播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

兵庫鳥取県境の三室山(1358.0m)に大通峠から登る

警告
今回紹介するコースは、整備された登山道ではなく、大半が踏み跡程度の道です。
所々道が分かりづらい場所があるので、初心者の方や、整備された山しか歩かない方にはお勧めしません。
 
「播磨の山々」という名前のブログなのに、最近は山歩きをしていません。
 
暑いのと、大嫌いな蜂が活発な季節であることが理由ですが、そろそろ山へ行きたいという禁断症状が出てきたので、蜂はしかたないとして、涼しそうな標高の高い山へ行くことにしました。
 
いくつか候補はあったのですが、最終的に決めたのは兵庫鳥取県境にある三室山(みむろやま)。
三室山は兵庫県で2番目に高い山で、一般的には南側から標高差700m近いきついルートを登るのですが、最近は山頂の西側にある大通峠(おどれとうげ)から登れるようになっている様子。
 
車を止める大通峠はすでに標高1000mを越していますし、峠から山頂までの距離は3kmほど。
距離3kmを歩いて標高差300mを上がるわけですから、ルートは比較的なだらか。
 
久しぶり(体が鈍っている)の山歩きには最適でしょう。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「西河内」
 
7:50
姫路市街の自宅を車で出発。
 
国道29号線を北上し、波賀町にある「斉木口(さいきぐち)」交差点を左折します。この道は国道429号線。
国道429号線を西進し、鳥ヶ乢(とりがたわ)トンネルを抜けてさらに西へ。
千種川(ちくさがわ)に突き当たったら右折します。

これを北へ進み、県道72号線に入ってさらに北へ。
 
やがて県道はちくさ高原へ向けて左へ曲がるのですが、その地点には直進する道路もあります。つまり三差路になっているのですが、ちくさ高原へは向かわずに直進。
 
集落や田んぼの中を北へ進んでいくと、最終的に丁字路に突き当たります。
ここは右を指して三室山登山口の道標があるのですが、それを左折して下さい。
 
この後は、アスファルト舗装の1車線幅の林道を延々と上っていきます。

地図では所々に分岐がありますが、大通峠へ続く道はアスファルト舗装で、分岐は未舗装ですから、間違えることはないでしょう。
 
9:55
大通峠に到着(地図中「P」)。
 
 
▲大通峠(おどれとうげ)の駐車スペース
 
ネットで予め調べておいた情報によると、峠からわずかに南へ下ったところに登山口があるとのこと。

登山口を示す看板などは一切ありませんが、左側のススキの斜面をよく見ながら峠道を下ると、それらしいところがありました。
ススキをかき分けると、足下の斜面は階段状にえぐれていて人が歩いていることが分かります。
 
 
▲登山口(奥に峠に止めた車が見えている。登山口は、よく見ないと分からない)
 
かなりの急斜面の上、滑りやすい黒土なので、ススキに掴まりながら慎重に登ると、すぐに自然林の気持ちよい尾根道になりました。
 
 
▲進路が右に直角に曲がるまでの尾根道の様子
 
登山道は兵庫鳥取県境沿いに付けられていますが、1132m標高点近くで直角に右に曲がります。
峠からその地点までの間は、上の写真のような雰囲気。
 
どこでも歩けそうですが、実際は道とそうでない場所の歩きやすさは雲泥の差。
私はうっかり道を外し、軽い藪漕ぎのようなことをしてしまいました。
 
道の続きが分からなくなったら、私のように適当に歩くのではなく、きちんと道を探すことをお勧めします。
 
10:20
1111m標高点を通過。
一旦鞍部へ下り、上り返します。
 
10:34
進路が直角に右へ折れ曲がる地点(地図中「変針ポイント」)を通過。
ここにはコンクリート製の標柱(漢数字で「三八」と書かれている)が埋まっている他、テープのマーキングもありました。
 
進路が東寄りに変わってからは、登山道の様子が今までと一変します。
 
 
▲変針ポイントから先の道の様子(奥に三室山山頂が見えている)
 
今まではブナの木が多い自然林の中の道で、木々のすき間から展望を楽しめましたが、この付近からは膝下丈のシダに地面が覆われ、木が少ないため大展望が広がります。
 
10:38
1132m標高点を通過。
 
10:57
1145m標高点を通過。
 
1145m標高点の先、等高線の間隔が広くなっている区間は、ほとんど木が生えていない膝丈のシダの海です。
大した斜度はないし、展望が良くて最高。
 
 
▲なだらかな場所の様子
 
11:05
このルートを歩いた人の山行記録をWebで見ると、必ずと言っていいほど登場する枯れ木のオブジェに出会いました(地図中「枯れ木のオブジェ」)。
 
 
▲枯れ木のオブジェ
 
標高1250mに近づいてくると、背丈以上の植物が生い茂る急斜面の道に変わります。
 
シダの海を歩いているときは展望が良く、虫もいなくて快適でしたが、道の両側に背の高い植物が出てくると、ハエが増えてきました。

息を整えようと立ち止まると体にハエがたかりますし、歩いていると時々大嫌いな蜂が大きな羽音を立てて私の横を通り過ぎ、落ち着きません。
 
 
▲山頂手前の様子
 
11:25
標高1250mで道は直角に右へ曲がり、わずかに下りながら南へ進んで県境から外れます。
が、道はすぐに東向きになって県境沿いに戻ります。
 
山頂直前で道は再び県境から外れて、山頂には真北からアプローチするようになっていました。

等高線間隔から推測出来るとおり急な斜面で、ぬかるんだ黒土で滑りやすく、山頂を目前にしてヘロヘロ。
滑らないように注意しながら、ゆっくり歩みを進めました。
 
11:34
三室山の山頂に到着。
ほぼ360度の大展望が広がる気持ちよい空間です。
 
 
▲ここから山頂に着いた
 
 
▲三室山山頂の二等三角点標石(点名:三室山)
 
他のハイカーの姿はなく、私一人。
耳を澄ましても熊よけ鈴の音や人の声は聞こえず、聞こえるのは虫の羽音だけ。
 
せっかく誰もいないので、このタイミングを利用してパノラマ撮影をしました。
 
 
三室山の山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年9月27日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/mimuro20150927/virtualtour.html
 
「どれが何山か知りたい」という方は、以下のURLにアクセスしてパノラマをご覧下さい。
上のパノラマ画像の中に、山の名前が書き込まれています。
 
 
パノラマ撮影が終わったら、お楽しみの昼食です。
本日のメニューは、エスプレッソパスタ(きのこソースのペンネ)
 
 
▲本日の昼食
 
周囲の山並みを眺めながら涼しい山頂で食べるパスタは、インスタントいえども格別です。
 
 
▲三室山山頂から氷ノ山を見る
 
 
▲三室山山頂から明神山と黒尾山を見る
 
食事が終わった頃、鈴の音が聞こえたと思ったら、私が登ってきたのと同じルートから女性が登場。

その後に続いて登ってきた男性は、なんと、兵庫県内の山歩き、マウンテンバイクに関する情報が充実したWebサイト「山であそぼっ(http://www.ne.jp/asahi/shimada/yama-aso/)」の管理人「やまあそ」さんでした。
やまあそさんとお会いするのは何年ぶりだろう。

すごい偶然に嬉しくなり、次から次へと山道具を紹介(自慢)させてもらいました。
 
見える山リストを持ってくるのを忘れて来たので、氷ノ山以外の山が分からなかったのですが、やまあそさんに色々な山を同定していただいて双眼鏡で観察。
 
13:05
父親と息子と思われる2人組が一般的なルートで南から登ってきたのと入れ替わりに、私はやまあそさん一行と下山開始。
 
往路をそのまま引き返し、駐車地である大通峠へ向かいます。
 
登りはひとりぼっちで、iPhoneのスピーカーから流すポッドキャストの音声で寂しさを紛らわせつつ動物避けをしていましたが、下りは総勢3名なので心強い。
 
 
▲やまあそさん達と共に下山
 
14:15
大通峠に戻ってきました。
 
やまあそさん、オードリーさん、おつきあい頂きありがとうございました。
 
峠でお二人と別れ、私は三室の滝(地形図では「燗鍋滝」)を見物。
鳥居が滝の入口になっていて、その向かい側に車を止めるスペースがあります。
 
 
▲三室の滝入口
 
 
▲三室の滝前の駐車スペース
 
鳥居から数十メートルで滝の前に至ります。
3条の水の流れがありますが、中央の流れだけ滝壺で跳ね返り、水が上向きに噴き出しているように見える不思議な滝です。
 
 
▲三室の滝
 
滝見物を終え、往路と同じ道順で自宅へ。
 
16:20
自宅に到着。