播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

福知山駐屯地創立記念行事(2015年10月4日)

本日は、京都府にある福知山駐屯地創立記念行事に出かけてきました。
 
姫路から福知山への経路ですが、当初の予定はこう。
 7:32(姫路)~8:22(寺前) 播但線(寺前行)
 8:27(寺前)~9:17(和田山) 播但線(和田山行)
 9:46(和田山)~10:25(福知山) 山陰本線(福知山行)
この行き方なら、片道¥1,940。

金額が安いし、地理的には姫路から見て京都よりも近いので、券売機で切符を買えばすぐに行けると思い、7:25頃にJR姫路駅に到着。
 
ところが、券売機では福知山までの切符が買えません。路線図に福知山線は描かれているものの、福知山駅が表示されていないのです。
 
上の経路と同じ金額(¥1,940)のボタンが券売機に表示されるのですが、それを押すと行き先の候補がいくつか表示され、その中に福知山はありません。
改札口の駅員さんに尋ねると、「福知山へ行くには、ルートによって運賃が変わる」とのことで、みどりの窓口へ行くと行列。。。
 
その時点で7:32を過ぎてしまったので、慌ててiPhoneでルートを再検索。

福知山駐屯地の模擬戦闘訓練展示の開始時間は11:35。
福知山駅から会場までは距離約1.5kmありますが、徒歩で行くつもりだったので、現地で良い場所を探したり、飲み物や食べ物の補充でコンビニに立ち寄る時間を考えると、11時までには福知山駅に到着したい、という条件で検索。
すると、以下の経路が見つかりました。
 
 7:56(姫路)~8:55(京都) 新幹線ひかり460号
 9:25(京都)~10:41(福知山) 特急はしだて1号

両方を指定席にしたので¥7,410もかかりましたが、特急はしだての車窓の風景は風光明媚で、かなり楽しめました。

10:41
JR福知山駅に到着。
 

▲JR福知山駅(南口)の様子
 
駅から南へ出て正面に見える道を道なりに南へ進みます。
(福知山駅南口には公園があり、C11形式40号蒸気機関車と転車台が展示されているのですが、朝は時間がなかったのでその前を素通り。帰りにゆっくり見物しました。)
 
国道9号線を渡り、なだらかな坂道を登っていくと、中央に池がある大きな窪地が左側に見えてきます。これは大谷公園(トイレあり)。

この公園がある交差点を左折し、最初の角を右に曲がれば、あとは道なりに進むだけで模擬戦闘訓練が行われる福知山訓練場です。
 

▲福知山訓練場の位置
 
以下のURLをクリックすると、今回私が見学した位置をGoogleマップで表示出来ます。
 
 

▲福知山訓練場西側の様子
 
道路に立ち見客が並び、車が通る度に隊員さんが交通整理をしているという状態。

初めて来る場所なので、見学や写真撮影に適した場所がよく分かりませんでしたが、三脚を据え付けたマニアっぽい人が多いので、どうやらこの西側部分が良いようです。

西側の道路上は訓練場よりも数メートル高くなっているので、スタンド席から見学しているかのように、訓練場全体を見渡すことができます(一部電柱や立木が邪魔な場所もあります)。
 
11:00
ちょうど観閲行進の真っ最中に、福知山訓練場に到着しました。
 

▲観閲行進の様子(高機動車と、それに続く軽装甲機動車の車列)
 
私にとって珍しかったのは、車両の乗員が何かしらの火器を装備していた点。
 
例えば、高機動車の後部座席に乗っている隊員が5.56mm機関銃 MINIMI(ミニミ)を構えていたり、軽装甲機動車の隊員がハッチを開けて110mm個人携帯対戦車弾を構えた姿のまま行進しているのです。


▲01式軽対戦車誘導弾を構えた隊員が乗る軽装甲機動車

行進する部隊の中には、我が街姫路に駐屯する第3特科隊の155mmりゅう弾砲FH70や、青野原(あおのがはら)駐屯地の第343高射中隊の03式中距離地対空誘導弾(中SAM)、他にも今津駐屯地の第3戦車大隊からの車両も混じっていました。


▲姫路から来た155mmりゅう弾砲FH70


▲青野原駐屯地から来た03式中距離地対空誘導弾


▲第3戦車大隊所属の74式戦車

11:15頃
国旗を持った隊員が退場しました。これで観閲式は終了。

お楽しみの模擬戦闘訓練の準備にかかる時間を利用し、ラッパドリルや格闘展示、太鼓演武が行われました。


▲ラッパドリルの様子


▲太鼓演武の横で模擬戦闘訓練の準備作業が続く


▲格闘展示の様子

私がいた福知山訓練場の西側は仮想敵の陣地ということで、事前に軽装甲機動車と74式戦車、それに数名の隊員が模擬戦闘訓練の準備をしていたのですが、気になったのは74式戦車の車長が持っていた携帯端末。

古い戦車ですが、改修を続けて現代戦にも対応出来るようになっているのでしょうか。


▲携帯端末を操作する戦車長

11:40
「状況開始」のラッパが鳴り、いよいよ模擬戦闘訓練が始まりました。

私のいた場所ではアナウンスが聞こえず、ストーリーは全く分かりませんでしたが、私たちの目の前にいる仮想敵陣地を、訓練場の東側から各種装備を使って制圧するという流れのようです。

まずは仮想敵の指揮官を、訓練場東端に潜んでいた狙撃手が狙撃。
続いて、偵察ヘリ(OH-6D)が敵の状況を偵察に来ます。

さらに、UH-1が飛来して隊員を降下させました。


▲UH-1から降下する隊員

偵察のためにオートバイに乗った部隊も登場。
グラウンドに置かれたジャンプ台で華麗なジャンプを披露してくれました。


▲ジャンプを披露するオートバイ(ヘリのローターの動きを撮るためにシャッタースピードを落としていたことを忘れて撮影したのでブレブレ)

アナウンスが聞こえず状況は分かりませんが、敵の反撃が強力だったのか、オートバイ部隊と装甲車両は仮想敵と銃撃戦を繰り広げた後、一旦撤退。

そして、155mmりゅう弾砲FH70が仮想敵陣地、つまりこちらに向かって砲撃しました。もちろん空砲ですが。

この砲声のすさまじさは、是非一度生で体験して頂きたい。
周辺の空気が、一つの塊になって振動しているような感覚です。

弾着は花火で表現するのですが、これも中々の音。


▲155mmりゅう弾砲FH70の空包射撃

大きな爆発音がする時には下の写真のようなプレートを隊員さんが掲げてくれるので、大音響が苦手な方も安心。


▲大きな音に注意するよう案内する隊員

仮想敵陣地は有刺鉄線で守られていましたが、それを爆破して進路を確保。

その後は、74式戦車2両が同軸機銃を発砲しながら進入し、さらに主砲も発射(もちろん空砲)。
これら2両の戦車の主砲は私たちの方を向いているので、とてつもない迫力。

仮想敵もそれに応じて主砲を発射。

こんなのを見られただけでも、福知山へ来たかいがありました。

戦車戦の後は、唐突に74式戦車の姿勢制御機能のデモンストレーションが行われました。


▲サスペンションを制御して姿勢を様々に変化させる74式戦車

最後は敵陣地を制圧するために小銃小隊が突撃します。

小銃小隊は96式装輪装甲車に乗り込んでいて、96式装輪装甲車は12.7mm重機関銃M2を派手にぶっ放しながら進入してきました。


▲96式装輪装甲車(煙は12.7mm重機関銃M2の硝煙)

最後はFH70の砲撃で弱体化した敵陣地に向け車両が一斉に射撃をしながら接近し、96式装輪装甲車からは小銃小隊が飛び出します。

硝煙の中から現れた74式戦車の格好良さには、しびれました。


▲硝煙の中を突撃してきた74式戦車

小銃小隊の射撃音も、小口径ですが人数が多いためかなりの迫力。


▲発砲しながら敵陣地へ近づく小銃小隊

最後は敵陣地に旭日旗を立てて制圧完了。


▲制圧した陣地に旗を立てる隊員

11:55
ど迫力の模擬戦闘訓練が終了。
「すごかった」「面白かった」としか言いようがありません。

2015/10/07追記
YouTubeにこの日の模擬戦闘訓練の様子を撮影した動画がアップロードされていたので、転載します。

▲watam34さんが訓練場北東で撮影し、YouTubeで公開されている動画です。こういった動画は、撮影者の声が入らないように撮影されているものが多いですが、撮影者さんとお連れの方の会話が入っていて、臨場感のある動画になっています。
2015/10/07追記ここまで

この後は装備品展示がありますが、特に目新しいものはなさそうだったので、来る途中の列車の窓から見て気になっていたお城(福知山城)を見に行くことにしました。

地図で確認すると、福知山訓練場から福知山城までは、歩いて行けないこともありませんが、暑いので楽をしたい。

レンタサイクルがあるかなとiPhoneで検索すると、福知山駅の観光案内所にあることが分かったので、自転車を借りるために福知山駅へ徒歩で移動。最初から自転車を借りていれば良かった。

来る途中でゆっくり見られなかった福知山駅南口のSLも見物。


▲C11形式40号蒸気機関車・転車台

12:35
福知山駅まで戻ってきました。

途中、大谷公園でトイレに行ったり、大谷公園近くの広峯古墳公園、駅南のSLを見物したりしていたので、時間がかかりました。

福知山駅の北口を出てすぐ右に観光案内所があります。
そこで身分証明書を提示してレンタサイクルを借りました。

電動自転車と普通のを選べるのですが、福知山城までは1km少々なので、普通の自転車を選択。

 福知山観光案内所
 電動自転車: ¥500(2時間以内)延長する場合は1時間毎に¥200
 普通の自転車: ¥400(2時間以内)延長する場合は1時間毎に¥100
 営業時間: 平日9時~17時/土・日・祝10時~17時

福知山駅から北へ出たら、府道24号線を東へ。
すると、すぐに福知山城が見えてきます。

12:54
道が府道55号線に変わる付近に古い橋のような歩道橋があるのですが、その歩道橋南端が福知山城への入口になっています。

下のURLをクリックすると、福知山城の入口の位置がGoogleマップで表示されます。


福知山城天守閣
郷土資料館・産業館ごあんない
開館時間:午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日:火曜日、祝日の翌日、12月28日から12月31日まで、1月4日から1月6日まで
入館料:大人 320円、小人 100円
(出典:現地の看板)


▲福知山城の登城口(右の坂道)

簡易舗装の坂道を登ると、すぐに天守閣のある本丸に出ます。


▲福知山城(外観のみ復元。内部は資料館)

福知山城
 福知山城は天正年間明智光秀の縄張りと伝えられ慶長年間にいたり近世城郭として完成されました
 明治の廃城後わずかに残された本丸に多くの皆様の協力により大天守閣続櫓小天守閣が再建されました
 城郭研究の権威東京工業大学名誉教授藤岡通夫工学博士の復元設計による二重櫓に入母屋の大屋根をかけその上に小望楼をのせた姿は初期天守閣の様式をよく表しています

 構造 鉄筋コンクリート造 3層4階建
 延床面積 1063平方メートル
 総高 20.2メートル
 竣工 昭和61年11月9日

福知山市
(出典:現地の看板)

天守閣前の広場のベンチでコンビニおにぎりを食べて昼食をとり、食事後は天守閣内の資料館をのんびり見物(撮影禁止)。

石垣には、転用石や文字が刻まれた石が多く見られました。


▲天守閣を支える石垣の中には転用石が多い

13:35
福知山城を後にし、明智光秀が合祀されているという御霊(ごりょう)神社へ行くことにしました。
(福知山城の登り口近くの観光案内図に御霊神社が描かれていた)

自転車をこいで府道24号線を西へ戻り、ホームセンターコーナンが南に見える交差点を右折します。
そのまま道なりに北上すると、立派な森のある神社に出会います。これが御霊神社。

下のURLをクリックすると、御霊神社の位置がGoogleマップで表示されます。



▲御霊神社南西角の様子

13:46
御霊神社に到着。何やら賑やかな音楽が聞こえてきました。
東側へ回ってみると、すごい人だかり。今日はお祭りだったようです。

人が多く、ゆっくり見物することは出来ませんでした。


▲御霊神社の拝殿へ続く石段下の鳥居


▲御霊神社拝殿


▲御霊神社本殿

13:55
福知山駅へ向けて御霊神社を出発。

14:05
観光案内所に自転車を返却し、料金の¥400を支払いました(後払いです)。

福知山から姫路までのルートは、以下の経路を考えていました。運賃は\2,140。

 14:42(福知山)~15:09(谷川) 特急こうのとり16号(新大阪行)
 15:13(谷川)~15:42(西脇市) JR加古川線(西脇市行)
 15:45(西脇市)~16:31(加古川) JR加古川線(加古川行)
 ※加古川から姫路は通勤定期の範囲なので、定期を利用。

福知山駅の窓口で上記の経路の切符を購入し、特急こうのとり16号に乗ったら爆睡してしまいました。
目が覚めたのは、谷川を出た後。

仕方が無いので、こうのとりの次の停車駅「篠山口」で下車し、普通電車で谷川へ移動。

15:47
谷川駅まで戻ってきました。

ここからはJR加古川線で加古川へ向かうのですが、次の西脇市行の列車は16:54発。
1時間以上もあります。

谷川駅には大きな待合室があり、飲み物の自販機とテレビもあったので、なんとか暇つぶしが出来ました。

 16:54(谷川)~17:22(西脇市) JR加古川線(西脇市行)
 17:53(西脇市)~18:41(加古川) JR加古川線(加古川行)

18:41
加古川駅に到着。
当初の予定では16:31に着いていたはずですが、ちょっと寝過ごしただけで2時間も遅くなってしまいました。
ローカル線、恐るべし。

加古川からは通勤定期を利用し、新快速で姫路へ帰りました。

行きも帰りも列車で苦労しました(自分が悪い)が、迫力満点の模擬戦闘訓練を見られましたし、存在すら知らなかった福知山城や御霊神社を見学でき、充実した休日になりました。