播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

クッカー(コッヘル)の火傷防止加工

山用のクッカー(コッヘル)でラーメンを作ったりした後、さて食べようと思って金属棒を曲げただけの取っ手を持つと、火傷をすることがあります。
 
早くお湯を沸かしたいと思ってストーブの火力を上げ、炎がクッカー底面からはみ出して、取っ手まで加熱してしまっているのでしょうか。
 
これの対策をネットで調べてみると、やはり困っている人はいるらしく、シリコンチューブやフッ素ゴムのチューブを取っ手にはめている人のブログが複数出てきました。
 
シリコンチューブ - 自然が大好き
http://iwatekko.blog63.fc2.com/blog-entry-693.html
 
クッカーハンドル あっちっち 防止 その後(--; - 自然が大好き
http://iwatekko.blog63.fc2.com/blog-entry-699.html
 
クッカー シリコンチューブ: フィッシングチーム魚心
http://uogokoro.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-9fee.html
 
素材を考える シリコンチューブ ~チョイネタ~ | いいもん見つけた&手作り・アウトドアー - 楽天ブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/temaemiso/diary/200904100000/
 
検索すれば、他にも色々と出てきます。
そこで、私も真似をしてクッカーの「火傷防止加工」に挑戦。
 
取っ手にはめる断熱材として使う素材ですが、ネットでよく見かけるのは半透明のシリコンチューブです。
しかし、耐熱性について検索してみると、シリコンゴムよりもフッ素ゴムの方が優れているようです。
 
そして、シリコンゴムが半透明なのに対してフッ素ゴムは黒色。
取っ手にはめたときに見栄えが良い上に性能も良いので、フッ素ゴムのチューブを使うことに決めました。
 
チューブの内径も問題です。
手持ちのクッカーの内、火傷をすることがある2種類のクッカーの取っ手の外径をノギスで測ると、それぞれ3mmと3.5mmでした。
 
内径4mmのチューブだとスカスカになり、加熱中に勝手に動いて炎で炙られかねませんし、内径が3.5mmのチューブは見つからなかったため、内径が3mmのフッ素ゴムチューブを用意しました(内径3mm、外径5mmのフッ素ゴムチューブは、長さ1mで1,000円~2,000円)。
 
 
▲クッカー本体から外した取っ手と、適当な長さに切ったフッ素ゴムチューブ
 
さっそく取っ手の端をチューブにぐいぐい押し込んでみますが、外径3mmの取っ手でもなかなかチューブが進んでくれません。

さすがはゴム。摩擦が大きい。
 
先人達のブログによると、台所洗剤を潤滑剤にすれば良いとのこと。

最初は取っ手に洗剤を塗りましたが、確かに効果は出るものの、滑って取っ手を持つのが難しくなってしまいます。しかも、潤滑剤としての効果が長続きせず、チューブを押し込む指先や爪の周囲が痛くなってきます。
 
取っ手を持つ手は滑らないようにしつつ、取っ手の表面とチューブ内の摩擦を、チューブの全長に亘って小さくするにはどうすれば良いか考えたら、チューブの中に洗剤を入れる方法を思いつきました。「いや、普通は考えなくてもそれくらい分かるだろう」と言われそうですが。。。
 
そこで、チューブの中に洗剤を注入して再度挑戦。
 
 
▲フッ素ゴムチューブの中に食器用洗剤を注入
 
すると、今度は面白いように取っ手がチューブの中にスルスルと入っていきます。
 
取っ手には直角に曲がっている部分と、半径が小さいカーブを描く部分がありましたが、それらの難所も軽々と突破。
 
チューブを引っ張るより、押していく方が楽です。

進みづらくなったら、チューブのおしりの方を押しながらもう一方を引っ張ったり、チューブをねじってみたりすると、またスルスルと動き出します。
 
これなら指先が痛くなりません。
 
 
▲直角部分でもスムーズに入った
 
最後の方では、チューブの端から余った洗剤があふれ出すので、流し台などで作業をすることをお勧めします。(この記事の写真の背景は流し台です)
 
外径3mmの取っ手は難なくチューブをはめられましたが、外径3.5mmの取っ手でも、洗剤の威力で内径3mmのチューブに楽に通せました。
 
出来上がりは、チューブの色が黒いおかげで既製品のよう。
 
 
▲フッ素ゴムチューブを取り付けた取っ手
 
非常に簡単な改造ですが、クッカーの利便性が格段に向上しますよ。