播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

平成28年姫路市消防出初式

本日は、姫路城の北側にあるシロトピア記念公園で開催された「平成28年姫路市消防出初式」を見学してきました。

シロトピア記念公園は、姫路市制100周年を記念して実施された「'89姫路シロトピア博」という博覧会の跡地です。

姫路城の北側、つまり姫路駅から見るとお城の裏側にあたる場所なので、時々イベントは行われていますが、あまり人出が期待できない場所。

しかし、消防出初式の時は毎年大勢の見物客で賑わいます。

イベント名: 平成28年姫路市消防出初式
日時: 平成28年1月10日(日)
     式典の部 9:30~10:20
     演技の部 10:25~12:00
場所: シロトピア記念公園
参加人員: 消防局職員300人 車両8台
       消防団員1,000人 車両69台
       兵庫県消防防災航空隊 ヘリ1機

▲シロトピア記念公園の位置(赤いピンの場所)

シロトピア記念公園は自宅から近いので、徒歩で出発。

10:10頃
シロトピア記念公園に到着。
車両観閲を受けるために所狭しと消防車が並んで駐車している中を抜け、公園中央の広場に出ました。

基本的にお偉方がしゃべるだけの式典は退屈なため、演技の部が始まる直前の時刻を狙ってきましたが、公園北側、来賓席の西に良い見学場所を確保できたので、ここで待機。

姫路城をバックに式典を行うため、来賓席は公園北側に南向きで設置され、消防職員や消防団員は北向きに整列しています。

確かにこの光景は素晴らしいのですが、思い切り逆光にまぶしいのなんの。


▲式典のため整列している消防団員

10:30頃
プログラムの通りに式典が終わり、演技の部のトップバッター、「幼年消防クラブ演技」(認定こども園姫路ひまわり保育園)が始まりました。

5歳児によるマーチングバンドですが、入場時もおしゃべりをしたりすることなく、大人の指示で整然と入場し、各自立ち位置に付いてからもじっと待機。
下手な小学生よりよっぽどしっかりしています。

私が通っていた保育園も非常に厳しく、5歳の時は書道や算数の授業、座禅、般若心経の読経をし(当時は般若心経が暗唱できた)、夏場は市内のスイミングスクールで、とうてい足がつかないような深さのプールでしごかれ、運動会では組み体操や鼓笛隊をやらされていたので、小学校に入った後、小学校低学年のあまりの幼稚さに衝撃を受けた記憶があります。

こういうのを見ていると、幼児期の教育は重要だなぁと再認識させられます。

もちろん、幼年消防クラブの子供達に子供らしさがないわけではありません。きちんとしないといけない場と、子供らしさを出していい場を区別して行動できるのです。


▲マーチングバンド演奏のため待機する幼年消防クラブの子供達

演技もなかなかのもので、5歳児とは思えない演奏と動きは感動的でさえあります。

10:45頃
はしご乗りが始まりました。

まずは兵庫県のキャラクター「はばたん」と、姫路市消防局のゆるキャラ、ヒメミツバチがモデルの「Bee(ビー)」が、横断幕を持って登場。


▲横断幕を持って入場するゆるキャラ

そして、半鐘をつるしたはしごが1本、公園北東に立てられました。
「はしご1本だけ?もっと多くなかったっけ?」と思っていたら号令がかかり、消防分団員が大勢、公園南側から駆け足で入場。


▲はしご乗りのために入場する消防団員

今回のはしご乗りの目玉は、一人だけですが女性がはしごに乗るということ。

近年目が悪くなってしまった私には、どの人が女性なのか見つけるのにずいぶん手間取りましたが、来賓席正面のはしごに乗っているのが女性のようです。


▲はしご乗りの演技(唐傘。左端が女性)

演目は比較的地味なものが多く、見ていてスリリングな技は出てきませんでしたが、安全性を重視する昨今の風潮がそうさせているのかも知れません。

11:00頃
消防音楽隊とカラーガード隊によるドリル演奏が始まりました。

1曲目は、冒頭に書いたシロトピア博のテーマソング「夢あるまち(姫路)」の行進曲バージョン。今回の出初式が初披露とのことでした。

その後は、ディズニー系の音楽が数曲披露されましたが、スケベオヤジとしては、視線はカラーガード隊のおねえさんにばかり向いてしまいます。

カラーガード隊のメンバーは、演技範囲の両脇に置いた箱の中から旗やポンポン、バトン等の小道具を出し入れするのですが、その様子がまるでステージマジシャンのよう。


▲消防音楽隊とカラーガード隊によるドリル演奏の様子

11:10頃
消防局高度救助隊と特別救助隊によるレスキュー隊演技が始まりました。

公園南の中央部に、ビルに見立てた櫓が建てられているのですが、これが大地震で倒壊し、内部に残された要救助者を救い出すという想定です。

公園内に緊急地震速報の音声が流れ、続いて消防署の中で使われているのであろう警報音が鳴り響き、無線特有の口調でレスキュー隊に出動命令が下ります。

救助工作車とはしご車が公園南側に進入し、隊員は班ごとに分かれて部隊長から指示を受けます。

指示を受けた隊員達は、倒壊したビルに近づくため仮想障害物(3m以上ありそうな壁)を、他の隊員を踏み台にして軽々と越えて行きました。


▲壁を軽々と越えるレスキュー隊員

ビルの入口は全てふさがっているという仮定なので、はしごを使って屋上へ上がり、屋上からロープを垂らして途中の階へ入っていきます。


▲ビルの中へは外から窓を通じて入る

地上と屋上をロープでつなぎ、そのロープを斜めに張って隊員が登る「斜めロープブリッジ」も披露されました。


▲斜めロープブリッジで屋上へ上がる隊員

はしご車からも隊員が降下。


▲はしご車からビルの屋上へ降下する隊員

この後は、斜めロープブリッジを使って要救助者を乗せた担架が地上に降ろされ、別の要救助者は、はしご車をクレーン代わりにして地上へ降ろされました。

11:20頃
消防ヘリが東の空から登場。神戸のポートアイランドに常駐している機体「ひょうご(JA28HY)」(機種:Kawasaki BK117C-2)です。

アナウンスによると、神戸から姫路まで15分ほどで来れるそうです。


▲兵庫県消防防災航空隊のヘリコプター「ひょうご(JA28HY)」から屋上へ降下する隊員

ヘリは隊員を降下させた後、一度公園上空から飛び去り、要救助者の吊り上げ準備が整ってから再度公園上空へ飛来。

ヘリから延びるロープに要救助者を固定し、ロープを巻き上げてヘリの機内へ収容しました。


▲ヘリがビルの屋上から要救助者を吊り上げる様子

これでレスキュー隊演技は終わりかと思ったら、また緊急地震速報が流れました。
何かの手違いかと思ったのですが、そうではありません。

「余震でビルが完全に倒壊する恐れがあるので、隊員は全員脱出」という旨の放送があり、ビル内に残っていたレスキュー隊員が一気に脱出。

屋上からロープを放り投げて垂らしたかと思ったら、ビルの東西の壁面では前向きに壁を駆け下りて脱出。
下りた後、隊員がロープから放れるのが素早い!

自衛隊の降下は、下りた後に手間取っている印象があります。


▲ビルの南北では通常の降下、東西では前向きに駆け下りていた(矢印の2人)

最後は、ヘリがサイレンを鳴らしながら、来賓席の真上を東から西へ低空で航過飛行。
これはかっこええ。

11:30頃
レスキュー隊展示が終了し、少年消防クラブによる初期消火演技が始まりました。


▲初期消火演技に参加する小学生と女性消防団員が整列している様子

演技の内容は、まず水消火器の実演。続いて、ビル等の屋内で見かける消火栓を使った放水です。

普通の消火栓では水を一直線にしか吹き出せませんが、今回は特別にクアドラノズルに換装されたホースを使っていたため、噴霧も披露されました。


▲消火栓を使った放水(ホースの先端は、消防隊が使用するクアドラノズルに交換されている)


▲ノズルを切り替えて噴霧をしている様子

今回の見所は、150年前の手押しポンプを使った放水。

手押しポンプは田舎で稀に見かける(使われておらず、放置されたもの)のですが、私はあの大八車のような形のまま使用するものだと思っていました。


▲150年前の手押しポンプ(保管・運搬時の形状)

今回の演技で初めてそれが稼働している様子を見ることが出来ましたが、使う前に、まずポンプが台車から外されました。

そこへ給水用のホースを接続し、子供達と女性消防団員が一生懸命キコキコとポンピング。
ホース先端から噴き出す水流は、もちろん現代のポンプと比較になりません。

屈強な消防隊員が操作していたら、結果は変わっていたのかも。


▲手押しポンプを使用している様子


▲手押しポンプの先にあるホースから出る水流(矢印)の様子

11:40頃
最後の演技、一斉放水が始まりました。
アニメ忍たま乱太郎のテーマ曲「勇気100%」に合わせて放水します。

あちこちのノズルからの水が、歌に合わせて噴き出したり止まったり、ホースを振って空中に水の曲線を描いたり、かなり凝った演出でした。


▲一斉放水の様子

面白いのは、放水の水しぶきの中、消防服をまとった消防隊員がダンスをしていたこと。
女性消防隊員のアイディアだそうです。


▲歌に合わせて踊る隊員と、同じく歌に合わせてインパルス銃を発射する隊員

11:45頃
一斉放水が終了し、最後の車両観閲が始まりました。

車両観閲は、公園南側を西から東へ参加車両が走り、その後はそのまま公園から出てそれぞれの車庫へ帰っていくというもの。

観閲の様子を見るより、沢山の消防車が赤色灯を回して待機している様子を見る方が迫力があって楽しい。


▲観閲の順番待ちをしている消防車

たくさん並んでいる消防車の脇を抜け、帰路に就きました。