて一口。「おっ、結構おいしい!」というのが第一印象。
炊いた野菜も柔らかくて美味しいし、みそ汁も手作り感があって美味。

デザートに安富町特産の柚を材料にしたゆずシャーベットを頂いて昼食は完了。

食堂のスタッフさんは親切で丁寧。料理は美味しいし、実はあまり期待していなかったのですが、良い意味で期待を裏切られて大満足です。

食堂には団体さんがいたので、食堂内の写真は撮っていません。
麦とろ定食は撮っておけば良かったかな。

引き続き、腹ごなしに鹿ヶ壺を見に行きました。

鹿ヶ壺とは、グリーンステーション鹿ヶ壺の東側にある谷を流れる沢に開いた大きな甌穴(おうけつ)のことです。
鹿ヶ壺以外にも沢山の甌穴があるのですが、それぞれ形が全く異なっていて、堅い岩をこれだけくりぬいてしまう水の流れの力に驚嘆させられます。

ひょうご森林浴場 雪彦峰山県立自然公園
名勝 鹿ヶ壺
林田川の源流鹿ヶ壺は、雪彦峰山県立自然公園内にあり、滝の流れは二十度から九十度の階段状の急斜面を水が上流から運んだ石や砂とともに流れ落ち、階断面において旋回し、数十万年の長い歳月に岩盤、河床をえぐり、眼疾は石英粗面岩のかたい岩質であるが削り磨いて、大小数十個の甌穴をつくり、これらの甌穴に鹿ヶ壺、底無し等その形状にちなんで古くから名前が言い伝えられています。
最大の甌穴が鹿ヶ壺であり、鹿が寝ている姿に似ており、鹿ヶ壺と名づけられ全体の代名詞となっております。底無し壺はその深さ約6メートルあり、まったく底が見えないところから名前がつけられこれらすべて一枚岩盤で出来ており、甌穴の大きさ、またその数においても全国的にもめずらしいと言われております。
(出典:グリーンステーション鹿ヶ壺のキャンプ場内に立つ看板。原文まま)

鹿ヶ壺へ行くには、青少年交流センター(鹿ヶ壺山荘)を出て左前、「ふれあいばし」の銘板がついた橋を渡ります。


▲ふれあいばし

新しいコテージ群を左に見ながら、1車線幅の舗装道路を進んでください。

私が子供の頃は、お盆に親戚一同でお墓参りに行き、その帰りにここへ寄って飯盒炊さんをするのが恒例行事になっていました。
ご飯を炊くのはもちろん祖父で、軍隊仕込みの技術で美味しいご飯を炊いてくれたものです。


▲コテージを左に見ながら進む


▲すぐに道の両側は植林になる

鹿ヶ壺の入口付近は当時の面影が全くありませんが、道を進むにつれて徐々に当時の記憶が蘇ってきました。


▲道の左側、川の向こう岸にある広場は、昔プールがあった場所。川の水を絶えず取り込んでいたため、水温がまったく上がらず、真夏でも寒くて長時間入れなかった思い出があります。

小さな橋で川を渡った先、道の右側にあるキャンプ場へ入ります。


▲キャンプ場内を進む

上の写真の場所を通り抜けると、いよいよ甌穴群と出会えます。
甌穴は急な斜面にあるため、安全に登れるようにコンクリートの階段が設置されているので、普段着でも大丈夫。


▲甌穴群沿いに設置されているコンクリート階段

甌穴をつなぐ沢は一枚岩が削られて出来た天然のウォータースライダーのようになっているため、今日も家族連れが滝壺へのダイブや急斜面の滑走を楽しんでいました。(上の写真の子供達もずぶ濡れ)


▲一番下の甌穴(尻壺)で遊ぶ家族連れの様子


▲鳥ノシコミ(右の甌穴)から五郎在壺(左の滝壺)へ続く天然のウォータースライダー


▲もっとも複雑な形をしている雑桶壺


▲甌穴の中に平らな岩が立っている駒ノ立洞(こまのたてどう)

元気な子供達の姿を見ながらのんびり歩いても、尻壺から4分で鹿ヶ壺に到着しました。


▲鹿ヶ壺

「これのどこをどう見れば鹿なんだ?」と思われるでしょう。
私も子供の頃から疑問に思っていましたが、今は図入りの看板で説明されています。


▲鹿ヶ壺について説明する看板(拡大表示できます)

甌穴群はこの鹿ヶ壺で終わりですが、道はまだ上に続いていて、鹿ヶ壺の上にはなだらかな沢が流れています。

2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」のオープニングで主演の岡田准一氏が沢に立っている映像がありますが、実はその沢がここなのです。


▲大河ドラマ「軍師官兵衛」のオープニングで登場した沢(左側の太い木2本とその右側の曲がった木、中央右寄り、上の方で間隔が広がっている細い2本の木は、軍師官兵衛のオープニング映像でもはっきり分かります。件の映像は、木々の見え方を考えると反対岸から撮影したのかな。)

鹿ヶ壺より下は賑やかなのに、その上は静けさに包まれていて、水音しか聞こえません。しかも涼しい。

沢の中の岩に腰掛けてしばしぼーっと過ごしました。
こういう時間の過ごし方は、私にとってはすごく贅沢。

贅沢な時間を過ごした後は、もと来た道を引き返し、家路に就きました。

さて、安富町では多数の「かかし」に出迎えられます。かかしといっても縫いぐるみのようなものですが、鹿ヶ壺周辺や、青少年交流センター(鹿ヶ壺山荘)の建物の中にもたくさんのかかしがあり、食堂入口のサンプルはかかしの材料で作られているという徹底ぶり。

時間のある方は、かかし探しをしてみても面白いかも。


▲擁壁の上で前屈みになっている男性以外は「かかし」。今にも動き出しそうなリアルなかかしがたくさんある。

せっかくなので、帰宅途中で安富ダムの天端(てんぱ)でパノラマ撮影。

ダムの効果
1.洪水調節
 ダム地点の基本高水流量300m3/secのうち200m3/secの洪水調節を行い、林田川沿川地域の水害を防除する。
2.流水の正常な機能の維持
 ダム地点下流の林田川沿岸の既得用水の補給を行う等、流水の正常な機能の維持と増進をはかる。
(出典:現地の看板)

安富ダムで撮影した全天球パノラマ(撮影日:2016年8月18日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/yasutomi_dam/virtualtour.html

小腹が空いてきたので、帰宅途中にさらに寄り道。

国道29号線沿いの「日本一たい焼」(本社は福岡市)で鯛焼きとわらび餅をおやつに買って食べましたが、なかなか美味しかったですよ。

皮はぱりぱりで香ばしく、しっぽの先まであんこがぎっしり。



▲日本一たい焼 姫路因幡街道林田店(姫路市林田町松山709番地)←住所をクリックすると、Googleマップで日本一たい焼 姫路因幡街道林田店の位置が表示されます。

営業時間: 10時~19時(売り切れの場合は定時前に閉店)
定休日: 月曜(月曜が祝日の場合は翌火曜が休み)