播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

護衛艦きりさめ(DD-104)一般公開 於 大阪港桜島岸壁

本日は、大阪港桜島岸壁で一般公開された護衛艦 きりさめ(DD-104)の見学に行ってきました。


▲護衛艦きりさめ一般公開の場所(地図上端中央右寄りの桜島駅から徒歩で移動した)

下のURLをクリックすると、護衛艦きりさめ一般公開の位置がGoogleマップで表示されます。

私が住む姫路から大阪港までは、以下の交通手段を利用。

11:57~12:58
長浜行のJR新快速で姫路駅から大阪駅へ。

13:03~13:09
JR大阪環状線内回りで大阪駅から西九条駅へ。

13:16~13:23
桜島行のJRゆめ咲線で西九条駅から桜島駅へ。

運賃は、姫路駅から桜島駅への合計で¥1,660。

JR桜島駅から護衛艦きりさめが停泊する桜島岸壁までは、徒歩で約10分(約1km)。
要所要所に白い制服を着た自衛官の方が立っておられたので、道に迷うことはありませんでした。

天保山渡船場がある岸壁東端に防潮堤があり、桜島岸壁へはその防潮堤のゲートから入るようにルートが設定されていて、ゲート前に手荷物検査場が設けられていました。

手荷物検査場に到着したのは13:35。

日中は毎時0分と30分に渡し船が動いているのですが、ちょうど13:30に天保山側を出発した渡し船から下りてきたお客さん達と合流し、手荷物検査場にはたちまち行列が出来ました(渡し船で天保山からきりさめを見に来る人が多かった)。


▲手荷物検査場の様子

金属探知機と目視による鞄内のチェックを受けた後、防潮堤のゲートを抜けて桜島岸壁へ。
ゲートから300mほど西へ岸壁を歩いたところに護衛艦きりさめは停泊していました。


▲護衛艦きりさめ

性能要目
基準排水量: 4,400t
全長: 151.0m
全幅: 17.4m
高さ: 47.0m
喫水: 5.2m
機関: ガスタービン×4基(60000馬力(SHP))
速力: 30Kt(55km/h)
乗員: 166名
(出典:海上自衛隊 護衛艦きりさめのパンフレット)

兵装:
 62口径76mm単装速射砲 1門
 Mk15 MOD12 高性能20mm機関砲(CIWS) 2基
 90式艦対艦誘導弾 (SSM-1B)/ ハープーン4連装発射筒 2基
 Mk41 MOD6 VLS 16セル(VLA SUM)
 Mk48 MOD4 VLS 16セル(ESSM 短SAM)
 3連装短魚雷発射管(HOS-302) 2基
発注: 1994年
起工: 1996年4月3日
進水: 1997年8月21日
就役: 1999年3月18日
建造所: 三菱重工業長崎造船所
(出典:Wikipedia)

岸壁にはグッズ販売のテントや車両の展示(パジェロと高機動車)があり、グッズ販売のテントには人だかりが出来ていました。


▲車両展示

グッズの売店も展示車両前も素通りし、艦の中央付近(艦対艦ミサイルの真下辺り)に設置された舷梯から乗艦。


▲見学者用の舷梯(入口専用)

3連装短魚雷発射管を見ながら左舷の通路を艦首の方へ進み、先ずは艦首側の甲板へ。


▲こんな通路を進む


▲艦首へ向かう途中にある3連装短魚雷発射管

短魚雷発射管
近距離で潜水艦を攻撃するため魚雷を発射する兵器です。
管の中に魚雷が一本ずつ入っています。
(出典:現地のパネル)

艦首の甲板上には2種類の兵器が設置されています。

砲塔が目立っているのは76mm速射砲。
もう一つは、一般の人が兵器だと知らずに素通りしてしまうことが多い垂直発射装置です。


▲艦首の兵器類(奥が76mm速射砲、手前の箱状の盛り上がりが垂直発射装置)


▲62口径76mm速射砲

62口径(※)76mm速射砲
62口径76mm速射砲は、イタリア OTO MERALA社で開発され昭和53年度の契約によりライセンス国産したものである。
本砲の特徴は、弾薬を回転給弾機から砲身薬室内に自動装てんを行い、毎分約100発以上の弾薬を連続発射できるとともに、軽量小型の全自動砲である。76mm砲は、対艦ミサイル・高速小型艦艇並びに低空及び中空又は急降下で攻撃してくる戦闘機に対する集中防御に適する武器である。

主要・性能
口径…76mm
砲身長…4.7m
最大射程…水平16,300m
旋回範囲…プラスマイナス360度(無制限)
俯仰範囲…-15度~+85度
砲の重量…約7トン
弾薬重量…約18kg
発射速度…最大100発/分(10・20・40・60・80・最大、選択可能)
(出典:現地のパネル)
※この場合の「口径」は、砲身長が砲弾の直径の何倍かを示すものです。76mm×62はほぼ4700mm。つまり砲身長は4.7mとなります。拳銃やライフルの場合は、例えば38口径は弾丸の直径が0.38インチ、44マグナムは0.44インチといった具合に弾丸のサイズを表します。(しみけんによる注釈)。

護衛艦むらさめ(今回見学したきりさめと同型の艦)が76mm速射砲を発射している動画がYoutubeにあったので、掲載します。
弾薬庫からケースに入ったまま砲塔下へ送られた砲弾を弾倉にセットする様子もあります。



▲艦首の垂直発射装置

垂直発射システム(VLS)については、メーカーであるロッキード・マーティン社が作った動画が分かりやすいと思います。

艦艇一般公開で見られるのはVLSの上部だけですが、この動画では艦内に収まっている垂直発射システムの全体を見ることが出来ます。


甲板上にはありませんが、1段高い場所には高性能20mm機関砲(CIWS)もあります。


▲艦橋前方に設置されている高性能20mm機関砲

高性能20mm機関砲
攻撃してくる敵のミサイル、航空機等を近距離で自動的に打ち落とす兵器です。
発射速度3000~4500発/分最大射程約4500m 初速約1100m/秒
(出典:現地のパネル)

高性能20mm機関砲の発射の様子は、以下のYoutube動画でご覧頂けます。
発射速度が速すぎて、普通の機関砲のようなドンドンドンではなく、ブザーのような音に聞こえます。


甲板の様子を全天球パノラマで撮影したました。
人が多いと一眼レフでパノラマを撮影するのが大変なので、今回は一発で周囲全体を撮影できるRicohのTheta Sを使用。

護衛艦きりさめの艦首、垂直発射装置と76mm速射砲の間で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2016年5月14日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kirisame20160514-1/virtualtour.html

艦首の見学が終わったら、右舷の通路を通って艦尾へ向かいます。
途中では、艦対艦ミサイル(ハープーン)の発射装置の下で人だかりが出来ていました。

乗艦した場所にもあったのですが、入口付近で立ち止まると迷惑なので誰もちゃんと見ていませんでした。
しかし、こちらの通路上なら邪魔になりにくいのでじっくり観察できます。


▲艦対艦ミサイル(ハープーン)の発射装置を通路から見上げる

対艦ミサイル(ハープーン)
4本の筒の中に1発ずつ、敵艦船を攻撃するミサイルが入っています。
長さ:4.6m 直径:34cm 低めの電柱ぐらいの大きさです。
重さ:680kg
(出典:現地のパネル)

ハープーンミサイルの歴史や発射、着弾の様子は、以下の動画で詳しく見ることが出来ます(全編英語)。


すぐ横にクレーンのようなものがあり、それがミサイルの積み下ろしをするためのものだと思っていましたが、近くにいた隊員さんに聞くと、ミサイルを積む際は業者に依頼し、別のクレーンで作業を行うとのことでした。

艦対艦ミサイル横のクレーンは何に使うのかというと、その横に置いてある複合艇(小型のゴムボート)の積み下ろしに使うのだそうです。


▲右舷の複合艇

艦尾に到着しました。
ここはヘリコプターの発着場と格納庫になっています。

護衛艦きりさめの艦尾、ヘリコプターの格納庫前で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2016年5月14日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kirisame20160514-2/virtualtour.html


▲ヘリコプターの格納庫(右手前は発着艦指揮所)


▲展示されていたSH-60J

SH-60J 性能要目
全長:19.76m
高さ:5.18m
幅:4.36m
速度:約260km/h
重さ:10.7トン
乗員:3名(最大8名)
(出典:現地のパネル)


▲SH-60Jのコクピット

ヘリコプターの格納庫内には、記念撮影のためのスペースが設けられていました。


▲格納庫内の様子(左奥が記念撮影用スペース)

14:00
艦尾近くの舷梯から下船。
今回は艦橋内の見学はありませんでした。

下船後は艦尾を見て、展示されている高機動車の車内を見てから渡し船で対岸の天保山へ。


▲護衛艦きりさめの艦尾


▲高機動車の車内(後部)


▲高機動車の車内(助手席)

14:30発の渡し船(無料)で対岸へ渡りました。
目的は、護衛艦きりさめの全体を眺めること。


▲渡し船


▲天保山から護衛艦きりさめを見る

15:00
渡し船で桜島岸壁へ戻り、帰路に就きました。