播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県加西市の笠松山

今日は雲が多いですが、雨が上がって空気中のチリがなくなったのか、空気が澄んでいました。
 
しかし、普通の山道なら雨上がりは路面がグジュグジュで滑りやすく、植物の表面には水滴が付いていてズボンがびしょ濡れになり、気持ちよく山歩きを楽しむことは出来ません。
 
植物が少ない岩山なら、ぬかるんだ道で滑る心配も無く快適に歩けるだろうと思い、大パノラマを楽しみながらご飯を食べるために、加西市の笠松山へ出かけてきました。
 
古法華自然公園の東側の駐車場に車を止めて徒歩で峠を越えて西へ進み、石彫アトリエ館裏から笠松山に登って、下山時に吊り橋を渡って峠に下りるという、土の路面の区間が短いルートです。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「笠原」
 
以下のURLをクリックすると、Googleマップで駐車場の位置が表示されます。
 
11:00
姫路市街の自宅を車で出発。
 
国道372号線を東進し、「善防(ぜんぼう)」交差点(三差路)を左折。ここからは県道43号線です。
県道を北上し、「王子町」交差点(三差路)を左折。ここからは県道81号線。
 
右手に善防中学校を見ながらゆるやかな右カーブを進んでいくと、加西市観光案内図が立っている三差路に出会うので、左折。
これが登山口のある古法華自然公園へ続く道です。
 
正面の山がだいぶ近づいてくると、道の左側に駐車場があるのに出会います。
 
11:45
駐車場に到着(地図中「P」)。

 
▲駐車場の様子
 
11:50
靴を履き替え、GPSの捕捉を待って出発。

駐車場から西へ、急で狭い1車線幅の車道を上っていきます。
 
 
▲峠道にはアジサイが咲いていた
 
11:56
峠を通過(地図中「つり橋」)。
頭上にはつり橋が通っています。
 
 
▲頭上につり橋が架けられた峠の様子
 
12:01
峠から西へ下りきってしばらく(峠から約250m)進むと、駐車場とトイレがあります(地図中「トイレ」)。

この駐車場を起点に山歩きを楽しむ方が楽ですが、峠越えが準備運動になるので、私はいつも今回使用した駐車場を利用しています。
 
 
▲トイレ
 
トイレで用を足し、このトイレ裏にあるアスファルト舗装の道(車両の通行は禁止)を少し登ると、石彫アトリエ館と呼ばれる建物があります。
 
 
▲石彫アトリエ館(飲み物の自販機あり)
 
石彫アトリエ館と古法華寺の前を通り過ぎると古法華石仏が納められた収蔵庫があり、その建物を時計回りに回り込むように進むと、七福神の石像に出会います。
 
12:05
この七福神が登山口。
七福神の背後にある岩の斜面が登山道です。
 
ちなみに、古法華石仏について説明されている記念碑があるので、その内容を掲載しておきます。
 
記念碑
昭和の脚光 古法華山の沿革
当古法華山は、前方に善防山系背後に笠松山系等八葉の花びらに囲まれた蓮華台上に位置し、古しえより遠道の里人の進行する風光明媚霊験あらたかなる霊場である。 本尊石造浮彫如来三尊像は、居間を去る約千三百年前、奈良朝前期所謂白鳳時代の石造彫刻で、我国最古最優秀の石佛であり昭和三十六年六月その厨子屋蓋、彼の大和法隆寺の玉蟲厨子を想像する行基葺入母屋造り屋蓋と共に、国の重要文化財に指定され、奈良国立博物館に保管、広く国内外にその古色偉容を示していたが、今般地元八ヶ町の振興と愛着の熱意と国、県、加西市の強力により、現地に収蔵庫の建設と石佛の修理を完了して十年振り待望の帰山なり報地を荘厳し、我々先祖代々地元民の信仰の帰趣、偉大なる石佛として、子々孫々永く後世に遺すことになった。
 いにしえに聖人のいますあとなれば
  これぞまことの 法の花山
悠久ここに千三百年、佛日愈々輝きを増し法輪常に転じ、悲日とこしなえに明らかに、四海安泰し家門繁栄交通安全、諸縁吉祥ならんことを。
 維持 昭和四十六辛亥年五月五日
 石造浮彫如来収蔵庫建設落慶之日
  古法華山管理
   多聞十六世大忍隆沙門謹誌
(出典:現地の記念碑)
 
 
▲古法華石仏の収蔵庫
 
古法華石仏は通常公開されていませんが、以前、たまたま公開されている現場に出くわした際に撮影した写真を紹介します。
 
 
▲2012年に撮影した古法華石仏
 
 
▲登山口となる七福神石像
 
登山道は私の大好きなイワイワした道で、雨上がりで多少湿ってはいましたが、グリップは良く、スイスイと登っていけました。

途中で平坦な土の道も一部ありますが、大半は露岩の道です。
 
エサの虫を探しているのか、登山道のすぐ上をたくさんのツバメが飛び交い、ツバメに案内されながら登っているように感じられて、タダでさえイワイワした道を歩けて満足しているのに、さらに満足度アップ。
 
湿度は60%を越えていましたが、気温が低く(セ氏24度)、風もあって暑がりの私でもほとんど汗をかかずに歩けました。
 
 
▲石彫アトリエ館からの道は大半がこのような雰囲気
 
 
▲登山道から笠松山山頂を見る
 
12:15
笠松山の山頂が見えてまもなく、分岐(三差路)に出会いました(地図中「分岐」)。
私が登ってきた道を指して「石彫アトリエ館」、左は「笠松山展望台」、右は「つり橋」となっています。

山頂の展望台を目指してここは左へ。下山時はここからつり橋へ下りました。
 
 
▲分岐の道標
 
12:17
山頂直下の鎖場を通過。
岩にステップが刻まれているので、登りでも下りでも、鎖に頼る必要はありませんでした。
 
 
▲鎖場の様子
 
12:19
展望台のある笠松山の山頂に到着。
 
立派な展望台の下には、根元に近い部分まで露出した三等三角点標石(点名:法華山)が埋まっています。
 
 
▲笠松山山頂の様子
 
展望台に上ると、360度の大パノラマです。
 
 
笠松山山頂の展望台で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年6月27日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kasamatsu20150627/virtualtour.html
 
 
双眼鏡を覗くと明石海峡大橋の橋脚はくっきり見えますし、淡路島は多少白っぽいものの風力発電の風車もよく見えます。小豆島も輪郭ははっきり見えていたので、今日の笠松山からの視程は60kmといったところ。
 
 
▲明石海峡大橋の橋脚
 
 
▲淡路島(風力発電用の風車が見える)
 
 
▲家島諸島の西島の向こうに小豆島
 
この素晴らしい景色を眺めながら、イトメンのチャンポンめんと井村屋のスポーツようかん(毎回食べてるなぁ)で昼食。
 
気温24度で風速2~3mの風が吹き続いていて、登っているときは快適でしたが、じっとしているとちょっと寒いくらいだったので、熱々のラーメンはちょうど良かった。
 
13:18
いつものようにぼーっと1時間休憩し、下山開始。
 
13:22
12:15に通過した分岐まで戻ってきました。下山はつり橋からと決めていたので、「つり橋」方面へ入ります。
 
分岐から少しの間は急な下り斜面ですが、それを下り切ると開けた尾根に出ます。
ここからは、下山に使う稜線を見渡すことが出来ました。
 
 
▲下山に使う尾根を見渡せる
 
道が南へ向きを変える付近の小ピーク周辺は道の左右の植物が鬱陶しいですが、それ以外は開放的な道で気持ちよく歩けます。
 
所々に分岐がありますが、正規ルートははっきりしているので、(全く地形図も見ず、ルートを把握せずに歩く場合を除いて)間違えてあらぬ方向へ入り込むことはないでしょう。
 
13:42
つり橋を見下ろす地点に来ました(地図中「つり橋」)。
ここからは、やや急な岩の斜面をつり橋へ向かって下ります。
 
 
▲つり橋を見下ろす
 
急な斜面ではありますが、山歩きに慣れている方なら簡単に下れる斜面ですし、鎖が設置されているので、それを使えば誰でも簡単に下りられます。
 
つり橋の直前だけは斜度がかなり急ですが、つり橋に向かって左側になだらかに下りられるルートがあります(鎖は右側の急斜面についています)。
 
 
▲つり橋の様子
 
このつり橋は長さが20mほどと短いですが、よく揺れるので楽しいですよ。
逆に言うと、高所恐怖症の人は要注意です。
 
つり橋を渡りきったら、道は直進と右折の二股に分かれています。
右へ延びる道を下ると、すぐに峠に降り立ちます。
 
後は峠道を東へ下り、駐車場へ戻るだけ。
 
13:53
駐車場に戻ってきました。